演劇

2009年9月27日 (日)

コースト・オブ・ユートピア in シアター・コクーン・立派な主演でした。

戯曲:トム・ストッパード
演出:蜷川幸雄
こんなお芝居でした
帝政ロシア末期の19世紀中葉。圧制に苦しむ農奴解放を提唱して(デカプリストの乱)失敗し、西欧に亡命した貴族階級の思想家たちの35年に及ぶ大河ドラマ。主人公に西欧で著作や出版により、農奴解放の思想的よりどころとなったゲルツェンをすえ、友人の5人の思想家及び芸術家、その妻子及び恋人たちの理想、行動及び恋愛を、分厚くうねりのように見せる。
アレクサンドル・ゲルツェン・思想家/阿部寛
 主人公。理想的社会主義を唱える。
ミハイル・バクーニン・革命家/勝村正信
 性格及び経済的に破綻気味の革命家で入獄を繰り返す。
ニコライ・オガーリョフ・詩人/石丸幹二
 アル中。資産家のおぼっちゃま
ヴィッサリオン・ベリンスキー・文芸評論家/池内博之
 無産階級出身。芸術の限界に苦悩し、赤貧のうちに落命
イワン・ツルゲーネフ・作家/別所哲也
 ロシアに文学が無いと言われた時代に先鋒として成功を収める。
ニコライ・スタンケーヴィチ・哲学者/長谷川博巳
 人望があり貴族の思想家たちの中心となるが薄命

主人公は、亡命中ゆえ、実際のロシアの改革に活動家としてまったくかかわっておらず、西欧で相次いで起きた革命の結果生まれた民主主義社会が迷走し、経済的にも破綻するのを目の当たりにし、知識階級が構築する「理想的社会主義」を無血により実現するべきであると提唱する。現代の私たちは、「理想的社会主義」が支持されず、そのような政体が出現することは無かったことを知っている。ゆえに非常に感情移入しにくい。
しかし、農奴解放からロシア革命という歴史の転機は、ペレストロイカから社会主義国家ソビエト連邦の崩壊といったプロセスと酷似し、混迷の現代社会を考えるよすがとなる。
とにもかくにも正午から午後10時20分まで、日常考えることのほとんどないロシア史から学ぶ現代社会の意義と、次の時代へ成さなければならないこととは…と考え続ける時間を持たせていただいた。
出ずっぱり。台詞は皆長台詞の阿部寛さん。ご立派でした。
ぴかちゅうさま、さくら丸さま、さくらひめさま、ご一緒させていただいたおかげで乗り切れました。ありがとうございました。

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2009年9月13日 (日)

彩の国さいたまシェイクスピア・シリーズ公式ブログが更新

彩の国さいたま芸術劇場開館15周年記念公演 
彩の国シェイクスピア・シリーズ第22弾「ヘンリー六世」
演出 蜷川幸雄
作   W・シェイク スピア
翻訳 松岡和子
構成 河合祥一郎
出演 上川隆也
    大竹しのぶ

ニナガワが描くシェイクスピア最大のスペクタクルドラマ!
瞬く間に駆け抜ける激動と波乱の50年間 凝縮した6時間の大河ドラマ
国境を越え、王座をかけた戦いがはじまる!

6時間…。9時間を制覇から考えよう。

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2009年7月12日 (日)

子供のためのシェイクスピア・マクベス

びわ湖ホール
12日(日)、びわ湖ホール公演を拝見した。
原作:ウィリアム・シェイクスピア~小田島雄志翻訳による~
脚本・演出:山崎清介
キャスト:マクベス・石田圭祐、マクベス夫人・マクダフ/伊沢磨紀、ダンカン・メンティース/彩乃木崇之、バンクォー・ケースネス/戸谷昌弘、マクダフ夫人・ドナルペーン他/キム・テイ、マルカム/若松力、レノックス/窪田壮史、ロス・人形/山崎清介

今年の子供のためのシェイクスピアカンパニーは、15周年記念公演マクベスで、びわ湖ホールが初日だ。恒例のイエロー・ヘルメッツの歌と踊りは京都観光がテーマのコミックソング。
今年のマクダフは例年より原作に忠実で、入れごとが少なかったような。ファイティングもかなりの迫力で死に様も赤い絵の具を使ってリアリティあった。マクベスの石田さん、マクベス夫人の伊沢さんがそれらしくて、いつものそれらしくない人が演じる方が好みのワタクシは、伊沢さんのマクダフに一票。人形のウイルはアンガスで、ロスと一緒に登場する。また、山崎さんのへカティ、伊沢、キム、若松の三人の魔女もシュールで子供が泣きそうな不気味さだ。
いつもながら、子供も大人も納得のお芝居らしいお芝居だった。

終演後、30分のトーク付き。少ない人数で演じるのは、楽屋に戻らず常に舞台上に居たいから、装置を机と椅子しか使わないのは、子供さんたちに真似していただきたいからだそうが。シェイクスピアの原文の美しい詩を楽しめないので、説明台詞を刈りこみ、わかりやすいものだけを残しておられるようだ。
初日は不慣れであったり、いろいろアクシデントもあるが、緊張している役者を見ることができるという貴重な機会なのでお得だそうだ。
これから、東京から全国へ一月半の夏旅だが、お元気で怪我のないよういってらっしゃいませ。

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2009年7月 7日 (火)

桂米朝一門会 in 京都四条南座

桂米朝一門会 in <br />
 京都四条南座桂米朝一門会 in <br />
 京都四条南座
寄席だが、馴染みのある南座だと怖くない。毎年七月七日恒例の米朝一門会に初めて聞きに行ってみた。
今年は七夕さんが十五夜で、星と月がいっぺんに見られますな。きらめくスターさんと満月のええ夜でした。

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2009年7月 3日 (金)

桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版 in シアターコクーン・最も輝いた者が主演だ

コクーン
6月28日(日)、マチネを拝見。
「桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版
(せいげんあじゃりあらためなおしなんべいばん)」
作:四世鶴屋南北、脚本:長塚圭史、演出:串田和美
キャスト
マリア(桜姫)/大竹しのぶ、セルゲイ(清玄)/白井晃、ゴンザレス(権助)/中村勘三郎、イヴァ(長浦)/秋山菜津子、ココージオ(残月)/古田新太、イルモ(入間)/佐藤誓、墓守・孤児院長他/笹野高史他
あらすじ
上流社会に生まれながら左手が開かない16歳の娘マリアは、ある事情で修道院に入ることを決意し、聖職者セルゲイのもとへやってきた。セルゲイが祈ると、開かなかったマリアの手が開き、中から宝玉の片割れが現れた。驚愕するセルゲイ。
セルゲイは、16年前、衆道の相手ジョゼと心中を図り、ジョゼだけを死なせ生き残ったのだった。以来、大きな十字架を背負い、高徳の師として信徒の尊敬を集めている。自分の持っている宝玉の片割れと一致する玉を持っているマリアは、ジョゼの生まれ変わりと知り、因果の輪廻におののく。
しかし、マリアはセルゲイの事情などどうでもよい。1年前の15歳の暴動の夜、レイプされ子まで孕ませられた男ゴンザレスが忘れられない。偶然、ゴンザレスと出会い、密通する現場を見咎められ、上流社会から放逐されてしまう。セルゲイは、密通の相手は自分と偽りの名乗りを上げ、その後を追う。
下層社会へゴンザレスを追うマリア、マリアを追うセルゲイ。セルゲイと共に下層社会に転落したココとイヴァの夫婦。
流転のマリアをめぐって、色欲と流血の巷を彷徨う人間たちの行き着く果ては…。
こんなおしばいでした
歌舞伎の「桜姫東文章」は、四世鶴屋南北の傑作で、1970年代の坂東玉三郎丈の当たり役で、近年も、玉三郎丈、福助丈で上演されている。タイトルロールの桜姫が内包する神性と魔性、姫詞とばらがき詞、立役の清玄と権助の二役による脆弱な聖人と強かな悪党と、役者の二面性の妙味と荒唐無稽なジェットコースタードラマを楽しむものだ。
今回の現代版は、脚本に長塚圭史、演出に串田和美、キャストに各カンパニーの座頭級というか主演級をずらりと並べた綺羅星の才能のコンプレックスだ。

見始めて直ぐ、これはこれは「桜姫東文章」のプロットだけを借りた長塚圭史さんの一筋縄ではゆかないえらいこっちゃのお芝居と気付いた。
江戸時代の日本を近代の南米に翻案するのが大成功。仏教からキリスト教に宗旨替えすることにより、「まいっか、何でもあり」で済ませていたことがとてつもない罪悪となる。衆道は日本の仏教界では常識?だがあちらでは神に背く大罪だ。あちらの人生はただ一度で生まれ変わりはない。ここが大切。自殺を禁じ、ましてや心中という文化もない。つまり、セルゲイ(清玄)の罪悪感と恐れが飛躍的に重くなり、視覚的にも重い十字架をいつも背負っているという滑稽な姿で登場することとなる。生まれ変わりはないキリスト教の前提で考えると、マリアがジョゼの生まれ変わりと考えるのは哀れな妄想だ。
この贖罪の苦悩が一気にセルゲイを主演に押し上げた。この豪華メンバーのなかにあっても、台詞まわしのクリアーさが群を抜き、物語の芯となっておられた。
桜姫の名はチェリーではなくマリア。聖母の名が、聖職者セルゲイが追い求める女というのも象徴的だ。生まれたときから手が開かないということが嘘か真か分からないという台詞が周到に仕組んである。16歳に見えるのがセルゲイの妄想ということを示すためにも、大竹しのぶさんでなければならない。なぜ墓守2も演じられたのか不明。前世とされるジョゼは人形を使用。読めてきたぞ!

さて、歌舞伎では権助となるゴンザレスが勘三郎丈。現代劇で色悪を演じるには、キャラクターが違われるのか、珍しく壊滅的苦戦。舞台全体まで壊しかねないところだったが、台詞が何を言っているのか分からないことが幸いし、主題から遠いところで回っておられた。
ココ&イヴァの古田&秋山のカップルは、欲望に忠実に悪の道を走ろうとするが、酷い社会を泳ぎ切れなかった滑稽で愛すべきキャラクター。いい感じだ。超デブの着ぐるみと人間マングースの演技が素敵。
もともと登場人物も多く、話が飛躍し、様々な要因が綯い交ぜのお芝居に、長塚さんの生きることは原罪的なマインドまで混ぜられたのだから、えらいことになって収集がつかなくなるところ、白井さん、頑張っておられました。

エンディングは原作と異なり、次月につながる伏線で終了。桜姫の物語はエンドレスで続く。

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2009年7月 1日 (水)

珍しくチケット発売日の整理をしてみた

チケット発売日をサイドバーに記入しておられるブロガーさんも多いようだが、拙宅では初めての話題だ。
ロングランものは、いつでも見られるが、初日は、この日に技術とコンディションを整えられた者だけが立てる栄光のスタートラインだ。事前に配役が発表になっていても、習得が間に合わない俳優は客席だ(涙)。チケット争奪戦も厳しく、初日が観たければ観客も自助努力しかない。
 5日(日) 三響会、傾奇おどり     8月7日(金)京都四条南座
11日(土) 春のめざめ          9月5日(土)自由劇場 
12日(日) アイーダ           10月3日(土)四季劇場・海
15日(水) 坂東玉三郎舞踊公演   8月20日(木)、21日(金)
19日(日) ウェストサイド物語     9月21日(祝)福岡シティ劇場
25日(土) ウィキッド          10月11日(日)大阪四季劇場

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2009年6月21日 (日)

パパ、I LOVE YOU! by 加藤健一事務所 in 京都

Image2加藤健一事務所の京都公演も外せない。大阪から京都に走って戻った。今月はなんでこんなことになってしまったのか。
作:レイ・クーニー、訳:小田島雄志、小田島恒志
演出:加藤健一
美術:石井強司、照明:五十嵐正夫、音響:松本昭、衣裳:加納豊美、ヘアメイク:馮啓孝、演出助手:高須誠、舞台監督:鈴木政憲
キャスト
デーヴィッド・モーティマー医師/加藤健一
ヒューバート・ボニ―医師/村田雄浩
ジェーン・テート/ 日下由美、レズリー/加藤義宗、ローズマリー・モーティマー/一柳みる(昴)、サー・ウィロビー・ドレーク/山野史人(青年座)、警官/福島勝美(道学先生)、ヒューバートの母親かんのひとみ(道学先生)、ビル/石坂史朗、マイク・コノリー医師/坂本岳大、婦長/枝元萌(ハイリンド)、看護士/SHOWTA.(ショウタ)
おはなし
舞台は、ロンドン、セント・アンドルーズ病院の医師談話室。神経科の医師モーティマーは、世界各国から200人の神経科医が集結する大イベント、ポンソンビー記念講演をする栄誉に恵まれ、草稿の最終チェック中だ。緊張でカリカリしていたところへ、突如、以前この病院で看護婦をしていたジェーンが現れた。ジェーンとデーヴィッドは19年前不倫の仲だったが、突然音信不通になっていたのだった。実は、当年18歳になる倅レズリーがいて、誕生日に父親が生きていることを知らせたところ、荒れ狂って飲酒運転の挙句、病院に乗り込んできたというのだ。あわててその場を取り繕うとするデービッドの口から出まかせが、冴えない中年独身医師のヒューバート、デーヴィッドの妻、尊大な理事長ドレーク、高齢の入院患者ビル、可笑しな医師や看護士、生真面目な警官たちを巻き込んで、大騒動となる。講演は無事始まるのか?父子の対面は実現するのか?
こんなおしばいでした
加藤健一事務所の当たり狂言の15年ぶりの再演。存在感抜群の村田さんを親友ヒューバートに迎え、身体能力が高く、芸達者が揃ったノンストップ、抱腹絶倒、爆笑の渦に観客を叩きこむ古典的なコメディだ。見どころだらけで何が一番おかしかったか、もうわけわからないが、加藤健一さんの実の子息である加藤義宗さんが、感情の起伏がジェットコースターのようなぶち切れパンク少年を演じ、父子ご対面なるかのシチュエーションがポイントだ。
「若いころのデーヴィッドに似て感情の起伏が激しいわ。」、「こんな4頭身が俺の父親であるはずない!」等椅子からころげ落ちそうな台詞も…。
加藤さん好みの、ハートウオーミングヒューマンコメディだが、いつもより過激でハイテンション、ハイスピード、ハイリスクなドタバタで笑って笑って元気になれる!

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2009年6月14日 (日)

朗読と音楽で綴る言の葉コンサート板東玉三郎が語る泉鏡花「天守物語」

泉鏡花の戯曲「天守物語」を歌舞伎の立女方、五代目板東玉三郎の朗読と、籐舎名生の笛で綴るコンサート
出演:板東玉三郎 籐舎名生
平成21年6月13日(土)15:00

朗読の前に、お話が…。鏡花文学の表現者として、生涯をかけているとの心意気を語られた。
エンタメとしての朗読はあまり感情移入してはいけないそうだが、自ら演じた戯曲なので、つい、気が入ってしまうとか。
実は天守物語は荒唐無稽で、話は飛躍するしバイオレンスとエロティシズムにみちみちて、大正6年にこの作品が存在するという事が奇跡のようだ。
普通の上演なら視覚で分かるが、朗読だと理解不能になるのが、近江丞桃六という工人が出てきてハッピーエンドとなるところだ。工人桃六は、天守に鎮座する獅子頭と、富姫が生前身に付けていた三輪牡丹高彫のさし櫛の作者であり、名工が超人的な力を持つことがポイントらしい。
ずいぶん、説明するのに焦っておられた。せっかちな方なので、一生懸命伝えなければと思っておられるピュアなところが、立女形の風格とミスマッチでお可愛い。
紋付き袴は墨色、朗読時はふちなしの眼鏡が優しい感じ。舞台上に錦糸の打ち掛けと、もこもこの雲を表す綿(やっぱ綿の山にしか見えないんだけどぉ)。 リーディングは、図書之介をかなり(。・ω・。)sweat01アセアセ、桃六を慈愛深く、修理はゆっくり一生懸命語っておられた。

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2009年6月 8日 (月)

頭痛肩こり樋口一葉 in 京都四条南座・田畑一葉は健気で自然体のなっちゃん・おとみは古着でしゅんとなる

祇園町
「きらめく星座」か「頭痛肩こり樋口一葉」か、どちらもやめとくか迷った。なんてことないそこの南座やん♪と出かけた。7日の公演を拝見。
戯曲:井上ひさし
演出:齋藤雅文
出演
樋口夏子/田畑智子、花蛍/池畑慎之介
樋口多喜/野川由美子、稲葉鑛/杜けあき
樋口邦子/宇野なおみ、中野八重/大鳥れい
あらすじ
明治23年8月16日、樋口家のお盆。19歳の夏子は樋口家の戸主。母の多喜と妹の邦子と赤貧の暮らしだった。和歌の道を志し、「萩の舎」の内弟子になったとはいえ、実態は女中奉公だった。
夏子が盆帰りをすると、多喜が乳母を務めた元旗本の姫君・お鑛(こう)が盆礼に訪れていた。お鑛の夫は士族の商法で次々と失敗し、樋口家に借金を申し込みに来たのだった。夏子は小説家になろうと唐突に決心する。
翌年のお盆。小説が売れるはずもなく、気味が悪い程の美男の師匠・半井桃水との仲を取り沙汰され凹んでいた。そこへ、幼馴染の八重が訪れ、投獄された兄の保釈金を借りたいと申し出る。
夏子の頭痛と肩こりがピークに達したとき、夏子だけに見える花蛍と名乗る幽霊が現れた。以降、毎年、盆帰りの日に花蛍が訪ねてくるようになる。
こんなおしばいでした
「大つごもり」、「にごりえ」、「十三夜」、「たけくらべ」など珠玉の作品を遺した樋口一葉と、一葉をめぐるさまざまな女たちの人生をコミカルに切なく描いた井上ひさし氏の傑作戯曲だ。
生真面目で健気な夏子に地元京都の田畑智子さん、恨む相手を特定できない人の良い幽霊に池畑慎之介さん、その他哀しくも可笑しな家族と客人たちは、イメージにぴったりキャストさん。装置も、いつも夏、狭い樋口家ということで数が要らない分、凝った造りだ。甲斐正人さんの童歌風の間奏曲やお鑛さんが唄いまくる戯れ歌や哀歌も秀逸。

元士族の女たちは、維新という時代の奔流のなかで必死に生きるが、開化の自由な気風とダブルスタンダードな変わらぬ因習や世間の眼、男社会の抑圧の下で、それぞれはかなく燃え尽きる。かそけき命ながら精一杯光る蛍が、女たちの息づかひを象徴して、視覚的にも非常に美しい舞台に仕上がっている。

井上ひさしさんの戯曲は、ド貧乏と極限の不幸を笑い飛ばす。そして、この世とあの世も隔絶されたものでなく、すぐそこに透けて見え、ちょっとしたことで此岸から彼岸へと通り抜けてしまうと、楽しくも切なく見せてくれる。「筆一本で時代に一矢報いる。」と芸術至上の気負いがあってもおかしくないプロットながら、田畑さんの樋口一葉は、健気で自然体で愉快な井上ひさし戯曲そのもののなっちゃんだった。
メッセージと死生観も、気持ち良く受け入れられましたワ!

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2009年6月 4日 (木)

8月のお知らせがぼちぼち。どないしょう。

8月も「待ってました!」の地方及び来日公演が近畿に来演だ。「無謀!無理!無道!」のボーダーラインで踏みとどまりたいけどぉ。

観たい!
文楽夏休み公演 in 国立文楽劇場
三響会 in 京都四条南座
坂東玉三郎特別舞踊公演 in 京都四条南座
上方歌舞伎会 in 国立文楽劇場
ウェストサイド物語 in 近江八幡,尼崎,神戸
West Side Story in 兵庫県立文化芸術ホール
55Steps in 大阪四季劇場
観られるかな?
市川染五郎傾奇おどり in 京都四条南座
松尾塾子供歌舞伎 in 国立文楽劇場
宝塚雪組公演 in 宝塚大劇場

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2009年6月 1日 (月)

6月は地元で地方公演と地味な遠征

6月は「待ってました!」の地方公演が近畿に来演だ。このため,無理を重ねるスケジュールとなっている。涙の見送りにならないよう汗かく!義理欠く!恥かく!のココロで転がり込むゾ劇場へ!

