歌舞伎

2014年8月19日 (火)

松尾塾子供歌舞伎公演2014 in 国立文楽劇場A組 ああ、一巴大夫さん、この時間は一巴大夫さんが生きておられたかった時間…

今年は大阪2公演、東京2公演です。

新版色読売
油屋蔵前人形振の場
昨年は野崎村でしたが、今年はそれからの二人。蔵に閉じ込められた久松を救おうとするお染に横恋慕する善六が絡むという「お染久松もの」の舞踊劇。少年少女のスリリングな恋模様というのが、文楽劇場、松尾塾子供歌舞伎にぴったりの可愛らしい演目です。お染11歳、久松10歳、善六9歳。物語の年齢設定に近いです。主要三役の3人は人形振りで演じます。
主演のお染は坂本龍太さん。身体能力を要求されるお役を綺麗に演じておられました。クールビューティであられます。後見は重要な足遣い一役以外の3人は卒塾生のおにいさん。切れ味よかったです。

 
傾城反魂香
松尾塾子供歌舞伎初挑戦となる名作。主演の吃音の絵師又兵衛と饒舌な女房おとくとが難役でしたが、今年は主演を務める鈴木哲平さんと小野澤優花さんの任にあっておられるので挑戦なさったのではないかと察せられます。舞台に二人きりで、夫婦の情愛を見せる場面が涙を誘い、晴れて土佐の名字をもらって喜びを表現するところが、一転して華やかとなるなど、メリハリ、緩急の息もぴったり。
ワタクシ的には、三津五郎丈と時蔵丈のコンビが一番好きで、紋付袴の晴れ姿におとくの鼓で舞うシーンでいつもドボ泣きになりますが、この日も気持ち良く涙させていただきました。

 
舞踊 墨塗
松羽目ものの狂言仕立の舞踊劇。浮気者の大名、たてまえの悋気で嘘泣きする奥方、二人にいたずらをする太郎冠者の三人がてんやわんやの大騒ぎの後にやるまいぞとなります。
太郎冠者役の石原大雅さんは芝居心のある愉快なお子さんです。B組でおとくをなさるんですね。
松尾塾では、人間国宝の常磐津一巴大夫を中心とする常盤津連中が重しを添えていただきます。なんと、一巴大夫さんが16日の朝、急逝なさったとは、…。信じられません。御冥福を心からお祈り申し上げますが、もっともっと聴きたかったです。今日生きている私たちは、一巴大夫さんが生きたかった時間を生きています。おろそかにできません。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2014年3月 2日 (日)

三月花形歌舞伎 in 京都四條南座

尾上松緑丈と尾上菊之助丈を中心とした花形が勢ぞろい。彦三郎丈、團蔵丈、萬次郎丈、権十郎丈のベテランが脇を固める堅実な舞台です。演目は、朝一番の「吹雪峠」から打ち出しの「京鹿子娘道成寺」まで、真冬から春に季節が動くよう並んでいます。

菊様は昼は与三郎、夜は花子と兼ねる役者の力量を見せてくださいます。
極めつけの美声の菊様がふるいつきたくなる良い男の与三郎を演じられるのですから、もうもう客席で溶けていました。いやさおとみ久しぶりだな~、お富、お富さん…もっと呼んでくださいませ~。
一人で京鹿子娘道成寺を舞う菊様を拝見するのは初めて、南座でも初めてなのでうれしい限りです。
1箇月、これだけでも何度か拝見したいものです。
素襖落、金五郎、暫、弁慶と出ずっぱりの松緑丈奮闘公演でもあります。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2014年1月13日 (月)

坂東玉三郎特別賞舞踊公演

坂東玉三郎特別賞舞踊公演
玉三郎丈の公演は劇場内から凝っておられます。直筆の凧、獅子舞いなど、華やかな趣向です。

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2013年12月 3日 (火)

京都四條南座・顔見世興行初日・ゆるゆると幕が開きました

京都四條南座・顔見世興行初日・ゆるゆると幕が開きました
待ちかねた初日,行って参りました。
片岡仁左衛門丈の御休演はさびしいですが,必要な御休息は取得して頂かんとあきません。
「厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)」,「道行雪故郷(みちゆきゆきのふるさと)」,「児雷也(じらいや)」は初めて拝見する演目でした。
 猿之助丈の襲名披露演目は、澤瀉屋さん定番中の定番,早替わりや宙乗りが鮮やかな「義経千本桜川連法眼館(かわつらほうげんやかた)」(昼の部)と舞踊「黒塚(くろづか)」(夜の部)。中車(ちゅうしゃ)丈の襲名披露演目は、「ぢいさんばあさん」(昼の部)と「御殿浜綱豊卿(ごてんはまつなとよきょう)」(夜の部)。
口上には,先代猿之助の二代目市川猿翁(えんおう)さんが登場されました。御披露は坂田藤十郎丈が務められました。中車,猿之助,猿翁,藤十郎の4人だけの口上でしたが,しみじみと厳粛なものでした。
夜の部は,梅玉丈奮闘公演となり,綱豊卿,阿闍梨,児雷也と重要な3役をおっとり上品さっそうと演じられ,気持ちがほこほこなりました。
梅玉丈は高貴なお役が似合われますわ~。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2013年8月18日 (日)

