歌舞伎

2009年9月26日 (土)

九月大歌舞伎 in 歌舞伎座・昼の部&浮世柄比翼稲妻

九月大歌舞伎 in <br />
 歌舞伎座・昼の部&浮世柄比翼稲妻
六月大歌舞伎以来の歌舞伎座だ。重厚な時代物や粋な白浪物が中心で、なかなか上方でお目にかかれない南北と黙阿弥がそろう月を選んで上京すると、秀山祭になるようだ。

竜馬がゆく
三部作の最終は、分かっているからつらい竜馬最後の一日を、隔てのない人となりと発想の先進性に絞り、惜しんで余りある魅力に迫る。染五郎丈の入魂の芝居は観客の涙をぎゅうぎゅうに絞る。いきなり京言葉の洪水におうちに帰った気分。

時今也桔梗旗揚
お目当ての南北もの。竜馬と光秀はともに水色桔梗だ。人品高潔、立派なお侍や頼りがいのある侠客はこの方に決まりの吉右衛門丈。分別臭さとしたり顔がたまりませぬ。不幸な主従というか、上司にも部下にもなって欲しくない信長さんと光秀さんだった。

お祭り
とにかく首抜き勢揃いに(。≧∇≦。)。奴姿と首抜きフェチにとってはどこを見たらよいのやら。女形さんの手子舞い姿もスタイル良く見える。からみの若い衆がまたまた美しい。

河内山
上州屋店先抜き。はい、ミニマムで良かった。梅玉丈、松江出雲守は必ずお願いします。

浮世柄比翼稲妻
柄當と鈴ケ森の関係が見ても分からなかった我が未熟さにしょぼんとなる。雲助さんの大群が嬉しく、これは見たかったのでここまで歌舞伎座でねばり、日生劇場へ。

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2009年9月18日 (金)

南座顔見世興行の配役の追加が公式に

【昼の部】
第一 佐々木高綱
 佐々木高綱/梅玉
 馬飼子之介/翫雀
 佐々木小太郎定重/愛之助
 鹿島与市/薪車
 高綱娘薄衣/梅枝
 高野の僧智山/東蔵
 子之介姉おみの/秀太郎

第二 一條大蔵譚 檜垣 奥殿
 一條大蔵長成/菊五郎
 吉岡鬼次郎/松緑
 女房お京/菊之助
 勘解由女房鳴瀬/吉弥
 八剣勘解由/團蔵
 常盤御前/時蔵

第三 お祭り
 鳶頭松吉/仁左衛門

第四 恋飛脚大和往来
    玩辞楼十二曲の内 封印切 新町井筒屋の場
 亀屋忠兵衛/藤十郎
 傾城梅川/秀太郎
 槌屋治右衛門/左團次
 井筒屋おえん/玉三郎
 丹波屋八右衛門/仁左衛門

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2009年9月12日 (土)

第19回上方歌舞伎会・上手になってきはったから見る側もそのつもりで見なくては…。

4公演あったが、8月23日の最終公演を拝見した。

片岡我當/片岡秀太郎=指導
修禅寺物語 一幕三場
 岡本綺堂作の新歌舞伎。伊豆修善寺の面打ち名工夜叉王とその家族、幽閉中の源家将軍頼家、それぞれの過激な生き様の物語。

子どもの頃、親がこの戯曲にだだはまりで、上演のたび連れていってもらった。
皆さん、お役の年齢に近い。妄想癖な姉にりき弥さん、リアリスト妹に當史弥さんとはまってる。篤実な妹婿・千壽郎さんが魅力ある男性なので、妹の生き方に一票かな。さらさらと流れたと見るか、激動の歴史のスピードと見るかは、観客の心次第。鎌倉方の御家人千志郎さんに目が釘付け〜。

片岡仁左衛門/片岡秀太郎=指導
双蝶々曲輪日記 引窓 一幕

人気の名作なのでよくかかる。確か、上方歌舞伎会でも相撲場は拝見した。
これが今年の上方歌舞伎会のメインディッシュのようだ。家族の絆がこれほど顕著な引窓は初めて。

まずは、十次兵衛役の松次郎さんが素敵な男っぷりで、女房のお早・純弥さんとのラブラブぶりにあてられる。侍になった嬉しさを隠そうともしない夫婦のわーい(*^□^*)がまぶしい。若者が演じる妙味だ。おかあさん、幸福で泣きそう。
その幸福に割り込む不協和音が當吉郎・長五郎。母親の前だから帰還した放蕩息子の位置付けだ。かわいいのでかばわずにおられようか。その母を守る若い主ぶりがサイコーの松次郎さんだった。
♪女房お早!純弥さん、いつの間にそないに上手くならはったん。仕事多いし、女房ぶりと花街の名残と、健気さと素直さを出し入れして技術点一番!欲目、贔屓目、親心、応援団モード抜きで拍手(爆)。引き出しの開け閉めを感じさせなくなったら満点。

藤間豊宏=振付
京人形
常磐津連中/長唄連中
雁祥さん・左甚五郎の、ひとり思い入れたっぷりの場面は頑張ってるという堅さがあったが、千次郎さん・京人形と踊り出してからはノリノリに。
そして後半。何べん見ても、お姫さまと奴を落とし、大工さんと立ち回りになるのか、因果関係がわっからへんが、歌舞伎だから何でもありだ。戦う甚五郎さんもカッコよろしいが、大工道具を折り込んだ立ち回りで皆さん本領を発揮。拍手喝采のうちに決まる。幕切れは爽やかな皆さんだった。

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2009年9月 8日 (火)

松竹大歌舞伎 近松座公演 in びわ湖ホール・顔見世半分見た気分

ホワイエホワイエ

一、坂田藤十郎お目見得 御挨拶
二、恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内 封印切
   新町井筒屋の場
     亀屋忠兵衛 坂田藤十郎
  丹波屋八右衛門  片岡愛之助
  傾城梅川  中村壱太郎
  槌屋治右衛門  坂東彦三郎
  井筒屋おえん  片岡秀太郎
三、連獅子
  狂言師右近後に親獅子の精  中村翫雀
  狂言師左近後に仔獅子の精  片岡愛之助
  修験者  中村亀鶴
  村娘  中村壱太郎

坂田藤十郎家三代,片岡秀太郎二代,亀鶴さんら上方の役者と彦三郎丈の息の合った座組による定番演目の興行だ。地方公演としてはかなり賑々しい観客数だった。
坂田藤十郎丈は,滋賀県は初めてとか。大津絵道成寺,傾城反魂香,良弁杉など当地縁の演目をなさるのに意外だ。
なんと申し上げても,お孫さん相手に色模様をなさる忠兵衛の藤十郎丈のお若く瑞々しいこと。梶原源太はわしかしらん。新町への先陣争いは必勝,色の組討は常勝でも,金の武運に見放され大和路を落ちてゆかはる。
この上方二枚目の難儀なお方と対峙する,上方の好かんタコ・はっつぁんを愛之助丈が好演。ほんまに悪い奴の曽根崎の九平治は亀鶴丈でキマリだが,封印切あぶらむしのはっつぁんは愛之助丈がよろし。敵役はこうして若い方がもう本役になさっておられるが,余人をもって替え難い主演はどないなるんでっしゃろ・・・。
連獅子で翫雀丈が出て来られたら,お元気ですねと感嘆なさっている観客様が回りに多数。これもまた楽しい。

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2009年8月28日 (金)

京都四条南座吉例顔見世興行の演目が発表に!

吉例の京都四条南座の顔見世大興行の演目が発表になったようだ。
11月30日~12月26日で、演目と主な出演者は次の通り。冷静に冷静に…。これが冷静になれますかいなぁ。

【昼の部(午前10時半)】
 佐々木高綱 佐々木高綱 梅玉
          馬飼子之介 翫雀
          おみの    秀太郎

 一條大蔵譚 一條大蔵長成 菊五郎
         常盤御前 時蔵
 お祭り    鳶頭 仁左衛門
 封印切    忠兵衛 藤十郎
         八右衛門 仁左衛門
         梅川 秀太郎
        治右衛門 左団次
        おえん 玉三郎

【夜の部(午後4時15分)】
 時平の七笑 左大臣藤原時平 我當
          菅原道真       彦三郎
 土蜘    土蜘蛛の精 菊五郎
        源 頼光   時蔵
        胡蝶     菊之助
        平井保昌  梅玉
 助六曲輪初花桜
          助六 仁左衛門
          揚巻 玉三郎
          意休 我當
            門兵衛 左団次
           通人  翫雀
            白酒売新兵衛 藤十郎
               松緑、菊之助、愛之助
 石橋      翫雀、愛之助

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2009年8月21日 (金)

坂東玉三郎特別舞踊公演 in 京都四条南座・高い精神性が投射した映像のような舞姿

Rousoku 京都四条南座
坂東玉三郎特別舞踊公演
平成21年8月20日(木)に拝見した。地唄舞踊の秀作で定評の高い舞踊三作。非常に贅沢な舞台だ。
坂東玉三郎
三弦 富山 清
琴箏 富山 清仁

芸妓/玉三郎
世俗を離れ仏門に帰依した元芸妓が、冬の夜長、恋人の訪れを待ちわびた夜を思い出しつつ、 今なお捨てきれずにいる恋心と向き合う。
極限まで抑えた動きの中に深い悲しみを漂わせる。身を切るような寒さと、刃物で切られるような恋のいたみがしみる。哀しみは昇華しない。恋の深手と向き合い痛みを感じることで、残された生涯をおくるという静謐ながら壮絶な魂を演じておられたように思える。

葵の上
六条御息所/玉三郎
亡き東宮の妃の六条御息所は、華やかだった日々を振り返る一方で、今の恋人・光源氏の正妻葵の上への嫉妬心にさいなまれ、ついには葵の上の枕頭に生霊となって立つ。
やはり六条御息所は、闇の中からいきなり現れられる。マジ怖いっす。目があったらにらみ殺されそう。
思い知らずや思い知れ恨めしの心や
あら恨めしの心や人の恨みの深くして
もうだめ。そんなに恨まんかて…。知らずにプライドを傷つけてしまうことは誰にでもある。無知と他人の心の痛みが分からないことの罪に思い至った。
昨夜は怖い夢みた。

鐘ヶ岬
清姫/玉三郎
清姫は、妄執の果てに釣鐘ごと安珍を焼きつくしてしまった。釣鐘再興の日、亡霊となって現れた清姫は鐘への執着をみせながら舞う。
能の道成寺→京鹿子娘道成寺→鐘ヶ岬
抽象的な能から華やかな京鹿子娘道成寺になり、もう一度抽象化したのが鐘ヶ岬だ。若く美しく清らかな清姫であられる。本当の清姫の怨霊が結晶して玉三郎丈の舞姿になったというか、高い精神性が投射した映像のような錯覚を覚える。三作のうち初めて陰影のない歌舞伎舞踊らしい照明にほっとする。

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2009年8月17日 (月)

松尾塾子供歌舞伎公演2009 in 国立文楽劇場

L6013可愛くて本格的。文化と行儀作法を歌舞伎のお稽古を通じて子供たちに伝える松尾塾の公演を今年も拝見した。国立文楽劇場の初日、Aプロ。詳しくは公式ページに記載。
今年は、三大名作のひとつ、「菅原伝授手習鑑」の「寺子屋」をメインに据えたラインナップ。理解を助けるためか、入れ事として増補された本公演ではめったに上演されない「松王下屋敷」の場から上演される。確かにお子様には大人の事情は分からないよねー。

一、「菅原伝授手習鑑」増補 松王下屋敷
   竹本連中 葵太夫=慎治
寺子屋で松王の「かえり忠」を楽しむには「ネタばれ」なのかあまり上演されない。しかし、夫婦愛、親子の愛、主君へ忠誠が分かりやすく、「後出しじゃんけん」ながらいい脚本だ。
陸人さんと奈都季さんの夫婦愛が光った。しっかり者の千代と頼り甲斐のある松王でいい感じだ。

二、「菅原伝授手習鑑」寺子屋
  
 竹本連中 葵太夫=慎治
奈都季さんはこちらでは戸浪。闊達で明るいキャラは戸浪向きかな。千代は凛とした澪さん。源蔵の諒さん、松王の友希さん、玄番の岳さんの3人は、さすがの上級生。押し出し、胆力、さわやかな口跡、切れ味、それぞれの武器で勝負なさっていた。諒さんの所作には去年から注目していたが、後ろ姿がいい形だった。
寺子たちの手習いの場面で、子供が子供を演じていて、むしろ違和感があったのが笑える。

三、川尻清潭 作 夕顔棚 清元連中
哲平さんのじじと陸人さんのばばの二人だけの場面が長いが、何と間がもっている。芝居心のあるコンビだ。

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2009年8月 7日 (金)

市川染五郎傾奇おどり「擽」ティックルズ in 京都四条南座

六道の辻
7日金曜日、市川染五郎傾奇おどり「擽」ティックルズが上演されるので、今日も南座へ走る。
写真は7日から始まった「六道参り」の六道珍皇寺の石塔。終演後、思い立って寄ってみたら、おどりもこんな感じだったと納得。撮影はしていないが、閻魔像と小野篁像が開帳されている。建仁時では応挙の幽霊の絵も公開中。東山六道の辻はお盆の情緒が最高潮となる。

作・演出・振り付け/市川錦升
配役
くじマニアだったミイラあーちゃん/市川 染五郎
スーパー主婦だったミイラゆーちゃん/尾上紫
科学者だったミイラふーちゃん/尾上青楓
いろんな先生/尾上京
いろんな助手/松本 錦紫

『魑魅魍魎的』、『麻布十番ん』、『不二才』に続く待望の新作第四弾!70分ノンストップ1度限りの創作舞踊。これといったストーリーはなく、甦ったミイラたちがこの世にちょっかいを出しながら見た妄想は…。シュールだわ。
衣装、メイク、装置も美とは程遠いが音楽と舞踊は美だった。3日前のストイックで端正、胆力もある西行さんとは似ても似つかぬはじけたお役が、なぜかはまる青楓さん。お歌もお上手。こちらも一昨日の萬斎さんとの真剣勝負の三番叟から、愛嬌と面白さで清楓さんと真剣勝負の染五郎丈。
三響會と表裏になっているかのようなアヴァンギャルドな舞台と緻密な振りを快く愉しんだ。3人が意外にそろうのが不思議…。

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2009年7月27日 (月)

NINAGAWA十二夜 in 大阪松竹座・26日マチネがマイ千秋楽・マイ総括を手短に…。

27日、大阪松竹座で「NINAGAWA十二夜」は200回公演、LONDONバージョンの大千秋楽を迎えた。残念ながら、マイ千秋楽は、26日の199回目だった。一般公演どおり粛々とするべきことをなされた素晴らしい完成度のであった。以下、マイ総括を手短に…。

ワタクシ的には、二幕冒頭のオーシーノ公爵への秘めた娘心を押し隠しながら男姿で舞う場面が、菊之助丈の世界への殴りこみの切り札だと信じて疑わなかっただけに、短くなってしまったことが淋しかったが、トータルとして、観客に媚びることなく、だれることなく、緊迫感と品位が増した分、歌舞伎の表現技術で上演するシェイクスピア劇のコンプリート版と位置付けられたと思う。

時蔵丈の織笛姫は、蜷川さんに赤姫で演じて欲しいという注文を受けられ、そのとおり舞台上にあられたが、英国人が、鏡に映った後姿に十種香の八重垣姫を見出すはずもないから、オリビアとして勝負しておられたはず。気位の高さ、思いこみのきつさ、独善の危うさという赤姫と奇しくも一致したオリビアというキャラそのものの見事さで、もう一人の主演であることを明確に示された。ブラボー。

また、戯曲としては主演級でありながら、しどころの少ないオーシーノ公爵をヒロインが熱愛する貴公子として視覚化された錦之助丈も、日本の理想の男性の絵姿を世界に提示するという重要なお役目を果たされた。初演時に、素晴らしい舞台美術に映えるお姿と感嘆したが、今回は桜をはじめとする視覚効果が美しさの邪魔になると感じる程であった。

幾度か書いたが、菊五郎丈が二役のため、フェステがマリヴォーリオを苛めるシーンに登場されないのが残念。フェステが声色で神父に成りすまし、マルヴォーリオを暗闇の中でいじる場面は暗転でも聞かせどころとなるため、トライして欲しかったところだ。

制作発表から初日まで、気も狂わんばかりに愉しみにしていた日々を思い出す。菊之助丈はこの十二夜で畢生の当たり役に恵まれ、若手歌舞伎俳優から、世界の誰もが達成できなかった難役の鮮やかな解決者となられた。共演なさった俳優さんたちも、襲名やテレビドラマ出演などで、歌舞伎の世界の中でのポジションを確実にアップされた。よいよいづくめの十二夜が終わるのは淋しいが、もう皆さんは新たな地平を求めて駆けだされていることだろう。心からの感謝をこめて皆様に御礼申し上げたい。

なお、蜷川さんの歌舞伎でシェイクスピアはもうええです。まだまだ演出されなければならない戯曲は世界に眠っていることでありましょう。

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2009年7月21日 (火)

公文協中央コース・岐阜で「沼津」

7月20日は、公文協中央コース・岐阜で「沼津」、公文協東コース・沼津で「すし屋」と悩ましい選択をしなければならない日だった。迷った結果、自宅から2時間未満の岐阜で「沼津」と奴道成寺を拝見することとした。本公演同等の豪華キャストに楽しみな演目だ。

一、伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)沼津
 呉服屋十兵衛/中村吉右衛門
 お米/中村芝雀
 池添孫八/中村歌昇
 雲助平作/中村歌六
二、奴道成寺(やっこどうじょうじ)
 白拍子花子実は狂言師左近/市川 染五郎

御当地ネタ満載。「沼津」では、このあたりの名物が長良川の鮎になっていた。「奴道成寺」では、「とう」づくしが…。郡上音頭、岐阜提灯、織田信長ネタ、鵜飼etc.
わーん。滋賀県人は置いて行かれたよー。結論、役者さんが情報収集と民謡の練習に努めておられるのだから、観客も御当地に敬意を持って予習して出かけるべし。

このキャストのこの演目は何をか言わんや。沼津は、親子の情愛と仇討の仇どうしとなった義理との板挟みにじわーん、ぐわーんと泣け、初役とは思えない切れ味の染五郎丈の狂言師左近に楽しませていただいた。
でもウケておられたのは花四天さんたち♪~

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2009年7月 8日 (水)

おとみの妄想劇場

「NINAGAWA十二夜」の同じキャスト、衣装と装置で「本朝廿四孝」の上演希望

昨年の芸術祭十月大歌舞伎で、「十種香」の武田勝頼を尾上菊之助丈が演じられた。十二夜の斯波主膳之助は、武田勝頼の拵えだ。
以下は、おとみの妄想劇場で本朝廿四孝のうち武田家バージョン。この演目は、十種香と狐火以外、ほとんど上演されることはなく、平成17年3月国立劇場で、花形若手歌舞伎公演通し狂言『本朝廿四孝』で、勝頼切腹と道行似合の女夫丸が上演されている。平成17年11月には国立文楽劇場で、本当の通し狂言として演じられた。和田別所化性屋敷の段は超チャリ場で、捕り方の村上義清が狐に騙されてぼこぼこにされる。
本朝廿四孝と相似になっていると想像すると楽しい。喪に服する登場、後ろ姿を鏡で見せてきっちり韻を踏んでいる。

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2009年7月 5日 (日)

NINAGAWA十二夜 in 大阪松竹座初日

十二夜夜景

初日を迎えた大阪松竹座『NINAGAWA十二夜』凱旋公演。マチネを観劇。
戯曲:W.シェイクスピア、脚本:今井豊茂、演出:蜷川幸雄
キャスト
斯波主膳之助・獅子丸実は琵琶姫/尾上 菊之助、織笛姫/中村時蔵、右大弁安藤英竹/中村翫雀、大篠左大臣/中村錦之助、麻阿/市川 亀治郎、役人頭嵯應覚兵衛/  坂東亀三郎、従者久利男/尾上松也、海斗鳰兵衛/河原崎権十郎、従者幡太/坂東秀調、比叡庵五郎/市川團蔵、舟長磯右衛門、市川 段四郎、左大弁洞院鐘道/市川左團次、丸尾坊太夫・捨助/尾上菊五郎