観る!
坂東玉三郎が語る「天守物語」 in 大和郡山
ウェストサイド物語 in 奈良
大阪市民歌舞伎 in 大阪中ノ島公会堂
加藤健一事務所「パパ! I love you!」 in 京都
ときわ会 in ワッハ・ホール
六月大歌舞伎 in 歌舞伎座
桜姫 in シアター・コクーン

無理っぽい…
文楽鑑賞教室 in 国立文楽劇場
文楽若手会 in 国立文楽劇場
頭痛肩こり樋口一葉 in 京都四条南座
市川海老蔵特別舞踊公演 in 大阪松竹座
ジーザス・クライスト・スーパースター in 大阪四季劇場
エリザベート in 宝塚大劇場
シラノ in 梅田芸術劇場
坂東竹三郎の世界 in 大阪松竹座
花組芝居「盟三五大切」 in 大阪市立芸術創造館
きらめく星座 in 梅田芸術劇場
大人計画R2C2 in シアターBRAVA!

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2009年5月28日 (木)

ムサシ MUSASHI in シアタードラマシティ・新作夢幻能という極上のもてなし

P0304_15月9日(土)ソワレを本当に運良く観劇させていただいた。この公演は今年一番の話題作だ。生半可な努力で玉砕と撃沈を繰り返し、もう駄目かと諦めていたところ、スキップさまに声を掛けていただき、一も二もなく、駆けつけさせていただいた。今頃アップでは、遅いと御叱りを受けなければなりますまい。
でも、このテーマで何故プロットがムサシか、分かりましたよ。

戯曲:井上ひさし (吉川英治「宮本武蔵」より)
演出:蜷川幸雄
音楽:宮川彬良
出演
宮本武蔵/藤原竜也、佐々木小次郎/小栗旬
筆屋乙女/鈴木杏、沢庵宗彭/辻萬長、柳生宗矩/吉田鋼太郎、木屋まい/白石加代子、平心/大石継太、浅川甚兵衛/塚本幸男、浅川官兵衛/高橋努、忠助/堀文明、只野有膳
あらすじ
プロローグ
慶長17年(1612)4月13日正午、舟島で宮本武蔵は佐々木小次郎と果し合いを行い、一瞬のうちに武蔵は小次郎の脳天を割った。武蔵は、とどめを刺さず「お手当てを!」と立ち去る。
本編
それから6年、元和4年(1618)夏、鎌倉・佐助ヶ谷の宝蓮寺開山の参籠禅が始まろうとしていた。主催は寺の住持・平心。賓客に、京の大徳寺長老であり武蔵の師でもある沢庵、将軍家指南役・柳生宗矩、大檀那の木屋の後家・まいと筆屋の当主・乙女。そして武蔵も禅を組んでいた。
そこへ、一命をとりとめた小次郎が果し状を持って現れ、参籠禅が明ける3日後の朝に決闘することとなる。小次郎は武蔵の逃亡を阻止するため、宝蓮寺で3日間同宿することになったので、ややこしい話が始まる。

こんなおしばいでした
2005年「天保12年のシェイクスピア」、2007年「薮原検校」、2008年「道元の冒険」と「表裏源内蛙合戦」でタッグを組んだ魂の劇作家・井上ひさし氏が書き下ろした戯曲を、蜷川幸雄氏が、当代一の役者さんを揃えて演出する。何とも豪華なお芝居だ。
井上ひさし氏が描くのは、吉川英治氏の小説に登場する二人の剣豪・宮本武蔵と佐々木小次郎。歴史に「もしも」はないが、小次郎が一命をとりとめていたとしたら、そして二人が再び相まみえたとしたらという魅力的なシチュエーションを設定し、一癖も二癖もあるキャラクターが絡んで、抱腹絶倒、悲喜交々、上を下への大騒動となる。二人の対決に、今日的かつ普遍的なテーマを重ね合わせ、あっと驚く趣向で、有無を言わさず観客をねじ伏せる。

プロローグの舟島からメイン場面の宝蓮寺への時空の移動が幻想的だ。舞台奥から竹が迫り、寺の堂宇が流れるように動き、竹藪を分け入り禅寺にたどりついたかのようなシークエンスを見せる。装置は、拝殿と渡殿だが、能舞台と橋掛りの構図になっていて、何かやってくれそう。

一見、善男善女の客人たち。柳生宗矩は能狂いで、「かちかち山のタヌキの仇打ち物語」を完成させようと座禅もそわそわ。木屋の後家は元女猿楽師で、やんごとないお方の思い人だったとか。得意な演目は「蛸」で、劇中劇ならぬ劇中狂言が見せ場だ。
参籠禅に果し合いはいかんと、修行に五人六脚を始めたり、乙女の仇討のため剣術の稽古に皆でタンゴを踊ったり、想像を絶する肉体的しんどさらしい(プログラムより)。
とうとう、実は、小次郎は「まい」の私生児で、皇位継承権18位と、とんでもない与太話まで持ち出し、なんとか果し合いを回避させようとする。
なんだか変sign02と次第に意気投合する武蔵と小次郎が楽しい。

さて、話はころっと変わって、能に夢幻能という美しい様式がある。神、鬼、亡霊など現実を超えた存在がシテとなり、通常は前後2場構成で、ゆかりの土地を訪れた旅人(ワキ)の前に主人公(シテ)が化身の姿で現れる前場と,本来の姿(本体)で登場して思い出を語り,舞を舞う後場で構成されている。本体がワキのゆめまぼろしに現れるという設定が基本。芸術的妙趣と鎮魂の祈りを込めた普遍性の高い構成だ。

井上ひさし氏のあっという趣向とは、「武蔵と小次郎以外は、不慮で理不尽な死に見舞われた名もない男女で、霊魂が、この世の無意味な殺し合いを嘆き、争いをやめさせるまで成仏できない。」という素晴らしい設定だ。ここで、剣聖がワキで戦国の世の庶民がシテと、立場が逆転する。世阿弥に挑戦するかのような新作夢幻能が目の前に忽然と現れる。世阿弥の時代は戦乱の世。死者は滅びず生者と近しく共存していた。氏は、あれからも、平和は局地的かつ一時的なもので、戦いは続いていると考えておられる。
このため、ワキとワキツレは宿命のライバルで、どちらかが倒れるしかない組み合わせでなければ、夢幻能の民主化というか逆転の妙味が際立たない。装置も、そういえばはじめから能楽堂で、シテ1は怪しげな新作能(爆)の完成に未練を残しておられ、この男が井上ひさしさんと考えると楽しい。シテ2が文芸の創作に妄執して成仏できない娘というのも素敵だ。

亡霊たちは超人的な力ではなく、ミョーに卑近な楽しいお芝居で、「命を粗末にしてはならない」、「生きること自体がすばらしい」というメッセージを語ってくれていたのだった。分かり易すぎるメッセージを、考えられる最高水準の演劇で見せてくださったという贅沢さもこのムサシの鑑賞ポイントだ。
こんだけ楽しませてやったのだから、君たち、先輩の言葉はきけsign03と井上ひさしさんに訴えられているようで、シンミョーにならざるを得ない。

二人は無言のまま武装解除する。エピローグでは、亡霊たちが成りすましていた本物の柳生宗矩たちが現れるという、極めて蜷川芝居らしい幕切れとなる。
カテコは、必要以上に観客に愛嬌を振り撒かない出演陣の美しい姿に陶然となり、演劇の力の凄さに快く圧倒され、一日の幸福に感謝した。
どなたさまよりスキップさまに感謝いたしましたぁ!

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2009年5月12日 (火)

その男 in 大阪新歌舞伎座・平幹丈の子息は上川さんで決まり

200905_02_up5月2日(土)マチネ、大阪新歌舞伎座公演初日を上手のかぶりつきで拝見。
原作:池波正太郎「その男」、脚本:鈴木聡
演出:ラサール石井、音楽:上妻宏光
メインキャスト
幕臣の子息・虎之助/上川隆也 、その叔父・金五郎/六平直政、虎之助の師・池本茂兵衛/平幹二朗、幕臣の娘・礼子/内山理名、虎之助の親友/波岡一喜、薩摩藩士・半二郎/池田成志、さすらいの女/キムラ緑子
おはなし
黒船が来航した1853年、幕臣の子息でへたれの虎之助13歳は、継母にうとまれ大川に身投げした。しかし、謎の男・池本茂兵衛に助けられ、学問や剣の道を教わりながら旅を続ける生活が始まった。
6年後、別人のように逞しく成長して江戸に戻った虎之助は、生涯の友となる八郎、宿敵となる薩摩藩士・半二郎、後に妻となる幕臣の娘・礼子、人生を彩ってくれたさすらいの女・秀との出会いなど、青春真っただ中だった。
礼子との出会いは、池本の命により、男装の礼子を彦根まで護衛するもので、虎之助は恋心を抱き始める。彦根で池本に礼子を託したとき、虎之助は初めて二人が公儀隠密であったことを知る。
虎之助は自分も京に上り、風雲急を告げる時流に身を投じ存分に働きたいと請うが、池本は江戸に戻り、ただ生きよと厳命する。
しかし、愛する人々が激動の時代に翻弄されるなか、平穏に生きることは、腕に覚えのある虎之助にとって苦悩と煩悶の日々でしかなかった。

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2009年5月10日 (日)

蜉蝣峠 in 梅田芸術劇場・血の祝祭の欲望を背負って走れ!

Kagerou_touge_1b_55月6日(水)ソワレを梅田芸術劇場メインホールで観劇
いのうえ歌舞伎壊PUNK
「蜉蝣峠」
作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
メインキャスト
蜉蝣峠で誰かを待つ男・闇太郎/古田新太、ろまん街の侠客・天晴/堤真一、天晴の情婦・お泪/高岡早紀、旅役者・銀之助/勝地涼、立派の子息・サルキジ他/木村了、盲目の飯屋・がめ吉/梶原善、立派の用心棒・流石先生/粟根まこと、立派の女将・お寸/高田聖子、ろまん街の侠客・立派/橋本じゅん 他
ものがたり
蜉蝣峠は地獄の分水嶺。照りつける強い陽射しのせいで大気が揺れ、見えるはずのないものが見えるという。
蜉蝣峠でじっと誰かを待つ男・闇太郎には若いころの記憶はない。そいつが何かに導かれるようにふらりと8里先のろまん街にやってきた。
ろまん街は、死んだ親分の跡目を継いだお寸立派の夫婦とお寸の弟・天晴の二つの組が抗争を繰り広げ、蟻地獄のように荒廃しきっていた。天晴れの情婦・お泪は、25年前、一揆で両親を失い、直訴に出かけたまま戻らない初恋の少年・闇太郎を待っていた。
さて、闇太郎に出会った盲目のがめ吉は、25年前の惨事を語りだす。それは、突然、ろまん街の大通りに、魔物のような大男が現れ、包丁で道行く者の首を切り落としたという。100人余りの人々が殺傷され、生き残ったのが、光を失ったがめ吉と記憶を無くした闇太郎だった。
お泪と闇太郎が出会ったことで、運命の歯車が回りだした。

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2009年5月 2日 (土)

その男 in 大阪新歌舞伎座・初日

その男 in <br />
 大阪新歌舞伎ざ初日
大阪新歌舞伎座は六月を最後に閉館となる。5月公演はそのひとつ前となる。4月に東京芸術劇場中ホールで上演されていた池波庄太郎の「その男」が大阪にやってきた。平幹丈の生涯最初の脇役の舞台。しかも、上川さん演じる若侍を父親同然に育む老剣客だ。
まず、二人の並びは絵になった〜としか言い様がない。この感動の取り方ずるいぞ。おうちでゆっくり反芻しよう。
小劇場、商業演劇、映像、さまざまなジャンルからの雄が揃い、ラサール石井さんの可愛らしいおもちゃ箱風、紙芝居風の演出と相まって幸福感一杯に劇場を出られる。

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2009年4月 7日 (火)

赤い城 黒い砂 in 京都四条南座

舞台
4日昼の部を観劇。宝塚版「二人の貴公子」はこちら
原作:W.シェイクスピア、J.フレッチャー
脚本:蓬莱竜太、演出:栗山民也
主なキャスト
黒の国の騎士ジンク/片岡愛之助、同カタリ/中村獅童
赤の国の王女ナジャ/黒木メイサ
赤の国の王クジャ/中山仁、武器商人/中島しゅう
牢番の娘/南沢奈央、牢番/田口守、姉/馬淵英俚可
おはなし
いつとも知れないアジアの砂漠。赤の国と黒の国は長年敵対関係にあり、果てしなく戦は続いていた。黒い国には、直情的なカタリ、策謀家のジンクという固い友情に結ばれた勇猛な二人の騎士が、赤い国には、美貌に恵まれ武勇に秀でた王女ナジャがいた。
3人は戦場でまみえるが、赤の国の兵器に撃たれた二人の騎士は、捕囚となる。
ナジャに一目で心を奪われたカタリ、カタリに心を寄せる牢番の娘、ナジャの側近となり赤の国で立身を図るジンク、赤の国の統治に心を砕くナジャ、戦火の下でそれぞれの夢と野望の行方は…。

シェイクスピアの晩年の名作といわれる「二人の貴公子」。テーバイの親友同士の二人の騎士が、アテネの王女に恋したことから敵対していく悲喜劇を、新進気鋭の劇作家、劇団“モダンスイマーズ”の蓬莱竜太氏が換骨奪胎して熱いヒューマンドラマとして翻案した。演出は定評高い栗山民也氏。

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2009年3月22日 (日)

トロイ戦争は起こらないだろう in 京都劇場・千秋楽 阿久津さんのおみ足に釘付けは正しい鑑賞法だ

Photo早いものでトロイ戦争は20日千秋楽となった。この日も初日と同じエクトールかぶりつき席で鑑賞した。
エクトールのおみ足しか目に入らんのかい!阿久津さんの大腿筋以外の感想はないんかい!と自己突っ込みを入れているが、これはおとみの不徳のいたすところではなく、演出家と舞台美術家金森馨氏の仕掛けたトリックだ。
舞台上手に屹立する巨大な兵士の足の装置は、トロイを蹂躙する兵士の足であり、侵入する木馬の暗喩でもあり、地上に増えすぎた人類を苦々しく眺める神々の怒りとも恫喝とも見受けられる。巨大な装置の足と相似形の美しいおみ足に目が釘付けなのは正しい演劇の鑑賞法だ!

さて、ジロドゥは作家であり劇作家であるが、フランスの外交官でもあり、この戯曲を書いた1935年は、ナチスドイツの台頭によりヨーロッパ全土を襲うであろう大戦の影を当事者として見据えていたとされている。
1914年、第一次世界大戦に従軍し負傷。翌年、諜報活動中に再び負傷し、受勲した。第二次世界大戦では情報局長を務めるも、ドイツ軍進攻により辞任、1944年1月、平和を目前に病没。苛烈にして優雅、果敢な行動と透徹した視座を持つフランスの知的至宝であられた。その生涯に思いを馳せると、平和を希求する力の凄まじさに頭を垂れる。
主題は、人間の愚かしさと神々(運命)の気まぐれによる避けがたい戦争である。人間の愚かさとは、体面、虚栄心、復讐心、狂信であり、運命の遊戯とは不用意な皇太子の火薬庫の中のパレード、盧溝橋の最初の発砲などである。
ジロドゥは、劇中の登場人物ギリシャ軍全権大使イタカ王ユリスの台詞の中で真情を吐露する。戦場を知るエクトールは、戦争を知るユリスの言葉を理解する(涙)crying
「天と地の間に、運命は罠を仕掛ける。うっかりそれに触れてしまった者は、戦争という舞台上で死ぬまで踊り続けなければならない。歓ぶのは神々のみ。もはや、スパルタ王妃エレーヌを返還しても戦争は避けられない。私は15年間、エレーヌの何たるかを監視してきた。エレーヌは、神々の罠そのものなのだ。」
「それでも、運命の裏をかき、人知を尽くして戦争を避ける努力をしてみよう。人間の神への挑戦だ。やってみる価値はある。エクトール。」

結末は、和平への最終努力を行った指揮官ユリスの理論どおり、皮肉にも愚者の些細な突出が大戦のトリガーとなる。ギリシャの酔漢オイアクスがエクトールの妃アンドロマックに狼藉を仕掛けたのを見て、「戦争だ!」と叫んだトロイの好戦派デコモスを、エクトールが刺殺する。しかし、最後の声を振り絞り、「オイアクスにやられた。」と叫んで息絶えたのだった。

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2009年3月10日 (火)

冬物語 時だけが成しうる奇跡もある

Stage_photo52月21日(土)、梅田芸術劇場シアタードラマシティでマチネ観劇。
The Winter's Tale
戯曲:W. シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:蜷川幸雄

出演
シチリア
王レオンティーズ/唐沢寿明
王妃ハーマイオニ・王女パーディタ/田中裕子
貴族カミロー/原康義
貴族アンティゴナス/塾一久、その妻ポーライナ/藤田弓子

ボヘミア
王ポリクシニーズ/横田栄司
王子フロリゼル/長谷川博己
羊飼いパーディタの養父/六平直政、道化その息子/大石継太
ごろつきオートリカス/瑳川哲朗

あらすじ
シチリア王レオンティーズは、幼馴染のボヘミア王ポリクシニーズがシチリアに滞在した折、帰国を引き止める王妃ハーマイオニの言動から、ふたりの仲を疑い始める。危険を感じたポリクシニーズは急遽帰国し、ハーマイオニは臣下アンティゴナスの妻ポーライナに匿われる。レオンティーズは生まれたばかりの王女パーディタをポリクシニーズの子だと思い込み、他国の荒野へ捨ててくるようアンティゴナスに命ずる。心労で幼い王子が急死し、ハーマイオニは死んだと伝えられて初めて、レオンティーズは自分の過ちに気付き激しく後悔する。
16年の歳月が流れた。ボヘミアの王子フロリゼルは羊飼いの娘パーディタと身分違いの恋に落ちていた。息子の相手を探るため、変装して毛刈り祭に紛れ込んでいたポリクシニーズは、二人の婚約に激怒する。そして、二人はシチリアへ亡命する。

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トロイ戦争は起こらないだろう in 京都劇場・初日

090308trojan01当然8日初日に行った。最前列中央より↑この辺やや上手。エクトールかぶりつき席だ。舞台美術家・金森馨氏の装置がこの写真のとおりで迫る。若干客席に張り出しているので、目前に舞台が迫り、トロイの臣民気分で観劇できる。
トロイ戦争が10続いてもかまわないわ。アンドロマック、トロイリュスとクレシダ、グリークス、オイディプス、王女メディア、アンチゴネ。ギリシャ悲劇が続いてもいい!
ものがたり
トロイの王族・アンドロマックとカッサンドラは、不穏な政情を案じていた。パリスが、スパルタ王妃エレーヌを略奪したため、ギリシャ連合軍が艦隊を集結し、エレーヌの返還を要求している。しかし、老王、文官たちはエレーヌの美しさに心を奪われ、返還を拒む意見が大勢だ。
そこへ、帰還を待ち焦がれていた勇将エクトールが凱旋してきた。戦争の何たるかを熟知しているエクトールは、問答無用でパリスにエレーヌの返還を命じる。何一つ決断しないパリス。
いよいよ、ギリシャの知将ユリスとエクトールとの、国家の存亡を賭けた最終会談が始まった。

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2009年2月 4日 (水)

花組芝居の『夜叉ケ池』大千秋楽の武蔵屋組版

加納さん

1月31日(土)伊丹市立AI・HALL夜の部大千秋楽を観劇した。
原作:泉鏡花、構成・演出:加納幸和
夜の部 《武蔵屋組》         昼の部《那河岸屋組》        
萩 原 晃/水下きよし   小林大介
百  合 /堀越涼     二瓶拓也
山沢学円/桂憲一          秋葉陽司
白 雪 姫 /山下禎啓       加納幸和
《共通キャスト》
湯尾峠の万年姥/谷山知宏、白男の鯉七/美斉津恵友
大蟹五郎/大井靖彦、木の芽峠の山椿/嶋倉雷象
黒和尚鯰入/丸川敬之、鹿見宅膳/北沢洋
権藤管八/横道毅、斎田初雄/各務立基
畑上嘉伝次/磯村智彦、穴隈鉱蔵/溝口健二
※与十・伝吉は、日替わりゲスト。千秋楽は、わかぎゑふさん。
参考 拙宅の人気エントリ
    恋には我が身の命もいらぬ(白雪)
    玉様はお化けがお好き・夜叉ヶ池と高野聖の水系

「あんた、もう50に手が届く年になってんのにまだ、晃やってんの」とわかぎえふさんにぼろくそに言われたはりましたが、安定感抜群、ベテラン武蔵屋水下きよしさんの晃、伝統的な道成寺の後シテ・鐘入り後の黒頭に隈取りの拵えの白雪姫・山下禎啓さんの白雪姫を中心とするのが武蔵屋組だ。
こんなんでした。
三方客席の舞台。ミュージアムの展示室の中央には古びた釣鐘が展示されている。下手のドアが開き、夏のスーツにパナマ帽の僧侶にして学者の山沢学円が入室。するすると鐘が上がり、鐘の中から男女が登場。男はバックヤードへ。学円、展示台に上がるとそこは、夜叉ケ池の麓・越前琴弾谷の鐘楼にトリップする。
そこで、行方不明の親友・晃が、美しい女を妻とし、鐘楼守になっているのを見つける。折しも、この一帯はひどい日照りと干ばつが続いていた。

妖怪の眷属、百姓たちは、別の組の主演4人が張り子の中に入る。観客4人を舞台に上げ一緒に踊る。前方に座っている客はいじられる。しかし、ゲストのわかぎゑふさんに劇団員はいじりたおされる。

なんやかんやと大騒ぎあって…

ラスト、学円にお雪様が帽子と荷物を持たせてくれる。白雪姫と眷属、魚になってしまった村人と晃と百合が盆踊りともフォークダンスともつかない不気味な踊りを続けるなか、学円は立ち尽くす。その幻影も消えて、退出すると鐘が降りてくる。

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2008年12月30日 (火)

2008年風知草の人気記事ランキングベスト10に上川さんが2本

Hibachi5_2例年の締めとして,アクセス解析を活用して,ページ別アクセスランキングを通年集計しました。風知草のエントリの客観的評価です。上川2、玉4、海老2、菊1、りえ1、蜷川1、宝塚1、四季1と、雑食おとみらしい並びとなりました。冷静な判断を欠いた熱病もの(平リア、福井トニー)はあきませんでしたね。
ご高覧本当にありがとうございましたm(__)m 。


1位:ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女 13日(日)千秋楽
2位:玉様はお化けがお好き・夜叉ヶ池と高野聖の水系
3位:海老蔵丈も変化(へんげ)と聖(ひじり)リバーシブル・世界遺産熊野古道から来た男
4位:京鹿子娘二人道成寺再見・二つの結末を持つミステリー
5位:人形の家・20日(土)ソワレ
6位:蜷川幸雄演出「さらば、わが愛 覇王別姫」アイドルであり続けるための苦悩をにじませる熱演
7位:坂東玉三郎・中国昆劇合同公演・嫋々と切々とたおやかに…心震わせる歌唱
8位:宝塚雪組公演全国ツアー初日
9位:表裏源内蛙合戦は主演2人で勝ち戦
10位:劇団四季・トロイ戦争は起こらないだろう・20日(土)千秋楽

2006年に書いたエントリですので番外としましたが、通産4,000ヒットを超えるロングラン。実は、最もヒット数が多かったのがコレ↓。吉弥丈の手応えを控え目に熱く記述しています。
番外:恋には我が身の命もいらぬ(白雪)

愛のあるロジックの発見とエスプリの効いたレトリックの駆使に努めます。
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2008年12月28日 (日)

解ってたまるか!

てぬぐい
27日(土)ソワレを観劇。
写真は、ブラコメとライフル魔を続けて観劇すると貰えるエコバッグ。
解ってたまるか!
作:福田恒存、演出:浅利慶太
主演:加藤敬二/村木明男(ライフル魔)
あらすじ
東京赤坂のホテルハイクラスに2人の民間人をライフルで射殺した男村木が、ライフルと実弾、ダイナマイトを携え、宿泊客12人を人質にたてこもっている。村木の要求は、警官に差別発言を謝罪させ、自分の話を報道するための記者会見を開けというものだった。
捜査本部は、村木の要求を受け入れ持久戦を決め込む。村木と人質の間には奇妙な親近感が生じていたが、緊張は限界に達していた。

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2008年12月26日 (金)

古田新太さんのリチャード三世

古田新太さんのリチャード三世
23日(火)ソワレを拝見。
チラシと異なるお衣装とメイクがいのうえひでのりさんらしく安心できる。通常の公演ではおそらく間引いてある台詞がノーカットなのか、とにかく上演時間が長い。1年の観劇納め向き、異種格闘技的な楽しさ一杯の娯楽大作だ。

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2008年12月24日 (水)

「表裏源内蛙合戦」は主演2人で勝ち戦

蛙

表裏源内蛙合戦

作:井上ひさし、演出:蜷川幸雄   
音楽:朝比奈尚行
メインキャスト
平賀源内(表)/上川隆也、平賀源内(裏)/勝村政信
青茶婆(花扇) :高岡早紀 、大久保一学・鈴木春信/豊原功補、松平頼恭・司馬江漢/ 高橋努、白石茂左衛門・鳥山検校・田沼意次/六平直政、女房お初・母・遣手婆/立石凉子、雲井太夫・笠森お仙/篠原ともえ、高井源之助・杉田玄白・将軍家治/大石継太ほか
あらすじ
享保13年、讃岐の国高松藩の貧しい米蔵番の倅として四方吉は出生した。幼いころより四国一の神童と称され、眉目秀麗、頭脳明晰、明朗闊達、奇跡の男として、公費で長崎留学を果たす。名を平賀源内と改め、江戸遊学の願いも叶い、当代一の万能の天才ともてはやされていたが、徳川家直参になりたいという野望が頭をもたげたことから運命が暗転し、浪人の身に…。
才能と出世のギャップに憤り、大衆にも山師と蔑まれ、失意と貧困のどん底のなか、次第に狂気とうつつの境をさまよううようになる。

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2008年12月13日 (土)

表裏源内蛙合戦・終了後のプチオフ会

表裏源内蛙合戦終了後のプチオフ会
上演時間休憩を入れて4時間を超える井上ひさし氏脚本、蜷川幸雄氏演出、上川隆也氏主演の大作。
終演後、ホテルニューオータニで、ムンパリさま、しろうさまとお茶しました。お二人とも東京公演もご覧の上川命の方々。気後れしながらも、楽しい時間を過ごさせて頂きました。
あ、おとみは、ミルフィーユを寝かせて小口から縦切りにして食す派でした。

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2008年12月 1日 (月)

京都劇場で「トロイ戦争は起こらないだろう」が上演

タイトルのとおり。
今ごろ福井さんはどこでどうしてござろうぞ。

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2008年11月29日 (土)

今回の「サド侯爵夫人」はなぜ事件なのか~修辞の牢獄と母権の支配からの逃走~

Phot_2サド侯爵夫人
戯曲:三島由紀夫
演出:鈴木勝秀
出演:ルネ(サド侯爵夫人) 篠井英介
    シミアーヌ男爵夫人 石井正則
    アンヌ(ルネの妹) 小林高鹿
    シャルロット(家政婦)山本芳樹
    サン・フォン伯爵夫人  天宮良
    モントルイユ夫人(ルネの母親)
                 加納幸和
美術:二村周作
衣裳:原まさみ、ヘアメイク:宮内宏明
企画:篠井英介、鈴木勝秀
製作アトリエ・ダンカン、シーエイティプロデュース
シアター・ドラマシティ2008.11.6

らすじ
フランス革命前後のパリ。舞台はモントルイユ夫人邸サロン。
1772年9月
猟奇的な事件を起こし逃走中のサド侯爵・アルフォンス。醜聞から家名を守ろうと奔走するモントルイユのサロンに、モントルイユの娘で夫を案じる貞淑なサド侯爵夫人ルネ、敬虔なシミアーヌ、悪徳の信奉者サン・フォン、無邪気なルネの妹アンヌ、強情な家政婦シャルロットと個性的な役者が集った。次第に明らかになるアルフォンスの悪行に激昂したモントルイユは、救出の嘆願から収監の陳情に切り替えた。
1778年9月
6年後。アルフォンスの釈放の知らせにに喜ぶルネに、サン・フォンは、モントルイユの画策で、アルフォンスは、高等法院から赦免後、直ちに王家の警官に拘束され、牢獄に戻されたことを暴露する。決定的に対決する母と娘。
1790年4月
さらに12年後。9カ月前に勃発した革命により、アルフォンスの釈放に期待を寄せるルネであったが気持は沈んでいた。サン・フォンは暴動で落命、シミアーヌは修道院入り、アンヌはイタリアに亡命、モントルイユはアルフォンスの悪名を利用し革命政府の貴族への攻撃を交わそうとそれぞれの思いが交錯していた。そして、いよいよその日を迎える。

実は、芝居を観終わった後、落ち込んだ。悪徳の華と褒めそやされ讃えられようとも、悪徳を禁忌とする社会が消えてなくなれば、悪徳も子供のおいたと笑い草。完全にモントルイユ目線でアルフォンスを切り捨て、そしてアルフォンスとして屹立しようとした三島まで矮小化しようとしている自分に戸惑い、沈黙せざるを得なかった。
しかも、今回プロデュース公演の“今回の「サド侯爵夫人」は事件だ”のキャッチコピーにも鼻白んだ。上梓された当時の衝撃や割腹自殺というパフォーマンスを超える「事件」があろうとは考えにくい。
出演者の優れた容姿、確かな朗唱、華麗な衣装、象徴的で精神性の高い装置、考え抜かれた演出術については申しあげるまでもない。出演者の演技に喝采し、台詞の音楽性に酔い、装飾的な修辞の愛撫に身を震わせ、完全な演劇の成功に喝采しながら、観客としては打ちのめされるとは…。

およそ1か月。一応、自分を納得させるロジックは見つかった。そして、今更ながら、三島の二重三重、いや十重二十重に張り巡らされた修辞の罠の周到さに震撼し、また、篠井×鈴勝コンビという別政体からの仕置きに翻弄されたことに驚き、最後に、罠を仕掛けながら罠ではないと、フェアな種明かしまでやってのける彼らに驚嘆できた。
拙稿の論点は、篠井×鈴勝コンビがどのように三島を読み解き見せたのかに絞る。

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2008年11月24日 (月)

ブラックコメディ in 京都劇場

23日(日)昼の部を拝見。
作:ピーター・シェーファー、訳:倉橋健
演出:浅利慶太、照明:沢田祐二
キャスト
ブリンズリー・ミラー/荒川務、キャロル・メルケット/濱田めぐみ
ミス・ファーニヴァル/はにべあゆみ、メルケット大佐/志村要
ハロルド・ゴリンジ/栗原英雄、シュパンツィッヒ/川口啓史(劇団俳優座)
クレア/八重沢真美、ゲオルク・バンベルガー/高橋征郎(劇団民藝)
あらすじ
売れない彫刻家ブリンの家に、今夜は、2人の大切な客・婚約者キャロルの父メルケット大佐と大富豪の美術コレクターのバンベルガー来る予定だ。ブリンとキャロルは、旅行中の隣人ハロルドの部屋から高価な家具調度を勝手に借り、父や富豪の心証を良くしようとしていた。しかし、アパートが停電し、部屋は暗闇に…。
いるはずのない人、いてはいけない人が闇の中に集まってしまったから話はややこしい。

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2008年11月21日 (金)

から騒ぎ

Logo_photo

演出:蜷川幸雄
作:W・シェイクスピア、翻訳:松岡和子
出演:小出恵介、高橋一生、長谷川博己、月川悠貴、吉田鋼太郎、瑳川哲朗 ほか
あらすじ
イタリア・メッシーナに、ドン・ペドロ率いる友軍アラゴン軍が凱旋してきた。知事レナートは、一族と共に迎える。若い将校クローディオは知事の一人娘・淑やかなヒアローに一目惚れ。同じ若い将校でも毒舌家のベネディックは、知事の姪で闊達な娘ビアトリスと早速舌戦を始めた。
あっという間にクローディオとヒアローの婚約が整い、勢い余ったドン・ペドロたちは、ベネディックとビアトリスが恋に落ちるよう罠を仕掛ける。

彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾。戯曲が書かれた時代の形式を踏襲し、すべての役を男性俳優によって演じる『お気に召すまま』、『間違いの喜劇』、『恋の骨折り損』に続く“オールメール・シリーズ”第4作。
彫刻が一杯の装置は、広場の噴水になったり、広間の大階段になったり、教会にも霊廟にもなる。降り物heart01も量は少なめだが顕在。お衣装は白を基調とした趣味のよいもの。ただし、はめられたベネディックがカナリアのような衣装で笑いをとる。
主演のベネディックは小出恵介さん。ビアトリスは女形が初めてという高橋一生さん、蜷川オム初のクローディオ長谷川博己さんほか、蜷川さんのお芝居に常連の皆さん。
もともと「から騒ぎ」がとびっきり楽しい戯曲なうえ、主演の貴族たちだけでなく、夜警のおぢさんたちまでおかしく、笑いが絶えない。
オール・メールシリーズ続編に期待!「夏夢」がいいな〜。菊之助丈主演菊五郎劇団には、「お気に召すまま」を希望。

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2008年11月12日 (水)

私生活 PRIVATE LIVES

9日(日)千秋楽を観劇。
作/ノエル・カワード、翻訳/松岡和子、演出/ジョン・ケアード
美術/二村周作、照明/中川隆一、音響/本間俊哉
衣裳/小峰リリー、ヘアメイク/宮内宏明
ファイティング/渥美博、演出助手/鈴木ひがし
舞台監督/八須賀俊恵、通訳/鈴木なお、製作助手/竹岸実夏
プロデューサー/小林香、スーパーヴァイザー/田口豪孝
キャスト
内野聖陽/エリオット(シビルの夫、アマンダの元夫)
寺島しのぶ/アマンダ(ヴィクターの妻、エリオットの元妻)
中嶋朋子/シビル(エリオットの新婦)
橋本じゅん/ヴィクター(アマンダの新郎)
中澤聖子ルイーズ/(メイド)
あらすじ
フランスの避暑地・ドーヴィル。眺めの良いホテルで、 エリオットとシビル、アマンダとヴィクター2組のカップルがハネムーン中だ。実は、エリオットとアマンダは元夫婦で、2人は、バルコニーでばったり遭遇してしまい、たちまち駆け落ちを決行する。
さて、パリのアパルトマンに転がり込んだ2人は情熱的に愛し合っていた。しかし、些細な口論から、掴み合いの大喧嘩に発展する。最高潮に達したところへ、ヴィクターとシビルもやってきて…。

劇中劇にも引用されるほどとなった古典の名作。1930年代という時代を全く感じさせない壮絶な男女の本音バトル。この普遍性の前には頭をたれるしかない。最高のスタッフとキャストがそろった贅沢な祭りと思いっきり楽しんできた。
大千秋楽までお怪我がなくてよかったです。みなさまおつかれさまでした。

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2008年9月30日 (火)

劇団四季・トロイ戦争は起こらないだろう・20日(土)千秋楽

トロイ

9月20日(土)、千秋楽一度の観劇。
写真はチラシとして配布されていた横長のはがき。
原作:ジャン・ジロドゥ、演出:浅利慶太
美術:金森馨、音楽:武満徹
キャスト
アンドロマック/坂本理咲、エレーヌ/野村玲子、エキュブ/斉藤昭子、カッサンドル/都築香弥子、平和の女神/西田ゆりあ、虹の女神/岡本結花、ポリクセーヌ/岸本美香
エクトール/阿久津陽一郎、ユリス/味方隆司、プリアム/山口嘉三、デコモス/栗原英雄、パリス/田邊真也、オイアクス/青羽剛、ビュジリス/神保幸由、幾何学者/池田英治、トロイリュス/大空卓鵬、他
創立55周年記念演目のひとつが、ジャーナリストにして20世紀を代表する劇作家フランスのジャン・ジロドゥの戯曲「トロイ戦争は起こらないだろう」だ。「トロイ戦争」は、1935年、ヒトラーがドイツで首相の座につき、大戦の懸念がヨーロッパを覆ったなかで初演された。ギリシャ悲劇のプロットと運びを踏襲した問題作だ。日本では、1957年に劇団四季が初演し、以降、四季以外では上演されていない。
ものがたり
舞台はトロイの王城。
王子パリスは、ギリシャに絶世の美女を求めて船出し、スパルタの王妃エレーヌを略奪してきた。ギリシャ連合軍は、トロイの海上に艦隊を集結し、エレーヌの返還を要求しているが、文官や老人たちはエレーヌの美しさに心を奪われ、戦も辞さないと返還を拒む意見が大勢だ。
そこへ、トロイ一の勇将として国民や軍から信頼されている王子エクトールが、勝利を収め王城に凱旋してきた。勝利を得たとはいえ、兵士は死傷し、軍隊は疲れ切っており、エクトールが最も平和を望んでいた。問答無用で、パリスにエレーヌの返還を命令するエクトール。何一つ決断しないパリスとエレーヌ。
最終交渉人として、ギリシャの知将ユリスが王城に乗り込み、エクトールと、国家の存亡を賭けた会談が始まった。

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2008年9月28日 (日)

人形の家・20日(土)ソワレ

200809201926000_2A Doll's House
作:ヘンリック・イプセン
演出:デヴィッド・ルヴォー
出演
ノラ/宮沢りえ、ヘルメル/堤真一、クロクスタ/山崎一、ドクター・ランク/千葉哲也、リンデ夫人/神野三鈴、乳母/松浦佐知子、メイド/明星真由美
ものがたり
銀行の頭取に就任することになった弁護士ヘルメルとその妻ノラ、3人の子供からなる幸福な家庭では、クリスマスの準備に余念がない。そこへ、旧友のリンデ夫人が、就職の斡旋を願ってきた。ノラが、夫に頼んだ結果、リンデ夫人は職を得られることに…。しかし、このあおりで失職したヘルメルのかつての親友クロクスタが、復職させないと夫に秘密をばらすとノラを脅迫してきた。
ノラの秘密とは、ヘルメルが重病に罹ったときに、治療費を借金したことだ。女性名義では借りられないため、病床の父の署名を偽造しての仕業だった。明るみになれば犯罪だ。
何とか最悪の事態を回避したいと、さまざまな手を打とうとするが、ノラにできるのは、時間の引き延ばしだけだった。そして、遂に、クロクスタから暴露の手紙が届く。 真実の姿をぶつけあい対決する夫婦。ノラは、自分の採るべき道を選ぶ。

“近代演劇の父”と呼ばれるノルウェーの劇作家イプセン(1828~1906)の代表作「人形の家(1879年発表)」が、デヴィッド・ルヴォー氏の演出で現代に蘇る。その結末から、社会派の戯曲と称され、フェミニズムの教義のように祀り上げられた作品だが、家庭内コミュニケーションの不在、モラルに固執した硬直的な人間関係がもたらす悲喜劇と、近代社会が背負い続けなければならない重~い命題を突き付ける。