2005年歌舞伎座、2007年歌舞伎座と博多座、そして2009年LONDON、新橋演舞場、大阪松竹座と再演を重ねてより洗練されたNINAGAWA十二夜がとうとう大阪へ…。キャストも不動の菊五郎劇団を中心とする十二夜カンパニー。大阪初日とはいえ、先週新橋で大変な盛り上がりで千秋楽を迎えたばかりのため、一座にとっては中日の折り返し点か。
皆さんが書いておられるように3幕18場から2幕15場に集約され上演時間も4時間を超えていたものが3時間35分になっている。ああだこうだの冗長な場面が刈り込まれているようだ。
カンパニーの結束が固くなったこと、4年の間にそれぞれ心技が磨かれたことなどが相乗効果となって感動的なエンタテイメントが完成していた。

何より菊之助丈、斯波主膳之助がきりっと立派に…、ほれぼれするような美丈夫ぶり。獅子丸実は琵琶姫の娘心の切々とした表出がますます瑞々しく、日本一の美女ぶり。
短くなったとはいえ二幕冒頭の舞姿に、やはり泣ける。原作でもオーシーノ侯爵に女の真実の恋とはと訴えるクライマックスだが、麗しい菊之助丈の華やかなお小姓姿に、見ているだけでありがた涙でうるうるになる。迦陵頻伽の声か天上の音楽か紛うお声に前後不覚となった。
2007年に腰をぬかさせていただいたCGアニメ風に、女性と男性の間を自在のスピードと配分率で行き来する危ないテクニックはあまり誇示なさらなかったが、知らず女性が出てはっと気づくところ、女性であることがばれそうになり泣きそうになるところは、意識なさってか、分かり易く演じておられた。
世界広しといえども、歌舞伎の兼ねる役者尾上菊之助以外にヴァイオラとセバスチャンを完璧に演じ、双方で男女からためいきを取れる役者さんがおられようか。
英国演劇界は、世界にワンアンドオンリーの菊之助丈に震撼せよ。英国演劇界は、「十二夜」ひと演目のためだけでも、女形さんの復活を検討しないと、シェイクスピアの国の名を返上しなければならないぞ。
初演の感想はこちら、再演はこちら

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2009年7月 4日 (土)

六月大歌舞伎 in 歌舞伎座・イッキ書き

歌舞伎座
六月大歌舞伎のラインアップと配役は全天候勝負。クリームもスポンジもおいしいロールケーキ。どこからかじってもおいしい。昼の部は、上方の演目、夜の部はオール黙阿弥。役者も東西のバランス良く、全員がはまり役に当たり役。気後れ気味の田舎婆でものこのこ出かけた。
正札附根元草摺
中村魁春、尾上松緑
御免なさい。地方公演でよく見る朝一演目なのでさぼりました。
双蝶々曲輪日記 角力場
松本幸四郎、中村吉右衛門、市川染五郎、中村芝雀ほか
これも上方で歌舞伎及び文楽ともよく上演される。
芝雀丈の吾妻、お付きの吉之丞丈、歌江丈、宗之助丈が、さっと登場であっさり引っ込まれるのに驚く。これが歌舞伎座の贅沢だ。
吉右衛門丈の放駒?という気がするが幸四郎丈の濡髪と並べばええ感じ。見得はこれぞ錦絵。熱血少年と大人に見えるのが役者だ。
蝶の道行
中村梅玉、中村福助
衣装と装置が豪華でシュール。歌舞伎舞踊というより宝塚歌劇の日舞のショーのような感じだ。おそらく同時代の発想だろう。お似合いのカップルで、地獄の責苦と被虐が似合う舞踊家さんで見たい演目だ。
女殺油地獄
片岡仁左衛門、片岡秀太郎、片岡孝太郎、片岡千之助、中村梅玉、中村歌六、中村梅枝
一世一代の仁左衛門丈のことは早書きしてしまったので、全体をさっくりと。
開幕前の客席のびーんと張りつめた緊張感が歌舞伎座らしくて圧倒された。仁左丈が実年齢に近い方が良いというのは、個人の芸ではなく、相手役や家族との人間関係ということが分かる。
情理をわきまえた役が似合う役者に対する尊敬の念を封じ込めて、どないしょうもないあほんだら!わかっててもかわいいという気持ちをぶつける。そしてそれぞれの爆発の破壊力の総和がお芝居の総合力だ。ベストキャストと考えられるキャストだが、いつでもベストキャストだったはず。ただ、おとーちゃんはもっとぐちゃぐちゃで、おかんは鬼のように強く、兄は愚直、妹は純情が好きだ。

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2009年6月28日 (日)

六月大歌舞伎 in 歌舞伎座夜の部千穐楽・高麗屋の金太郎ちゃん初舞台よくがんばりました

夜の部
夜の部

栴檀は双葉よりかんばし。
4歳ながら、本当に涼しい容姿に恵まれ、きまりの形も美しく、拍子もきっちり踏めるし、毛振りもちゃんと回しておられた。歌舞伎俳優として大成していただきたいが、歌って踊ってお芝居のできるミュージカルスターさんとして早くから活躍していただきたいな。

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2009年6月27日 (土)

六月大歌舞伎 in 歌舞伎座昼の部千穐楽・一世一代の与兵衛は揚幕の彼方へ

六月大歌舞伎 in <br />
 歌舞伎座昼の部油店

歌舞伎座の観客たちの熱気が違った。この狂言だけご覧になる方も多かったようだ。

近松門左衛門作「女殺油地獄」は、昭和37年夏、20歳の片岡孝夫丈をブレイクさせた演目であるだけでなく、物語の陰惨さから、頻繁には上演されなかった同作品を、原作者の想定を凌駕する表現者を得て約300年ぶりにメジャー化されたのだった。
そして、平成21年、現在の歌舞伎座の最後の年の夏、片岡仁左衛門丈が一世一代と銘うって25日間の舞台を務められ、今日が千穐楽だった。
エロスとバイオレンスのエネルギーを、色白で端正でつっころばしに類型化される若者が暴発させる新鮮さだったのだろうか。元禄の上方の拝金主義と成熟社会の歪が、来たる時代を予感させたのだろうか。その時代に驚かされる側の大人でなかったことが残念でならない。
ものごころついたときには、甘えたでちゃらんぽらんで依存心が強く、根拠のないプライドが異常に高く、責任転嫁の権化みたいな大坂のこぼんちゃんがおられた。また、小奇麗な若者なぶりを楽しんでいながら、親切心からと自己欺瞞と独善に満ちた大坂の若ごりょんさんもセットだ。次世代の方に、同じキャラクターを継承していただきたいという要請もあるだろうが、演劇は生き物。違うててもええんとちゃうとうちは思う。

本日の仁左様は、殺しの場で鬼気迫る嗜虐の狂気を精魂込めて演じておられ、観客と一体となって最高の演劇的カタルシスに持っていかれた。観客も45年分の拍手をしていたのだった。
定式幕が引かれ、与兵衛が花道を引っ込んだ後も観客の拍手は鳴り止まず、もう一度幕が開き、お吉さんが惨殺されたままの舞台を見せて幕。10分間くらい拍手は鳴り止まなかったが、再登場はなかった。殺人現場に犯人は戻ることはない。
(物語は、実は殺人現場に舞い戻り、ぬけぬけとお吉の葬儀に参列してお縄になり獄門にかけられるとか。)

平坦だけではなかった前半生をかけて、与兵衛で同時代人を楽しませていただいて本当にありがとうございました。けど、仁左様は与兵衛だけちゃうねんでー。
昼の部のラストにしはったんも、ちゃーんと訳有りと考えられる。夜の部のラストやったら一晩中泣かんならん。

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2009年6月20日 (土)

義経千本桜・すしや by 片岡我當一門 in 大阪市中央公会堂

大阪市中央公会堂(<br />
 中之島公会堂)<br />
 ですし屋
大阪市中央公会堂(<br />
 中之島公会堂)<br />
 ですし屋
旧中之島公会堂・1918年竣工。当時はまだ珍しい指名コンペを勝ち取った若干29歳の岡田信一郎の作品だ。岡田信一郎は歌舞伎座の設計書でもある。資金を寄付したのは株の仲買商だった岩本栄之助。
しかし、1970年代には中之島一帯が再開発されてしまいそうな危機もあった。あれこれあって、保存が決定したのは1988年。この時にも多くの市民から寄付が集まった。やるときはやる、大阪の文化の象徴だ。

今日は90年の歴史で初めての歌舞伎上演とか。それが片岡我當一門の鑑賞教室というのはこの上なく嬉しい。
床が、文楽の床と似た位置にあり↑、残響時間が長く、普通の歌舞伎上演と異なった音の指向性が感じられた。

心の準備があったので、今日は動転しなかったが、上村吉太朗ちゃんは、六代君と権太伜善太郎で、弥助役の吉弥丈の若君だ。もう、公演も終盤なので、落ち着いてました。
さて、絵にあるような殿御の吉弥丈は、本当にたよりなさげな上方の優男で、リアリティーと情愛の松嶋屋のすしやの華だった。要するに、「なにがなんでも弥助実は平維盛卿を助けよう。」という人々が繰り広げるヒューマンドラマが主筋だ。何回も見ているのに、今日、やっとわかった次第である。維盛を助けたいという一心がどうして見えにくくなるのかな。これを表現できる我當丈にますます尊敬の念を強めた。
近江之丞桃六…。どないしょー。

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2009年6月15日 (月)

シネマ歌舞伎「牡丹亭」・玉三郎丈の舞台挨拶付きの回を拝見

6月14日(日)19:20回のを拝見した。スーツ姿ですっきりとした佇まい。昆劇の曲は昆劇以前から千年続くの中国の根源的な歌曲で、それに惹かれ、また、最も艶麗で優美な昆劇だけに残る戯曲「牡丹亭」を上演したいという積年の夢を叶えた。言語の壁はあったが、歌舞伎俳優であることが、同じ古典芸能の技術の習得に活きた。京都と北京でも上演したが、発祥の地・蘇州の方言と文化の香りを表すことには苦慮なさった。芸術への思いに打たれる。
今度シネマ歌舞伎は、ご縁ある、牡丹灯籠を制作なさるとか。

2008年3月南座の感想
坂東玉三郎・中国昆劇合同公演・嫋々と切々とたおやかに…心震わせる歌唱はこちら

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2009年6月10日 (水)

市川海老蔵 特別舞踊公演 in 大阪松竹座・バレバレのマスカレード

にらみ
もう今日が千秋楽だった。短かかった。
6日(土)夜の部を鑑賞した。この公演は、関西で新型インフルエンザが流行していることを受けて、プログラムの順を変更し、口上で市川家に伝わる「にらみ」が実施された。華やかな演目に添えて、一年間の病魔退散、無病息災も祈念するめでたい趣向である。見送らなくて良かった〜。

市川海老蔵 特別舞踊公演
 一、保名(やすな)         安倍保名/市川海老蔵
 二、雷船頭(かみなりせんどう) 船頭/市川海老蔵
 三、口上(こうじょう)        市川海老蔵
    「にらみ」相勤め申し候
 四、歌舞伎十八番の内七つ面(ななつめん)
                     元興寺赤右衛門/市川海老蔵

保名
端正で凛々しさ一杯、生命の息吹きがほとばしるようだった菊之助丈の保名よりは、病んだ投げやり感があり、いっちゃった人という風情が素敵。大きな目は、伏し目にしても伏し目パワーがあるんだわ。不思議〜。
雷船頭
休憩なしに、大川端へ。立役が問答無用にカッコよく見えるのは、奴姿と首抜きと勝手に決めているが、首抜きはきりりとした表情をますます凛々しく見せてくれる。
雷さんがなぜ船頭と絡むことになったか、難しいことは考えてもしゃーないんで、コミカルな振りを楽しもう。
口上
年頭に市川宗家ににらんでいただくと一年間風邪をひかないという信仰がある。風邪をこじらせたらあっけなく落命するお江戸の人々の、スーパーヒーローの出現を待つ祈りに似た思いがなぜか近しく感じられる昨今。襲名披露興行以来なので懐かしい。場内はマスク姿は無かった。
七つ面
眼目の七つ面。
翁→お猿→鎌倉権五郎&清原武衡→関羽&般若→恵比寿→お猿→押し戻し
面打・元興寺赤右衛門が自作のお面をかぶって様々な振りを見せ、最後は捕り方6人との大立ち回りとなり、やんややんやで幕。なんとも、おおらかで、ひたすら楽しい。面を素早く取り換え人物を踊り分ける妙味で見せる踊りのようだが、細かい芸はとにかく、圧倒的かつ神懸かり的なパワーの立ち回りにカタルシスだ!
面があっても無くても同じ力のあるフェイスがいいんだな〜。「面」いらんなとつぶやいているおぢさんが!禿同!
今年一月に新橋演舞場で上演されたものに、後半に荒事加えを大きく変えてあるとか。面白い舞踊にしたいという抱負だったようだが、ホントに面白かった。

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2009年5月24日 (日)

通し狂言 小笠原騒動 in 京都四條南座

Minamiza0905b_handbill5月4日(月)に拝見したきりだが、その後の評判も上々のようで嬉しいかぎりだ。
京都四條南座五月花形歌舞伎
小笠原諸礼忠孝通し狂言 小笠原騒動
主な配役

犬神兵部・岡田良助/中村橋之助
小笠原隼人・奴菊平/片岡愛之助  小笠原豊前守・飛脚小平次/中村勘太郎
お大の方・小平次女房お早/中村七之助
隼人妹小萩・林数馬/中村 壱太郎
良助母お浦/上村吉弥
良助女房おかの・小笠原遠江守/市村萬次郎
おはなし
豊前国・小笠原家では、お家乗っ取りを企む執権・犬神兵部と、兵部と密通している側室お大の陰謀が着々と進んでいた。短慮な藩主の小笠原豊前守が狩りで、神の使いとされる白狐を射ようとするのを、忠臣小笠原隼人は押し止め、日々の軽挙妄動を諌めるが、豊前守の逆鱗に触れ閉門を言い渡される。
隼人は、かつての腰元お早に、分家小笠原遠江守への密書を託すが、兵部の足軽・岡田良助に殺され密書を奪われる。
一方、良助の家族は、赤貧のなか、お早の怨霊に悩まされ、良助の改心を願いながら自決する。一度に家族を失った良助は、真人間になり、兵部の屋敷から密書を取り戻し、遠江守への元へ走る。
お早の夫・飛脚の小平治は、良助の改心を知らず、水車小屋で激闘の末、良助を討つが、今際のきわの良助から遠江守へ届ける兵部一味の連判状と訴状を託される。
そこへ遠江守の行列。小平次は直訴をするのだが、一発の銃声が…。

「小笠原騒動」は10年前に南座にて、中村橋之助、中村翫雀、中村扇雀、市川染五郎の花形カルテットで復活上演し、水車小屋の本水を使った立ち廻りの迫力が評判を呼び、その後、新橋演舞場、御園座、博多座と全国でも上演された。今回は、一昨年「霧太郎天狗酒醼」で好評を博した新花形カルテットに、萬次郎、吉弥、壱太朗が参加し、京の初夏を彩る。

橋之助丈は岡田良助を当たり役としておられ、今回も悪党ながら実は家族思いという側面を情感たっぷりに演じられ、もう一役の極悪人は立派なフェイスが映えて座頭の風格を示された。愛之助丈は忠臣を颯爽と演じられ生締めの拵えがお似合いだ。もう一役の狐さんとの早替わりも鮮やかで、こちらの拵えもらぶりー。勘太郎丈は、鷹揚なお殿さま、若々しい飛脚、どちらもびしーと通った背筋と眼差しが素敵。七之助丈は善悪の美女を演じ分けられたが、ワタクシ的には金色の豪華な打ち掛けの悪女の方が買い。壱太郎丈はピュアな武家娘と花の若衆で、カルテットに迫る勢いだ。萬次郎丈と吉弥丈は、良介の妻と母で、若手中心の舞台に奥行と深みを添える危なげない好演。とびっきり健気な子役さんも加わり、ともすれば地味な愁嘆場を見せ場としておられる。
ただ一度の感激だったが、ムンパリさまのおかげで、勘太郎丈のアストリートのような太腿筋を至近距離で拝めてラッキー。あ、スリリングな梯子を使った立ち回りでも、お江戸の四天さんたちの偉観(太腿筋と上腕二等筋)を堪能した。
と、何もかも及第点という舞台なので、これからも花形の演目として演じ続けていただきたい。

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2009年5月 4日 (月)

五月花形歌舞伎座通し狂言小笠原騒動 in 南座 & 大オフ会

五月花形歌舞伎座通し狂言小笠原騒動 in <br />
 南座 & <br />
 大オフ会
五月花形歌舞伎を御観劇に遠征の麗さま、みんみんさま、rikaさま、上方の観劇ブロガーのムンパリさま、かずりんさま、どら猫さま、ハヌルさま、ワタクシ。8人が4日(祝)昼の部を鑑賞しました。実は、麗さま、帰省のかしまし娘さまと、ビッグネームお二人がゴールデンウイークに関西におられるということで、上方ブロガーが相集まり歓迎しようということになり、集合地と集合時間を調整したものです。
このため、オフ会には、かしまし娘さま、スキップさま、きばりんさま、ひーさまも揃い、12人の大パーティとなりました。
で、行ったのはココ。日本で初めて国際結婚をしたモルガンお雪が夫の没後、晩年を暮らした京町家を活用したラーメン屋さん「五行」と、1930年代の近代洋風建築をコンバージョンした複合施設COCON烏丸のミッドセンチュリーを代表するヤコブセンの家具がしつらえられた「スーホルムカフェ」。京都四条南座は1929年の竣工ですから、築70年から100年の建築物で、観劇及び飲食をしていただいたことになります。
京都は、人気公演がいつも上演中というわけには参りませんが、ピンポイントで実験的な取り組みや京都にこだわった演目がありますので、その節はお立ちよりくださいませ。
みなさま、楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございました。

五行丸紅

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2009年4月26日 (日)

歌舞伎鑑賞教室 in 南座・感動の千秋楽

昨日は、鑑賞する方が緊張していたので、心から楽しむつもりで本日の千秋楽に出かけた。席も気合を入れて2階最前列中央。
千秋楽ならではの吹っ切れた舞台だった。中啓の舞では鐘への執着を見込む決まりの形で見せ、あまり怖い怖い顔をなさらない。どこまでも折り目正しく吉弥丈らしい。長唄のくだけた調子になったところが昨日と異なりぐっと表情が若々しく華やいだものに…。毬を追う表情にも勢いがあった。
待ってましたの「恋の手習い」。大人の女性が恋の知り初めの頃を懐かしむ風情をしっとりと。廓の色模様と清姫の恋を重ね合わせる重要な場面だが、すっかり手のうち。控え目な女性ほど思いは深く、悲しみは密やかに。ライバルはあの方だけと見た。死角があるとすれば、人間離れがしていないことだけか。妖怪変化、あやかしの者という非現実感に乏しい。いい意味でリアリティのある女性の悲しみの表現者であることと裏腹の欠点なので、個性と好き好きの問題であろう。
激しいお稽古でかなり痩せられた様子でお顔もすっきり小顔になられて、恋に悩む風情がお似合いだ。
山づくしから鈴太鼓は、渾身で踊っておられ、観客の心をつかんで疾走しておられた。最後の見得も、怖すぎず達成感を見せすぎた晴れ晴れではなく、行儀の良い丈のお人柄がうかがえるいい表情だった。

カテコでは全員揃って鳴り止まない万雷の拍手と美吉屋の掛声が飛び交うなか、厳かに幕。ここで初めて素の表情に戻られた。

もう5月3日から花形歌舞伎が開幕する。また、元のしどころの少ない老女の役割を担われる丈だが、京都の春を桜とともに彩っていただいた舞は忘れない。

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2009年4月25日 (土)

歌舞伎鑑賞教室 in 南座 秘めた恋ほど深く激しい吉弥丈の花子

20日初日の鑑賞教室も明日で千秋楽。14公演も殆ど満席ということで、美吉屋の春は満開だ。
解説 桂九雀
京鹿子娘道成寺
 白拍子花子 上村吉弥
 強力 片岡千志郎
 同   片岡千次郎
 後見 片岡當吉郎
 同   上村純弥

所家さんにずらっと並んでいただきたいところだが、上方歌舞伎の本隊は歌舞伎座に御出演ということで、強力二人で所家二十人分の御働きをなさっておられた。後見二人も獅子奮迅の働きのところをさりげなく。
道行は無く、問答無用で、御舞候へということに。強力さんたち、安直じゃないかえ。
第二段乱拍子から花子が舞始める。烏帽子は飛ばさず、中啓に乗せる形。きりっとした佇まいの吉弥丈の持ち味にぴったり。鐘への恨みは慎ましく深く程よい。
「いわず語らず」の若い娘は若干苦戦。欲目、贔屓目、応援団モードに見ても、恋を知り初めた娘のときめきはお得意ではない。「恋のわけ里」の毬歌は振りの面白さがあるので、可愛さ勝負に持ち込まずクリアー。振り出し傘は花子のみで、強力は素踊り(v^ー゜)ヤッタネ!!
圧巻は「恋の手習い」のクドキ。舞踊というより恋の物語を演じる場面なので、ここでは情熱を抑えながらの濃やかな丈の芸風が生きる。贔屓目抜きでも勝負可能と見た!!!
「おもしろや四季の眺め」の羯鼓の山づくしも、マラソンなら32キロ地点のきつさと言われているが、幾度かのかどかどの決まりがきっぱりとしておられたので、技術以上に気力でいい見映えに。
「ただ頼め」の手踊は省略。賢明か。
「園に色よく」の鈴太鼓の早乙女の踊りを経て「鐘入り」になり、鐘の上で赤金の鱗模様の衣装で見栄。
初役で1日2公演は、ハーフマラソン1日2回、1週間続けられたくらいの体力を使われたとお察しします。力入りました。(._.)アリガト

客席も、おおむね綺麗ねというお声で満足で帰られたのでホッ。想像以上にパワフルながら、深く静かに潜行する恋の執念を演じておられた。♪

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終演後はお抹茶で祝杯!お抹茶

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2009年4月15日 (水)

大阪松竹座では市川海老蔵丈の特別舞踊公演

Nabana20086平成21年6月3日(水)~10日(水)(予定)
一、雷船頭(かみなりせんどう)
二、保名(やすな)
三、歌舞伎十八番の内七つ面(ななつめん)
こちらも海老蔵丈の様々な美しさを堪能できる演目ばかり。こちらは一週間あって土日もあるが、激戦は同じと思われる。

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今年の坂東玉三郎丈の南座特別舞踊公演はベストセレクション!

Yamafuji2今度こそ、玉様の六条御息所が見られる。そうでしょうそうでしょう。そうでなければ。京都の人に闇を見せたことに気がついてくださったんや〜。
8月20日(木)及び21日(金)午後1時
一、 雪
二、 葵の上
三、 鐘ヶ岬
楽しみにしている舞踊公演。例年なら3月又は5月に2週間あるのだが,今年は夏に2公演だけ(涙)。
しかし,演目は,丈の自薦であろうと察せられるものばかり。昨年、吉例顔見世興行の夕顔の巻での闇夜の烏〜感を払拭してくださるはず。
葵祭には、舞踊公演成功祈願とチケットが買えますようにと祈りに行こうっと。

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2009年4月 8日 (水)

上村吉弥丈が 『京鹿子娘道成寺』ゆかりの妙満寺で霊鐘祈願法要

公式サイトに、きりっとしたお写真入りで掲載されている。
南座歌舞伎鑑賞教室の今年の演目は京鹿子娘道成寺だ。上村吉弥丈が、ゆかりの釣鐘が祀られている京都市左京区の妙満寺を訪れ、霊鐘祈願法要を行われた。この釣鐘は、正平14年(1359年)に寄進されたもので、今年で650年の節目の年とか。
また、3月には紀州の道成寺にも参られたようだ。

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2009年3月13日 (金)

歌舞伎セミナー・女形の魅力を探る〜上村吉弥〜

兵庫県立芸術文化センターの夜景
12日夜、上村吉弥丈のトーク&舞踊ショーが開催されるという企画があったので、兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センターに出向いた。
プログラムは以下のとおり。

歌舞伎セミナー・女形の魅力を探る〜上村吉弥〜
第一部
 鼎談「女形の虚と実」
 出演:上村吉弥(歌舞伎俳優)
 ゲスト:玉岡かおる(作家)
 聞き手:河内厚郎(文化プロデューサー)
第二部
 化粧の実演「女形ができるまで」
 実演者:上村純弥
 解説:上村吉弥、水口一夫
第三部
 舞踊「申酉(さるとり)」 
 芸者/上村吉弥、若い者/上村純弥

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2009年2月22日 (日)

二月花形歌舞伎 in 大阪松竹座22日昼の部・亀治郎丈の長い口上あり

二月花形歌舞伎 in <br />
 大阪松竹座

舞台機構の不具合により、昼の部の開演が遅れたため、座長の市川亀治郎丈が「毛抜」の巻絹の拵えで口上をなさった。
立板に水のような弁舌で約15分。7年ぶりの道頓堀の変貌やお店の入れ替わりから社会経済への思い、仲間の結束や目標エトセトラ。
また、舞台は一期一会。役者の気と観客の気が呼応して迫力ある作品になるという醍醐味が他のメディアと違う楽しみとのこと。
開演は遅れたが、亀ちゃんのつかみが功を奏して、「毛抜」の弾正(中村師童丈)は愛嬌と親近感がびしばし伝わり良かった!!
かなり得した気分~♪

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2009年2月 2日 (月)

京都四条南座・公演情報に浮かれる。今年は道成寺♪

大阪松竹座でチラシ置いてあった。
○赤い城黒い砂
 4月3日(金)〜5日(日)
 W.シェイクスピア,演出:栗山民也
 片岡愛之助,黒木メイサ,中村獅童
 唐破風のプロセニアムに裸体は映えるはず!
○4月恒例の観賞教室
 4月20日(月)〜26日(土)
 上村吉弥丈が京鹿子娘道成寺
 通い詰める(予定)!
○小笠原騒動
 5月3日(日)〜26日(火)
 中村橋之助,中村勘太郎,中村七之助,片岡愛之助
 当初カルテットのうち残留はお一人。脇を固める役者さん,支えるそれぞれのお家の皆様,奮闘のうえ京の初夏をお楽しみください。

例年,坂東玉三郎丈の舞踊公演があるはずなんやけど〜

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2009年2月 1日 (日)

二月花形歌舞伎 in 大阪松竹座初日ほぼ通し

初日

初日、鷺娘からほぼ通しで鑑賞した。
浅草メンバーが大阪で興行を打つ。巡業や瓜生山で拝見しているのでそうは思わなかったが、亀治郎丈は、三国一夜物語以来大阪は7年ぶりとか。道頓堀をはじめ、大阪の変容に驚くというイヤホンガイドのインタビューにそっかとこちらも驚く。
初日からほぼ満席で客席も幅の広いジェネレーションですんごい熱気。これこれ。上手い、クレバー、不気味。亀治郎丈の観客の心を絡め取る妖術に\(^O^)/。

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2009年1月29日 (木)

通し狂言 「霊験亀山鉾」亀山の仇討 in 大阪松竹座

夜
3日と17日に拝見した。大抵の皆様は、複雑な筋にも関わらず分かりやすいとおっしゃったが、吉太朗ちゃんの登場に動転し、不覚にも混乱してしまった。

四世鶴屋南北作
通し狂言 「霊験亀山鉾」亀山の仇討
 序 幕 甲州石和宿棒鼻の場より播州明石網町機屋の場まで
 二幕目 駿州弥勒町丹波屋の場より同中島村焼場の場まで
 
中 幕 春寿松萬歳
 三幕目 播州明石機屋の場
 四幕目 江州馬渕縄手の場
 大 詰 勢州亀山祭敵討の場


配役
藤田水右衛門・隠亡の八郎兵衛/片岡仁左衛門
丹波屋おりき・貞林尼/片岡秀太郎
掛塚官兵衛/中村翫雀、芸者おつま/中村扇雀
源之丞女房お松/片岡孝太郎、石井兵介/進之介
石井源之丞・石井下部袖介/片岡愛之助
轟金六・大岸主税/坂東薪車、大岸頼母・仏作介/市川段四郎
藤田ト庵/片岡我當
六之進妻おなみ/上村吉弥、石井源次郎/上村吉太朗
萬歳/坂田藤十郎 ほか

ものがたり
藤田水右衛門は、石井右内との立会いに敗れた腹いせに右内を闇討ちし、「鵜の丸」の一巻というお家の重宝を奪う。しかも水右衛門は、協力者の隠亡の八郎兵衛、丹波屋おりき、掛塚官兵衛らと共に権謀術策の限りをつくし、右内の弟・兵介、右内の養子・源之丞、中間・轟金六、源之丞と言い交わした芸者・おつま等石井側の人々を次々に返り討ちにする。協力者たちは死闘の末果てるが、水右衛門は逃げおおせる。
しかし、石井源之丞の忘れ形見・源次郎の病が祖母の貞林尼の犠牲により平癒したのを機に、中間袖介は、水右衛門の父・藤田ト庵を討ち、双方相敵となる。
最終的に、鉾が練り歩く曾我祭りの亀山城下で、大岸父子の助けを借り、源之丞の女房お松、源次郎、袖介らが水右衛門を討ち果たす。
四世鶴屋南北の仇討物の最高傑作と言われる『霊験亀山鉾』。初演は文政五年(1822)。上演はこれまで数回しかなく、平成14年(2002)片岡仁左衛門主演で国立劇場で上演されているが、関西では77年振りというまさに幻の復活狂言だ。
中幕は、坂田藤十郎丈の艶やかな萬歳の舞が初春を寿ぐ。

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2009年1月22日 (木)

大阪松竹座二月花形歌舞伎に上村吉弥丈も御出演

竹三郎丈と薪車丈のお顔入りのチラシまでは持っていたが、最終版には壱太郎丈、亀蔵丈、吉弥丈が掲載されている。

お役は実盛物語の小よし!
肝心要、キーパースンの太郎吉は誰?

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2009年1月17日 (土)

大阪松竹座、本日は昼の部お祭りの幕見から夜の部終了まで観劇

大阪松竹座、本日は昼の部お祭りの幕見から夜の部終了まで
昼の部の幕見席では、上村吉太朗ちゃんがお兄さん方の熱演を見入っておられた。応援の声を掛けられたのでちょっとうれしい。
上方の若い者達は、細身でええ子オーラが光る。大立ち回りや派手な組み立て技はないが好感度で見せてくださった。
夜の部は、ワタクシ目の歌舞伎習熟度では、やっと物語の枠組が見えたというところ。ええと、伊賀越え、夏祭浪花鑑、鰻谷、合邦がない交ぜというところまで分かった。水右衛門は伊右衛門、八郎兵衛は権助、いっぺんに極悪人と悪性者の悪のバラエティーを楽しんでいただこうという趣向だ。分からなくなる理由は、やつしと二役が混乱すること、説明台詞を聞き落とすとつながらなくなること、人物にその場の行動方針(ハラ)はあるが一貫した性格がないことだ。性格悲劇はご無用。やっぱ南北劇は好きだぁ。

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2009年1月 3日 (土)

寿初春大歌舞伎 in 大阪松竹座初日・祥太郎ちゃん大役を果たす!美吉屋!

寿初春大歌舞伎 in <br />
 大阪松竹座初日・祥太郎ちゃん大役を果たす〓
初日、夜の部を拝見。片岡仁左衛門丈が、悪役の美を見せる通し狂言「霊験亀山鉾」。上方歌舞伎の総力に段四郎丈が参加しての大芝居。
深呼吸、深呼吸。かなり動転している。上村祥太郎ちゃんが、仇討ちの連鎖の最終ストッパーとなる善人方の若君役で、大阪松竹座デビューsign03見せ場では、美吉屋の掛け声が…。
しかも、切り口上では仁左様他幹部俳優に並んでご挨拶。いけるぜ千松役。

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2008年12月26日 (金)

南座に写真入り筋書を買いに…

南座に写真入り筋書を買いに…
今日で顔見世興行が千秋楽となる南座。チラシ台はこんな感じだ。発券機のところには、1月の新橋、2月の大阪松竹座の綺麗なものがあった。
来年もよい興行で賑わいますように。

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2008年12月21日 (日)

歌舞伎座さよなら公演特別企画「好きな歌舞伎20選」発表になっていた

2008年12月20日、公式ページに結果が発表になっていたので、私的メモとして書いておこう。応募者の年代は過半は50代以上、7割が女性とか。ワタクシは歌舞伎初心者のはずだが、30本中、未見は一本刀土俵入だけ。なんでやろ。
感想!
・近松作品や義太夫狂言の重厚な演目ががっつり得票(*゚▽゚)ノ
・人気が無いとされている新歌舞伎や論議の的となる新作歌舞伎が大健闘( ̄ー ̄)ニヤリ
・黙阿弥、南北ものが意外に苦戦w(゚o゚)w
・松羽目、能取りものの舞踊劇が苦戦(;д;)

歌舞伎の人気作品は中高年女性の志向と考えてよさそうだ。「みどり」より「通し」が相応しいものが多く、「じっくり見せる普遍性の高いヒューマンドラマ」と総括される。

寿曽我対面、与話情浮名横櫛、人情噺文七元結、身替座禅、夏祭浪花鑑、天衣紛上野初花、梶原平三誉石切、盟三五大切、曽我綉御所染、鎌倉三代記、近江源氏先陣館、ひらかな盛衰記、絵本太功記、廓文章、保名、二人椀久など、上演頻度が高いにもかかわらず、入っていないのも不思議だ。

歌舞伎座さよなら公演特別企画「好きな歌舞伎20選」発表

「歌舞伎座さよなら公演」を記念して、読売新聞社と合同で「好きな歌舞伎20選」募集を行いましたところ、15,000通を越えるご応募をいただきました。皆様に厚く御礼申し上げます。皆様にはどうか来年1月の「壽初春大歌舞伎」よりはじまる「歌舞伎座さよなら公演」をご支援下さいますようお願いいたします。昭和63年の歌舞伎座開場百年の折、「読者が選ぶ歌舞伎20選」には、6,280通、さらにその後、平成7年の松竹創業百年を記念して実施した際には、初回を2,000通以上、上回る8,778通もの応募を頂きました。今回は更にそれを上回り、応募総数は15,971通にものぼりました。

【20選の作品名と得票数】
1 勧進帳      1852
2 義経千本桜    931
3 京鹿子娘道成寺 881
4 仮名手本忠臣蔵 829
5 青砥稿花紅彩画 810
6 助六由縁江戸桜 749
7 桜姫東文章    545
8 源氏物語      363
9 連獅子       331
10 恋飛脚大和往来 309◎
11 菅原伝授手習鑑 276
12 三人吉三廓初買 257
13 壇浦兜軍記・阿古屋 256
14 平家女護島・俊寛 226◎
15 伽羅先代萩    224
16 暫          195◎
17 女殺油地獄    183
18 南総里見八犬伝 181◎
19 曽根崎心中    179◎
20 元禄忠臣蔵    173

◎印は初の20選入り

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2008年12月10日 (水)

2009年5月の京都四条南座は花形歌舞伎

控え目、早めのお知らせやけどうれし~。
2007年3月に上演された(きりたろうてんぐのさかもり)の座組のようだ。今はプレチラシしかないが,演目や出演者が固まるにつれ,バージョンアップするのがタノシミ。
荒唐無稽の大活劇希望。メン・アラ・フォー卒業,U18メンバー参加大希望。
今のところ,中村橋之助,片岡愛之助、中村勘太郎,中村七之助となっている。

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2008年11月30日 (日)

四条南座顔見世興行初日

四条南座顔見世初日
天候にも恵まれ、京の風物詩の華やかな幕開きだ。
南座はいい意味でも悪い意味でもウィンブルドンと思うてましたが、上方の役者さん活躍したはります。
朝10時半に始まって終演は夜10時半。無理はあきません。
もういっぺん行きますので、写真入り番付、お引き受けします。

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2008年11月26日 (水)

二月花形歌舞伎 in 大阪松竹座の演目と配役がメルマガに…。

亀次郎丈が、格闘技のキーパースンを担っておられ)^o^(。初春興業の浅草そのままで、来ていただきたかった気もするが、こちらのラインアップもタノシミ。( ^ω^)おっおっおっぐふふふふ。

☆演目と主な配役
昼の部
 一、歌舞伎十八番の内 『毛抜(けぬき)』
      粂寺弾正             獅童
      小野春道             愛之助
      秦秀太郎             勘太郎
      小野春風             亀鶴
      秦民部              男女蔵
      腰元巻絹             亀治郎
 二、『鷺娘(さぎむすめ)』
      鷺の精              七之助
 三、『女殺油地獄(おんなごろしあぶらじごく)』
      河内屋与兵衛           愛之助
      豊島屋七左衛門          獅童
      小栗八弥             勘太郎
      芸者小菊             七之助
      兄太兵衛             亀鶴
      叔父森右衛門           男女蔵
      女房お吉             亀治郎

夜の部
 一、『吹雪峠(ふぶきとうげ)』
      直吉               愛之助
      おえん              七之助
      助蔵               獅童
 二、源平布引滝『実盛物語(さねもりものがたり)』
      斎藤実盛             勘太郎
      小万               亀治郎
      葵御前              亀鶴
      瀬尾十郎             男女蔵
 三、『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』
       市川亀治郎六変化相勤め申し候
      傾城薄雲
      童
      薬売り
      番新
      座頭
      蜘蛛の精             亀治郎
      平井保昌             愛之助
      碓井貞光             獅童
      卜部季武             七之助
      坂田金時             亀鶴
      渡辺綱              男女蔵
      源頼光              勘太郎

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2008年11月25日 (火)

南座のまねき上げのニュース

南座のまねき上げのニュース
京都新聞の夕刊の一面に掲載されてたし、ほんまはあかんねんけど転載させてもらいます。かんにんえ。
顔見世は、お芝居だけ違うて,ハードソフト含めて周辺環境もワンダーランドやしー。南座で大歌舞伎見られるんは年一度。まねき無しでも充分ええ姿してるけど,まねきが上がったファサードの壮観やこと。

年の瀬へ、高々とまねき上げ
南座、顔見世興行で

「まねき上げ」で、人気役者の看板が高々と掲げられていった(午前9時5分、京都市東山区・南座)
京の師走の風物詩「顔見世興行」(30日−12月26日)を前に、恒例の「まねき上げ」が25日、京都市東山区の南座で行われた。出演する歌舞伎役者の名前を書いたヒノキ看板が高々と掲げられ、早くも年の瀬ムードを盛り上げた。

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2008年10月27日 (月)

寿初春大歌舞伎 in 大阪松竹座の演目情報が公式に〜

『寿初春大歌舞伎』大阪松竹座の演目が公式に発表になっている。霊験亀山鉾は、2002年10月国立劇場で仁左衛門丈が復活通しで三役を演じられ大評判となった演目とか。清水大希ちゃん(鶴松丈)も評判だったはず。千之助ちゃんに出て欲しいな。良弁杉とお祭りにも出番はある。虎之助ちゃんもいたはるしー。
平成21年1月3日(土)初日〜27日(火)千穐楽
演目と主な配役
昼の部
一、義経千本桜(よしつねせんぼんさくら)  鳥居前
      佐藤忠信 実は 源九郎狐  翫雀
      源義経              愛之助
      武蔵坊弁慶           薪車
      静御前              孝太郎
二、良弁杉由来(ろうべんすぎのゆらい)  二月堂
      良弁大僧正           我當
      渚の方              秀太郎
三、廓文章(くるわぶんしょう)  吉田屋
      藤屋伊左衛門          扇雀
      吉田屋喜左衛門         段四郎
      女房おさき            竹三郎
      扇屋夕霧             藤十郎
四、お祭り(おまつり)
      鳶頭               仁左衛門
      芸者               孝太郎

夜の部
  通し狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)
    序 幕 甲州石和宿棒鼻の場より播州明石網町機屋の場まで
    二幕目 駿州弥勒町丹波屋の場より同 中島村焼場の場まで
    中 幕 春寿松萬歳
    三幕目 播州明石機屋の場
    四幕目 江州馬渕縄手の場
    大 詰 勢州亀山祭敵討の場
   
      藤田水右衛門、隠亡の八郎兵衛  仁左衛門
      丹波屋おりき、貞林尼        秀太郎
      掛塚官兵衛              翫雀
      石井兵介                 進之介
      源之丞女房お松           孝太郎
      石井源之丞、石井下部袖介    愛之助
      轟金六、大岸主税          薪車
      六之進妻おなみ           吉弥
      芸者おつま               扇雀
      大岸頼母                段四郎
      藤田ト庵                 我當
      萬歳                    藤十郎

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2008年10月26日 (日)

芸術祭十月大歌舞伎千秋楽

芸術祭十月大歌舞伎千秋楽
マイ初日&千秋楽。初心者ゆえ細かいところ見落とすので、早いうちに来たかったが、来られただけで満足。

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2008年10月 8日 (水)

メルマガに二月花形歌舞伎 in 大阪松竹座情報が掲載!