拝見したのは20日(土)夜。客席を四方に配した正方形のステージは光で縁どられ回転する。開幕前にはステージは紗幕で覆われ、中では三人の子供たちが遊び、幸福な家庭のガラス展示のような作り物感を感じさせる。装置は全て子供サイズの家具で構成され、「人形の家」の主題を象徴する。

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2008年9月14日 (日)

九月新派公演 in 南座

九月新派公演 in 南座
四条南座では、笹野高史さんと片岡愛之助さんを客演に迎え、定番名作演目の遊女夕霧と明日の幸福を上演中だ。で、最高に盛り上がれそうなお連れ・ムンパリさまをお誘いし、14日昼の部を突発観劇した。
笑いと涙のヒューマンコメディを、芸達者で容姿も端麗な役者さん揃いで上演なさっているのにもかかわらず、満席ではなかったことがもったいない。
ほのぼのしみじみの一日だった。

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2008年8月29日 (金)

四季公式ページに「トロイ戦争は起こらないだろう」の稽古場写真が…

『トロイ戦争は起こらないだろう』の世界 第四回(自由劇場)『トロイ戦争は起こらないだろう』の幕開けまであと4日。
衣装,装置も力入っている。キャストがバレバレになっているところが愉快。
「アンドロマック」は不動のようだが,トロイの勇将他楽しみな方がメインキャストに…。

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2008年8月23日 (土)

SISTERS・23日(土)ソワレ

SISTERS23日(土)ソワレ
長塚圭史さんの家族の闇を手懸ける連作の最新作。松たか子、鈴木杏、田中哲司、中村まこと、梅沢昌代、吉田鋼太郎の最強の布陣で臨む重くホラーに近い愛憎の結末は?
松さん演じる主人公「馨」の痛々しく傷つきながら、必死に何かを為そうとする様相は、女性なら共感できる。全編の地色となる黒、差し色の曼珠沙華の赤、怪鳥のような百舌鳥の鳴き声,死臭とも石鹸とも言える匂い,意表を付いた水使いで衣服を濡らす不快感。演出は五感にざらっとくる。馨,美鳥,操子,信助,礼二,名前も凝っていて象徴的だ。
不条理劇では断じてないが,純文学のコンセプトが鬼才に舞台化されたようなぐったり感がある。純文学を読まなくなってきているので,演劇は確かに要る。

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2008年8月17日 (日)

☆新感線五右衛門ロックのご縁で17日(日)は拡大オフ会

☆新感線・五右衛門ロック17日
古田新さん主演、個性派スターさん客演で超人気の五右衛門ロック月明らかに星稀にのかずりんさまのコーディネイトで、地元並びにお盆休みで遠征中の同好の志の方々とご交流させて頂きました。総勢何と11人が集結!
劇団☆新感線は,老若男女全てカバーする娯楽の王道をゆく集団。男と女の娯楽の間には,男湯と女湯の仕切りより高く,万里の長城より長い壁があります。しかし,彼らは,同床異夢の男女,命を狙いあう親子でも同じ夢を見ることが出来る可能性を求め,前人未踏の荒野を(長いこと)爆走中です。☆新感線は巨大ホッチキス。
こうして多くの皆様にお目にかかれるのも☆新感線の通力だ。感謝m(__)m
Kazuki Nakajima said.
あー面白かった以外の讃辞は必要ない!
さて,リンクからご訪問というみなさまが多いなか,うまくゆかないこともあるという話題がありましたのでリストにしてみました。拙宅を中継地点にご活用大歓迎です。
名古屋の負け犬OL徒然草のみんみんさま
クローゼットより愛を込めての麗さま
地獄極楽Diaryのスキップさま
星月夜に逢えたらのムンパリさま
ぶつぶつ地蔵のひーさま
Reのしろうさま
まどろみの日々のきばりんさま

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2008年8月 3日 (日)

道元の冒険・大阪初日

道元の冒険
3日(日)は大阪公演初日。井上ひさし氏のお若い頃の戯曲を,蜷川幸雄氏が演出するメッセージ性が有りか無しか,よう分からないお芝居。
役者さんは美男美女揃い。10人が50の役を演じ分け,技術者として極限まで戦っておられる。実は、素に戻って楽しんでおられたりして…。

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2008年7月27日 (日)

子供のためのシェイクスピアカンパニー・シンベリン

子供のためのシェイクスピア
今年は山崎清介さん他7人のメンバーで、ロマンス劇シンベリン。24日に東京千秋楽を済ませ、韓国も含めた長旅の初日とか。8人は複数の役と犬や鷲まで演じられる。
小田島雄志訳をデフォルメ&リズミカルに潤色した脚本は感動はそのままでストレートに子供に届く。子供たちには少し滑りメのギャグも大人なら愛敬と許容出来る。
限りない夢と想像力を道連れに行ってらっしゃ~い。

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「かもめ」を見た

「かもめ」を見た
チェーホフのかもめだ。藤原さんでも、美波さんでも、麻実さんでもなく…。
登場人物たちは,与えられた才能と運命に納得せず、自我に拘泥し、不相応な愛や泡沫の成功を望み、叶えられないといっては自棄になったり,力関係で勝てる相手に八つ当たりする。本人とっては大悲劇でも,第三者からみればただの喜劇にすぎない。年齢も身分も性別も異なりながら,連鎖的に見事に同じことをしている愛しい人たちだ。
重かったが,とにかく見た。ゆっくり考え生涯反芻するんだ~。

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2008年7月14日 (月)

ウーマン・イン・ブラック~黒い服の女 13日(日)千秋楽

ウーマン・イン・ブラック
原案・原作/スーザン・ヒル,脚色/スティーブン・マラトレット
演出/ロビン・ハーフォード
出演/上川隆也,斎藤晴彦
上川隆也と斎藤晴彦の共演で絶賛されたロンドン発ゴシック・ホラーの決定版が、5年ぶりに再々演。秋にはロンドン公演も決定している。

怖かったよ~(涙)
老弁護士が若いころ経験した、世にも忌まわしい物語、「黒い服」をまとった女性に遭遇した怪奇体験を,語ることにより自らの恐怖から逃れようと,若い俳優に指南を受ける。俳優が若い頃の弁護士を演じ,老弁護士が何人もの人物を演じ分ける。
イギリスの人里離れた片田舎の屋敷に住んでいた身寄りのない老婦人が亡くなり、弁護士は遺産整理のために出向くが,果たして黒い服の女の亡霊が出没する。

怖いの何の,視覚に訴える怖さではなく,台詞と音響で恐怖を増幅するお芝居なので目をつぶっても怖い。観客はリピーターさんが多いのか,心の準備がよろしいのか,あまりヒエーの声は聞こえない。おまけに,物語は完結しなく,恐怖はおうちにお持ち帰りとなる。書いたら助かるやろか。書いたらもっと怖くなるし…。わーん。

うだる暑さの大阪,凍りつくシアタードラマシティ。上川さん,ぶっ飛ばしの燃える熱演で,開場はオールスタンディングのカテコとなった。

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2008年7月12日 (土)

思い出を売る男12日(土)マチネ

思い出を売る男12日(土)マチ
1953年、劇団四季創設の5ヵ月後に35歳で夭折した劇作家・加藤道夫の詩的な戯曲を、55周年記念公演のひとつとして上演中。12日は前楽にあたる。
主人公の思い出を売る男は、加藤本人とされている復員兵の詩人でありサキソフォン奏者だ。誰もが戦争の深い傷を負っている時代、詩と音楽で思い出を甦らせようとする男の前を、花売り娘、広告屋、GIの青年、街娼、乞食、闇市のボスが通りかかる。

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2008年4月12日 (土)

蜷川幸雄演出「身毒丸 復活」見たことをしゃべったら呪われそう。

さらば,わが愛 覇王別姫を拝見した勢いで,書きかけのエントリを仕上げる。2月29日(金)だった。それでも言語にするのが苦しいが…。
身毒丸 復活
作:寺山修司,脚本:岸田理生
演出:蜷川幸雄,作曲:宮川彬良
美術:小竹信節,照明:吉井澄雄
衣裳:小峰リリー,振付:前田清実・花柳錦之輔
ヘア&メイク:高橋巧亘,音響:井上正弘,舞台監督:明石伸一
キャスト
身毒丸/藤原竜也,撫子/白石加代子
父親/品川徹,小間使い/蘭妖子
あらすじ
死んだ実母を慕い続ける身毒丸は,母を売る店で父が買い求めた女・撫子と,“家”という呪縛の中で,壮絶に憎しみあい,愛しあい、拒絶しあい,求めあう。

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2008年4月 6日 (日)

今年の子供のためのシェイクスピアは「シンベリン」

駅にびわ湖ホールのチラシがあった。見逃しません。
子供のためのシェイクスピア「シンベリン
7月27日(日)14時 中ホール

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2008年4月 4日 (金)

劇団四季の立岡晃さんが29日にご逝去されました。

31日に公式に掲載されていました(以下引用)。
---
劇団四季の俳優 立岡 晃さんが3月29日(土)深夜、急性心不全で逝去されましたのでお知らせ申し上げます。78歳でした。
生前最後の出演は、3月29日(土)『ウェストサイド物語』京都公演(京都劇場)のドック役でした。
□立岡 晃(たつおか あきら)プロフィール
1930年3月1日生まれ、京都府出身
1957年、創立間もない劇団四季に入団。『ひばり』で初舞台を踏む。
以来、個性的なキャラクターを生かし、『ハムレット』『オンディーヌ』『ユリディス』『ヴェニスの商人』等、四季の代表的なストレートプレイに数多く出演。『オペラ座の怪人』『夢から醒めた夢』『はだかの王様』等、ミュージカルでも活躍。
一方、劇団の医務委員として、俳優、スタッフ、社員達の健康管理に気を配るなど、劇団の医療面一切の面倒も見ていらっしゃいました。
---

最後の舞台となった29日まで,ウエストサイド物語の厳しいながら愛情溢れるドック役を務めておられたこと,ときは春の桜の季節,ご出身地の京都。78歳。まだまだご活躍が期待されましたが,舞台に生涯を捧げられた御方に相応しい終幕であられました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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2008年2月28日 (木)

リア王・良心という銀糸で舞台を繋ぐ高橋エドガー

戯曲リア王には,邪悪な庶子が引き起こすグロスター家の悲劇が副筋として添えられる。
はじめ,老グロスターは,王をないがしろにする姉達から王を守ろうと小細工を弄する。しかし,庶子エドマンドはコーンウオール側に付き,疑いを知らない嫡子エドガーを陥れ,父まで亡き者にしようとする。哀れ老グロスターは,両目をえぐられ,リアと同様,嵐の荒野に放逐される。盲いて初めて真実が見えるようになったグロスターは,それと知らずに,乞食トムにやつしたエドガーにめぐり合い,リアにも会えて噴涙する。

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2008年2月24日 (日)

平幹二朗丈一世一代の「リア王」

Lear_photo彩の国シェイクスピアシリーズ第19弾。昭和50年代から数々の名舞台を築きあげてこられた蜷川幸雄さんと平幹二朗さんが組む最後の仕事とされている「リア王」だ。蜷川さんも平さんもそれぞれリアには挑戦なさったが,組むのは最初で最後となるようだ。
戯曲/W.シェイクスピア,翻訳/松岡和子
リア王/平幹二朗
コーディリア/内山理名,リーガン/とよた真帆,ゴネリル/銀粉蝶
エドマンド/池内博之,エドガー/高橋洋,道化/山崎一
グロスター伯/吉田鋼太郎,ケント伯/瑳川哲朗
オールバニー公/渕野俊太,コーンウォール公/廣田高志

この芝居に関しては,このメンバーを集めただけで成功したも同じ。演出家というよりプロデューサーとして価値あるご決断をされた蜷川さんに感謝する。
舞台は,松羽目が描かれた粗末な板,無地の板,空を表すホリゾントの3種類の背景で構成される。その他,紅梅白梅の大木,椅子やテーブルやベッド,吊り物と旗指物。床は荒野を表す凹凸があり,砂が撒かれているため散水されていたようだ。降りものの落石も健在だ。
お衣装はジャポニズムを一切排除したシンプルな胴衣に豪華なファーコート,ヘアーはスキンヘッドかショートヘアーでロン毛の鬘もなし。
音は,能管や鼓やつけ打ちを多用し,道化の台詞回しは狂言風,老グロスターとエドガーの道行きは能楽の所作風。

蜷川さんは,リアの悲劇を老耄と短慮が招いた家庭内悲劇の拡大版。コーディリアは想像力と配慮に欠ける娘として矮小化して演出したいとことさら強調なさっておられたようだ。
リアは,冷酷な2人の娘に誇りまではぎ取られ,道化とケントだけを供に,嵐の荒野に放り出される。肉体の苦痛の極致にあって,激しい憎悪と憤怒,狂気と正気の挾間を,フォルテシモの振れ幅で往復しながら,真理を見抜き,邪悪を憎み,貧しきものへの想像力を獲得する。平幹丈のリアは,受難者としての全ての人間を代表する者として,厳然として舞台に存在する。
コーディリアは,父を救うため,フランス軍を率いドーバーに進駐する。勇ましくも美しいこと。序幕でも,追従と偽善を憎み,稚拙ながら一石を投じ宮廷を去る。意外性を強調するための三味線だとしても,コーディリア愚娘説を撤回して欲しい。
これでもかという苦難の最終幕には,縊り殺されたコーディリアを抱いてリアが咆哮するという救いのない結末が待っている。蜷川さんは,ことさら悲劇性を強調し不条理劇として権力者の転落を描きたかったようだが,そこには,運命に能動的に立ち向かい,真理にたどり着いた後に力尽きたヒーローの姿があった。
平幹丈の完全勝利で幕は下りた。果てることのないスタンディングオベイションは平幹丈へのものだった。

平幹丈は,お若いころから,激情を漲らせ,邪悪と苛酷な運命に果敢に立ち向かう主人公を演じてこられた。シェイクスピア劇の主人公は,逡巡し苦しみながらも,二択の場では清く正しい方を選択し,悪人達に挑戦した後に,運命の裁きを粛々と受け容れ,秩序の回復者に後の世を委ね舞台を去る。このような人物像はオイディプスの昔から西洋演劇において描こうとしてきたヒーロー像で,これを演じきる役者さんは,日本には平幹丈のみで,世界的にも高い評価を受けておられる。
初めて平幹丈を拝見した日から40余年。欲目贔屓目コーディリア目線。冷静さを欠いているので一旦置いて,吉田さん高橋さん編は後ほど。
2005年9月17日 ドレッサー
2006年1月15日 獅子を飼う
2007年12月25日マイファーストハムレット

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2008年2月23日 (土)

たくさんの方にお会いできた一日でした

大阪松竹座「坂東玉三郎特別舞踊公演」と蜷川幸雄さん演出の「リア王」を昼夜続けるというヘビーな観劇を決行しました(;^_^A アセアセ…。
大阪松竹座では,ご遠征の雪音さま,和音さま,ゆきよさまにお写真売り場の長い列でお目にかかれました。最後の土日ですので大変な賑わいでした。
シアタードラマシティでは,スキップさまとどら猫さまにご挨拶できました。ありがとうございました。芝居がはねたのが午後10時半近く。降り出した大雪に帰路を急ぎました。
明日は大雪になりそうですので,道中のご安全をお祈り致します。

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2008年1月30日 (水)

シアターBRAVA!で「かもめ」7月中旬上演!

BRAVA!Clubメルマガに記載されていた。
【速 報】藤原竜也×鹿賀丈史出演「かもめ」7月中旬上演!
     チェーホフの4大戯曲の中でも
     最高傑作と名高い「かもめ」を豪華キャストで♪
     詳細について近日中にホームページ等で発表♪
【公演名】かもめ
【日 程】7月中旬
【 作 】アントン・チェーホフ
【演 出】栗山民也
【出 演】藤原竜也/鹿賀丈史
     美波/小島聖/中嶋しゅう/藤木孝/藤田弓子
     たかお鷹/勝部演之/麻実れい ほか
【会 場】イオン化粧品 シアターBRAVA!
栗山民也氏の演出に期待!
「桜の園」は,戦中の信州須坂に翻案されてたし,
「ロマンス」は音楽劇だった。何かありそうだ。

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2008年1月 9日 (水)

シアターガイド2月号

Book見れば東京へ行きたくなるので,毎月は買わないシアターガイド
今月号はいのうえ歌舞伎☆號「IZO」,「リア王」他,インタビュー記事が中心だ。
行きたいお芝居が一杯だが,ケラリーノ・サンドロビッチの「どん底」,アトリエ・ダンカンの「サド侯爵婦人」かな。

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2008年1月 6日 (日)

ビューティ・クイーン・オブ・リナーン

Main5日,シアタードラマシティで『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』を観劇した。
脚本:マーティン・マクドナー,演出:長塚圭史
キャスト
モーリーン(独身中年女性・リナーン在住)/大竹しのぶ,マッグ(モーリーンの母・同居)/白石加代子,パートー(モーリーンの意中の男・イングランドで労働)/田中哲司,レイ(パートーの弟・リナーン在住)/長塚圭史
あらすじ
60年代のアイルランドの片田舎,ゴールウェイ コネマラにあるリナーンに暮らす40女のモーリーンは,母と二人暮らし。我が儘で支配的な老母と激しく憎しみ合いながら,朽ち果てようとしていた。
ある日,近くに住むレイが,イングランドで働く兄パートーが帰郷し,パーティーを開くとの知らせを持ち込む。モーリーンは新しいドレスを買ってパーティに出席し,その晩、パートーを家に連れて帰ってくる。娘の幸福をことごとく壊そうとするマッグは,翌朝,激しくののしり,モーリーンに精神病歴があることを暴露する。

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2007年12月30日 (日)

2007風知草の人気記事ランキングベスト10は,仁玉菊染水アイーダ

Fubako1_2今年の締めとして,アクセス解析を活用して,ページ別アクセスランキングを通年集計しました。風知草のエントリの客観的評価です。芝居浄瑠璃玉菊マンカス好きと公言しておりますが,きっちり
仁玉菊染水アイーダと並びました。夏に集中していることから,この頃のっていたことが分かります。気合いと思い入れどおりの順に並んでいるようです。
ご高覧本当にありがとうございましたm(__)m アリガトォゴザイマシタ。

1位:朧の森に棲む鬼・大阪松竹座
2位:宝塚雪組公演・エリザベート・達成感一杯の初日
3位:国立劇場「初瀬/豊寿丸・蓮絲恋慕曼荼羅」
4位:玉三郎丈が南座にしつらえられた6曲1双の春秋図屏風
  阿国と妻菊・鍛冶の娘は舞い上手

5位:400年待ち続けたヴァイオラ
    NINAGAWA十二夜は深化中

6位:大阪松竹座・仁左さまの「女殺油地獄」
7位:アイーダ・新名古屋ミュージカル劇場初日
8位:アイーダ・6月23日ソワレ・アイーダ新キャスト
9位:シネマ歌舞伎・京鹿子娘二人道成寺・サブリミナル玉様
10位:秀山祭九月大歌舞伎23日夜の部リライト
次点はキサラギでした。
11位:キサラギ
愛とエスプリを錬磨致します。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。

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2007年12月29日 (土)

KANADEHON 忠臣蔵 by 花組芝居

花組芝居20周年記念公演の掉尾を飾るKANADEHON忠臣蔵!
シアターBRAVA!劇場に何とか潜り込んだ。脚本は,2001年版を基本に時点修正されたものだ。
脚本:石川耕二,演出:加納幸和,イラスト:岡田嘉夫
配役
戸無瀬/加納幸和,おかる/植本潤,桃井若狭之助・斧定九郎/北沢洋,石堂右馬之丞・お石/山下禎啓,塩冶判官・寺岡平右衛門/小林大介,天河屋義平/水下きよし,顔世・矢間重太郎/嶋倉雷象,おかや/八代進一,加古川本蔵/溝口健二,大星由良助/桂健一
あらすじ
大序から十一段目まで,浄瑠璃の原作に忠実に全段の通し上演。二段目桃井館の場では,大星家と加古川家の浅からぬ縁,三段目では贈収賄,職場離脱及び傷害事件の現場,十段目では天河屋一家の忠心,十一段目ではスペクタクルな討ち入りシーン等,通常の上演では省略されがちな脇筋もしっかりポイントを押さえ,奥行きの深い物語であることを余すこと無く見せてくださった。