こんだけ?!
演目情報、気長に待とうっと。
《発売日未定》
◎平成21年2月公演  『二月花形歌舞伎』
<出  演>市川亀治郎、市川男女蔵、中村勘太郎、中村獅童、
       中村七之助、中村亀鶴、片岡愛之助

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2008年10月 2日 (木)

上村吉弥丈の11月のお役

11月の吉弥丈のお役が公式にアップされていた。

平成20年(2008)11月 新橋演舞場花形歌舞伎 11/1~25
[昼の部]
一、通し狂言 伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば) 万野
二、義経千本桜 吉野山(よしのやま)
[夜の部]
一、通し狂言 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 松島
二、龍虎(りゅうこ)

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2008年9月17日 (水)

京都新聞にNINAGAWA十二夜ロンドン公演の記者会見の記事が掲載

東京での記者会見にもかかわらず京都新聞にお写真入りで掲載されているのがうれしいが、来年6月凱旋公演が上演される小屋は、新橋演舞場、7月は大阪松竹座で京都四条南座はない。
歌舞伎とシェイクスピアは同時代。英国が見たことない四百年に一度のヴァイオラ(シザーリオ)とセバスチァンが観客を瞠目させること間違いない。
バナーも可愛い公式HPはこちら。さっそく貼らせていただいた。

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2008年9月 4日 (木)

玉三郎丈は六条御息所!

昨夜の続報!京都四条南座顔見世興行の演目と配役
源氏物語の配役が京都新聞に掲載!
そうでしょう。そうでしょう。そうでなくては…。おーほほほほ。
源氏物語
光の君    海老蔵
夕 顔     扇雀
六條御息所 玉三郎

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2008年9月 3日 (水)

メルマガに京都四条南座顔見世興行の演目と配役がぁ…

源氏物語千年紀に合わせて源氏物語とあるが,ワタクシ的には玉三郎丈の「葵の上」希望。
日程11月30日(金)~12月26日(水)
やや新歌舞伎が多い気がするが,手堅いラインアップだ。舞踊,丸本もの,新歌舞伎,新作と飽きさせない。一年一度歌舞伎を観賞する積み立て預金をした京都市民のためのもの♪
貯金をしていない京都市民って…。あかんやろか。

      

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2008年8月25日 (月)

松尾塾子供歌舞伎 in Osaka23日(土)マチネ

松尾塾子供歌舞伎23日マチネ
昨年,テレビ放映されたときから、来年、絶対見ると決めていた松尾塾子供歌舞伎。かわゆらしく健気ながら本格的だ。で,国立文楽劇場初日A組を覗きに…。人間国宝常盤津一巴太夫もご出演だ。拵えも可愛い。プログラムは,京人形,義経千本桜・すし屋,浮気婿(身替座禅かな)とハードルが高い。形だけでなく,メイクドラマが求められるすし屋も,ダイナミックに心を動かしておられる。
美しさでは、京人形と弥助を演じた諒ちゃんが、達者さでは、お里と奥方玉ノ井を演じた満里奈ちゃんが引っ張っておられた。
ところで,マイ興味の対象の年令が,どんどん下がってきているようだ。

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2008年8月20日 (水)

第18会上方歌舞伎会20日(水)夜の部

今年は、本朝廿四孝、十種香の段、奥庭狐火の段、仮名手本忠臣蔵七段目祇園一力茶屋の場だ。年々、ハードルが高くなっている。
八重垣姫は扇之丞さん。奥庭は人形振りのため、主遣いを上村純弥さんが務められた。華やかなお衣裳にすっきり化粧で綺麗に出られた。
超大役は、由良之助に佑次郎さん、平右衛門に千志郎さん、お軽に當志弥さんの3人。失礼ながら七段目で、観客をドラマとして泣かせておられるとは…。中でも場をさらい、引っ張ったのは千志郎さんだ。長いおみ足とでかい手、押し出しのきくお顔で奴の拵えがお似合い。

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2008年8月 7日 (木)

海老蔵丈も変化(へんげ)と聖(ひじり)リバーシブル・世界遺産熊野古道から来た男

歌舞伎座にて七月大歌舞伎を観劇し,下書きのままだった昼の部。
玉三郎丈は,夜の部の泉鏡花センセの2作品を,一連の物語として構成すると仰ったが,どうしてどうして,そんな見え見えの趣向だけで納まるお方ではあられまい。そこで,本エントリでは,義経千本桜・狐忠信編と泉鏡花二部作,昼夜の枠組について読み解いてみる。論点の甘さは,ミーハーモードでカバー。これはおとみの見立てという論考の娯楽,例によって,賛否両論受けて立ちますぅっ!

昼の部は,三大義太夫狂言のひとつである『義経千本桜 市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候』狐忠信&リアル忠信&源九郎狐は,通しで海老蔵丈,静御前は「鳥居前」が春猿丈,「吉野山」と「川面方眼館」が玉三郎丈だ。
鳥居前の配役とシチュエーションが夜叉ヶ池と綺麗に符合し,吉野山と高野聖の水浴の場が相似形となっている。中央のセクシーな樹木にも注目。昼の部の主演狐忠信は異形のもの,夜の部の宗朝は高野の聖人。海老蔵丈も聖魔を違和感なく内包する得難い俳優さんであることを示された。
さらに,吉野山も高野山も紀伊山地の霊場の終点だ。変化も聖も共存するトポスからやってきた男はどちらであっても良いような…。
雨乞いの生贄となった源九郎の両親は狐。狐は陰の動物なので水を呼ぶという民間信仰は文化の域だ。その他細かい符合は数知れず。玉様の拘りは,考えれば考えるほど迷宮のように興は尽きない。
ただ,「川面方眼館」の静は,この組み立てで読み解くと,笑三郎丈でなければならなくなり,アップを躊躇っていた。諸兄姉のコメントを頂ければ先へ進めるかもしれない。

鍵は飛鳥の黒髪。地上に匿って貰えるところのない義経が休める吉野山の川面方眼館は,真贋逆転した実は異界である。飛鳥が黒髪の理由は,7百年後の万年姥が若妻だった頃のお姿だからだ。漠然と数百年前はさぞお美しかったに違いないと申し上げたが,玉様はちゃんと見せておられる。おかげで吉弥贔屓はいい思いをさせて頂きましたぁ!

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2008年7月21日 (月)

玉様はお化けがお好き・夜叉ヶ池と高野聖の水系

風知草(フウチソウ)ならぬ放置草(ホウチソウ)状態(草茫々で草迷宮…そんなええもんかいと突っ込みを入れられそう)になっている(^^ゞ。
7月11日(金)に観劇したままになっている歌舞伎座七月大歌舞伎のまとめだが,夜の部の分を一旦アップする。例によって賛否両論受けて立ちますの付言を添えて…。拙稿の主題は,今年の上演にあたって,玉三郎丈が,「高野聖」をどう読み解き,「夜叉ヶ池」とどのようにカップリングし再構築されたかという一点に絞る。
なお,玉三郎丈は,イヤホンガイドさんの幕間インタビューで,鏡花作品の主題とモティーフについて,言及なさっておられ,その読み込みの深さに驚嘆したことも合わせて延べさせていただく。
Tamasaburou said.
1 鏡花先生は,自然の力を畏敬し,女性が内包する神聖と魔性を自然に近いものとして憧れ尊敬しておられた。
2 女主人公は,妖怪或いは人間に関わらず「水」を支配する。「夜叉ヶ池」の白雪,「義血侠血」の滝の白糸
3 物語を動かす場面では「歌」がキーアイテムとなる。「高野聖」の次郎,「夜叉ヶ池」の百合,「天守物語」,「海神別荘」
4 主人公カップルの肉体或いは精神的結びつきの成立は「馬」に象徴される。「夜叉ヶ池」では牛,「海神別荘」では龍馬。
5 鏡花先生は,様々な事象を妖怪の仕業に仮託されるが,その心根に私は惹かれてやまない。
6 上演時間が長くなるが,
「恋女房・吉原炎上」は手掛けてみたい。
7 「夜叉ヶ池」と「高野聖」は対の物語で,短歌の上の句と下の句のように見立てることができ,そのように演出した。

以下,ワタクシなりの感想と,山津波二部作の読み解きである。

夜叉ヶ池
大正2年3月(1913年)「演劇倶楽部」初出,監修:坂東玉三郎,演出:石川耕治,美術:中島正留,照明:池田智哉
百合/春猿,萩原晃/段治郎,山沢学円/市川右近,白雪姫/笑三郎,湯尾峠の万年姥/上村吉弥,剣ヶ峰の使者鯰入/猿弥,鯉七/猿三郎,蟹五郎/弘太郎,穴隈鉱蔵/薪車
二年前のマイ感想→恋には我がの生命もいらぬ(白雪)

春猿丈の百合は,矢絣の拵えが磨きがかかって益々臈長け,聖魔境界線上の女であることを示された。笑三郎丈の白雪姫は,パワフルで豪奢で,歌舞伎味に満ち,玉三郎丈の期待に応える役作り。ハイ,対峙する吉弥丈の乳母は,姫が聞き分けが無くなった分,さらにパワーアップ。火を吐くような台詞,山津波のような気迫,姫をお守りするという情愛と責任感で舞台を支配しておられた。数百年前には,姫に勝るとも劣らない美貌と確信しましたぁ!
「水は,美しい。何時見ても……美しいな。」(晃)
幕開き第一声,連歌の発句に当たる段治郎丈の台詞の清々しいこと。全編の主題を凝集したこの一言で,一気に歌舞伎座がヒンヤリした。
「熊に乗って,黒髪を洗いに来た山女の年増がござった。裸身の色の白さに,つい,とろとろとなって,面目なや,…」(鯰入)
愉快な好色鯰の鯰入和尚さんの猿弥丈。もしかして,元は人間で,山姥に鯰にされてしまったのでは…。しっかり山姥,金太郎伝説している。怒り狂う剣ヶ峰の若様は海老蔵丈のイメージだが,門之助丈かな。
細かいが,主題に関わることなので気になった点が一つ。百合が村人に捕縛され牛の背に乗せられる場面で,ト書きと違うことが起きた。歌舞伎ではトランス状態になれば,お三輪や清姫は鬘を捌き,超人的な力を得たことを象徴する。巻き髪のままの百合さんは人間として死を選んだようだ。
ああれ。と悶ゆる。)胴にまわし,ぐるぐると縄を捲く。お百合背を捻じて面を伏す,黒髪颯と乱れて長く牛の鰭爪に落つ。

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2008年7月20日 (日)

盆と正月がいっぺんに来た目出度さ・七月大歌舞伎 in 大阪松竹座

大阪冬の陣と夏の陣が一度に来たような…。それではあっという間に落城であきませんので,恵比寿さんと天神さんを同時に楽しませていただいたといえましょうか。要所要所は御大方がしっかり押さえ,花を添えるのはきらーんと菊様,はんなり孝太郎丈,目も覚める美声の亀三郎丈,松也丈と耳目の正月~

春調娘七種
舞いの上手のお三方。視覚的にも,やんちゃくれの松緑五郎,卒倒ものの美しさの菊之助十郎,かいがいしい孝太郎静御前と一年の始まりに相応しい並びだ。

木村長門守
お侍がずらーと居並ぶ台詞劇。えーと,二条城の加藤清正の木村長門守版で,徳川家康に対峙する敗軍の将の美学を詠い上げる。主演のお三方は勿論,並びの侍・亀三郎,亀寿,松也の良いお声に聴き惚れる。しかし,舞台のすんごい緊迫感に集中力の継続は難しかった」\(TT。)ハンセイ・・・。

伽羅先代萩
実は,通しは初めてで,こんなお話だったのかと納得。これくらい分厚い座組でないと実現は不可能なので,心して拝見する。
花水橋ではお殿様姿の菊様,力士姿の愛之助丈で\(^O^)/
竹の間と飯炊きは飛ばして御殿
貫禄の藤十郎政岡さまと烈女仁左衛門八汐さまの対決は火花が散り,詰めの甘い秀太郎栄御前がほっこり良い感じ。
床下は,松緑男之助,仁左衛門弾正でヽ(*^。^*)ノ。この場の主演の鼠さんも素敵。
門注所対決は不覚にも沈没。初めて見る場面なのに…。供侍方は平伏し控えておられるので,最大の敬意を…。。
刃傷は老齢の渡辺左記左團次と怪人弾正仁左衛門。知らなかったとはいえ,弾正は妖術使いではなく,生身の人間だったことが意外だった。見られて良かった。

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2008年7月19日 (土)

七月大歌舞伎 in 大阪松竹座19日(土)昼夜・付30万ヒット御礼

七月大歌舞伎 in 大阪松竹座昼夜
今年の七月大歌舞伎は、顔見世と見紛うばかりの分厚い座組と手堅い演目揃えで、歌舞伎の魅力を堪能できた一日だった。
菊様の花の顔と月宮殿の天女のようなお声に拝謁し、抜群の延命効果が…♪
また、本日、昼過ぎに30万を踏んで頂き、つどいさまから、おとみの原風景3でというお題を頂戴しました。物語を探すレトロスペクティブは、むしろ新発見のトラベル。行って参りま~す。

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2008年7月11日 (金)

七月大歌舞伎 in 歌舞伎座11日(金)夜の部

七月大歌舞伎 in 歌舞伎座夜の部
玉三郎丈気迫の泉鏡花越前山津波二部作がかかる夜の部も大盛況だ。高野聖は、戯曲ではないが、ダイアローグで進む小説なのでそのまま上演とか。また、珍しく観客を喜ばせて頂く趣向が凝らされていて驚く(◎-◎;)。
鏡花作品のそのお役のために同座された役者さんたちの確かなお仕事にパチパチ。
音楽がキーアイテムのお芝居の鍵を託された右近ちゃんにブラボー!

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七月大歌舞伎 in 歌舞伎座11日(金)昼の部

七月大歌舞伎 in 歌舞伎座昼夜
昼の部は完売の大人気。運良く、立ち退かなくて良いお席で、2メートルくらい真上を、何もかもビッグな海老蔵源九郎狐さんが、喜びを目一杯光らせて飛んで行くのを拝見。
玉様静御前は、お姉さまらしく見守っておられた。
義太夫の演奏のみで、人形浄瑠璃の原典を踏襲したプリミティブな吉野山も、通しではいい感じ。

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2008年6月26日 (木)

ときわ会、間に合いました!

片岡我當一門の勉強会「ときわ会」は、ワッハ上方で今日、2公演が開催された。
眼目は、吉弥丈の戸無瀬、純弥さんの小浪で「道行旅路の嫁入り」なので、何はさて置きと申し上げたいところだったが、折り悪しく出張が入り、危ういところだった。ホッ。
禿の実年令の祥太郎ちゃんの「羽根の禿(吉弥丈の後見付き)」、千次郎さんの京人形、佑次郎さんの左甚五郎と、「ときわ会」ならではの楽しみがてんこ盛り。つい3日前まで「俊寛」で各地を巡っておられた一座ならではの充実ぶりと互いの信頼感に、元気を一杯いただけた。

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2008年6月21日 (土)

松嶋屋歌舞伎鑑賞教室はあと2公演

あと2公演松嶋屋歌舞伎鑑賞教室
21日は,大阪市民歌舞伎ということで,四天王寺前夕陽丘のクレオ大阪での公演だ。
薪車丈の解説と、片岡我當一門の「俊寛」の充実プログラムに、なんと純弥さんの岩藤、當史弥さんのお初で「加賀見山」。動転するやおませんか。
で,肝心の吉弥丈は丹波少将成経。さすが,上品で細やかな情愛があふれるよい雅男だった。

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2008年6月10日 (火)

kirigirisuさまに教えていただきました。NINAGAWA十二夜が英国公演

記事はこちら
そうでしょう。そうでしょう。そうでなくてはいけません。古今東西,400年待ち望んだヴァイオラでございます。男,女,若衆。3つのジェンダーと2つのセクシャリティを,只往復するだけでなく,暫時変身するプロセスまで魅せてしまわれる菊様。世界を震撼させること間違いございませぬ。
しかし,その功績を自分の資質ではなく,蜷川さんの手柄になさるゆかしい人となりも透けて見えそう。
もうダメ~。ドタッ。

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2008年6月 5日 (木)

上方歌舞伎会の配役が公式にアップ

今年の上方歌舞伎会は,本朝廿四孝と七段目。
待っていたキャスト発表に思わず(^o^)

坂田藤十郎=指導 片岡我當=指導
本朝廿四孝  一幕二場
 謙信館十種香の場
 同 奥庭狐火の場

  八重垣姫 扇之丞
  長尾入道謙信 松次郎
  腰元濡衣 竹朗
  原小文吾 當吉郎
  白須賀六郎 千次郎
  人形遣い 純弥
  武田四郎勝頼 千壽郎

片岡仁左衛門=指導 片岡秀太郎=指導
仮名手本忠臣蔵  一幕
 祇園一力茶屋の場
  
大星由良之助 佑次郎
  寺岡平右衛門 千志郎
  駕かき 松次郎
  駕かき 當吉郎
  仲居おふく 比奈三
  仲居おたき 純弥
  仲居おうめ 和之介
  仲居     當次郎
  仲居     竹朗
  太鼓持 千次郎
  太鼓持 千壽郎
  大星力弥 りき弥
  お軽 當史弥
  他

七段目の由良之助を佑次郎さん,お軽を當史弥さんというのが目映い。純弥さんの人形遣いというのが,きつねさんと姫を遣う美しいお衣装のはず…\(^O^)/

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2008年5月30日 (金)

七月大歌舞伎 in 歌舞伎座の情報を教えていただきました

坂東玉三郎丈の情報といえば,美代吉さま,六条亭さまにお任せで,整理していただいたものをありがたく拝読している。七月大歌舞伎の製作発表の記事が,各紙に掲載されているが,ポスターのお写真はスポニチさんが鮮明なようだ。
何ともファンタスティックというよりアーティスティックでどっきりでございます。

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2008年5月29日 (木)

みよし会

第4回みよし会
一、「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」一幕二場
         身売りの累(みうりのかさね)

手習いの師匠治助   片岡千次郎
寺子定吉       和田祥太朗☆

与右衛門女房 累   上村 吉弥☆
娘お孫        上村 純弥☆
百姓与の吉     片岡當吉郎
曲り金の金五郎    片岡松次郎
花扇屋亭主才兵衛   片岡佑次郎
村の歩き       片岡比奈三    
判人源六       片岡當十郎 (賛助出演)
与右衛門実は絹川谷蔵 坂東 薪車 (賛助出演)

細川家の息女歌形姫  片岡りき弥
若徒丹助       片岡當吉郎
島田重三郎      片岡千次郎
御守殿柳葉      上村 吉弥☆

序幕の前に,幕前芝居がある。手習いの師匠治助の千次郎さんと寺子定吉の祥太郎ちゃんの会話により,この物語が伊達騒動の後日譚で,花水橋から後の絹川谷蔵の怪談累噺になることが分かる趣向になっている。
身売りの累の与右衛門は,醜く変貌した事実を,本人に知らせまいと配慮する思いやりのある男である。色彩間苅豆の色悪とは全く異なる,忠義な偉丈夫に薪車丈はぴったり。累の吉弥丈は,全身からにほいたつ幸福な人妻の色香から一転,醜い姿への絶望,嫉妬に狂った凄みと,自信に満ちた力演。終幕では,美しい腰元姿で絵面引っ張りの見得でやんややんや。
立ち回りのおみ足が素敵な松次郎さん,可愛らしい亭主の佑次郎さん,田舎娘はお任せの純弥さん,場違いの赤姫がそれらしいりき弥さん,丸っこい奴がらぶりーな當吉郎さん,なぜか最後にも出られる千次郎さん。皆さん活き活きと演じておられた。

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2008年5月 5日 (月)

ヤマトタケル in 大阪松竹座

ヤマトタケル in 大阪松竹座
昨日開幕したヤマトタケル、5日昼の部・段治郎丈の初日を拝見した。3階正面最前列の宙乗りお迎え席で鑑賞と、気合い充分で臨んだところ、ひとつ置いて隣にスキップさまが…。楽しい邂逅に驚くやら笑うやら。
最も喜ばしかったのが,カテコに、猿之助丈!\^o^/バンザーイ
ゆったりと手を振っておられた。(涙)ウレシ…。

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2008年5月 1日 (木)

歌舞伎座七月大歌舞伎の演目と配役が公式にアップ

公式に掲載されている。
義経千本桜忠信編と泉鏡花幻想奇譚とのハーフ&ハーフといったところ。

昼の部
一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
   鳥居前
   吉野山
   川連法眼館 市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候
 鳥居前       佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵
 吉野山       佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵
            静御前  玉三郎
 川連法眼館    佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵
            静御前  玉三郎
夜の部
一、夜叉ヶ池(やしゃがいけ)
 百合  春 猿
 白雪姫  笑三郎
二、高野聖(こうやひじり)
 雪路  玉三郎
 宗朝  海老蔵
 雁兵衛  歌 六

2年前,「山吹」のメンバーで「高野聖」がいいなと放言していたが,御自らご出演頂けるとは…。\(^-^)/バンザーイ、/( )\モヒトツ、\(^o^)/バンザーイ
源義経には笑三郎丈,逸見藤太と富山の薬売りには坂東薪車丈,万年姥には吉弥丈をキャスティングして頂けたら最高にシアワセ。晃と学円は予測不能。

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2008年4月29日 (火)

吉弥丈の英執着獅子

桂九雀さんの趣向をこらした解説と,吉弥丈の妖艶な舞いで沸いた春の南座歌舞伎鑑賞教室の千穐楽を鑑賞した。
例年,装置を取り払って南座の機構を紹介なさるが,今年は置き舞台で,京鹿子娘道成寺の装置がしつらえてあった。オープニングは,九雀さん,紋付き袴に金の烏帽子に中啓という珍妙な拵えで鐘を見込むところまで。つかみオッケー。
「京鹿子娘道成寺」を題材に歌舞伎舞踊のあれこれを語られ,実演は,何と
鞠歌を純弥さんが素踊り
きゃーきゃーわーわーヽ(*^。^*)ノ
いつか,純弥さんの京鹿子娘道成寺を見届けるゾ

英執着獅子(はなぶさしゅうぢゃくじし)
 振付/藤間勘祖,藤間勘十郎
 傾城後に獅子の精/上村吉弥
 力者/片岡千次郎,片岡佑次郎
 後見/上村純弥,片岡當次郎

姫ではなく傾城の今公演スペシャルバージョン。美吉屋形英執着獅子だ。
桜の襖絵の中央が開き,黒地の豪華な打掛をまとった全盛の傾城が登場。じわが来る吉弥丈のあでやかさ。よく見ると紫の病鉢巻で夕霧風の儚げな風情。
二匹の蝶は純弥さんと當次郎さん。大活躍に力が入る。
懐紙,手紙,手踊りの後,打掛を脱いで紅白の扇の手獅子で春の風情。病も全快のようだ。
引き抜きで白地に朱系の麻の葉模様に変わり夏から秋に…。
蝶と戯れるうちに獅子の精霊が乗り移りやがて、蝶に引っ張られるようにして花道に引っ込む。
装置は襖が飛んで石橋になる。
獅子の精の拵えで後シテが登場。隈取りは鏡獅子と違い控えめ。
力者は千次郎さんと佑次郎さんお二人だけだが頑張っておられた。引き抜きとぶっかえりがあり,飽きさせないし華やかな趣向だ。
息を詰めて見守った毛振りだが,女形らしく綺麗な円弧で大きな軌道を緩やかに描き,大過なく見得が決まった。美吉屋!

結論:吉弥丈の夕霧が見たい!鑑賞教室が益々期待される。

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2008年4月26日 (土)

南座歌舞伎鑑賞教室楽日は満席

南座歌舞伎鑑賞教室楽日は満席
華やかな傾城の狂いの舞に沸いた一週間も、瞬く間に過ぎて、早くも、千秋楽。開幕40分前には、川端通から溢れんばかり。鑑賞教室16回皆勤の九雀さんと吉弥丈の奮闘は報われていること間違いない。

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2008年4月18日 (金)

浪花花形歌舞伎第1部妹背山婦女庭訓・千穐楽

妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
 道行恋苧環

 三笠山御殿

杉酒屋娘お三輪/孝太郎,入鹿妹橘姫/壱太郎
烏帽子折求女実は藤原淡海/扇雀
豆腐買おむら/翫雀,蘇我入鹿/進之介
宮城玄蕃/亀鶴,荒巻弥藤次/坂東薪車
漁師鱶七実は金輪五郎今国/愛之助
官女/寿治郎,橘三郎,延郎,當十郎,橘十郎,千蔵

杉酒屋娘お三輪は,烏帽子折求女と言い交わした仲。しかし,求女の元へ謎の娘が通っている様子。その娘・橘姫を求女が追い,お三輪が求女を追う。
求女を見失ったお三輪は,三笠山で立派な御殿に訪ね入る。

道行恋苧環と三笠山御殿は,野崎村と並ぶ文楽の人気演目だ。道行は,文楽本公演,若手会,歌舞伎では,玉三郎丈,時蔵丈と上方歌舞伎会で純也さんと拝見している。
どんくさいところもある田舎娘で,苛められやすいお三輪は,絶対素敵と思ったとおり,主演らしさぶっちぎりの舞台だった。

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2008年4月13日 (日)

浪花花形歌舞伎の千秋楽は賑やか

浪花花形歌舞伎の千秋楽は賑やか
千秋楽の1部と2部を観劇しました。華やかながら堅実な舞台でした。スキップさま、ムンパリさま、かずりんさま、cocoさまにお目にかかることができ、一層盛り上がりました。
純弥さんがご出演と,行ってから気がつきました。若衆さんたちも頑張っておられました。

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2008年4月11日 (金)

大阪松竹座七月大歌舞伎の演目と配役が公式に!盆と正月がいっぺんに来ました!

待たれる大阪松竹座七月大歌舞伎の演目と配役が公式に発表になっている。
(/\)チャチャチャチャ \(^o^)/ハッ!!
年に2度の大歌舞伎に相応しく,オールシーズン,古今東西演目に顔見世並みの配役だ。
仁左さまの八汐と弾正の二役,菊之助丈の性悪の白玉がタノシミ。御父君のご当地&時事ネタは何になることやら。

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2008年3月21日 (金)

坂東玉三郎・中国昆劇合同公演・嫋々と切々とたおやかに…心震わせる歌唱

7日(金)と15日(土)に拝見。

牡丹亭(ぼたんてい)
作 湯顕祖,指導 張継青
遊園 杜麗嬢/董飛,春香/朱瓔
驚夢 杜麗嬢/坂東玉三郎柳夢梅/兪玖林
    春香/朱瓔,睡夢神/呂福梅
堆花 杜麗嬢/坂東玉三郎・董飛柳夢梅/兪玖林
    杜母/陳玲玲,春香/朱瓔
写真 杜麗嬢/劉錚,春香/朱瓔
離魂 杜麗嬢/坂東玉三郎,杜母/陳玲玲,春香/朱瓔

昆劇は約600ほど前の明朝の時代に生まれ,清朝にかけて200年余り劇壇の王座を占めてきた。なかでも,後世の京劇や本朝の牡丹灯籠にまで影響を及ぼしたとされている湯顕祖作・全55幕の大作『牡丹亭』は,最高傑作だ。坂東玉三郎丈は,芸術監督として総指揮を執られ,深窓の佳人・杜麗嬢を演じる。言語は勿論中国の蘇州語だ。なお,5月には,中国「北京湖廣会館」で上演される。

杜家の深窓の令嬢・杜麗娘は,春の花園で遊び,疲れてうたた寝をする。夢の中で,理想の若者・柳夢梅と出会い恋におちる。楽しいひとときは過ぎ去り,目覚めたときはもとの自室だった。そして,夏。夢で出会った若者を思い続け,やせ細った杜麗娘は死を予感し,美しい姿を絵に描き残す。中秋の名月の夜,命旦夕に迫った杜麗娘は,若者への思慕を切々と歌う。

5つの場面を3人の女形が演じる。春の場面の現身は董飛さん,夢の中で柳夢梅と遊ぶのは玉三郎丈(ええとこ取り),自画像を描くのは劉錚さん,はかなくなる場面は玉三郎丈だ。
董飛さんは,TBSニュース23に登場した若い女形さんで,玉三郎丈に心酔しておられる。お化粧や仕草を一生懸命なぞっておられいい感じだ。細身小顔で一目で女形さんと分かり,あちらの早乙女太一さんというところか。劉錚さんは,端正な容姿に綺麗なお声で,複雑に揺れる娘心をしっかり伝える実力派さん。
出ずっぱりの心優しい侍女・春香を演じるのは女優の朱瓔さん。とても可愛らしく,端麗な主演を引き立てておられた。
玉三郎丈は,「驚夢」の章でデュエットと連舞を楽しむ。柳夢梅役の兪玖林さんは,ぼーとなるイケメンで清々しく上品で真摯なイメージ。玉様は,活き活きと正に眸を回らせて一笑すれば百媚をスパーク。柳夢梅に注ぐ視線はどんどん蠱惑的に…。深窓の令嬢とは思えない積極的な激しい恋のアプローチだ。生真面目そうな兪玖林さんは大丈夫なのかとよけいな気を起こさせる程だ。
一転,「離魂」の章では,去りゆく命を前に恋心を迸らせる。雨に煙る中秋の名月の夜,「集賢賓」という哀怨の情を表すアリアを玉三郎丈が歌い上げる。この一曲を聴くだけでもこの公演の価値はある。嫋々と哀切に繊細に…,見る者聴く者全ての心の琴線を震わせる歌唱だ。丈は,20年以上前,張継青さん主演の「牡丹亭」に感銘し,夢を暖めて来られたとか。その張継青さんの歌唱指導による名演は,日中の語り草となることだろう。

装置は,屋根や柱を設けず,牡丹の美しい絨毯とドレープが美しい紗幕で抽象化。刺繍のお衣装や簪が精緻で,夢のよう…。

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2008年3月 7日 (金)

坂東玉三郎・中国昆劇合同公演 in 南座

坂東玉三郎中国昆劇合同公演南座
一睡の夢(マジそうならないように…(^^ゞ警鐘)ような、悠久の時空のような、はかなくも甘美な舞踊劇だ。昆劇は能と同時代の発祥で、プリミティブで普遍性に富んでいる。夢幻能と近いことが興味深い。
刺激的なエンタテイメントに慣れた者には,おおどか,鷹揚,奥ゆかしさに慣れるまで一瞬戸惑うかもしれない。当然,このコンセプトは,南座のトポスに一致する。
時は弥生、花の京で打たなければならない公演と納得。
玉三郎丈の台詞や歌唱が嫋々と叙情的でうっとり…。勿論中国語デス。
日中の文化の融合と将来への伝承という夢の端緒を掴まれた御志に敬服あるのみ。

写真は,紗幕に幻想的な牡丹花の映像が浮かぶ「牡丹亭」の幕。

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朝日朝刊1面に玉様「牡丹亭」のお写真が

麗しく瑞々しい玉様のお写真を拝見し、堪え性のないおとみは、急遽、今夜南座に駆け付けることとした。☆彡
京都新聞はこちら

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2008年3月 4日 (火)

片岡我當丈一門の歌舞伎鑑賞教室・今年は俊寛

Osakashimin0806b_handbill 毎年夏のお楽しみ・松嶋屋さんの歌舞伎鑑賞教室の演目が発表になった。
公式には,大阪市民歌舞伎が掲載されているが,いつどこで何度鑑賞するか,限界に挑戦するのも楽しみのひとつだ。
平成20年度大阪市民歌舞伎歌舞伎・その美と歴史への招待
平成20年6月21日(土)
一、歌舞伎へのご案内
   ご案内  坂東薪車
二、平家女護島 俊寛(しゅんかん) 鬼界ヶ島の場
   俊寛僧都     片岡我當
   丹波少将成経  上村吉弥
   平判官康頼    坂東薪車
   丹左衛門尉基康 片岡進之介

大役の瀬尾と千鳥はどなたが…。日替わりキャスト希望。

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2008年2月26日 (火)

京鹿子娘二人道成寺再見・二つの結末を持つミステリー

ベストセラーミステリーがドラマ化されたとき,ノベルと全く異なった結末が用意されていたとしたら,そしてそれが,衝撃の結末だとしたら,こう叫ぶしかない。
「やられた!」
舞台を鑑賞してこのような経験をするのは,アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を初めて観劇したとき以来だ。巨匠クリスティは,小説と戯曲では異なる二つの結末を用意し,二つながら傑作だ。しかし,これは作家にとってはリスキーな試みだ。原作に心酔し,物語に浸りきっているファンにとって,結末が書き換わることは,自己を否定されたようで,反感が生じることがあるからだ。敢えて取り組むにはその得失を考え抜いたうえのことであっただろう。

何について書いているかというと,本日千秋楽を迎えた,大阪松竹座「坂東玉三郎特別舞踊公演」の「京鹿子娘二人道成寺」である。
市川海老蔵丈が演じる大館左馬五郎による押し戻しまでの上演となった大阪松竹座バージョンは,初演,再演,シネマと構築を続けてきた光と影のデジタル画像の世界から,一気に江戸歌舞伎荒事の世界に押し戻す。

コンセプトは,今回変更となった部分に凝集されている。
「ただ頼め〜」の紫紺のお衣装を脱皮し,墨色の鈴太鼓になったところで,現れるはずの玉三郎花子が登場しなく,菊之助花子の孤軍奮闘のうちに鐘入りとなる。鱗四天が引き上げると,中には,後シテの拵えとなった恐ろしい形相の玉三郎清姫が…。菊之助清姫はすっぽんの切穴から出る。
期が最高潮に熟したところで左馬五郎が堂々の登場。
「大和屋の兄ぃと音羽屋の菊之助によく似た化け物め」
「オレの親父の市川團十郎が幾度も勤めし十八番、歌舞伎の花の押戻し」

空気を変える大音声(やんややんや)。

綺麗な見得の数々の後に,鐘の上に二人の清姫の怨霊が,鎌首をもたげる双頭の大蛇の絵面で鎮まり幕(もうどうにでもしてくれ〜)。
進境著しい菊之助丈であっても,鈴太鼓がお一人では,大蛇側は戦力ダウン。しかも,主体の恐ろしげな玉三郎首が先に正体を割り(最近正体割り過ぎ),ダミーの可愛らしい菊之助首も同じ姿に…。
ここで,過去の上演でお二人が担った光と影,実体と虚像の位置づけが反転していることに気付く。菊之助丈がすっぽんの切穴から登場するのが何よりの証拠。くどいが,正体は蛇体で娘姿が幻影だ。
「こういう玉三郎丈をあと何年見られるだろうか。」,「三人が揃うのはこれが最初で最後になるかもしれない。」という(本題以外の)涙のツボの仕掛けはこれだ。何という自己に厳しく凄まじい演出か(涙)。

過去の上演はテーマ寄り,松竹座版はエンタテイメント寄り。耽美から勧善懲悪,情念から通力へ…。書き換え狂言の趣向を超えて,スリリングなミステリーを読み進む楽しさを味わわせていただいた。
ああ,ミステリー読破には避けられないつらいときがくる。解決編を開けば結末だ。
しかし,創造を続けられる多作の玉様は,早くも次回作をご用意しておられる。貪欲な読者気分にさせていただいたことに感謝し,マイエピローグとなった。
2007年4月1日 シネマ歌舞伎・サブリミナル玉様
2006年2月6日 歌舞伎座二月大歌舞伎・夜の部
2008年2月9日 坂東玉三郎特別舞踊公演 in 大阪松竹座
公演名は,大阪松竹座二月大歌舞伎で良かったような…。いつまでも見ていたい。ポチッ

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2008年2月21日 (木)

上村吉弥丈は上方歌舞伎を代表する女形と河内厚郎氏は言われた。みよし会情報も…。

20日,日本伝統芸能振興会が主催する「そごう劇場・上方歌舞伎と女形」というセミナーに参加した。そごう劇場は270席だが満席!
●古典はともだち 上方歌舞伎と女形
 第1部 対談「上方歌舞伎について」 上村吉弥vs 河内厚郎
 第2部 対談「女形の魅力」      上村吉弥 vs 河内厚郎
 第3部 素踊り「蓬莱」         上村吉弥
 
第一部と第二部は夙川学院短期大学教授で文化プロデューサー河内厚郎先生との対談だ。河内氏は阪神間の夙川を拠点に,阪神間系モダニズム文化だけでなく,上方の総合文化の再生と発展のための活動を続けられ,昨秋,尼崎で近松文学の異種芸能コラボを実現された。
とはいえ,対談は,吉弥丈のお茶会風で,丈の来し方行く末を縦横にとりとめもなく進んだ。特に,今年の5月24日,25日に開催される上村吉弥丈の自主公演「みよし会」
は,先代の十三回忌+1年に当たるので,心を込めて開催したいとのこと。この演目,この配役,期待される(公式に発表)。
吉弥丈の芸域は,老若男女,善悪の限界に挑戦なさるかのように何でもなさり,いずれにおいても,確かな芸と端正な容姿に裏付けられた品格と情に溢れるものだ。
上方歌舞伎に必要とされる役者となり,どのようなお役も大切に演じてゆきたいという抱負はあられるが,ホンネは,故澤村宗十郎丈がなさっておられたような心熱く闇と情念に突き動かされる女性を演じられたいようだ。
ワタクシ的には,吉村祥太郎ちゃんという素敵なお弟子さんが適齢なうちに,伽羅先代萩,重の井の子別れ,隅田川,袖萩祭文,どんどろ大師の再演など母もの希望。

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2008年2月 9日 (土)

坂東玉三郎特別舞踊公演 in 大阪松竹座

坂東玉三郎特別舞踊公演
一、連獅子(れんじし)
  狂言師右近後に親獅子の精 海老蔵
  狂言師左近後に仔獅子の精 尾上右近
  浄土の僧 遍念         薪車
  法華の僧 蓮念         竹三郎
二、京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)
   道行より押戻しまで
  白拍子花子           玉三郎
  白拍子花子           菊之助
  大館左馬五郎          海老蔵

暖かい大阪でも雪が降りしきるなか,開幕から最初の休日なので,駆け付ける方々が多数。
連獅子では,若々しい獅子の親仔が清々しく,壮年親子の宗論が微笑ましい。
京鹿子娘ニ人道成寺では,菊之助丈が挑戦の域を超えて主演だぁ\(^^)/!!!
娘の中の神性と魔性を矛盾なく舞台上に息づかせておられた。魔性は玉様のものだが,神性は菊様の世界。今の菊様の鏡獅子が見たくなってきた。
鐘入り、青竹、後シテの拵えなど,どう来られるか気になっていた新趣向は,限りなく華やかで,精神性や芸術性より歌舞伎味と娯楽性を凝らした楽しいものに…。賛否両論はありえない!
二人花子はイリュージョンではなく,実は双頭の大蛇だった。左馬五郎さん,勝ち目はあるかもしれないぞ。

鐘の中に二人も入れるのか,青竹の長さは2倍になるのか,いっそ2本,鱗四天の人数が足りるのかとか,しょうーもないこと気にしてました(O.O;)(o。o;)。

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2008年2月 4日 (月)

上村吉弥丈の公式にみよし会のちらしがぁ!

56fb14da40aaf325f74cfdd7450a8bef口上の拵えで端麗です!
第四回 上村吉弥 みよし会
日 時:2008年5月24日(土)17:30
       5月25日(日)12:00、17:00 (三回公演)
観覧料:8,000円(指定席)
会 場:大阪 難波 ワッハホール


演 目:一、「伊達競阿国戯場(だてくらべおくにかぶき)」一幕二場
         身売りの累(みうりのかさね)
       ☆与右衛門女房 上村吉弥
    二、舞踊「応挙の幽霊(おうきょのゆうれい)」
       ☆応挙の幽霊お仙 上村吉弥

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2008年1月30日 (水)

産経新聞に菊様の記事が!【輝interview】歌舞伎俳優・尾上菊之助 「心で踊る」一心に未来見つめ

【輝interview】歌舞伎俳優・尾上菊之助 「心で踊る」一心に未来見つめ
大阪松竹座で三度,玉三郎丈と京鹿子娘二人道成寺に挑む抱負が語られている。お写真もストイックで素敵。どこから撮っても非の打ち所のない美しいお姿。
文は亀岡典子さん,写真は瀧誠四郎さん。

あ~。大阪松竹座の怪人になりたい~。
ちなみに大阪松竹座は桟敷席はなく,両サイドの席は普通の椅子で若干斜めになっている。

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2008年1月26日 (土)

メルマガに七月の大阪松竹座情報が…

松竹のインフォメールに,7月大阪松竹座に出演者予定の役者さんが記載されていた。演目は未定。本当と思われるが,この豪華な座組では,顔見世並みの演目にしないと,役不足が生じそうだ(●^o^●)。
◎7月公演 『関西・歌舞伎を愛する会第十七回 七月大歌舞伎』
日程 7月5日(土)~29日(火)
出演 坂田藤十郎,尾上菊五郎,片岡仁左衛門,片岡我當,片岡秀太郎,片岡進之介,片岡孝太郎,尾上松緑,尾上菊之助,片岡愛之助

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2008年1月20日 (日)

大阪松竹座寿初春公演昼の部

大阪松竹座寿初春公演昼の部
20日は冷たい雨となったが、お芝居はいよいよ佳境で、熱気が漲る。上村吉弥丈は、立役が2題。一本気な馬方と舞上手の軽い、いずれも青年だ。
やはり、御大方の芸は凄いと感じる沼津が昼の部のメインディッシュ。

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2008年1月18日 (金)

南座坂東玉三郎特別舞踊公演の新しいチラシが!