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2007年12月25日 (火)

劇団四季のハムレットが昨日開幕…

ワタクシごとで恐縮だが,マイファースト「ハムレット」は,劇団四季創立15周年を記念して1968年に上演された浅利慶太氏演出の舞台だった。このときのタイトルロールは平幹二郎さん,オフィーリアが影万里江さん,レイアティーズが日下武史さん。
不遜を省みず,勝手に父上と思い込ませていただいている平幹二朗氏は,映像の仕事においても,近年は重要な悪役を中心にご健在で,2008年の大河ドラマにも出演される。
舞台では,年明けに,蜷川さんと一世一代の「リア王」だ。1968年がフリーになられた年で,同年,劇団四季の「ハムレット」でタイトルロールを演じ,各界から高い評価を受けられたことが,後年の飛躍の契機だった。

で,創立55周年のハムレットが,昨日,田邊真也さん主演で昨日開幕した。ホレイショーは,味方隆司さん,レイアティーズには,劇団昴の坂本岳大さんのようだ。新キャストは新鮮な魅力の実力派。溜めた力を爆発させる福井晶一さんの登場が待たれる。

しかし,40年間嗜好が変わらないところが,初心貫徹というか,成長がないというか…。ひな鳥が初めて見たものを親と思い込む習性に似ている。

訂正
マイファースト平幹氏は1968年のハムレットかと記憶していましたが,アンドロマックを鮮明に記憶しているので違いました。マイファースト平幹氏は,1966年『アンドロマック』のピュリスでした。前後脈絡がないですが,おみ足の長さは覚えています。

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2007年12月22日 (土)

花組芝居KAMADEHON忠臣蔵 in OBP

花組芝居KAMADEHON忠臣蔵 in OBP
22日夜は,座頭で演出家の加納幸和さんのアフタートーク付き。
大序から十一段目まで2時間半で,本格的且つスピーディな見せ場、見せ場、連続の演出だ。本当に贅沢な舞台だ。義士たちや絡む女たちの魂を、はかなげな黒揚羽で象徴した装置や小道具も美しい。
写真はロビーにあったリリパットアーミーからの贈り物のフラワーアレンジメント。討ち入り装束のだんだら模様がポイント。
今日は,ムンパリさま,ハヌルさま,スキップさまに,拡大オフ会に混ぜて頂き,楽しい時間を過ごさせて頂きました。本当にありがとうございました。

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2007年12月17日 (月)

欲望という名の電車

Cast_2篠井さん主演「欲望という名の電車」を,シアタードラマシティで12月5日拝見した。1公演だが,パンフレットが売り切れという事態に涙。このキャスト,この演目は,必見でしょ。
作:テネシー・ウィリアムズ,翻訳:小田島恒志,演出:鈴木秀勝
キャスト
ブランチ/篠井英介,スタンリー/北村有起哉
ステラ/小島聖,ミッチ/伊達暁
あらすじ
ニューオーリンズ。ブルースが似合う野卑な魅力のある街だ。
労働者スタンリーと妻ステラのアパートへ,無一文となったステラの姉ブランチが転がり込んできた。姉妹はアメリカ南部の大農園ベル・レーヴの上流階級の出身だが,実家はもはや無い。
狭いアパートの共同生活では,ブランチは,スタンリーの粗暴さ,下品さを受け容れ難く,スタンリーは上品ぶったブランチを徹底的に嫌う。それでも,スタンリーの友人ミッチとブランチは惹かれ合い,一時はうまくゆくかにみえたが,スタンリーは,ブランチの不名誉な過去を知り,ミッチに暴く。

生活臭のある庶民階層の暮らしぶりを示すため,装置や小道具が多く舞台上に存在する。客席通路をストリートに見立て,頻繁に俳優が出入りする。
篠井さんは,美しいブラックドレスとホワイトドレスの拵え。上品さ,美しさ,年齢,異星人のように浮いている感じが素敵。
いつも凛々しい北村さんは今回は粗野で下品な役作りだが,やはり知的で,女性が本能的に畏れる感じに至っていない。お声いいし~。もっとも,そのような方が俳優さんとして人気を博するとは考えにくいので,これで十分。問題のシーンも一発だけでホッ。
小島聖さんのステラは,善良さを前面に,好感の持てる役作り。伊達暁さんのミッチは,ミッチ役の強面だがやさしいというセオリーに反し,若くナイーブな好青年。

未だによく分からないのが,ブランチの不品行はニューオーリンズでも受け入れないものなのだろうか。戯曲の主題の根幹に関わるのだが,今日性があるのか。どちらかといえば,階層対立の報復を受けたという性格を強調していた今回の演出は納得しやすかった。
北村さんでも恫喝は怖い。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。

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2007年12月11日 (火)

新派で鹿鳴館

どら猫さまに教えて頂きました。
日刊スポーツドットコムに,来年6月,新派120周年記念公演に鹿鳴館と婦系図がかけられるそうだ。鹿鳴館の影山伯爵は市川團十郎丈,清原は西郷輝彦さん,婦系図の早瀬主税に片岡仁左衛門丈と客演陣が豪華だ。
新派を拝見したのは,最初が,昭和50年代に先代水谷八重子氏で一度。最後が数年前の南座で,当代水谷八重子氏の「恋女房・吉原炎上」を観劇しただけという勉強不足者だが,繁栄と発展はお祈り申し上げている。
「鹿鳴館」好きとしては,久雄はどなたが?気になるところだ。

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2007年12月 9日 (日)

四季の公式にハムレット稽古場風景が掲載

昨日からアップされていた。残念ながら,レイアティーズのお顔が見えないが,胸板の厚い偉丈夫の役者さんのようだ。
遅ればせながら,田邊真也さんのハムレット就任にささやかな祝辞を述べさせて頂く。
劇団四季のハムレットは,数年に一度,相応しい役者が揃ったときや,ハムレットを演じることにより,ハムレット役者となる逸材が現れたときにかけられる特別の演目だ。
田邊さんは,「ユタと不思議な仲間たち」のタイトルロールを長く演じたのち,昨年一年間,三島由紀夫氏の戯曲「鹿鳴館」において,ヒロインの息子で愛憎の要となる「清原久雄」役を好演し,ロングラン公演を推進するキーパースンとなられた。その間に,「クレージーフォーユー」でも,主演のボビーを努め,切れ味鋭いタップを披露されている。
考え抜いて構築した性根のうえに,舞台で起こる一挙手一投足に確かなハラがあるところが魅力的な役者さんだ。
田邊さんらしく,相手との心の交流を大切にするピュアで繊細なハムレットを望む。
自由劇場では早くも延長決定とか。京都劇場にも来てくださることだろう(来て欲しい。)。

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2007年12月 5日 (水)

ビューティ・クイーン・オブ・リナーン,キャスト変更

白石さんvs.大竹さんの母子対決が見ものと期待される「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」に出演予定だった黒田勇樹さんが休演される。で,演出の長塚圭史さんが代演のことだ。
どちらにしても見る。asahi.comに詳しい。

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2007年11月26日 (月)

昨日は「鹿鳴館」千秋楽

昨日11月25日は,三島由紀夫氏の命日だ。1970年,『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後,自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。
劇団四季自由劇場で,この日を千秋楽として目論んで上演されていた『鹿鳴館』東京公演が終幕した。
福井晶一さんのファンを標榜しながら,清原久雄役で登板されているお姿を見に駆けつけていないことを激しく反省している。
公式ページで,特別カテコの様子を拝見すると,通算上演回数195回のロングランの長期に亘り,清原久雄役を演じられた田邊真也さんがメンバーを代表して挨拶をなさったようだ。
鹿鳴館は,世俗の幸福を,華麗な修辞とシニカルなレトリックで哄笑する技巧に満ち満ちた戯曲だ。どちらかといえば,親の世代の役者さんたちの顔見世的な興行意図を満たすものだ。今公演では,演技者さんの自律的な心の交流により,感動もできる物語であることを実証した。
田邊真也さんの功績は大きい。三島由紀夫氏自身を投影する破滅的な生き方しかできない清原久雄像を,母の愛を求めてやまないナイーブな青年として共感が得られる人物とされた。拝見するたびに泣かされた。また,福井晶一さんもきっぱりとした直情的な人物として演じられたようだ。
さて,二人の久雄の今後が気になるところだが,京都劇場に,○○と○○で来ていただけたら嬉しいな。そのときは,観劇依存症患者として客席から病院に担ぎ込まれるかもしれない。

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2007年11月19日 (月)

賢明さには欠けたがあまりにも深く愛した男だったと,「オセロー」

Othello16011月17日(土),ソワレを気合で観劇!
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
作/W・シェイクスピア,翻訳/松岡和子
演出/蜷川幸雄
キャスト
オセロー/吉田鋼太郎,デズデモーナ/蒼井優,イアゴー/高橋洋,エミリア/馬渕英俚可,キャシオー/山口馬木也,ブラバンショー/壤晴彦
あらすじ
ルネッサンス期のヴェニス公国。イアゴーは,傭兵隊長で,百戦錬磨のムーア人将軍オセローの旗手だ。イアゴーは,オセローが同輩のキャシオーを副官に昇進させたことを深く恨み,オセローの秘密の結婚を,花嫁の父に通報する。オセローが妻としたのは,元老院議員ブラバンショーの若き令嬢デズデモーナだ。父の許しを得られない二人だったが,年齢,人種,境遇の障害を超えて,深く愛し合っていた。
折りしもトルコ艦隊が,ヴェニス領キプロスを脅かすという国難が勃発し,オセローはヴェニス艦隊を率い,妻と共にキプロスに向かう。トルコ艦隊は嵐に壊滅し,所領は安堵,オセローはキプロス総督に任命され,平和が訪れたかに見えたが…。
イアゴーは,デズデモーナがキャシオーと通じていると,オセローの嫉妬心を煽り,3人を一挙に滅ぼそうと,キプロスで行動を開始する。

蜷川さんの信頼厚い吉田鋼太郎さんがタイトルロール。また,蜷川さんに育てられた高橋洋さんが,これまでのマーキューシオ系の華やかなお役から一転,どす黒い嫉妬を拡散させるイアゴーを演じる。また,ハチクロなどで透明感ある娘役を好演し,実力と麗姿がそろった蒼井優さんが,初舞台でデスデモーナだ。
『壮年の黒人男性と,若い白人娘の結婚が巻き起こした悲劇』という明快な松岡和子さんの新約に忠実に,愛を求めずにいられない人間の悲しさ,気高さ,愛おしさで観客を叩きのめす最新作!
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2007年11月 6日 (火)

今週から福井さんが清原久雄!

劇団四季の公式には,その週に行われる公演のキャストが掲載されている。翌日には,アンサンブルも含めて,日ごとに前日のキャストが掲載され安否確認が可能だ。
今週は表題のとおり。
劇団四季の福井晶一さんは,主にミュージカルを中心に活躍。この夏はリリーフ無しでアイーダのラダメス将軍を登板された。バラード調の情感ある歌曲が得意で,「迷いつつ」や「ラダメスの手紙」のナンバーは圧巻。正義感溢れる芸風で,古風で質実,痩身のルックスで,鹿鳴館の清原久雄という憂愁の青年がお似合いと思われる。
昨年冬,福井さんは2週間,清原久雄を演じられたが,田邊さんが,父母の愛を求めてやまない屈折した青年を好演されていたので,なかなかお声がかからなかったようだ。ラスト3週間だが,福井さんの存在感を示して欲しい。

11月8日加筆。記念の復帰日は11月7日だった。↓

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2007年9月21日 (金)

平 幹二朗さん・ウィキより抜書き

リア王のチラシにナイジェル・ホーソーン卿と比肩して書かれてあったので,とーぜんと思いながらも気を良くして…。また,奇特なトラバもいただきましたので転載させていただきます。
平 幹二朗(ひら みきじろう)
1933年(昭和8年)11月21日
日本の俳優。広島県広島市小網町(現中区小網町)出身。
長男は俳優の平岳大。
広島県立上下高等学校卒業後、俳優座養成所に5期生として入所。同期に木村俊恵・今井和子・藤田敏八(後に監督)ら。1956年俳優座座員となり、同年『貸間探し』で初舞台。以後、『千鳥』『四谷怪談』『ファウスト』などに出演。端正な容姿と、スケールの大きさを感じさせる演技で注目され、仲代達矢とともに同座の若手ホープと目される。

1963年テレビドラマ『三匹の侍』にレギュラー出演。五社英雄演出によるリアルな殺陣シーンで、テレビ時代劇の流れを大きく変えたこの作品で、ニヒルな浪人役が人気を集めた。お茶の間にもお馴染みの顔となり、時代劇を中心に多くの主演ドラマを持った。1968年フリー。同年劇団四季の『ハムレット』で主役を演じ、各界から高い評価を受ける。続く『狂気と天才』などの演技も高く評価され、日本を代表する舞台俳優の一人となる。テレビドラマでは、1970年『樅の木は残った』、1973年『国盗り物語』とNHK大河ドラマで2度に渡って主演。大河ドラマではその後も助演として出演。1988年放送の『武田信玄』では、武田信虎役で横暴な支配者と失意の流浪者という全く相反する姿を演じている。1992年放送の『信長 KING OF ZIPANGU』では織田家をかどわかす架空の祈祷師・加納随天役で、不可解さと迫力に満ちた演技を見せつけた。

1976年に蜷川幸雄演出『近代能楽集 卒塔婆小町』に主演。以降、『王女メディア』『近松心中物語』『NINAGAWAマクベス』,『タンゴ・冬の終わりに』,『テンペスト』,『グリークス』など数多くの蜷川演出作品に主演、海外公演でも高い評価を得る。1993年には、東京グローブ座でシェイクスピア全37作品上演に挑戦するという壮大な計画を発表。以後『マクベス』(1993年)、『ハムレット』(1994年)、『オセロ』(1995年)、『十二夜』(1995年、1998年)、『リア王』(1997年)、『テンペスト』(2000年)など、着実に実行している。1970年に女優の佐久間良子と結婚し、一男一女に恵まれたが、1984年に離婚している。

代表作は前記の他に、舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』,『俊寛』,『鹿鳴館』、映画『他人の顔』,『天城越え』、テレビドラマ『新選組始末記』,『義経』,『けものみち』など

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2007年9月20日 (木)

リア王配役が公式に掲載

気も狂わんばかりに楽しみにしているリア王。
公式に素敵な平幹二朗氏のお写真が…。平幹氏の娘になりたい。

2008年1月19日(土)~2月5日(火)全18回公演
彩の国さいたま芸術劇場・大ホール
2008年2月22日(金)~24日(日)全4回公演
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
配役
リア王/平幹二朗
コーディリア/内山理名,リーガン/とよた真帆,ゴネリル/銀粉蝶
エドマンド/池内博之,エドガー/高橋洋
オールバニー公/渕野俊太,道化/山崎 一
グロスター伯/吉田鋼太郎,ケント伯/瑳川哲朗
道化が山崎一さんというのが期待大。エドマンドv.s.エドガーの対立軸がくっきりし,高橋さんの裸がありそう。


おとみの勝手配役予想…恥ずかしながら外しまくりました。グロスターとケントが逆,高橋さんの道化に過剰に期待しました。etc.

道化/高橋洋,コーンウオール公/山崎一
グロスター伯/瑳川哲朗,ケント伯/吉田鋼太郎
エドガー/?

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2007年9月19日 (水)

この命誰のものの主演は味方さん

YOMIURIONLINEに,開幕した劇団四季「この命誰のもの」の劇評が掲載されている。
主演の味方さんのお写真も,ええお顔に写っている。
味方さんといえば,コーラスラインのポール,夢醒めの夢の配達人,マンマのハリーなど,夢と現の狭間を飄々と歩んでおられるイメージがある。スレンダーで長い手足が,影法師のよう。典型的な足長おじさんキャラと独り決めしている素敵な俳優さんだ。
わーん。味方さんが主演なら,何としても拝見するスケジュール組むのだった…。うらみに思うゾ。

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2007年9月18日 (火)

藤原竜也さん主演で「かもめ」

藤原竜也さん主演で,チェーホフの「かもめ」が,2008年6月中旬~7月中旬,赤坂ACTシアターで上演決定という情報がアップされていた。

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2007年9月17日 (月)

「エレンディラ」16日マチネ

大阪城公園のシアターBRAVA!で,「エレンディラ」を観劇した。前評判も,あまりに壮大な演出プランで公演が1年延期になった,3幕構成で上演時間4時間…等々,期待はいやがうえにも高まる。
原作: ガルシア・マルケス
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」 鼓直 訳 新潮社刊「ガルシア・マルケス全小説」より
脚本:坂手洋二,演出:蜷川幸雄,作曲:マイケル・ナイマン
美術:中越司,照明:原田保,衣裳:前田文子
キャスト
ウリセス/中川晃教,エレンディラ/美波
祖母/瑳川哲朗
作家/國村隼,語り部/品川徹,語り女/山本道子
ウリセスの父/石井愃一,ウリセスの母/立石凉子
写真家/あがた森魚
あらすじ
南米のとある村に,翼のある息も絶え絶えの老人が倒れていた。天使か悪魔か。老人はエレンディラという女の名を呼び続ける。その瞬間,老人の魂は美しい少年の姿となって現れ,過去を語り始める。
強欲な祖母に売春を強いられ,テントで旅する美少女エレンディラ。ある日無垢な少年ウリセスに出会い,二人はたちまち恋におちる。ウリセスは不思議な力を持つ少年だった。
引き裂かれても阻まれても,求め合う二人の魂は,二人を結び合わせる。とうとう,祖母を殺害し,共に逃げようとしたが,エレンディラは砂漠に走り去り,行方知れずとなった。
語り部の語るこの地方のエレンディラ伝説を小説にまとめている作家は,この物語の真実を探ろうとする。

乾いた大地,たまさか降る雨,遠い海,井戸を求めて彷徨う祖母と孫。熱い血がたぎり,売春,強盗や殺人が日常的な,地球の反対側の南米。エレンディラの長い長い苦行を表すため,発端の失火,務めの開始,修道院への軟禁,軍隊による逮捕などと脱走と殺人未遂が交互に回り続ける。信じがたい悲惨な売春暮らしを続ける美しい少女の前に,無垢な少年が現れ,当然のように恋が始まる。もう独りでは生きられないほどの狂おしい恋。恋は奇蹟を呼び,ウリセスは内に秘められていた力に目覚める。
シニカルかつアイロニカルな現実に引き戻されそうになりながらも,基本は無垢な魂の飛翔と,魂の美しさだけが生きる全てという極めて真っ当な主題である。
蜷川さんは,これまで成功した演出を全て盛り込む。いちいち,あれはあのときの…,これは,異ジャンルの演劇のこの部分の導入,あれは某演出家の…と書き連ねることに意味があろうとも思えないので,まとめると,出来ること全てなさったということだ。
ワタクシ的には,蜘蛛女がツボ。駝鳥さんもシュール。


シンガー&ソングライター,ミュージカルスターの中川晃教さんは,台詞の声から美しく,エキゾチックなマスクとスレンダーな肢体の美波さんは,世界を救世する美しさ。邪悪を体現する瑳川さんの老婆の演技と朗々たる歌唱には参った!,ひとりまともな日常性のある作家の國村さんが異星人のようだ。

ナレーターが,ウリセス,語り部,語り女,作家とリレーされ,凡婦は混乱した。小道具の使い方がお上手なのは分かるが多すぎないか。興味深いので,ついじーと見てしまう。全部暗喩があるはずだ。紗幕,カーテン,テントの布の使い方が手慣れて綺麗だ。フライングは意味のあるときにしか使ってはならないという見本のようなエンディング。