Minamiza0803b_handbill_2言葉は不要!
このお写真を拝見して,まだ観劇を見送ろうとお思い ですか!
そうでしょう,そうでしょう,あのチラシは仮でなければなりません。
帰りにいただきに走ろうっと。

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2008年1月 5日 (土)

浪花花形歌舞伎の演目が決定

メルマガが到着。公式ページには近々にアップされるそうだ。
大阪松竹座4月公演『第五回 浪花花形歌舞伎』
4月5日(土)~13日(日)
第一部 午前11時
 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
           道行恋苧環
           三笠山御殿
第二部 午後2時45分
 一、業平吾妻鑑(なりひらあづまかがみ)
 二、双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

           角力場
           難波裏
           引窓
第三部 午後7時
 於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)

配役も決定している。第一部は孝太郎丈がお三輪,第二部は亀鶴丈が濡髪長五郎,第三部は扇雀丈がお染の七役と,このお三方を中心とし,殆ど1月や7月公演クラスの配役だ。

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2007年12月23日 (日)

南座顔見世夜の部2度目の観劇

23日(日)は,夜の部のみ観劇した。4時20分から10時5分,定番の狂言5本と,歌舞伎味溢れ,お買い得感がいっぱい。
今日の功績は何と言っても,石切梶原での大向こうさん。
刀も刀、切り手も切り手、♪“役者も役者”♪大合唱だった。
大合唱は初めて聞いた。幸四郎丈,リズムノっておられた。

さて,最後の三社祭は,踊り手が悪玉と善玉のお面を付ける楽しい舞踊だ。プログラムのなかで,NHKの葛西アナウンサーはこれをマスカレードに仮託なさっておられた。
では,ワタクシもワル乗りさせていただこう。俄獅子のなかで,扇雀丈の芸者が,傘と人で構成した人力車に乗って登場する。これ,キャッツの中でがらくたで作る機関車だ。勿論大きな拍手が起こったことは言うまでもない。

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2007年12月21日 (金)

尾上菊五郎丈他神泉苑にご参詣とか

南座顔見世興行にご出演中の菊五郎丈,時蔵丈,松緑丈と菊之助丈が,国立劇場初春公演の成功祈願に京都市中京区の神泉苑にご参詣と,国立劇場の公式ページに記載されていた。
「小町村芝居正月」は,寛政元年(1789年)に中村座で初演されて以来,219年ぶりの復活とか。六歌仙の大伴黒主・小野小町,小町を慕う深草少将など様々なエピソードを散りばめた娯楽大作のようだ。
お江戸から南座に遠征の方は,スポットとしておさえたいところ。神泉苑は魔界の中心としても有名。吉右衛門丈の清正も記憶に新しい二条城のすぐ南だ。

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2007年12月19日 (水)

松本幸四郎丈弁慶950回達成

南座顔見世興行もいよいよ終盤。益々の盛況のようだ。なかでも,とびっきりのおめでたいニュースが18日,京都新聞HPに掲載されていた。
昼の部で,勧進帳の弁慶を演じておられる松本幸四郎丈が,勧進帳の弁慶950回達成とか。
大きくて暖かい弁慶であられた。ラマンチャはすでに1000回。生涯でどちらが多くなられるか,目が離せないお方である。

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2007年12月18日 (火)

梶原さんの登場する狂言が3つ。いざ鎌倉!

Yahazu_3すでに,南座通し観劇し,梶原さん大活躍のエントリを書いたが,実は,歌舞伎演目に梶原さんが登場するのは3本しかないらしい。by 産経エンタメ
その3狂言が一堂に会するのが南座顔見世で,とても稀有なこととか。「すし屋は中村富十郎丈」,「石切は松本幸四郎丈」,「対面は市川團蔵丈」と素敵な役者さんばかり。愛されてますよ,梶原さん。紋は矢筈。
この勢いで,いま,高田崇史さんの人気シリーズQED「鎌倉の闇」を読んでいる。鎌倉は長く訪ねていないし,江ノ島電鉄に乗車したくなった。次回は,鎌倉に行ってみようっと。

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2007年12月16日 (日)

南座顔見世は,歌舞伎の今が分かる充実の舞台

Nec_0087_3折り返し地点の15日,昼夜通し(4等席)で観劇した。午前10時30分開演で終演は10時10分,ほとんど仕事と同じタイムスケジュールだ。上方で年一度歌舞伎を鑑賞する者のために組まれた座組と演目は,さすが豪華で,役者さん達の今が分かる。もっと見たい,役不足と思うくらいで丁度よいようだ。
総じて音曲が冴えて,高いところの者には得した気分。
昼の部
将軍江戸を去る
唯一の新歌舞伎。真山青果といえば梅玉丈。朝一向きの演目もこの方。梅玉丈の「将軍とて裸になりたいときがある。」に膝を打つ。単細胞の若侍陣は上方の若手花形さん。
勧進帳
何故か遠目に吉右衛門丈に見えた幸四郎丈の弁慶。千回になんなんとするが,上方に頻繁に来られないのかワタクシは初見だ。錦之助丈の富樫は最高。浅葱の長袴がこれほどお似合いの方もおられますまい。お声の苦しさは気迫でカバー。四天王も老若東西バランス良く,存在感一杯の藤十郎丈が全体を束ねられる。
義経千本桜・すし屋
菊之助丈のお里が上手過ぎ。しかも,演目と配役が手堅すぎて,本日唯一沈没してしまった。梶原さんは富十郎丈。もっと見たいゾ。
二人椀久
仁左衛門丈と孝太郎丈の連れ舞は息もぴったりで,切ない悲恋に見え,大変お綺麗だった。この演目は,仁左衛門丈と玉三郎丈で舞われると,白鳥の湖になってしまい,松山の幻影と椀久の狂気が際立ち,歌舞伎舞踊と異なるものだったのかもしれない。富十郎丈のやば~い椀久も見たいな~。

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2007年12月15日 (土)

南座顔見世二代目中村錦之助襲名披露興行は涼やかに

南座顔見世中村錦之助襲名披露
錦之助丈の昼の部襲名披露演目「勧進帳/富樫」はすっきりときっぱりと申し分なし。夜の部「寿曾我体面/曽我五郎時政」は,大きく若々しく血気溢れて見惚れ直す。
ただ,冬の京都の乾燥が仇か,お声はすこーしだがお疲れ気味。あと10日ばかり,お声を大切に長かった襲名の一年を締めくくって頂きたいと祈っている。

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2007年12月 2日 (日)

十二月大歌舞伎初日夜の部

十二月大歌舞伎初日夜の部
ほぼ全員出演のふるあめりかに袖はぬらさじ。玉三郎丈の当り役のひとつ。七之助丈が薄幸の遊女をイメージとおりに、その恋人の通士を危なげなく演じておられた。終演が遅いので余裕を持った観劇計画が肝要のようだ。

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十二月大歌舞伎初日昼の部

十二月大歌舞伎初日昼の部
十二月大歌舞伎の初日。初演や初役が揃った清新なラインアップだ。マイ眼目は信濃路紅葉鬼揃。謡曲紅葉狩を長唄、竹本掛け合いの新作松羽目もの。玉三郎丈らしく全てに贅と趣を凝らし、緊迫感溢れる舞台だった。

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2007年11月30日 (金)

祝南座顔見世二代目中村錦之助襲名披露興行

暖かい小春日和となったが,今日から南座顔見世興行が開幕している。
開幕後の早い時期の昼の部に,花町総見と称し,京都の花町毎に,舞妓や芸妓が桟敷席で見物する日がある。これに遭遇すると,舞台と客席の華やかさが相乗効果となって非常に得した気分になる。
例年そうだが,今年の演目は特にベーシックで,見せ場のあるお役が多いものばかり。拝見するのはまだ先だが,今晩の京都新聞ニュース(夕刊に出るはず)などチェックしながら,気持ちを盛り上げてゆこう。馬盗人以,来久々に,綺麗でない菊之助丈を拝見できるのも楽しみだ。

P.S.京都新聞Web版に,勧進帳の写真入りで掲載されている!

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2007年11月27日 (火)

新作舞踊劇「信濃路紅葉鬼揃」の記事他

kirigirisuさまに教えていただきました。
11月24日東京新聞TOKYO Webに,十二月大歌舞伎にご出演の坂東玉三郎丈の情報が掲載されている。とても素敵な記事で,消えると悲しいので控えに転載させていただくこととする。
 お衣装を新調(←おそらくこんな感じ。シテが黒で,5人のツレが赤。美女揃いですぅ!)なさり,シテが唐織で壺折の着付に大口、後半は長ばかま。ワキは厚板の着付に長絹、大口とか。新しいお衣装のぱりっと硬く,動きに添わない感じも興味が持たれる。ツレやワキツレの衣装も玉三郎丈の一部。どなたがどのお衣装をお召しかも楽しみ。初日に拝見することとした!

また,11月26日日本経済新聞の文化欄に,先日ご逝去されたモーリス・ベジャール氏を追悼する寄稿が写真入りで掲載。朝日Webにも掲載されている。文化やジャンルを超えた創造意欲の共鳴が,格調高い文章で書かれていた。

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2007年11月23日 (金)

坂東玉三郎特別舞踊公演in守山

Nec_0032_2 きーんとした冷気に白い比叡山が近く見え,鷺が舞い降りそうな水田地帯の近江守山市民ホールに一座は来られた。皆さん,長旅にもお元気で,一座の結束も益々堅い。
この舞踊公演は,あと2公演で終えられ,12月2日は,もう歌舞伎座初日。あ,ワタクシ見に行くのだった。信じられない。
阿国歌舞伎夢華
四条南座公演とほぼ同じ出演者さんだが,阿国を支える女歌舞伎が,笑三郎丈と春猿丈の2人となり,より連帯が強くなったように見える。各地の多目的ホールを利用するため,すっぽんが無く,花道が短い。このため,名古屋山三の出入りに素敵な趣向がこらしてある。
阿国と山三の仲は,南座のときより修復されたようで,慕わしさがプラス。連れ舞いの息がぴったり合って,幸福そうなお姿だった。山三さんのこの世に残す未練がとても無理のない的確な感じがした。阿国から,一座を支えるという気負いが消え,笑三郎丈と春猿丈がしっかりしているから大丈夫(かも)だろうという満足気な表情だった。
丈は,扇の動きで空間を創りあげられる。彫刻家が大理石の中から神を生み出すような荒々しさや辛苦をともなうものではなく,本当にふわっと…。
猿弥丈と弘太郎丈の男伊達兄弟の活き活きとした踊りには,心和んだ。

鷺娘
板付きで照明が入って,鷺娘の登場。あとは絶叫マシーンに乗せられ上下する状態で玉三郎丈のしたい放題にされた。守若丈と玉雪丈の後見さんがまた絶品。マジシャンだ。長唄さんの演奏もちょっと残響時間が長めのホールに良く響く。
DVDもある。シネマ歌舞伎も見た。しかし,ライブとは全く異なる別物だ。空間の支配力は映像化できない。
万雷の拍手のなか,カテコが3度。インターナショナルな舞踊公演を拝見した高揚感に浸った2題だった。
ジゼルと白鳥の湖を見たような…。

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2007年11月14日 (水)

来年二月大阪松竹座で「坂東玉三郎特別舞踊公演」

メルマガに記載されているのでホントだが,夢のようだ。
『坂東玉三郎 特別舞踊公演』が平成20年2月に上演決定!
二月,三月と続くと魂が抜けてしまうかも…。
押戻し付。海老蔵丈と二人の花子と対決が豪華そう(●^o^●)

◎平成20年2月公演 『坂東玉三郎 特別舞踊公演』
                      尾上菊之助
                      市川海老蔵
  一、『連獅子』長唄囃子連中
      狂言師右近後に親獅子の精  海老蔵
      狂言師左近後に仔獅子の精  尾上右近
  二、『京鹿子娘二人道成寺』竹本連中 長唄囃子連中
         道行より押戻しまで
             白拍子花子  玉三郎
            大館左馬五郎  海老蔵
             白拍子花子  菊之助
会場:大阪松竹座
日程:平成20年2月5日(火)初日~26日(火)千穐楽

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2007年11月12日 (月)

上村吉弥丈が唐人口遊女チェリー役も

拝見するたびにお役が増えているぅ!
上村吉弥丈の公式ページにアップだ。
12月の歌舞伎座で,昼の部「信濃路紅葉鬼揃」の鬼女役に加え,夜の部「ふるあめりかに袖はぬらさじ」にも,唐人口遊女チェリーでご出演とか。紅葉と桜になる。
老若男女,死角無しの芸域の広さ。この勢いで1月の大阪松竹座でも,もう一役増やして頂きたいもの。

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2007年11月10日 (土)

吉例顔見世大歌舞伎10日夜の部

吉例顔見世大歌舞伎10日夜の部
夜の部のみの観劇。酒樽が積み上げられた華やかな劇場は、演目も登場人物の多い華やかなものばかり。3階席のため、菊之助丈の夜鳴鶯が蜂蜜飲んだようなお声の残響に、今はぼーとなっている。立ち直って加筆する。

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国立劇場・通し狂言摂州合邦辻

国立劇場・通し狂言摂州合邦辻
10日観劇。上村吉弥丈が合邦女房おとくをなさる。紋寿さんが遣う婆首のようで、上品で謙虚で芯の通ったおとくだった。藤十郎丈の瑞々しく激しいこと。しかし、こってりではなく、19や20の健気な若妻で好感大。

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2007年11月 8日 (木)

南座顔見世を待つ京のまち

京の人々は,今も昔も顔見世を心待ちにしている。その首を長〜くしての待ち方は,思い立ったら少しの空き時間にでも,歌舞伎鑑賞が可能なお江戸の方々からは,想像を絶するタイムスパンである。
明治時代の顔見世は,幕間が1時間以上かかることもざらで,午前6時ごろに開演し、終演が夜11時を回ることもあった。また,御召物を新調する女性客も多く,芸妓を伴い,お茶屋で休息しながら観劇した旦那衆も見られたという。
今も客席には着飾った和服姿の観客が見受けられ,芸舞妓が桟敷に並ぶ「花街総見」の日は、華やかさが一層増す。
このため,普段は質素に暮らす人も,ハレの日を目いっぱい楽しみたいという思いで,毎月お金を積み立て切符を取る「顔見世講」という風習があった。今も,京都中央信用金庫(さすが!)が「顔見世観劇券購入積金」を扱っている。
観劇文化は,興行側と客側と双方で育て上げるもの。今年には間に合わないが,来年に向けて積み立てというのも,京都らしい顔見世の楽しみ方といえよう。

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2007年11月 7日 (水)

晴信 待望の上洛!亀治郎丈 in 京都会館

Nec_0006今年の夏,市川亀次郎丈の武田軍団は,上杉勢との川中島決戦に全軍を結集し,瓜生山見参は成らなかった。最終収録を終え,いよいよ,お江戸浅草を出発,岸和田,桑名,美濃諸国で連戦連勝を重ね,5日,京都入りを果たされた。天下平定の進軍の途上,越後も攻め入られるようだ。新潟公演の情報アップお待ちします~。
市川亀次郎丈を座頭とする松竹大歌舞伎・秋の巡業の演目は,澤瀉屋お家の芸「奥州安達原」と「吉野山」。雪と花の降りもののコントラストが美しい。

奥州安達原 袖萩祭文
貞任妻袖萩・桂中納言教氏実は安倍貞任/亀治郎
外ヶ浜の南兵衛実は安倍宗任/亀鶴
八幡太郎源義家/門之助,娘お君/下田澪夏(と思う。)
平傔仗直方/段四郎,妻浜夕/竹三郎

2006年夏,瓜生山歌舞伎のアフタートークでは,「奥州安達原」と「羽衣」を演じるにはベストキャストと仰ったが,今回は,「奥州安達原」及び「吉野山」それぞれベストという豪華版。八幡太郎源義家がお似合いの門之助丈を布陣に加え,昭和のベストキャストを次世代で再現したものとなっているようだ。
環宮御殿へ桂中納言として乗り込む部分は省略され,亀次郎丈は,はなから袖萩として登場。父母を慕い夫を恋い,娘を慈しみながら苛酷な運命に翻弄されるヒロイン袖萩を,情感込めて演じられる。舞台中央,美しい立ち姿で,娘への思いと夫の忠義の板挟みになり嘆かれる竹三郎丈,健気で美しい娘役さん。涙の攻勢は先手必勝だ。
後半,黒の直衣も凛々しい桂中納言教氏実は安倍貞任になられてからは,錦絵のような豪華な拵えの宗任と対で,動いても止まっても魅せてくださる。傔仗直方の白装束,白梅の腹切り刀。分かっていても赤旗が翻ると泣ける。
床もパワフルだった!

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2007年11月 1日 (木)

芸術祭十月大歌舞伎大和屋編2

羽衣
天女/玉三郎,伯竜/愛之助
長唄囃子での羽衣。能の羽衣に忠実な玉三郎丈の独自のものと思われる。
天女と伯竜との色模様の真似事や,返す返さないのやり取りや天女の嘆きがもっと人間らしさがある振りだった記憶があるが,静謐でストイックで天女らしい天女の玉三郎丈だ。
敢えて申し上げると,その分伯竜はしどころが少ない。じっと行儀良く,或いは天女の神々しさに金縛りになっていなければならない。愛之助丈の伯竜は,美しく爽やかで胆力のある立派なものだった。
玉三郎丈は出から,観客全ての息を持っていってしまわれる。お姿もさることながら,お声の美しいことは天上の音楽を聞くよう。迦陵頻伽の声とはかくあるや。
舞はふんわり優しく美の力で屈服させるものではない。いつものように美のビームを飛ばしまくりなさらないことと,鳴り物のリズムの心地よさに,落ちておられる方多数。
気がつけば,花道に優雅に舞い昇ってゆく天女。本舞台に残る伯竜はそれを見送るばかり。

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2007年10月29日 (月)

上村吉弥丈の公式に「壽初春大歌舞伎」の出演情報が追加

上村吉弥丈の公式HPに,大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」の出演演目とお役が追加になっている。まだまだ増えるかも…。増えたらいいナ。
平成20年1月2日(水)~26日(土)大阪松竹座
【昼の部】
一、芦屋道満大内鑑 ~葛の葉~
二、佐々木高綱(ささきたかつな)
  馬飼子之介吉弥 ★既
三、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)
  芋掘藤五郎  三津五郎
  緑御前    扇雀
  友達治六郎  橋之助
  *****  吉弥 ★新
  こんなお役があるが,何でもお出来になりそうだ。
  兵馬・左内(求婚者),腰元松葉,後室
31日追記 立ち役だそうです。舞の上手を自認する若くハンサムな求婚者兵馬又は左内だったらいいな。
四、伊賀越道中双六 ~沼津~
【夜の部】
一、御所桜堀川夜討 ~弁慶上使~(べんけいじょうし)
  武蔵坊弁慶  橋之助
  侍従太郎   彌十郎
  おわさ    扇雀
  奥方花の井  吉弥 ★新
二、義経千本桜 ~吉野山~
三、恋飛脚大和往来 ~封印切~

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2007年10月28日 (日)

楽劇「心中天網島」近松ナウ

近松祭は本日だが,イベントの一環として楽劇の祭典「心中天網島」を27日(土),尼崎ピッコロシアターで鑑賞した。
脚本・演出・近松門左衛門/玉井敬友
大夫/豊竹英太夫,三味線/鶴澤清友
尺八/福本卓道,民族楽器/ヤススキー
小春・おさん/古澤侑峯,紙屋治兵衛/上村吉弥

近松の代表作「心中天網島」の異種芸能コラボレーション。
北新地河庄の段,天満紙屋内の段,大和屋の段,道行き名残の橋づくしと休憩なしの1時間40分。基本は義太夫だが,全段だと半日かかりとなるため,近松さんに扮した玉井さんが語り,民族楽器と尺八にのせて創作舞踊を連れ舞う。上村吉弥丈は,26日まで歌舞伎座にご出演だったので,東京で3日間で振りを付けられたとか。
先に書いてしまう。
吉弥丈の紙屋治兵衛にくぎづけ!きゃー,きゃー,わー,わー。
実はワタクシは,紙屋治兵衛を,坂田藤十郎丈,吉田玉男さん,桐竹勘十郎さんしか拝見したことがない。歌舞伎の紙治の形は,藤十郎丈のやたけた,むちゃくちゃ,わや,難儀なお人,大坂の男に巣くう自己崩壊プログラムという人物造形が刷り込まれていた。この作品は,舞踊劇なので,象徴的に創ってあった。
そこまで誉めることはないと言われても,あてにはそう見えましたんやかから誉めますわいな。源太の首,28歳,玉男さんが遣われた紙治みたいでしたで。
きりっとしてて,色気があって,別に死なんならんことあらへんのに死神に取り憑かれたはる。見果てぬ夢と消え果てた男盛りに見えましたな。

吉弥丈の紙治を歌舞伎で観たい!おさんは間違いなくサイコーやろし,いつか演っていただけると思うが,小春もイケまっせ。けど,とにかく治兵衛!

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2007年10月24日 (水)

歌舞伎座「赤い陣羽織・恋飛脚大和往来」萬屋,松嶋屋,山城屋,成駒屋満開編

21日(日)に唯一度の観劇を済ませてしまったが,充実した一日だったので,エントリが追いつかない。昼の部から…。
赤い陣羽織
醜男の百姓のおやじ(錦之助)には,おかか(孝太郎)という器量よしの女房がいる。しかし,これも醜男のお代官(翫雀)は,おかかに横恋慕しているのか,しょっちゅう村に見回りに来る。悪巧み専科のこぶん(亀鶴)と,お代官に取り入るお庄屋(松之助)の策にはまり,おやじは罪科ないのに取調を受けることになった。心配しながらも,気丈なおかかは,留守中,お代官が忍んできたら,ぶちのめそうと腕ぶしているが…。
木下順二氏の民話劇で,団氏の作曲。夏に聴いた瓜子姫とあまんじゃくと似ている。♪きちんこたんのきんぎりや~♪を思い出した。どのような拵えをしたら,錦之助丈と翫雀丈が見間違えるのか期待されたが,しっかり似ておられた(^^ゞ。孝太郎丈のおかかは若々しく,おやじを慕っている思いを体中に表しておられた。腕力も脚力も強そうだ。
大混乱を収拾するのが,お代官が最も恐れる奥方(吉弥)。みなさん小汚い拵え(`´)ノ☆(((*;・)ゴメンナサイだが,きらびやかで美しく威のある奥方が舞台中央に立たれると,ほんわか,やっさもっさがびしっと空気が変わる。
お代官を除いてめでたしめでたしとなる。

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2007年10月23日 (火)

歌舞伎座昼夜・大和屋編1

坂東三津五郎丈から。
昼の部は,封印切りの八右衛門。ねちねちくどくどの上方歌舞伎版八右衛門を見慣れた身には,文楽版の男気もないことはない八右衛門に見えた。藤十郎丈の若々しい役作りに呼応し,もてる友に嫉妬するそこらへんの若者らしく確かな八っつぁんだった。牡丹燈籠飛ばして…。
夜の部は,奴道成寺の狂言師左近。
盛り上がった!場内の掛け声も良かった!
三面の踊り,最初のところで「待ってました!」決まれば「あざやか!」っと声がかかりる。鞠歌が楽しい。フォーメーションは,道成寺蹴球団監督三津五郎丈,ツートップの亀鶴丈に薪車丈,スイーパーに名題昇進披露があった玉雪丈と功一丈,ミッドフィルダーに毛並みのよいしっかりした少年団。鞠と間違えられた方と,鶴松ちゃんが可愛かった。
花四天との立ち回りもきっぱりとキマリ,嘘ダーイと思った舞台写真とおりの場面がちゃんとあった。
あー,欲も得も無いが長生きだけがしとうござんす。

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2007年10月22日 (月)

芸術祭十月大歌舞伎・昼夜・美吉屋編

芸術祭十月大歌舞伎昼夜美吉屋編
上村吉弥丈。昼は,「赤い陣羽織」の奥方。女捌役として、大勢の武装した腰元軍団を従え、間違いの喜劇を知的且つユーモラスに収拾される。
夜は,「怪談牡丹燈籠」のお国。欲望のおもむくまま、優柔不断な男を悪事に駆り立てる低俗ファムファタル。竹三郎丈の平左衛門,仁左衛門丈の伴蔵,錦之助丈の源二郎と良い男総なめ,一網打尽にかける気持ちの良いお役だ。
2役ともお美しく目立っておられ,歌舞伎座に美吉屋の掛け声が飛び交った。殺し場では,興奮のあまり,スタンディングしかかったことを告白しておこう。大和屋編,松嶋屋編につづく…。
舞い上がった結果,バンバン背中をたたいてしまったcocoさま,平に平にお許しを…。ハンセイしています。
何に勝ったのか上手く説明できないが,黄門さま風にかっかっかかかと哄笑し,完全勝利に酔いながら帰路についた。

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2007年10月21日 (日)

終日の歌舞伎座詰めは久々

終日、歌舞伎座詰めは久々
21日(日)は通しで観劇する。長〜い一日だ。芸術祭らしく人情の機微溢れる、芝居を楽しめそうだ。

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2007年10月17日 (水)

大阪松竹座初春公演の配役が発表

公式に発表になっていた。扇雀丈の奮闘公演のようだ。
昼の部
一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
  
葛の葉(くずのは)
  中村扇雀宙乗り相勤め申し候

  葛の葉姫/女房葛の葉  扇雀
  安倍保名  翫雀

二、佐々木高綱(ささきたかつな)
  佐々木高綱  我當
  佐々木小太郎定重  進之介
  馬飼子之介  吉弥
  高野の僧智山  彌十郎
  子之介姉おみの  翫雀

三、芋掘長者(いもほりちょうじゃ)
  芋掘藤五郎  三津五郎
  緑御前  扇雀
  友達治六郎  橋之助

四、伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)
  沼津(ぬまづ)
  呉服屋十兵衛  藤十郎
  お米  秀太郎
  池添孫八  彌十郎
  荷物安兵衛  三津五郎
  雲助平作  我當

夜の部
一、御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち)
  弁慶上使(べんけいじょうし)

  武蔵坊弁慶  橋之助
  侍従太郎  彌十郎
  おわさ  扇雀

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
  吉野山(よしのやま)

  佐藤忠信実は源九郎狐  三津五郎
  早見藤太  橋之助
  静御前  藤十郎

三、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
  玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)
  新町井筒屋の場

  亀屋忠兵衛  翫雀
  丹波屋八右衛門  橋之助
  槌屋治右衛門  彌十郎
  傾城梅川  扇雀

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海老蔵丈の源九郎狐は孝心が切札・御園座顔見世興行夜の部

昨年秋,海老蔵丈が澤瀉屋型で演じられると話題になった四の切が,御園座に登場した。
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)川連法眼館
  市川海老蔵宙乗り狐六方相勤め申し候
佐藤忠信・佐藤忠信実は源九郎狐/海老蔵
源義経 友右衛門,静御前/門之助
駿河次郎/男女蔵,亀井六郎/亀三郎
飛鳥/右之助,川連法眼/家橘
源義経は,兄頼朝から逆臣として追われる身。川連法眼館に身を寄せ,愛妾の静や家臣の忠信と落ち合うこととしていた。忠信が目通りしている最中に,静御前が忠信を伴って到着したとの知らせが届き,忠信は胡乱な奴と捕らわれる。
しかし,静の供をしていたのは,初音の鼓の皮となった狐夫婦の子・源九郎狐が忠信に化けて,鼓を慕って着いていたのだった。静の詮議に正体を現した源九郎狐は,涙ながらに去ろうとするが…。

海老蔵丈は花道の登場から,お痩せになったと分かる。本物の忠信の拵えは相変わらず惚れ惚れする水際立った武将ぶり。義経公,静御前他,みなさん穏当で思いやりありそうだった。源九郎狐は,デカいが,健気でしおらしく,そんなに悲しまなくてもきっと上手くいくよと声を掛けてあげたくなる。伏目がちの表情も猫(狐)かぶりで可愛らしい。身体能力やケレンで魅せず,愛情で勝負なさっておられるところがいい感じ。
とはいえ,悪僧達とのアクロバティックな立ち回りは,やっぱり欠かせない。狐さんが強そうなので,悪僧さんたちもしっかり応援してしまう。
宙乗りでは,嬉しさが爆発しておられ,大満足で楽しかった一日を終えた。

夜の部は,3狂言とも坊主軍団が大活躍。お疲れさまでした。

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2007年10月16日 (火)

菊之助丈の高僧籠絡作戦は一勝一敗・御園座顔見世興行夜の部

7日夜の部を観劇した。麗しい菊之助丈は記憶の保ちが良いのでエントリが遅くなった。
一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
鳴神上人/團十郎,雲の絶間姫/菊之助
白雲坊/右之助,黒雲坊/市蔵
時の宮廷に深い恨みを持つ鳴神は,龍神を北山の滝壺に封じ込め,雨を降らなくした。宮中一の美女・雲の絶間姫は,勅命により,色香で鳴神の法力を破ろうと,庵室に乗り込む。

雲の絶間姫が,色仕掛けで上人を破戒させる前半の色模様と,騙されたと知った上人が,怒り狂う後半の荒事芸の対比が歌舞伎味溢れる歌舞伎十八番。鑑賞教室にも登場する健康的な艶笑コメディだ。やはり,落とされるのは,このおおらかさがお似合いの團十郎が一番。
菊之助丈は,登場の粛々とした健気さ,亡夫との逢瀬を語るときの挑発的な口説,いよいよ即物的に色仕掛けで迫るときの大胆さ,貫禄があって強かで,とても若い娘とは思えないのに品位を崩さない。若さと美しさと上手さのアンバランスが菊様の身上だ。
知的に諜略を仕掛ける工作員というアプローチをなさる役者さんもおられるが,菊之助丈は,もてあます美しさで真っ向体当たり。獲物はイチコロ,簡単すぎる。純情な上人様がかわいそー。
ためらい,手加減,反省,後悔,全くないところがまたよろしい。

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2007年10月 8日 (月)

大阪松竹座寿初春大歌舞伎の演目と出演者

メルマガの第一報だ。やっと吉弥丈が帰ってきてくらはる~。
◎平成20年1月公演  『寿 初春大歌舞伎』
<日  程>平成20年1月2日(水)~26日(土)
<出  演>坂田藤十郎、片岡我當、片岡秀太郎、
       坂東三津五郎、中村翫雀、中村扇雀、
       中村橋之助、片岡進之介
       坂東弥十郎、坂東秀調、坂東竹三郎、
       上村吉弥、坂東薪車
<演  目>
   (昼の部)一、芦屋道満大内鑑 葛の葉
        二、佐々木高綱
        三、芋堀長者
        四、伊賀越道中双六 沼津

   (夜の部)一、御所桜堀川夜討 弁慶上使
        二、義経千本桜 吉野山
        三、恋飛脚大和往来 封印切

この座組でこの演目なら,ムフフ…。お米&梅川でどないでっしゃろ。

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2007年9月30日 (日)

秀山祭九月大歌舞伎23日夜の部リライト

Main←本買うたしぃ…。画像の借用お許し。
23日,夜の部のみ,唯一度の観劇をさせて頂いた。皆様から,「はよ書かんかい!」という檄を頂戴して,イッキにまとめたので,お目汚しになるかどうか…。
評の締めを迷った。“無心のアーティストとしての筋を通し切った”か,“二人だけの愛の世界を創りあげた”かである。玉様についてのエントリは,後々,謎が解け,加筆することが多い。皆様の暖かい突っ込みをお待ちする次第である。
一、壇浦兜軍記 阿古屋
遊君阿古屋   玉三郎
榛沢六郎     染五郎
岩永左衛門   段四郎
秩父庄司重忠 吉右衛門

平家は壇ノ浦で滅び,鎌倉方は,平家残党・悪七兵衛景清の行方を探索していた。景清の馴染みの阿古屋を捕らえて尋問したが,知らぬ存ぜぬばかり。姑息な代官岩永左衛門は拷問を主張するが,主格の秩父庄司重忠は,琴,三味線,胡弓を順に弾かせ,音の曇りで,彼女の心のうちを推し量ろうとする。

阿古屋は,舞台上で3曲を演奏しながら,行方知れずの夫を慕う心を細やかに表現しなければならない女方の大役だ。当代では,玉三郎丈のみが継承しておられる。また,情理併せ持つ捌き役を演じれば,こちらも当代一の吉右衛門丈が初役で重忠に取り組まれた。
岩永は,人形振りで,眉毛も動きコミカル。重忠は,白塗り生締め。榛沢は,腿だちをとり,美脚モロ見せ>*0*<キャアアッ。浄瑠璃は大夫4人に三味線4丁の豪華な備え。
阿古屋は,花道から前後に3人づつ捕り手を並べ登場する。捕り方も玉三郎丈の一部,長身イケメン揃いで麗姿を引き立てる。上方の花魁の拵えで,平家ゆかりの揚羽蝶と牡丹の金糸の打掛,孔雀一羽の俎板帯。伊達兵庫に絢爛豪華な櫛こうがい,びらびら簪が光りを添える。
花道七三で捕り手たちと揃って見得を切れば,客席は早くも最高潮。
情に厚い重忠との台詞のやりとりが,真情溢れ,「いっそ殺してくださんせ」と,階に身を投げ出して決まる形の美しさ。ここでも息を持ってゆかれた。
3曲の演奏は,超絶技巧,景清を思う旋律もさることながら,合間の台詞の応酬が鳥肌ものの艶やかさだ。琴の後の恋の馴れ初めは一言も聞き落とせない。
「三味線弾け」,「ええっ」も,意外性があって可愛らしい。都落ちの切ない別れ,もう会えないと,儚い縁を嘆く表情の痛々しさと,すすり泣く胡弓のカデンツァに,魂を全部持ってゆかれる。
琴,三味線,胡弓は,恋の始めから終わりまでを奏でる組曲になっている。阿古屋の思いも,意地と張りから,激しい思慕と身を切られる別れ,そして彼方の景清への変わらぬ心だけとなり,思い人に届けと虚空に舞う。お裁きの最中でありながら,二人だけの世界だ。終わらないでと願わずにはいられない。曲の終わりの静寂が白洲の現実に引き戻す。
演奏が終わると,重忠は彼女に無罪を言い渡す。判決を聞くまでもなく,客席はもう無罪を確信して緊迫感が薄れているが,ここで,きっちり物語を締められた重忠は立派。
裁判劇という視点で冷静に考えれば,被告人は,絢爛豪華なお衣装に,百媚のかんばせ,玲瓏たる美声,琴,三味線,胡弓の三種の武器と,したい放題。阿古屋独り勝ちに作劇されているにもかかわらず,緊迫した法廷劇となっているところが,役者さんたちの並々ならぬ位取りの力の確かさと改めて感じ入る。

昨日から急に涼しくなった。弦楽器は明らかに音が変わる。僭越ながら,わが凡器でもそれと知られる。これまで,酷暑の阿古屋は上演記録にはなかったようだ。玉様にも,楽器にも万全のコンディションで,また,聞きたいものである。

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2007年9月24日 (月)

吉例顔見世大歌舞伎の予告看板・チラシもあり

吉例顔見世大歌舞伎のチラシあり
お江戸の顔見世は通常価格でラインアップが豪華!
とりわけ土蜘蛛は、仁左さまが番卒太郎。
昼の部
一 種蒔三番叟 三番叟/梅玉,千歳/孝太郎
二 傾城反魂香 又平/吉右衛門,おとく/芝雀
三 素襖落    太郎冠者/幸四郎,姫御寮魁春,大名/左団次
四 御所五郎蔵 御所五郎蔵/仁左衛門,星影土右衛門/左団次
           甲屋与五郎/菊五郎
           皐月/福助,逢州/孝太郎
夜の部
一 宮島のだんまり
           傾城浮舟大夫実は盗賊袈裟太郎/福助
二 山科閑居   戸無瀬/芝翫,小浪/菊之助,本蔵/幸四郎
          お石/魁春,力弥/染五郎,由良之助/吉右衛門
三 土蜘蛛    土蜘蛛の精/菊五郎,番卒太郎/仁左衛門,
         胡蝶/菊之助,源頼光/富十郎,平井保昌/左團次
四 三人吉三巴白浪 大川端講庚申塚の場
           お嬢/孝太郎,和尚/松緑,お坊/染五郎

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2007年9月23日 (日)

秀山祭九月大歌舞伎23日夜の部

秀山祭九月大歌舞伎23日夜の部
歌舞伎座は、夜の部を只一度だけの観劇だけとなった。
阿古屋!劇場内に存在する全てのものを支配する玉三郎丈のお力を見聞きし、奇跡に触れる思いがした。
身替座禅と加藤清正も豪華な配役。ン、三つとも場面は京都

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2007年9月 5日 (水)

上村吉弥丈の公式に秋の予定が一挙にアップ!お国だ!紙治だ!おとくだ!

少しずつ喜んでいたが,今日は一気にわーいだ。
源次郎情婦お国,紙屋治兵衛,合邦女房おとく!!!!
上村吉弥丈の10月~11月の予定がアップされた。
あんまり嬉しくって泣きそうとはこのこと…。
合邦女房おとくは,そうなったら嬉しいな,秀太郎丈が羽曳野やからそうかもしれへんと思うてたらほんまやった~。劇場がぜーんぶ大阪でないこと以外,言うことあらしまへん。ムンパリさま,ありがとうございました。気張っていきましょ。いっぺん,近鉄沿線の高安の郡や俊徳道も行ってみたいし,合邦庵室と天王寺さんへもお参りせんならんし忙しー。

10/2~26 
歌舞伎座「芸術祭十月歌舞伎」夜の部 4時半開演
通し狂言 怪談 牡丹燈籠(かいだん ぼたんどうろう)
[配役]
伴蔵             仁左衛門
三遊亭円朝・船頭・馬子久蔵  三津五郎
萩原新三郎         愛之助
お露             七之助
女中お竹・酌婦お梅    壱太郎
お国            吉弥☆☆☆☆☆
宮野辺源次郎       錦之助
お峰             玉三郎

10/27(土)3時開演 尼崎ピッコロシアター
楽劇フェスティバル参加『心中天網島』
[出演]
紙屋治兵衛:上村吉弥☆☆☆☆☆
小春:古澤侑峯
近松門左衛門(語り) 玉井敬友
義太夫:豊竹英大夫
三味線:鶴澤清友
尺八:福本卓道
音楽:ヤススキー

11/3~26 国立劇場
通し狂言「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」
[出演]
坂田藤十郎(玉手)
片岡秀太郎(羽曳野)
坂東三津五郎(俊徳丸)
中村翫雀
片岡進之介
上村吉弥(合邦女房おとく)☆☆☆☆☆
片岡愛之助
中村扇雀
坂東秀調
坂東彦三郎
片岡我當(合邦)

6日追記:9月23日(日)は徳島でワークショップをなさる。
15日追記:10月歌舞伎座は昼の部・赤い陣羽織のお代官の奥方も…。

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2007年9月 4日 (火)

松竹大歌舞伎中村信二郎改め 二代目中村錦之助襲名披露2日びわ湖ホール

平成19年(社)全国公立文化施設協会主催 西コース松竹大歌舞伎
中村信二郎改め 二代目中村錦之助襲名披露
2日(日),昼の部を,至近のびわ湖ホール中ホールで鑑賞。本公演でもめったに揃わない素晴らしい演目をそろえて来られた。梅枝丈と隼人丈も来はったし~。3月中旬に情報を得て,待つこと約半年,待ちに待った甲斐のある充実と暖かさのある公演で寿命が延びた。

一 正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)

   曽我五郎時致/玉太郎改め松江,小林妹舞鶴/梅枝
五月人形のように華やかな拵えの曽我五郎時致と,素襖に力紙,紅白梅の飾りつきの烏帽子姿に太刀をはいだ小林朝比奈妹・舞鶴。時蔵丈が梅枝さんの時代が思い出され,美しさと清新さで潤々になった。こんなんやったんや~。表情に硬さはあるが,所作の切れ味が良く,颯爽,すっきり,上品,クラシカル。名のとおり,ほころぶ白梅のようなかぐわしさ。
松江丈は血気に逸るという印象が薄めの方だが,華やかな立ち姿で映りもよろし~。
二 二代目中村錦之助襲名披露口上
  信二郎改め錦之助,幹部俳優出演
  時蔵,隼人,松江,錦之助,梅玉,松緑,梅枝,錦吾,東蔵

座頭が梅玉丈なので,おっとりほんわかとした口上となった。 松江丈のご披露でもある。これだけ,各ジェネレーションのオトコマエを揃って一度に見る機会は無いゾ!
幼くして花の盛りのお父上を亡くされた萬屋兄弟を,親代わりとして育て上げられた先代の功績とお人柄をしのぶ麗しいものだった。もちろん,新錦之助丈は,錦絵から抜け出したようなまばゆさ。一回見たら忘れない!