↓お芝居は,重厚長大がよろしい。よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。

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2007年9月15日 (土)

蝉しぐれ・大阪松竹座15日マチネ

15日(土),大阪松竹座で,「蝉しぐれ」を観劇した。
原作:藤沢周平,脚本:池田政之,演出:河毛俊作
配役
牧文四郎/片岡愛之助,お福/相田翔子  
小和田逸平/松村雄基,島崎与之助/野田普市
牧助左衛門/高橋長英,登世/星由里子  
鍛治織部正/長谷川哲夫,犬飼兵馬/安藤一夫
里村左内:近藤 洋介,藤井宗蔵:松山政路,矢田淑江/松岡由美

日本海を臨む小藩海坂藩普請組牧助左衛門の養子・牧文四郎は,父母を敬い,一平と与之介という無二の友にも恵まれ,剣の道に励んでいた。隣家の娘・お福を意識しながらも,まだ恋と気付いていない。
文四郎15歳の夏,運命は変転する。小禄の下級役人でありながら正義漢の助左衛門は,世嗣を争うお家騒動に巻き込まれ,咎人として切腹させられた。捨て扶持を与えられ長屋住まいとなった母子。一方,お福は,江戸詰めの父について江戸屋敷に奉公に出ることとなる。
その後,文武に励んだ文四郎は,道場の師範代に抜擢され,郡奉行支配も命ぜられる。一方,お福は藩主のお手つきとなり,男子を出生する。お福と若君を巡り,新たな陰謀が動き始めた。
友に支えられ,文四郎は巨悪に立ち向かう。それは,父の汚名を濯ぎ,お福を守るための全てを賭けた戦いだった。

貧しい小藩で,真っ当に生きる人々を情感豊かに描き,かけがえのない青春を愛おしむ藤沢作品の最高傑作。
舞台は,藤沢文学のテイストを損なわないよう,忠実にストイックに進行する。緻密な筆致も,リリカルな自然風景の映像もない舞台という戦場では,勝負は役者の演技のみだ。
名場面は,きっちり抑えられて客席の涙を絞り,主演の片岡愛之助丈が歌舞伎役者として培われた見得に近いポージングが小気味よく決まる。
若者の熱さ,見守る大人達の暖かさと渋さのバランスもよく,心洗われる舞台だ。
藤沢文学は圧倒的に男性に人気がある。無骨で不器用だがピュア,与えられた運命を受け入れながらも自己の信念を貫きたいという男達の願望がぎゅーぎゅーに詰まっており,格好良すぎない日本人らしい主演が舞台に立っている。是非,中高年ご夫婦で観劇して頂きたい。
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2007年9月12日 (水)

蜷川幸雄演出で「ガラスの仮面」を舞台化

蜷川幸雄の演出により,埼玉の彩の国さいたま芸術劇場で,美内すずえ先生の代表作「ガラスの仮面」が2008年8月に音楽劇として上演されるという。
脚本は,劇団☆新感線の新作を手がけられた青木豪氏。
今回の舞台化にあたり,北島マヤと姫川亜弓,主演2人をオーディションで選ぶことも発表された。オーディションからもうドラマは始まるようだ。

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2007年9月11日 (火)

「身毒丸 復活」も「リア王」も大阪公演あるんや~

シアタードラマシティの公式に,リア王と身毒丸・復活の大阪公演の日程が掲載されていた。年末年始から年度末の方針を考えるに嬉しい情報だ。ワーイ。
08/2/22(金)~08/2/24(日)
彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾「リア王」
演出 蜷川幸雄 作:W・シェイクスピア
出演 平幹二朗、内山理名、とよた真帆、池内博之、吉田鋼太郎、嵯川哲朗 他
全席 11,500円
窓口発売 12月9日(日)

08/2/27(水)~08/3/4(火)
「身毒丸 復活」
演出:蜷川幸雄 作:寺山修司/岸田理生
出演 藤原竜也、白石加代子 他
全席 11,000円
窓口発売 12月1日(土)

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2007年9月 9日 (日)

子供のためのシェイクスピア・夏の夜の夢・山崎タイテーニア&福井オーベロン!

先週はびわ湖ホールに盆と正月が一度に訪れた華やかな一日だったが,今週は重陽の節句。黄色の花が咲いた中ホールだ。
山崎清介さんが率いる子供のためのシェイクスピアカンパニーが、今年はびわ湖ホールに来てくださった。今日が千秋楽、ツアーの上がりで,これから韓国遠征に行かれる。例により、開幕前のイエローヘルメッツのパフォーマンスは健在。
なんと、山崎さんがヒポリタ&タイテーニア。長身痩身の中高年女性といったところで、笑いはとりにいかない。シェイクスピアドールは,ヒポリタの連れ子と,タイテーニアのお気に入りの印度の少年(カレーの王子さま)だ。
福井貴一さんのシーシアス&オーベロンの当たり前が、異様に見えてしまう。
リズム感と展開の早さがいいんだなー。演劇に必要なミニマムがここにある。演劇とは、俳優と観客とのいい関係とは…と、目を覚まさせてくださる。来年は、シンベリンとか。

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2007年9月 8日 (土)

蜷川「リア王」に平さんが主演

平幹二郎さんがが蜷川「リア王」で主演!
なーんか,順当すぎる見出しだが,蜷川作品にご出演は久しぶりだ。それぞれのお役に相応しい最高のキャスティングのようだ。

以下@ぴあより
シェイクスピア悲劇の最高峰「リア王」が、彩の国シェイクスピア・シリーズ第19弾として登場。蜷川幸雄の演出で、"老い"と"家族の愛憎"をえぐる現代的作品としてよみがえる。リア王を平幹二郎,コーディリアには内山理名を配する。

【演出】蜷川幸雄 【作】シェイクスピア 
【出演】平幹二朗/内山理名/とよた真帆/銀粉蝶/池内博之/高橋洋/渕野俊太/山崎一/吉田鋼太郎/瑳川哲朗/他

2008年1月19日(土)~2月5日(火)
(月)(水)(木)(日)1:00PM (火)(金)6:30PM (土)昼12:00/6:00PM
※1/19(土)6:00PM。2/5(火)1:00PM。
※休演=1/21(月)・28(月)。
彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

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2007年8月21日 (火)

坂東玉三郎が語る天守物語・第2版

9日,調布グリーンホールで拝聴してから2週間過ぎたが,保ちの良い玉三郎丈の舞台の記述はいつでも可能と,暑さと忙殺でエントリも亀の歩みだ。物忘れは酷くなる一方だが,玉三郎丈のお言葉は絶対に忘れないのが,我ながら不思議だ。
昨年の大阪松竹座では,丈は富姫の扮装し,一門のみなさんと上演なさったが,そのとき,すっぴんは恥ずかしかったと述懐しておられた。今回は敢えてすっぴんにリベンジなさるので,すべての雑用を前倒し(なぎ倒し)て,お江戸遠征に踏み切った。

朗読と音楽で綴る言の葉コンサート
坂東玉三郎が語る泉鏡花作天守物語
播州白鷺城の妖しくも優艶の美

朗読/坂東玉三郎,ト書き朗読/山本昂尚,笛/籐舎名生
拵えは,ベージュ系の紋付袴ですっぴん。タイトな七三分け。装置は,花器に生け花と薬玉の打掛(一幕及び二幕とも)。タイトル,サブタイトルが長い理由は分からなかった。

玉三郎丈は,オープニングに,天守物語を様々な上演形式で幾度も演じ,これからも演じ続けてゆきたいと語り始められる。鏡花先生をこよなく敬愛なさっておられることがじわーんと伝わる。

今年の朗読会は,ト書き部分を山本さんが語り,全台詞を一人で語る形式を採用した。2時間余り,ト書きも含めて一人で進めると,リスナーが混乱することを避けるためである。昨年も大緊張したが,今回も緊張している。語りのプロではないので,俳優として演じる。
鏡花先生は,芸術至上主義と恋愛至上主義で,恋する美しく純粋な者達と,妨げる醜く邪悪な存在を対立的に物語に登場させる。そして,前者は度々,あやかしの者・妖怪変化の類であり,後者は欲にまみれた人間である。対立する世界を飛び越えるのが,魂の美しさゆえ,俗世にいられなくなった恋に生きる人間と,恋人達を救済する芸術の神である。
芸術の神といっても,この物語では,獅子頭と牡丹の花飾りのある櫛を彫った工人で,鏡花先生の芸術家が果たす役割についての考えが伺える。


なるほど,なるほど…。鏡花先生の御父君は,金沢の彫金師。御母堂は江戸の能楽師の息女。美のクリエーターとしての工人を尊敬し,美の体現者が起こす奇跡を信じておられる。芸術家とは,「職人としての職能を基盤とし,彼岸と此岸を往還できるとともに,結界を超えようとする者運び去り,美しい者を救済できなければならない。」というお考えらしい。まさに,丈は,このお考えを実践しておられる。玉三郎教の教義がまたひとつまとまった。

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2007年8月16日 (木)

ロマンス・こまつ座&シス・カンパニー

ロマンス
こまつ座&シス・カンパニー公演
作/井上ひさし,演出/栗山民也
キャスト
オリガ・クニッペル(ドイツ系女優・チェーホフの妻)他/大竹しのぶ
マリヤ・チェーホワ(チェーホフの妹)他/松たか子
壮年チェーホフ他/段田安則
青年チェーホフ他/生瀬勝久
少年チェーホフ他/井上芳雄
晩年チェーホフ他/木場勝己
スタッフ
演奏/後藤浩明,音楽/宇野誠一郎,美術/石井強司,照明/服部基,音響/秦大介,衣裳/前田文子,振付/井手茂太,歌唱指導/伊藤和美,舞台監督/三上司
あらすじ
チェーホフ家は,ロシアの田舎町のはずれで食料品店を営んでいたが,一家は破産して夜逃げ。少年チェーホフは置いてゆかれ(>_<)ゞグスッ,苦学の末,モスクワ大学医学部に入学し,卒業後,開業する。常に献身的に兄を支える妹マリヤが側にいた。稼業の傍ら,劇作を続け,ヴォードヴィルによる作劇を夢見続ける。
病苦と貧しさも豊かな人生の輩と笑い飛ばしながら,モスクワ芸術座で,仲間達と演劇活動を続けていたとき,生命力に溢れた女優オリガと出会う。「かもめ」,「ワーニャ伯父さん」,「三人姉妹」など立て続けにヒット作を書き上げるなか,オリガと結婚し,最後の戯曲「桜の園」に取りかかった。
晩年のチェーホフは,オリガとの愛と泣き笑いの日々を過ごしながら,自分の意図と,実際に上演された演劇とのギャップをアイロニカルに見つめていた。

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2007年8月10日 (金)

坂東玉三郎が語る天守物語

9日、調布市グリーンホールで上演された標記の朗読会を拝聴した。共演は、笛に籐舎名生さん、ト書き朗読に山本昂尚さん。丈の拵えは、ベージュ系紋付袴にすっぴん。装置は、生け花と打ち掛けのみ。
今年の試みとして、一人で2時間語っていると、誰か分からなくなるので、ト書きの部分を山本さんにお願いなさったようだ。
また、衣裳を付け、装置を備えて上演しても、主人公を危機から救出する老人の登場が唐突で、理解しにくいと気に掛けておられ、最初に、鏡花先生への敬愛とともに、天守物語への思い入れを語られる。

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2007年7月26日 (木)

犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕助之介の事件です。ノート

14日(土)マチネ,プレビュー公演を観劇。
どーしても最初に見たかった!
劇団☆新感線2007年夏休みチャンピオン祭り
作・演出:いのうえひでのり
犬顔家の一族の陰謀~金田真一耕助之介の事件です。ノート
キャスト
金田真一耕助之介/宮藤官九郎
犬顔家の一族
橋本じゅん
木野花,村木よし子,礒野慎吾
高田聖子,古田新太河野まさと,保坂エマ
山本カナコ,池田成志,右近健一,中谷さとみ
野見山玉男/勝地涼
粟館弁護士/粟根まこと,糠橋・保地田/インディ高橋
小松巡査/小松和重,敗地大五郎/逆木圭一郎,不土木刑事/村木仁
吉田先輩/吉田メタル,黒井/川原正嗣,猿兵衛/前田悟
ニュースキャスター/池田鉄洋

カテゴリーとしては,ひたすら笑いを追求する☆新感線のネタものである。轟天シリーズ,踊れいんど屋敷,レッツゴー!忍法帳,花の紅天狗の路線だ。凝りに凝った脚本,選び抜かれたキャスト,ド肝を抜く装置とも衣装ともつかない拵え,命懸けのファイティングと,おおよそ現代演劇の技術の最高水準を駆使した,観客に対する笑いの果たし状である。

えーと,世界は,お馴染み横溝正史作・犬神家の一族。主演・金田真一耕助之介(かねだしんいちこうずけのすけ)は,脚本も書くという(爆)宮藤官九郎さん。パロディに,名作ミュージカル,大ヒット映画,人気TVキャラなどが,高水準の歌,踊り,装置,衣装で登場する。これが長くてくどくて,とことん疲れるまで笑わせてくださる。
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2007年7月10日 (火)

400年待ち続けたヴァイオラ・NINAGAWA十二夜は深化中

2005年7月に一度鑑賞した。今回が二度目だ。
実は,2年前は,演出について言及していない。尾上菊之助丈の素晴らしさが全てで,NINAGAWAさん,何かなさいました?状態の所感だった。
ものごころついたころから,蜷川芝居を拝見し続けた者としては,おとーちゃんを案じる娘の心境で,「けなされると怒り狂うが,娘から見て心もとないものが権威筋に絶賛されると,ネームバリューで誉められるようになったらおしまいと危ぶむ。」というところだ。
シェイクスピアの戯曲「十二夜」は,戯作として優れていながら,主演俳優の希少性という“世界共通・当代の苦悩”から,興行としての成功率は低い。しかし,尾上菊之助丈という逸材からのオファーにより,二つのセクシャリティと三つのジェンダー,いずれをとっても最高の魅力を発揮することが可能となった。ここまでは蜷川さんの完勝!
肝心の演出は,既視感ある画面構成(模倣&自己模倣),盆回しのセオリー無視の盆の多様,台詞の鏡というキーワードから装置に鏡を使うという“まんま”の発想。菊之助丈に鏡の助けが必要か?船の上は全く見えませ~ん。お衣装が,本歌取りのお役の性根をそのまま反映させる“あからさますぎる拵え”。
全て,1階前列で見た弊害だった。

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2007年6月10日 (日)

藪原検校

本日,見てきたぁ!
井上ひさし氏の戯曲「藪原検校」を蜷川幸雄氏が演出し,主演は古田新太さん。面白くないわけがないだけに,期待以上を期待され,やっぱり期待以上だった。
藪原検校/古田新太,お市他/田中裕子,塙保己市他/段田安則,六平直政,梅沢昌代,山本龍二,神保共子,松田洋治,景山仁美,盲大夫/壤晴彦,ギター/赤崎郁洋
長いカテコだった。蜷川さんも舞台に上がられ最高潮ー。
ぜぇーぜぇー。
体力,気力を充実させ,ちゃんと書くぞー!

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2007年5月26日 (土)

コンフィダント・絆

コンフィダント・絆
三谷幸喜さんの最新作
♪ゴーギャン,ゴッホ,スーラ,パー,シュフネッケル♪の共同アトリエの日常と,モデルのルイーズの出現による波紋から「コンフィダント・絆」の崩壊までを,笑いでつなぎ,涙に結ぶ会心作だ。

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2007年5月25日 (金)

オセロー主演の吉田鋼太郎さんのインタビュー

シェイクスピア全集 13
シェイクスピア著 / 松岡 和子訳
筑摩書房 (2006.4)
通常2-3日以内に発送します。

久々に公式ページを拝見すると,オセロー関連の記事が!オセロー他の上演情報が記されている。キプロス島がどこに設定されるのかも楽しみだが,どちらかといえば,キャシオーを務められそうな高橋さんのイアーゴが最も楽しみ!

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2007年4月 4日 (水)

加藤健一事務所の「モスクワからの退却」

加藤健一事務所の次回作は,ウイリアム・ニコルソンの究極の家族劇「モスクワからの退却」とか。
2007年6月6日(水)~20日(水)下北沢・本多劇場
ロンドンとニューヨークで絶賛されたシリアスドラマの秀作!!
演出はカトケンワールド初登場の鵜山仁。
加藤健一の妻役には久野綾希子,息子役には,スタジオライフの山本芳樹。魅力的な3人の舞台俳優と日本を代表する演出家・鵜山仁がガチンコで取り組む3人芝居!

地方公演は2004年に全国を沸かせた「コミックポテンシャル」←見た!
モスクワは全国公演なさそー。どうする?

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2007年4月 1日 (日)

花組芝居・かぶき座の怪人

1110_ma 花組芝居20周年記念公演は「かぶき座の怪人」から!
新神戸オリエンタル劇場に何とか潜り込んだ。脚本は,2001年版を基本に時点修正されたものだ。
脚本:福島三郎,加納幸和,演出:加納幸和
配役
九重八重子(文明座の女優)/加納幸和,色出しのぶ(文明座の新進女優)/植本潤,春杉夏希(欲望列車を十八番とした文明座の大女優)/北沢洋,男女川恋助(歌舞伎界の風雲児と称される俳優)/山下禎啓,男女川恋松(恋助の芸養子)/小林大介,玄上乱十郎(歌舞伎界の看板役者)/水下きよし,玄上乱太郎(乱十郎の子息)/嶋倉雷象,六代目宇治乃川霧(かつての名女形・かぶき座の怪人)/八代進一
あらすじ
天地座の今月の舞台は,文明座の「欲望列車」で,今全盛の新劇女優・九重八重子の楽屋には,評論家,台湾のルポライター,先輩女優,かつての愛人達と,様々な人物が訪れていた。多くの男達と恋を重ねてきた八重子も52歳だ。次月は歌舞伎公演「恋助十種の内 姥ケ池」で,稽古が行われている。
かねてから噂があった六代目宇治乃川霧の亡霊が出るという噂はどうやら本当らしい。新任の天下り支配人に川霧からの手紙が届いた。
そんななか,恋助が病に倒れ,恋松が「姥ケ池」の主演・鬼女を務めることとなる。

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2007年3月11日 (日)

ピッコロ劇団のハムレット

Casttop1 栗田ハムレットかワレリーハムレットか,それが問題だ。安寿ハムレットか剣ガートルードか,それが問題だ。兵庫県立芸術文化センターはすんごい難題を出してくれた。
兵庫県立芸術文化センターで,ピッコロ劇団・ワレリー・ベリャコーヴィチ演出のハムレットを観劇した。11日(日)は,終演後,演出家,翻訳家,演出助手,出演者らによるアフタートークも開催された。
原作:W.シェイクスピア,翻訳:堀江新二,台本・演出・美術:ワレリー・ベリャコーヴィチ
キャスト
ハムレット/橘義,クローディアス/岡田 力,オフィーリア:平井久美子,ガートルード/剣幸(客演),亡霊/孫高宏,ポローニアス/福島栄一,ホレーシオ/梁瀬満,レアティーズ/穂積幸良,ローゼンクランツ/吉村祐樹,ギルデンスターン/原竹志,マーセラス/風太郎,墓堀1/内藤裕敬(客演),墓堀2/奇異保,座長/森好文,オズリック/今仲 ひろし,宮廷の侍女/安達朋子,宮廷の侍女/木全晶子,宮廷の侍女/和田友紀,宮廷の侍女/本田千恵子
ワレリー・ベリャコーヴィチ氏
モスクワ・ユーゴザーパド劇場主宰・演出家。
モスクワ南西(ユーゴザーパド)地区で,弟や友人と青年演劇サークルを指導し,現在のユーゴザーパド劇場に育て上げた。1987年に上演した衝撃的な「ハムレット」により,一躍世界的な評価を得た。
日本とのご縁は,3年前にピッコロ劇団を演出した「ハムレット」が好評を博し,2度目の来日となった。劇団員さんたちとのコミュニケーションも,迫力と情熱を共通言語に,楽しみながら築かれたご様子。宝塚歌劇もご贔屓とか。スターの剣幸氏と一緒に仕事が出来たことをお国で自慢なさるそうだ。次なる機会にも並々ならぬ意欲を示されておられた。
ロシア民族のパワーを見せつける大きく暖かな風貌にして,緻密かつ細部に拘りのある芝居づくり。オリジナリティの高いメソッドを駆使なさる非凡な才能が光る。
自身がご出演のときの持ち役はクローディアス。

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2007年3月 2日 (金)

フール・フォア・ラブ

Fool_love_061116 見たい芝居を見ているとそれがシリーズであったことに後で気付く。
フール・フォア・ラブを2月28日に観劇。音羽屋贔屓としては,愛ルケも見たのだから,言わんやこれは外せない。
豪華キャストの4人芝居だ。
脚本:サム・シェパード,演出:行定勲
出演:香川照之/エディ,寺島しのぶ/メイ,
甲本雅裕/マーティン,大谷亮介/老人
あらすじ
ニューメキシコのモハベ砂漠に建つモーテルに住むメイのもとへ,かつて愛し合った仲のエディがやってくる。はるばる会いに来た,逃さないというエディ。激しく反発するメイ。メイの今のボーイフレンドであるマーティンが登場し,状況は一瞬緊迫するが,二人の男は一緒に酒を飲み始める。
エディはマーティンに,「本当は俺たちは母親違いの兄妹だ」という話を始める。そして,二人の生い立ちと自分たちの母親たち,父親に言及する。
なぜか,部屋には一人の老人が…。

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2007年2月23日 (金)

降り物に頼らない蜷川「コリオレイナス」

演出家・蜷川幸雄氏は,花,雨,雪,石,血,馬及び伝単(ビラ)等,大量の降りものを演出のキーアイテムになさることが多いが,「コリオレイナス」では何も降らなかった。
降り物は,場面の印象を強烈にし,統合感で劇場全体をカタルシスに包む(ワタクシ的降り物のドギモNo.1は,映画「マグノリア」の○○○である。)が,浄化するあまり,ひとつ間違えると,それまでのことが些事になってしまうリスクも負う。雪は特にそうだ。まっとうな演出に,なみなみならぬ決意が伺えた。
で,今更ながらであるが,「オレステス」の終幕で降った大量のビラに突然思い至った。

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2007年2月20日 (火)

朧の森に棲む鬼・キャストが凄い!