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2007年8月31日 (金)

吉弥丈が舞い,英大夫さん&清友さんが語る「心中天網島」

上村吉弥丈が紙屋治兵衛を舞われると伺っていた「心中天網島」の全貌が河内厚郎さんのHPに掲載されていた。
楽劇フェスティバル参加『心中天網島』
<万華鏡、筒の中には義太夫と歌舞伎役者と地歌舞と元劇団シアタースキャンダルの…>
 日時:平成19年10月27日(土)15:00開演(14:30開場)
 会場:尼崎ピッコロシアター
 総合監修・キャスティングプロデューサー/河内厚郎
 原作/近松門左衛門,脚色・演出/玉井敬友
 キャスト等
 紙屋治兵衛/上村吉弥,小春・おさん/古澤侑峯
 近松門左衛門/玉井敬友
 義太夫/豊竹英大夫,三味線/鶴澤清友,尺八/福本卓道,音楽/ヤススキー

異ジャンルコラボのようだ。近松のまち尼崎で上演というのも河内さんらしい企みだ。もとより鑑賞する予定だったが,益々楽しみになってきた。
紙屋治兵衛/上村吉弥デス。

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2007年8月30日 (木)

南座當る子歳「吉例顔見世興行」情報のメルマガが来ました。

速報!南座12月公演「吉例顔見世興行」概要が決定!
メルマガが届いた。歌舞伎美人HPは9月初旬にアップの予定とあるが,失礼して出演者と演目のみ(._.) φ メモメモ
京の年中行事 當る子歳吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎
                    二代目中村錦之助襲名披露

公演日程 11月30日(金)初日~12月26日(水)千穐楽 
開演時間 昼の部:10:30 夜の部:16:20
出   演 坂田藤十郎,中村富十郎,尾上菊五郎,松本幸四郎,
       片岡仁左衛門,中村梅玉,片岡我當,市川左團次,
       片岡秀太郎,中村錦之助他
<昼の部>
 将軍江戸を去る
 勧進帳
 義経千本桜 すし屋
 二人椀久
<夜の部>
 梶原平三誉石切 鶴ケ岡八幡社頭の場
 寿曽我対面
 坂田藤十郎喜寿記念 京鹿子娘道成寺
 河内山 質見世より玄関先まで
 上 三社祭
 下 俄獅子

仁左衛門丈の椀屋久兵衛は拝見したいナ。

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2007年8月26日 (日)

松風村雨堂・謡曲「松風」,歌舞伎舞踊「汐汲」の舞台を訪問

松風村雨堂・謡曲松風の舞台
昨日の阿古屋塚だけでは片手落ちなので,今日は神戸市須磨区須磨寺に程近い「松風村雨堂」を訪ね,松風さんにお参りした。
立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かばいま帰り来む
小倉百人一首に含まれるこの詩と烏帽子,狩衣を残し,配流の解けた在原行平朝臣は都へ戻った。行平の寵愛を受けた松風と村雨の姉妹が残され,松風は形見の装束をつけ狂い舞う。
写真の左の祠が,行平が衣を掛けた松「きぬかけの松」とされていた木の切り株だ。
秀山祭九月大歌舞伎では,村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)のお題で,松風を玉三郎丈,村雨を福助丈が演じられる。

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2007年8月25日 (土)

阿古屋塚のある六波羅蜜寺に参拝

Nec_0310_2あこやが心のにごり水今しも呑むやと覚悟のてい~
外に出て猛暑にくらっときたが,何が何でもお参りせにゃならぬわいなぁ。
平家の残党・悪七兵衛景清の行方を探索するため、(京都市東山区)五条坂に住む景清と深く言い交わした白拍子・阿古屋を,鎌倉方の代官畠山重忠が探題に連行した。重忠は,尋問のため弾かせた三味線、琴、胡弓の曇りのない音色に感動し,阿古屋を釈放する。
当代一の女形・坂東玉三郎丈の舞台は2日が初日だ。

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2007年8月20日 (月)

第17回上方歌舞伎会19日夜の部・我當丈と仁左衛門丈の舞台挨拶も!

早版
第17回 上方歌舞伎会
国立文楽劇場青年歌舞伎公演
歌舞伎俳優既成者研修発表会
関西元気文化圏共催事業
会場・国立文楽劇場

一條大蔵譚 大蔵館奥殿
片岡仁左衛門 片岡秀太郎=指導
一條大蔵長成/松次郎,吉岡鬼次郎/松三郎,八剣勘解由/千蔵,勘解由妻成瀬/當史弥,鬼次郎女房お京/松之,常盤御前/扇之丞
双蝶々曲輪日記 道行 乱朝恋山崎
山村若振付
藤屋吾妻/千壽郎,占師/松四朗,山崎屋与五郎/千志郎
新版歌祭文 座摩社 野崎村
片岡我當 片岡秀太郎=指導
久作娘お光/純弥,油屋娘お染/りき彌,油屋丁稚久松/鴈祥
百姓久作/鴈大,山家屋佐四郎/千次郎,山伏法印妙斎/佑次郎,浪人鈴木弥忠太/當吉郎,ならず者勘六/松三郎,百姓畑作/和之介,後家の供の男/當次郎,油屋下女およし/翫之,油屋後家お勝/比奈三,油屋手代小助/松之助

野崎村のラブトライアングルにおやじどんまで加わっての「4人の涙8つの袖」は圧巻だった。
終演後のカテコでは,出演者が居並ぶなか,片岡我當丈,片岡仁左右衛門丈,山村若さんのご挨拶があった。お三方ともスーツ姿。短い稽古期間で作品を創りあげたお弟子さんたちの健闘を讃えておられた。

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2007年8月18日 (土)

11月国立・摂州合邦辻の続報がアップ

国立劇場公式ページに,11月歌舞伎公演「通し狂言摂州合邦辻」上演の続報がアップされている。定番の構図のチラシも掲載されており,出演者と主な配役も…。このまま大阪松竹座で上演していただきたいもの(合邦庵室だけで我慢するしー)。国立文楽劇場では通しに期待する。
さすが国立らしく物語の原典が印度の説話にあり,西に伝わり「フェードル」,東に流布して「合邦」に練り上げられたと,記載されている。昔から,酷似が気になっていたが,積年の疑問が解けた。ラシーヌの「フェードル」は,ソフォクレスの「パイドラ」,エウリピデスの「ヒッポリュトス」,「合邦」は,「弱法師」,「愛護の若」とプロセスがあり,近くは折口信夫や寺山修司の「身毒丸」までたどれる。何だかよく分からないが凄い。正に三千世界を翔るとはこのようなことを言うに違いない。物語の力だ。
もとい!
玉手/藤十郎,合邦/我當,羽曳野/秀太郎,俊徳丸/三津五郎
翫雀,進之介,吉弥,愛之助,扇雀,秀調,彦三郎ほか
浅香姫,高安左衛門,次郎丸,奴など重要かつ魅力あるお役もあり,豪華キャストで,重厚なものになることであろう。
吉弥丈のお役は?

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2007年8月14日 (火)

八月納涼大歌舞伎初日第三部

終日通しは観劇トライアスロン。第三部は,4時間近くあるので,第三部だけ別の日に行かれることをお勧めしたい。イヤホンガイドも,お嫌いでなければ借りた方が良いように思う。
帰りの列車の都合で,三幕目までの観劇となった。で,表どう収拾されたのか分からない(わーん)。
通し狂言 裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)

配役
足利頼兼/七之助,力士絹川谷蔵/亀蔵,下女お竹/福助
家主茂九兵衛/家橘,下男小助・乳人政岡・執権仁木弾正/勘三郎
医師大場道益・横井角左衛門/彌十郎
八汐/扇雀,沖の井/孝太郎,松島/高麗蔵,栄御前/秀太郎
荒獅子男之助/勘太郎,倉橋弥十郎・細川勝元/三津五郎
渡辺民部/松也, 山中鹿之助/新悟,渡辺外記左衛門/市蔵
あらすじ
時代狂言「伽羅先代萩」の世界を「表」に,世話物「小助の悪事」を「裏」の物語として加えた趣向がお楽しみだ。
序幕 花水橋の場
足利家転覆を目論む仁木弾正らは,廓通いにうつつを抜かす頼兼を花水橋で襲撃する。
二幕目 大場道益宅の場
弾正らは,世子鶴千代を毒殺しようと,医者・大場道益に,二百両の報酬で毒薬の調合を依頼する。好色な道益は,日頃から横恋慕していた隣家のお竹に,借金のかたに言い寄るが袖にされる。下男の小助は,道益を殺して金を奪い,縁の下に隠すがちょっとした手違いが…。
三幕目 足利家御殿の場 同 床下の場
政岡は,一子千松と共に幼君鶴千代を守り奥殿にこもっている。そこへ上使・栄御前が来訪し,見舞いと称して持参した毒入り菓子を鶴千代に勧めるが,間一髪千松が菓子を奪う。弾正の妹八汐は,悪事が露見しないよう千松を刀で殺害する。平然と幼君を守る政岡を味方と思い込んだ栄御前は連判状を手渡す。
しかし,その連判状を鼠がくわえて逃げ,一度は家来の荒獅子男之助がとらえるものの,結局取り逃がしてしまう。鼠の招待は…。

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2007年8月13日 (月)

八月納涼大歌舞伎初日第二部

開幕前に完売になっている第二部。渡辺えり子さんへの期待の高さがうかがえる。これは,「今昔桃太郎」の完全勝利と中村勘三郎丈の新しい試みへの期待に他ならない。開幕前に勝負は決したのだ。
運よく初日,拝見できることとなったので,心して鑑賞し,ネタバレなしで書ききる。
一、ゆうれい貸屋(ゆうれいかしや)
配役
桶職弥六/三津五郎,辰巳芸者のゆうれい・染次/福助,家主平作/彌十郎,ゆうれいお千代/七之助,魚屋鉄造女房・お勘/右之助,隣人・魚屋鉄造/秀調,弥六女房お兼/孝太郎,ゆうれい又蔵/勘三郎
あらすじ
桶職の弥六は,怠け者で,働き者の女房に去られた。目覚めると粋な姐さんが家屋内に居る。女は,辰巳芸者・染次のゆうれいで,弥六に惚れたので女房にしてほしいと言う。生来の怠け性に叶った暮らしをさせてもらえるので,夫婦同然の暮らしを始めるが,さらにゆうれい貸屋という儲け話を思いつく。恨みを持った人に幽霊を貸し出そうというものだが,屑屋のゆうれい又蔵や浮気娘のゆうれい千代など,とんでもない連中が集まり,商売は大繁盛するが…。

山本周五郎原作のシニカルなブラックコメディ。歌舞伎では,48年ぶりの上演とか。福助丈の粋な辰巳芸者のゆうれいという役どころが,このうえなくはまるので,たっぷり楽しめる。貸し出されるゆうれいの老人の権一丈,隣家の魚屋夫婦など,素敵なキャストが江戸情緒を盛り上げてくださる。

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八月納涼大歌舞伎初日第一部

11日(土),歌舞伎座初日第1部を観劇した。いずれも2度目の上演で,さわやかな気分になること確実。暑い日には歌舞伎座に行ってみよう。
一、磯異人館(いそいじんかん)
配役

薩摩藩のガラス職人・岡野精之介/勘太郎,人質となっている琉球国の王女・琉璃/七之助,薩摩藩士外交方・五代才助/猿弥,精之介の弟で武闘派・岡野周三郎/松也,英国人技士・ハリソン/亀蔵,薩摩藩士・折田要蔵/家橘,薩摩藩士集成館総裁・松岡十太夫/橋之助
あらすじ
明治維新前夜。生麦事件を引き起こした薩摩藩士・岡野新助の長男精之介は,藩の御用工場・集成館で働くガラス職人だ。弟の周三郎は,集成館の警護役で,武芸で身を立てようと考えている。琉球国の王女・瑠璃は人質として集成館総裁・松岡十太夫の養女の身分で,精之介に心を寄せていた。
精之介は,藩で外務を担当する五代才助から,薩摩切り子のパリ万博出展と精之介のヨーロッパ留学を勧められ,瑠璃王女に夢を語る。
しかし,イギリス人技師のハリソンから,瑠璃を妻にという話が持ち出され,二人の恋はあっけなく引き裂かれる。

集成館を舞台に,激動の時代を懸命に生きた若者達を描く,骨太で清冽な作品だ。装置が,集成館の居間,工房,テラス,玄関とよく出来ているうえ,回り舞台としてのセオリーに忠実な回し方が良心的だ。
何より,主人公が,勘太郎丈のために書かれたようなはまり役。健気で正直,ひたむきでピュア。七之助丈も光っている。ヒロインが琉球の王女という設定のため,お衣装があでやかな黄色の紅型。これが痩身の七之助丈に似合う。あんたが悪い!短気な弟の松也丈も長いおみ足と美声で可愛いから許す。猿弥丈は説得力,忍耐,胆力,先見性のある好漢を好演。
気持ちよく泣けるよう作劇されているので,勘太郎丈ファンなら,あっさり降参して泣こう。日本手拭い一本分は泣ける。

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2007年8月11日 (土)

芸術祭十月大歌舞伎は牡丹灯籠

芸術祭十月大歌舞伎は牡丹灯籠
圓朝イヤーの今年、更にビッグイベントが…。怪談牡丹灯籠を通し狂言で上演。歌舞伎座で片岡仁左衛門丈と坂東玉三郎丈がご共演\(~o~)/
お江戸納涼怪談ツアー最大の土産話がこれだ。あちこちお参りしてよかった。8/13加筆,9/15加筆

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2007年8月 7日 (火)

第2回「若伎会」も行て退けましたで!

文楽夏休み親子劇場で童心に返り,バックステージツアーで舞い上っても,忘れしまへん。ちゃーんと「若伎会」千穐楽は見てきましたで~。
若伎会は,上方歌舞伎塾卒塾生の台詞劇の習熟ため,坂東竹三郎丈が発起人となり,昨年立ち上げられた勉強会だ。師の片岡秀太郎丈,坂東竹三郎丈,片岡愛之助丈,兄貴分の坂東薪車丈が特別出演で,浪花情緒を添える。
今年は,ならぬ堪忍するが堪忍・35年ぶりの「神崎東下り」,43年前に若手のために書き下ろされ,竹三郎丈がいつか再演をと暖めてこられた「露地の雨」,舞踊詩「あやめ浴衣」の三本立て。いずれも,より高い技術を必要とし,人間性をさらけ出して勝負しなければならない難関であったが,より美しくよりさわやかに,より味わい深く見事にクリアーしただけでなく,作品として観客を感動の渦に巻き込んでおられた。

神崎東下り
忠臣蔵のサブストーリー。神崎がすわ討入とお江戸に向かう道中の三島宿で,ごろつきの馬子の言いがかりに耐えるエピソードだ。
千次郎丈の馬子,佑次郎丈の神崎の対決。笑いがベースだが,胃が痛くなるような緊迫感のあるやりとりが見所の難し~いお芝居だ。
千次郎さんは小汚い拵えで,生きるためにはなんでもするゴマのハエ。なぜか憎まれず宿場の皆にたかって日々を送っている。田舎者風のカモ侍が佑次郎丈。
似合うてんで~。
途中はしんどかったけど,幕切れは気持ちよう泣かしてもらいました。

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2007年7月18日 (水)

大阪松竹座・仁左さまの「女殺油地獄」

14日の夜,仁左さまの与兵衛を拝見した。
小振りの劇場内に,割れんばかりの拍手と,津波のような松嶋屋!の連呼。尋常でないテンションの高さに,前のめりになる。
歌舞伎は初心者。久々,開き直りおとみの所感だ。

1964年(昭和39年),上方歌舞伎の継続を目指して,十三世の旗揚げした「仁左衛門歌舞伎」で「女殺油地獄」の与兵衛を初役で演じ,大阪に孝夫ありといわれるほどの出世芸となる。その後,先行きの見えない上方での興行に見切りを付け,新天地を求め,与兵衛を引っさげて上京。悪くて素敵な奴の路線で大ブレイク。与兵衛は仁左さまが,60年代の寵児となった当たり役というだけでなく,女殺油地獄をリアルタイムの演劇として世にぶつけ,人気狂言のひとつにしたものだった。
市川海老蔵丈が,2日から12日まで,初役で務めておられた。

河内屋与兵衛/仁左衛門(代役)
豊嶋屋女房お吉/孝太郎,豊嶋屋七左衛門/愛之助
芸者小菊/宗之助,小姓頭小栗八弥/薪車,山本森右衛門/市蔵
与兵衛妹おかち/壱太郎,与兵衛兄太兵衛/家橘
与兵衛母おさわ/竹三郎,河内屋徳兵衛/歌六

序幕,ちゃらんぽらん,ちゃらんぽらんという音のしそうな,与兵衛の登場。これやこれや。
刹那主義,単細胞,腰抜け,口から出任せ,そのくせ根拠のないプライドの高さで直ぐキレる。しかられては逆ギレ。依存心は人一倍。徳庵堤では,小菊ラブ~で,お吉は意識の外。しかし,卑怯さを感じさせてはいけないと納得。
孝太郎丈のお吉は,体格,芸風,技術,どれをとっても,当代一,愛之助丈の豊島屋も大坂らしいエエ味(大阪の子はあんただけかいな。良いように目立ってたでぇ)。

河内屋内の場は,家庭内悲劇。気丈なごりょんさん(実母),篤実なだんさん(義父),そつの無いあにぼんさん(兄),いじらしいいとさん(異父妹)。まー,こーゆー周りがまともすぎる家庭では,真ん中のこぼんちゃんは,大概でけそこないはりますなあ。外では這いつくばっていても,家庭内なら,暴力では大将。歯止めがきかなくなるタイプであることをインプット。卑怯というより,身についた病理に近い攻撃性を醸しだし…。
いつもながら,竹三郎丈のごりょんさんの確かさに心打たれる。

豊島屋油店の場。いよいよ「不義になって貸してくだされ。」である。(与兵衛ちゃんやったら,不義も望むところ,引き出し全開,有金全部,貸し下されてしまうよって,悲劇なんか起こらへん…。もとい)行き当たりばったりの性格の伏線がしっかり引いてあるので,不義になって…は唐突であることが,説明してもらわんでもよーわかります。
闇の中の凄惨な殺しの形は,錦絵のように美しく,一挙手一投足目が離せない。孝太郎丈も素晴らしい。意外に,普通のスピードだった。ストップモーションになって三味線の音だけが聞こえる印象があったが,記憶違いか,別の芝居か。

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2007年7月 8日 (日)

NINAGAWA十二夜初日・夜の部

NINAGAWA十二夜初日・夜の部
四季劇場海の客席から,歌舞伎座の客席まで8分で到着。開演後15分間は入場不可となるので,努々遅れることのないようご留意を…。開演前の公開稽古はない。
NINAGAWA十二夜。初日からテンション高い舞台だ。筋書きには,歌舞伎テイストを濃い目に味付けしたとあるが,どうしてどうして,主筋か際立って、蜷川シェクスピアらしい香気が…。
最も2年前との変容が際立つのがオーシーノ公爵。恋にやつれた貴公子から,恋に落ちたエスタブリッシュメントにご変貌。どちらがどのように良いかは筆舌に尽くしがたく,要するにどちらも良すぎ。

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2007年7月 5日 (木)

恋飛脚,明日は長浜か~

いよいよ,片岡我當丈一門の恋飛脚は,明日長浜入り,最終地は週明けに智頭市となった。吉弥丈の公式ブログにそれはそれは麗しい孫右衛門と梅川のお写真が掲載されている。
この写真だけで2食は抜け,2キロ体重落とせる!
あかん,思い出したら泣けてきた…。

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