市川染五郎丈は未だにご父君から,阿修羅城は良かったといわれるとか。今回はシリーズ初の悪役。ライ(Lie)は,嘘のLieと源頼光をから取った名だ。何と言っても普通の歌舞伎なら稽古なしで出来る御方が,2ヶ月準備なさるのだからその凄さは想像を絶する。殺陣カッコええ。一呼吸間違えば大怪我ものの動きもビシバシ決まる。速いのに悠然と見える,もっと申せば静止画像に見えるところが本物の剣豪のようだ。「疾走感ある」は誉め詞ではないことがわかる(二度と使わないゾ。)。色っぽいとかメルトダウンするというのも,お綺麗で完璧だから当てはまらないし,染五郎丈が染五郎どあることを見せ付けたと申し上げよう。

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2007年2月18日 (日)

コリオレイナス~唐沢さんで世界に挑戦~

Coriolanus 17日(土)マチネを観劇した。
脚本:W.シェイクスピア,翻訳:松岡和子,演出:蜷川幸雄
キャスト
コリオレイナス(ローマの将軍ケイアス・マーシアス)/唐沢寿明,ヴォラムニア(母)/白石加代子,オーフィディアス(敵将)/勝村政信,ヴァージリア(妻)/香寿たつき,メニーニアス(友人)/吉田鋼太郎,シシニアス(護民官)/瑳川哲朗 他
あらすじ
B.C.5世紀のローマは内患外憂の時代。王政から共和制に移行し,貴族と平民は緊張関係にあり,ヴォルサイ人の侵攻も絶え間なかった。名門貴族の将軍ケイアス・マーシアスは,16歳の初陣以来,17たび戦い17回の勝利を収め,都市コリオライを陥落させた戦功により,コリオレイナスの称号を得た。これにより元老員から執政官の一人に推挙されたが,就任するには,民衆の前で襤褸をまとい,戦の傷を見せ,承認を得る必要があった。日頃から誇り高く持てと母より厳しくしつけられ,ローマのために戦っているという自負に凝り固まった彼は,平民を嫌うばかりか,平民にも決定権があるという制度そのものを憎む。短気で堪え性のない彼は,平民に暴言を吐き,あっけなく追放された。
ローマを逆恨みした彼は敵将オーフィディアスを頼るが…。

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2007年2月13日 (火)

朧の森に棲む鬼・大阪松竹座

よくぞ,2月まで待てたものだ。12日,やっと鑑賞した。
まずは演出から誉める!
作:中島かずき/演出:いのうえひでのり
ライ:市川染五郎/マダレ:古田新太/キンタ:阿部サダヲ
シキブ:高田聖子/ツナ:秋山菜津子/シュテン:真木よう子
ウラベ:粟根まこと/サダミツ:小須田康人/オオキミ:田山涼成
あらすじ
いつとも知れぬ昔,どことも知れぬ森。
二人の男が累々たる屍に埋まる森で,金目のものを物色していた。兄貴分ライは,突然現れた3人の魔女「オボロ」にそそのかされる。
「王の座を欲しくないか,おまえの命と引き替えに。」
「自分で自分を殺さない限りは死なない。」
魔剣「オボロの剣」と嘘で染まった真っ赤な舌をもらったライは,都合の良い言葉に気を良くし,最初に出会ったヤスマサを血祭りにあげる。次に出会ったオーエ国の首長シュテンと兵士たちに出任せを並べてその場を逃れ,弟分キンタを従え,エイアン国に乗り込む。
都はイチノオオキミが治める御世。側室のシキブ,軍事を司るウラベ,サダミツ及びツナ,盗賊の頭目マダレ等,権勢欲と情欲に取り付かれた男女が蠢く魔物の森だった。
ライの嘘は面白いように決まり,剣は血を吸う。瞬く間にライは王位に就き,殺したヤスマサの未亡人ツナを射止める。
しかし,ライの栄華にもかげりが…。3人の魔女の予言が実現しようとしていた。

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2007年1月 7日 (日)

鹿鳴館NHKBS2中継

劇団四季の鹿鳴館はまもなく大千穐楽を迎える。実は,ワタクシが2006年に最も多く鑑賞した舞台は,劇団四季の鹿鳴館だった。見ても見てもまた見たくなり,際限ないので,東京凱旋公演は,福井さん(=゚-゚)ノニャーン♪がお出にならない限り見ないとしゅぱっと諦めた。うれしいことに,1月2日初芝居NHKBS2の放送は,その東京凱旋公演版だったのでお年玉を頂いた気分だ。
で,風知草は,基本的に観賞したもの以外記述しないという主義を一貫してきたが,
「…女は決まった評価,それも自分で作った定評を死んでも壊したくないものです。それを今夜私はこわしてお目にかけますわ。」
そんな大げさなと突っ込みを入れられそうだが…。
ということで,石丸さんの清原永之輔の印象を中心に記述する。私が拝見した石丸さんのストレートプレイは,ハムレット,オンディーヌ,ユリディス,ラ・ソバージュなど,ミュージカルは,数知れずだが,ストレートプレイではユリディス,ミュージカルではアスペクツ・オブ・ラブが最も優れていると確信している。いずれも,野村さんや保坂さんと組み,女性を失望させる役どころがよいと考えている。
2006年の鹿鳴館6回,劇団四季のストレートプレイも,平幹ハムレット,平幹アンドロマック,奥方が影万里江さんの時代から拝見しているので,テレビ中継に論評することを切に切にお許し願いたい。
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2007年1月 5日 (金)

彩の国シェイクスピア・シリーズ「お気に召すまま」再演決定!

公式ページに,前回公演の成宮寛貴さん(ロザリンド役)&小栗旬さん(オーランドー役)の麗しいお写真とともに発表になっている。「お気に召すまま」の公式ブログも開設,全国公演もあるようだ。

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2006年12月30日 (土)

風知草のベスト10

Tousen2_1 一年の締めくくりにアクセス解析を活用して,風知草のエントリの客観的評価を発表します。アクセス順に並べたベスト10です。ご高覧本当にありがとうございました。
2006年5月18日以前の記事は反映されていませんが上位に割り込むことはないと推定されます。
1 オレステス
2 「染模様恩愛御書・細川の男敵討」ボーイミーツボーイ!
3 あわれ彼女は娼婦
4 メタルマクベスに酔いつぶれた日
5 瓜生山歌舞伎「市川亀治郎の挑戦」
6 お待ち,この天守は私のものだよ。(富姫)
7 恋には我が身の命もいらぬ(白雪)
8 第16回上方歌舞伎会
9 書く女・二兎社 in Otsu
10坂田藤十郎襲名披露興行七月大歌舞伎

当然のことながら,公演の人気でなく,ライターおとみがどう記述したか,見切ろうという気迫と劇評としての完結性が如実に順位に表れています。
しかしながら,賛否両論あったものが上位に並んでいるのも,リベラル・博愛おとみの面目躍如と気を良くしております。
結果を謙虚に受け止め,考察の切れ味を高め,曇りのないまなざしと感謝の心で,グレードにこだわり綴って参ります。
ご高覧頂きまして「そうそう」,「いえいえ」等々ございましたら,どうかお気軽にコメント頂けますようお願い致します。

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2006年12月15日 (金)

気になる「鹿鳴館」舞台中継のキャスト

劇団四季・鹿鳴館の舞台放送は以下のとおり
□放送局:NHK衛星第2(BS2)
□放送日:2007年1月2日(火) 昼12時15分~
キャストの一人に福井晶一と,本日購入したぴあに掲載されていた。
(/\)チャチャチャチャ \(^o^)/ハッ!!
ほんまやろか!

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2006年12月10日 (日)

トーチソングトリロジー

Torch PARCO劇場プロデュース・名作トーチソングトリロジーを10日,梅田シアタードラマシティで観劇した。タイトルとおりの3幕劇。
作:ハーヴェイ・ファイアステイン
上演台本・演出:鈴木勝秀
出演:アーノルド/篠井英介,エド/橋本さとし,アラン/長谷川博己,ローレル/奥貫薫,ディビッド/黒田勇樹,ベッコフ夫人/木内みどり,VOCAL&PIANO/エミ・エレオノーラ,ラジオのDJ/池田成志
ACT1:インターナショナル・スタッド
クラブ歌手のアーノルドは,トーチソング(片思いや失恋の歌)をレパートリーとするゲイである。エドという恋人もいるが,バイセクシャルのエドは女性とつきあい,実は結婚も考えているという。衝撃のアーノルド…。
ACT2:子供部屋のフーガ
エドとその恋人ローレル(女)から,週末,別荘に誘われたアーノルドは,美青年アランを同伴して,その招待に応じた。男3人と女1人の片思いの連鎖は複雑怪奇。微妙な一夜が明け,双組のカップルが誕生した。
ACT3:未亡人と子供  最優先
2幕から4年,アーノルドはアランを亡くし,デイビッド少年を養子に迎えていた。たまたま妻と別居を始めたエドが転がり込んできたところへ,アーノルドの母親が訪ねてきた。未だに息子のセクシュアリティを受け入れることができない母親とアーノルドは激しい口論となる。
心のつながりを求めてやまない優しい男たち。多くを求めすぎる女たち。愛で真剣勝負しているか,アーノルドは問いかける。性別,年齢,全てを超越した尊厳ある個人として,愛と尊敬を激烈に渇望することへの全面的賛同と見た。この結論は,アーノルドが美しく知的で,可愛く逞しく溢れる愛情で包みこんでくれないと可能とはならない。最高のアーノルド役者・篠井さんを得たことで,この戯曲は生き延びてゆくことだろう。

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2006年12月 7日 (木)

フール・フォア・ラブ。見なくては…

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで「フール・フォア・ラブ」が2007年2月末から上演される。寺島しのぶさん主演ということで,基本的に観劇する。
難解な句読点と修辞のこんなコピーが掲載されている。凄いのか凄くないのか。あー勉強不足で分からない。が,その時間はある…。
ピューリッツァー賞作家,サム・シェパードの無限の想像力を秘める言葉の世界を,今,あらたに。
「GO」「世界の中心で愛をさけぶ」「北の零年」「春の雪」の行定 勲が 舞台初演出にして,演劇に真っ向から,立ち臨む!

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2006年11月26日 (日)

劇団四季・鹿鳴館・凱旋公演まもなく開幕

22日が近松忌,23日が一葉忌,文豪の命日が続く。昨日11月25日は三島由紀夫氏の命日。昭和45年,配下と共に陸上自衛隊東部方面総監部に乱入し割腹自決した。
実は昨日,「金閣寺」が無性に気になりそれ読んでいた。
さて,劇団四季公式ページによると,10月9日に京都劇場で千穐楽を済ませた鹿鳴館チームはまもなく迎える凱旋公演に向けて稽古に入っておられる。主要な役「清原永之輔」が広瀬さんから石丸さんに変更になるようだ。「清原久雄」も気になってきた。

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2006年11月25日 (土)

天守物語・朗読の会

P1010484 (イントロ)はこちら。つづき…。
それこそ露の散らぬ間に。
←姫路城天守 朝夕に拝みたいもの
夫人が舞臺中央に直り,物語が始まる。
一幕は幸さんがト書き,守若丈が薄と舌長姥,玉雪さんが朱の盤坊,玉朗さんが龜姫,侍女5人,女童3人を担当する。
第一声,薄の守若丈の威厳と気品のある凛としたお声!
玉朗さんは,腰元衆と女童をお一人で。難しい台詞であるが気持ちの優しい女郎花,とぼけた桔梗,しっかりした蜻蛉を演じ分けておられた。龜姫もト書きとおり,二十ばかり,しとやか,残酷,イノセントな姫であった。
決め台詞を受け持つ朱の盤坊の玉雪丈。
「おなかがよくて,お争い,お言葉の花が蝶のように飛びまして,お美しいことでござる。」
そのとおりと納得させていただける安心の台詞回し。二幕に期待。

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2006年11月23日 (木)

天守物語・朗読の会(イントロ)

23日(祝)昼の部を拝見した。H_p53106_2
天守物語・泉鏡花,監修:坂東玉三郎
 天守夫人富姫:玉三郎
 奥女中薄・舌長姥・近江之丞桃六:守若
 小田原修理・朱の盤坊:玉雪
 姫川圖書之助:功一
 山隅九平:幸,猪苗代龜ヶ城龜姫:玉朗

今回の公演では,玉三郎丈は富姫の拵えをし,お弟子さんたちと共に舞臺に立たれた。見台に戯曲を置いての朗読である。装置は青面の獅子頭のみ。

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2006年11月 3日 (金)

書く女・二兎社 in Otsu

11月3日(祝),滋賀県立びわ湖ホールで観劇した。
寺島さんの記事はこちら,劇評はこちら
作・演出:永井愛,美術:太田創,照明:中川隆一,音響:市来邦比古,衣装:竹原典子,舞台監督:三上司,演出助手:浅沼一彦,所作指導・都々逸:藤間藤三郎
出演:樋口夏子(一葉)・寺島しのぶ,母たき・八木昌子,妹くに・小山萌子,田辺龍子・石村実伽,伊藤夏子・粟田 麗,野々宮菊子・江口敦子,半井幸子・小澤英恵
半井桃水・筒井道隆,斉藤緑雨・向井孝成,平田禿木・中上雅巳,馬場胡蝶・杉山英之,川上眉山・細貝弘二

樋口家は元士族。父と長男が死去,次男が出奔し,夏子は母と妹と3人で針仕事をして生計を立てていた。歌塾で頭角を現した18歳の夏子は明治24年,作家として立とうと,朝日新聞記者で連載小説も執筆している半井桃水に弟子入りする。美男の桃水に淡い恋心を抱くが,心ない噂に別れを余儀なくされる。
小説は少しずつではあるが,評価を得はじめた。時代は,日清戦争に勝利し,大陸侵略へと軍国色を強めようとしている。文壇も国粋色に染まろうとするなか,一葉には進歩的な作家や編集者の友人もできる。
しかし,樋口家の生計は,小商いにも失敗し,赤貧を極める。一葉は,吉原,丸山と遊郭で働く女性たちを見つめながら,独自の視点で精力的な作家活動に邁進し,高い評価を得つつあったが,病に倒れる。

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2006年10月27日 (金)

平幹二朗氏のオセロ

YOMIURI ON LINEに平幹二朗丈演出・出演の「オセロ」の記事が掲載されている。
11月2日~8日まで,東京グローブ座で上演される。共演は,デスデモナに三田和代さんをはじめ,勝部演之さん,榛名由梨さん,坂本長利さん西山水木さんら。イアーゴー役は子息の平岳大さんとなっている。
全国公演まで待てるか?

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2006年10月10日 (火)

鹿鳴館 in Kyoto 千穐楽

10月9日(月),鹿鳴館・京都千穐楽を観劇した。
キャストは変更無し。いよいよ西征から折り返す。

楽日は影山朝子さんと清原永之輔さんの熱愛ぶりに尽きる。
三島さんは,二十年会わなかった熟年男女が,心の底から愛し合い信頼し合っていたという化け物が成せる業を,あたかも真実であるかのように言語で紡ぎ出す。

「母であることを忘れたころから,私はもう一度女になりました。浅ましいとお思いでしょうね。そのころから日毎に月毎に…。」ドカーン「えっ」,「月毎に年毎にだんだん深くお父様をお慕いして,忘れることができなくなりました。」
「あなたの髪,…この黒い髪,会わないでいた二十年の間というもの,夜の闇が夜毎に染めて,ますます黒く,ますます長く,ますますつややかになったこの髪…。」

対になっているこの台詞に,深まる愛が表現されている。こんな恥ずかしい台詞を真実として言えるのは宝塚歌劇では轟悠さん,劇団四季では広瀬明雄さん,歌舞伎では(獅子丸推薦の)中村吉右衛門丈であろう。お三方とも硬派である。逆説的であるが,武ばった益荒男ほど歯の浮くような甘い台詞が似合う。思い続けた甲斐があったと納得の格好良さ。広瀬さんは,志と高潔さが少年のように輝かせて…という三島さんの描写を絵姿として見せてくれる。
野村さんは,恋する女になっておられた分,生き生きと我が儘に自在に振る舞っておられた。朝子はこうでなくては…。
心配された日下さんは無難に演じておられたが,いぎたない亭主以上の存在ではないのでトライアングルの均衡が崩れ残念だ。

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2006年10月 9日 (月)

オレステス

Img113 蜷川さんのギリシャ悲劇の最新作「オレステス」がやっと大阪に!
8日,昼の部を観劇してきた。
以下敬称略
原作:エウリピデス,翻訳:山形治江,演出:蜷川幸雄
美術:中越司,照明:原田保,衣装:小峰リリー
出演:オレステス/藤原竜也,エレクトラ/中嶋朋子,ピュラデス/北村有起哉,メネラオス/吉田鋼太郎,ヘレネ/香寿たつき,アポロン/寺泉憲,テュンダレオス/瑳川哲朗,コロス/市川夏江他
物語の背景
ゼウスとレダの娘,絶世の美女・スパルタ王妃ヘレネの駆け落ち騒動に端を発したトロイア戦争は,10余年に及ぶ戦闘の末,ギリシャ軍の大勝利に終結し,トロイアは消滅した。しかし,凱旋したギリシャ連合軍の各国の戦後も,愛欲と殺戮の連鎖に混迷していた。
ミュケナイのアトレウス王家では,ギリシャ軍総大将のアガメムノン王が王妃クリュタイムネストラと愛人のアイギュストスに惨殺された。その数年後,帰国した子息オレステスは,アポロンの神託を力に,姉エレクトラ及び親友ピュラデスと共謀し,夫殺しの実母を殺し,父の仇討ちを果たした。物語はその6日後に始まる。
あらすじ
オレステスは復讐の女神たちに呪われ,正気と錯乱を繰り返して衰弱し,アルゴス人たちは,父の仇討ちの正当性を認めず,姉弟を処刑しようとしていた。必死に看護する姉エレクトラ。エレクトラの怒りを逆撫でするヘレネ。
絶体絶命の姉弟は,帰国したスパルタ王・叔父のメネラオスと祖父テュンダレオスに,助命を懇願するが,祖父には一蹴され,優柔不断の叔父には背を向けられる。
そんな中,親友ピュラデスが駆け付け,公開裁判で弁明するが,二人の死刑は決定してしまう。
ピュラデスは,進退窮まった姉弟に,起死回生の計画を提案する。諸悪の根元ヘレネを殺し市民の賛同を得,娘ヘルミオネを人質に助命と復権を要求し,叶わなければ,王城に火を放ち全てを焼くというものである。
3人は計画を実行し,大混乱となるが,神アポロンが現れる。

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2006年10月 7日 (土)

NINAGAWA十二夜再演

2006年6月,博多座で上演されるとある。菊之助丈の財産として演じ続けられて欲しい。しかし,成功作品ほど換骨奪胎されるのも蜷川さんの性分。気になる。
獅子丸も楽しみにしているようだ。

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染五郎丈のチラシを見て大阪松竹座へ…。

新感線☆NEXUS「Cat in the Red Boots」の会場で,「朧の谷に棲む鬼」のチラシを入手。こうしてはいられない。堪え性と節操は元より家訓にないワタクシは,急に染五郎丈を見たくなり,道頓堀を走り「染模様恩愛御書・細川の男敵討」夜の部を鑑賞してきた。
いのうえさんの演出で見たい良い脚本だ。いのうえテイストの演出があり,そのスイッチがオンになったまま観劇したので,客席で浮くほど爆笑してしまった\(__ ) ハンセィ。

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2006年10月 5日 (木)

彩の国シェイクスピアシリーズ「恋の骨折り損」大阪公演決定!

蜷川さんの彩の国シェイクスピアシリーズは,「コリオレイナス」だけでなく,「恋の骨折り損」も大阪公演が打たれると公式に掲載されている。
ただし,会場は異なるようだ。どちらかといえば,プロセニアムを高くとれるシアターBRAVA!で「コリオレイナス」,トランスジェンダー専科のシアタードラマシティで「恋の骨折り損」にして欲しかった。セットチケットはないだろうか。

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2006年10月 3日 (火)

9月の覚書

事情は割愛するが,曇りの無い目,愛ある観劇記を書くには時間不足であった九月をハンセイし,エントリ・チェックリストを作成した。多くのコメントをいただき,返事で語りつくしたものもある。早期完成を目指す。

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今年はシラノの当たり年

4182112104_20060830105237 今年は,国立劇場,緒方健さん主演で一人芝居「シラノ」,文学座で江守徹さん主演(一世一代)ほか意欲的な上演が続く。気になっていたが,YOMIURI ON LINEの記事でしっかり取り上げられていたので,懐かしさと見たさの虫が騒ぎ出した。
1991年上演時の島田正吾さんのお写真も掲載されている。1990年,フランス映画でジュラール・ドパルデュー氏主演の決定版もあった頃だ。1993年には,平幹二朗丈主演で,安土桃山時代に翻案,辻村寿三郎さんの衣装で上演された。
緒方さんは語る。
「2004年に島田先生が亡くなってから,『シラノ』はこのまま残るだろうが,『白野』が埋もれてしまうのは惜しいと思うようになった。今やらなければいつやるのか,おれがやらなければ誰がやるのかと考え,自分から企画を提案した。」
シャイな男が共感できる良い戯曲と,心意気ある男たちのベストマッチ。男性も劇場に足を運ぶべし。

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2006年9月23日 (土)

蜷川さんが松たか子さん主演でひばりを上演

Ur01c シアターガイドの新着記事に,2007年2月シアターコクーンでアヌイのひばりを上演。ジャンヌ・ダルクに松たか子さんとあった。
ひばりといえば,劇団四季・自由劇場こけら落とし作品群の掉尾を飾る演目として,野村玲子さん主演で2004年に上演されたのが記憶に新しい。
意外な展開が面白い。このような演劇が次世代の観客に継承されるか正念場の気がする。見たいに決まっているが…。

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2006年9月18日 (月)

鹿鳴館 in Kyoto 危なげない開幕

9月18日(日),京都劇場で鹿鳴館4度目の観劇。
主要キャストは変更無しでアンサンブルさんが少し出入りあり。
初日から駆け付けたい逸る気持ちを抑え,本日が京都見始めとなった。
残響時間は名古屋ほど長くない分,台詞の明瞭さが戻った。仮屋崎さんのシャンデリアの花くす玉は健在で,高く上がり鹿鳴館らしい高揚感が…。下手の視界を遮ったコンポーネント(仮屋崎さん,自由劇場では恨みましたぞぇ。)が少し小振りになった。

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2006年9月16日 (土)

花組芝居・百鬼夜行抄2

Chirasi_1 花組芝居「百鬼夜行抄2」を新神戸オリエンタル劇場で拝見した。
今市子氏作の人気漫画を,脚本・わかぎゑふ[リリパットアーミーII]さん,演出・加納幸和さんで上演し大好評だった作品の3年ぶりの新作。チラシがらぶりー。
妖魔と暮らす飯島家の人々のとんでもない日常とさりげない事件が,ホームドラマ風脚本と耽美的な装置&衣装で繰り広げられる。

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朧の森に棲む鬼の画像とみどころがアップ

20060919142744 ☆新感線・朧の森に棲む鬼のチラシ画像とみどころがアップされている。おそらく印刷も凝っていることだろうから現物を手に入れたいもの。題字も良い。
☆新感線には必ずご登場の満身矢だらけというので一瞬笑ってしまったのだが,笑いが止まる格好良さ。

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2006年9月13日 (水)

寺島しのぶさん「書く女」びわ湖ホールは完売

樋口一葉日記
樋口一葉日記
posted with 簡単リンクくん at 2006. 9.14
樋口 一葉 〔著〕
岩波書店 (2002.7)
通常24時間以内に発送します。

YOMIURI ONLINEの今日の演劇の記事は二兎社「書く女」主演の寺島しのぶさん。
作・演出永井愛。樋口一葉の日記から,書かれたら困る客観性の高い記述に着目し,小説の師・半井桃水の当惑などを織り交ぜ,素敵なヒューマンドラマに仕上がっていることであろう。
びわ湖ホールには11月3日(祝)に来演だ。チケットは完売御礼SOLDOUTの張り紙があった。見ないでおくべきか~。

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2006年9月11日 (月)

京都劇場で鹿鳴館開幕

本日18時30分,劇団四季・京都劇場で鹿鳴館が開幕した。西征の最終地京都でどのように深化した舞台を見せていただけるか期待は高まる。残念ながら,初日に駆けつ,けることは叶わなかったが,千秋楽の10月9日まで何回行けるか…。
キャストが18時06分,発表になった。名古屋から継続の手堅いメンバーである。
それはそうと福井さんの名がキャッツから消えている。

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2006年8月31日 (木)

コリオレイナスは唐沢寿明さん

3日前,彩の国シェイクスピアシリーズの記事を唐突に書いたが,本日スポーツニッポンに,主演・唐沢寿明さんで2007年4月にロンドンのバービカンシアターで「コリオレイナス」を上演することになったとある。唐沢さんが蜷川さんとシェイクスピアに取り組むのは「マクベス」に次いで2度目。井上ひさし氏の戯曲「天保十二年のシェイクスピア」では,「リチャード三世」に符合する「佐渡の三世次」だった。
蜷川さんは「作品の参加要請があった時から,唐沢君と行こうと決めてましたね。」とコメントしておられる。
「コリオレイナス」と聞いて真っ先に浮かんだのが唐沢さんのイメージ。「コリオレイナス」はローマの将軍で,傲慢不遜,マザコン,卑怯,ツメが大甘とそろって自滅する。英国の来日公演ではレイフ・ファインズ氏が主演だった。ドタッ。

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2006年8月28日 (月)

彩の国シェイクスピアシリーズ第16弾&第17弾

突然だが,「ペリクリーズ」の放映で思い出したので,覚え書きとする。
彩の国シェイクスピアシリーズ第16弾&第17弾が7月20日に発表になっていた。
ローマ史を題材にした悲劇『コリオレイナス』と,出演者が全員男性の男たちのシェイクスピア第3弾,喜劇『恋の骨折り損』が来年上演される。蜷川シェイクスピアの悲喜劇,両方の魅力を味わえるチャンス。どちらの作品も強力なキャストを予定とある。
上演予定日程(公式ブログ
第16弾『コリオレイナス』 2007年1月23日~2月8日(予定)
第17弾『恋の骨折り損』 2007年3月16日~3月31日(予定)

いままで何とかならないこと無かったのだから,何とかなるのだろう。

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2006年8月15日 (火)

昨日,今日と松竹サイトが更新されている。

11月の新橋演舞場・花形歌舞伎の演目,
6月の大阪松竹座・桂春団治
10月の大阪松竹座・花形歌舞伎のみどころなど。
いっぺんに喜ばせて頂きすぎて,反応がついていけない。あとでじんわり喜ぶこととする。

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あわれ彼女は娼婦

Immolate022m_1 8月11日(金)19時開演,シアターBRAVA!で観劇
脚本:ジョン・フォード,翻訳:小田島雄志,演出:蜷川幸雄
美術:中越司,照明:原田保,衣装:前田文子,音響:井上正広

メインキャスト:ジョバンニ(フローリオの息子):三上博史,アナベラ(フローリオの娘):深津絵里,ソランゾ(貴族):谷原章介,ヴァスケス(ソランゾの従者):石田太郎,ヒポリタ(ソランゾの情人):立石涼子,プターナ(アナベラの乳母):梅沢昌代,バーゲット(ドナーデットの甥):高橋洋,フィロティス(リチャーデットの姪):月影瞳,ポジオ(バーゲットの従者):戸井田稔,枢機卿:妹尾正文,グリマルディ(ローマ貴族):鍛治直人,リチャーデット(偽医者):たかお鷹,フローリオ(パルマ市民):中丸新将,ドナーデット(パルマ市民):有川博,ボナヴェンチュラ(修道士):瑳川哲朗

中世のイタリア・パルマ。パルマの奇跡として非のうちどころのない秀才ジョヴァンニは,修道士ボナヴェンチュラに,美しい妹アナベラを女性として愛しているという衝撃の懺悔を行う。ボナヴェンチュラは神に背く大罪と彼を叱責するが,ジョヴァンニはアナベラに愛か死かと迫る。アナベラもまた,ジョバンニを男性として愛していたことを告白し,2人は結ばれる。
アナベラは多くの求婚者を退け,2人は束の間の幸福に酔うが妊娠が発覚。偽装のため,求婚者の一人貴族のソランゾに嫁ぐ。しかし,そんな欺瞞が通じるはずもなく,ソランゾは妊娠を見抜き,お腹の子供の父親が実の兄であることを探り当てる。
体面を傷つけられたソランゾの元情人のヒポリタの陰謀。ヒポリタの寝取られ亭主の復讐。ソランゾを恨むグリマルディの激情。純真なバーゲットの悲運。ジョバンニとアナベラの神をも恐れぬ愛は,血が血を呼ぶ輪舞として最高潮に達し,関わった全ての男女の暗い復讐心を巻き込み,終極に向かって突き進む。

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2006年8月13日 (日)

鹿鳴館 in Nagoya 雷鳴の開幕

8月12日(土),新名古屋ミュージカル劇場で鹿鳴館3度目の観劇。
主要キャストは変更無しであるが,男性アンサンブルさんは,新メンバーが多数。
初日の印象をまとめると以下のとおり。
小屋が大きい分,残響時間が長くなり,台詞の明瞭さは阻害されるが,鹿鳴館の天井高さには良い効果。奥行きも深く,仮屋崎さんのフラワーアレンジメントもパワーアップ。シャンデリアにつるされる花くす玉が綺麗。
この日は,屋外でサウンドエフェクトの雷鳴が轟いた。知らずに新演出と誤解していて赤面
一幕 ゴロゴロ ドドーン
朝子「何でしょう。」
久雄「天長節の祝砲ですよ。」
二幕 ゴロゴロ パーン
朝子「おや,ピストルの音が。」
影山「耳のせいだよ。それとも花火だ。」

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2006年8月12日 (土)

鹿鳴館が今日から名古屋に…。

鹿鳴館が今日から名古屋に

劇団四季「鹿鳴館」が,新名古屋ミュージカル劇場で開幕。だんだん西に向かっているが,京都に来るまで待ちきれなく,名古屋まで迎えにきた。

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2006年8月11日 (金)

馬をくれ,馬を!馬のかわりにわが王国をくれてやる!

Kodomo_shakespeare060421 8月6日(日)栗東文化芸術センターさきらで観劇
原作:W.シェイクスピア,翻訳:小田島雄志,脚本・演出:山崎清介
照明:山口暁,音響:角張正雄,美術:岡本謙治,衣裳:三大寺志保美

シェイクスピア作品の主人公の中でもひときわ冷酷非道な悪漢“リチャード三世”。血で血を洗う人気作品を,黒コート姿の10人俳優たちが演じる。
開演前にはお馴染み黄ヘルダンス

グロスター公リチャードとシェイクスピアドールを山崎清介,
忠実な策士バッキンガム公とヘンリー六世に彩乃木崇之,
ヘンリー六世妃マーガレットに間宮啓行,
エドワード四世ヨーク公夫人に佐藤誓,
クラレンス公ジョージとリッチモンドの義父スタンリー卿を福井貴一,
廷臣ケイツビーと王子エドワードに戸谷昌弘,
王妃アン王子ヨークに大内めぐみ,
エリザベスの連れ子とアンの前夫に若松力,
エドワード妃エリザベスリッチモンドに伊沢磨紀,
暗殺者などに明楽哲典…
これ以上は分からなかったが,兼ねる意義を計算し尽くした訳割。

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2006年8月 6日 (日)

子供のためのシェイクスピア「リチャード三世」

子供のためのシェイクスピア

8月6日(日),東京グローブ座を拠点とする子供のためのシェイクスピアカンパニーの山崎清介さん脚本,演出及び主演による「リチャード三世」が,全国ツアーで,栗東芸術文化会館さきら中ホールに来演。演劇に相応しいきれいなホールである。
山崎清介さんは台詞を話す一人人形遣いでもある。

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お待ち。この天守は私のものだよ。(富姫)

Photo_5 歌舞伎座七月大歌舞伎を,今年は2度観劇することが出来た。
玉三郎丈が座頭となられる公演は,可能な限り,複数回観劇できるよう万難を排している。
長期公演は,出演者間,出演者と観客との関係が変化し,楽しさが増すが,とりわけ,坂東玉三郎丈は,開幕当初と楽日近くでは,共演者のお芝居の習熟度が違うという現実を味方とし,力の均衡がどちらに振れても魅力ある物語になるよう仕組んでおられる。記憶に新しい事例は以下のとおり。d(^-^)ネ!

桜姫東文章(奔放に欲望のまま生きるお姫様→お姫様は何があってもお姫様)
伽羅先代萩(孤軍奮闘でお家を守る政岡さま→実はお味方は少なくなく,最も強い同志は千松だった。)
加賀見山旧錦絵(誇り高い尾上さま→気をつかってばかりの悲しい尾上さま)
仮名手本忠臣蔵(お家がどうなっても自分の幸福だけはがっつり掴むお軽ちゃん→運命に翻弄されながらも健気なお軽ちゃん)
アマテラス(踊るコンダクター→遍く世界を照らす太陽神)

鏡花はウサギがお好きだったようです。
画像は楽しい☆おいしい☆うれしい☆Happyのcocoさまの十五夜さん

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2006年7月30日 (日)

歌舞伎座,29日にマイ千秋楽

歌舞伎座、29日にマイ千秋楽

今月は悔いなく観劇した。この日はお世話になっているブロガー様,非公式贔屓サイトの店子仲間様にお目にかかることができ,ご縁に感謝した。
楽しそうな皆様のお話を伺うにつけ,歌舞伎が生活文化としてお江戸の町に息づいていることを実感する。ハレの場ではあるが日常からそう遠くない。
とはいえ,観劇は一期一会。田舎者,余生の少なめの者はなおさら。悔いなく見切れるよう皆様にお教えを乞いながら,暴走に歯止めをかけることとする(気持ち…)。

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2006年7月17日 (月)

千歳百歳に唯一度,たった一度の恋だのに(富姫)

27 天守物語
大正6年9月「新小説」初出。
演出:成井市郎・坂東玉三郎,美術:小川富美夫,照明:池田智哉
天守夫人富姫:坂東玉三郎,姫川図書之助:市川海老蔵,近江之丞桃六:市川猿弥,奥女中薄:上村吉弥,小田原修理:坂東薪車,亀姫:市川春猿,十文字ヶ原朱の盤坊:市川右近,茅野ヶ原舌長姥:市川門之助
武田播磨守五十万石の居城,秋の美しい日の白鷺城。青面の獅子頭が祀られる天守が,妖怪の長・天守夫人富姫(玉三郎)の住処。
富姫の妹分亀姫(春猿)が眷属を率いて鞠つきに訪れる。土産は播磨守の兄弟で猪苗代亀ヶ城の城主武田衛門之介の首というご馳走だった。富姫は播磨守の白鷹を奪い,亀姫への土産とする。
日没。白鷹をそらせた咎により切腹を賜った鷹匠・姫川図書之助(海老蔵)が天守に登ってくる。涼しい言動と凛々しい姿に心奪われた富姫は,図書に天守を訪れた印の兜を与え帰しはしたものの,心は再会を願っていた。兜を持参したことから図書は謀反の嫌疑を受け,三度天守に登る。人間の手にかかるより富姫の手にかかりたいという図書の言葉に二人の恋は燃え上がる。しかし,家臣団に攻め込まれ,獅子頭の目を傷つけられたため,天守の妖怪たちは目が見えなくなる。共に死を覚悟した二人の前に,老工匠がどこからともなく現れる。

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2006年7月16日 (日)

平幹丈のオセロー

Save0013 2006年9月~2007年4月
幹の会+リリック プロデュース公演
オセロー

2006年9月~2007年4月
東京グローブ座(11月2日~8日)
全国公演
W.シェイクスピア,小田島雄志訳
演出:平幹二朗
出演:平幹二朗,平岳大,三田和代,榛名由梨,坂本長利,勝部演之,西山水木
何度も拝見した気になっているが,まだ3度目とか。全国公演があるが,公式ではまだ明らかになっていないので気が揉める。東京グローブ座も久々に寄ってみたい気もするが…。

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私は女に生まれました,ほこりと果報を,この人によって享けましょう(縫子)

1 山吹
大正12年6月「女性改造」初出,監修:坂東玉三郎,演出:石川耕士,美術:前田剛,照明:池田智哉,衣装:坂東玉三郎
辺栗藤次:中村歌六,島津正:市川段治郎,縫子:市川笑三郎

修善寺温泉の裏路。遅咲きの桜と山吹の季節。
洋画家の島津(段治郎)は,思い詰めた表情の美しい夫人(笑三郎)に,訳あって追われる身,死ぬ覚悟ができるまで,妻と偽り同道して欲しいと請われる。正が悪戯はご容赦ときっぱり断ると,夫人は,傍らで泥酔している老人形遣い(歌六)に,のぞみを一つ叶えてあげようと声を