松尾塾子供歌舞伎公演2013 in 国立文楽劇場

今年は大阪1公演、東京2公演です。

操り三番叟
国立文楽劇場ではおなじみの寿式三番叟ではなく、操りの方です。今年のお正月に千載・吉太朗さん、翁・藤十郎丈、後見・薪車丈、三番叟・翫雀丈でかかりました。千載の小野澤春輝さんは12歳とか、吉太朗さんと同年代ですね。さぞ緊張なさったでしょう。元気いっぱいの三番叟の石原大雅さん、神妙な面持ちの鈴木哲平さんの息がぴったりで楽しいです。後見の後見は卒塾生のおにいさん。みーんな凛々しかったです。

 
新版歌祭文 野崎村の場
少年少女のスリリングな恋模様というのが、松尾塾に相応しいです。お光もお染も13歳、久松が12歳。物語の年齢設定に近いです。昔は大人になるのを急がされましたからきっとこんな感じだったと思いました。2人とも人形のように可愛らしいですが、。勘十郎さんが遣われるお光と簑助さんが遣われるお染のように、人の心の痛みを忖度できる田舎娘と、心のままにふるまう町娘の違いを鮮やかに表現しておられました。
ツメちゃんのような村人、かごやさんも船頭さんもかわいらしこと。
妹背山も良さそうです。

 
舞踊
 月 蜻蛉に扮したBoysが舞うほほえましい舞踊です。
 雪 新口村に落ちてきた梅川と忠兵衛の舞踊劇。台詞もあります。封印切も見たいゾ。
 花 花の若衆と娘たちの群舞。ヴァリエーションもあり、皆さんに見せ場があります。
松尾塾では、ほんまものの子どもも登場する時代物(伽羅先代萩、寺子屋、実盛物語、盛綱陣屋など)がいいですが、Girlsもの(妹背山、生写朝顔日記、桂川連理柵、妹背山など)がいいかも↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2013年6月18日 (火)

実は、歌舞伎座杮落とし公演にもちゃんと行ってます。



歌舞伎座
立派になって帰ってきはりました。姿形は同じでもぴかぴか感が違います。
実は4月に行ってきました。今月も行きました。ブログに書けていないのは、ちょっと調べもの続きというだけです。今回は、第1部と第3部。第2部の間に大門まで走って鹿鳴館を拝見できるんです。客席から客席まで20分です。(あまり、そういう観劇のしかたする方はおられないでしょうねえ。)
杮落公演の熱い舞台が続きます。お江戸の方がうらやましいわ~。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2013年4月23日 (火)

吉弥丈の藤娘は古風でおっとりと大津絵から抜け出したよう,供奴の吉太朗ちゃんは軽快な足拍子が冴えました。

吉弥丈の藤娘は古風でおっとりと大津絵から抜け出したよう,供奴の吉太朗ちゃんは軽快な足拍子が冴えました。
鑑賞教室21回目ということで,解禁の九雀さんと吉弥丈に表彰状が贈られたそうです。それに,例年おひとりだけの扮装コーナーが一挙5人になっていました。幕開きのサプライズは,吉田屋の藤屋伊左衛門の純弥さん。晴れがましかったですねえ。
芝居小屋の内部もミュージアム風にしつらえられ,華やかな気分にさせていただきました。
額絵を見下ろしで撮影できました。顔見世の仁左さまの六段目を思いだしてほろり↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2013年2月 4日 (月)

市川團十郎丈がお亡くなりに…。ワタクシは40年以上拝見できてシアワセでした。

舞台に出てきはったら、劇場全体がぱぁっと明るくなりました。大きな病気との闘病からこちらは、神々しくもあり、お可愛いらしくもあられました。
ワタクシが最後に拝見したのは、昨年の南座顔見世興行の初日でした。石切梶原、船弁慶の弁慶、口上…。どれもこれも昨日のことのようです。
とりわけこの冬の京都の冷え込みは厳しかったですし。京都で御風邪を召されたのが残念で悲しいです。
家内安全無病息災の願を背負って神になられたんですね。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2013年1月 1日 (火)

二代目市川猿翁四代目市川猿之助九代目市川中車襲名披露壽初春大歌舞伎大阪松竹座初日

幕
例年初日は2日ですが、今年は元日からの26日間の興行です。襲名披露幕は福山雄治さんのデザインで評判になったもの。歴代の隈どりの複合だそうです。
昼の部
一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)

曽我五郎/猿弥
小林妹舞鶴笑也
二、歌舞伎十八番の内毛抜
粂寺弾正/右近
八剣玄蕃/猿弥
腰元巻絹/笑三郎
秦民部/薪車
八剣数馬/弘太郎
秦秀太郎/春猿
小野春道/竹三郎
小野春風/門之助
三、義経千本桜 吉野山(よしのやま)
佐藤忠信実は源九郎狐/亀治郎改め猿之助
逸見藤太/翫雀
静御前/藤十郎
四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
真柴久吉/猿之助改め猿翁
石川五右衛門/中車

昼の部、正札附根元草摺と毛抜はまったりとはじまりました。
呼び物の吉野山ですが、藤十郎丈の静午前と新猿之助丈の忠信の組み合わせはちゃんと主従に見えます。色っぽく艶やかな元白拍子さんが若く親孝行の忠臣をなぶる雰囲気がよろしい。戦記の語りのくだりもはんなりときびきびとの対比が絶妙。歌詞に忠実に舞っておられるという分かりやすさがあります。引っ込みも亀治郎時代からいろいろなパターンがありましたが、狐さんの正体をあらわし、るんるんふんふんとはけていきはります。きゅーんとかわいいんですよねえ。
中車丈の石川五右衛門は典型的な歌舞伎なので少し発声がきになりましたが、なかなか若々しくパワフルに演じておられました。猿翁丈も台詞が決まっておられました。
元日から歌舞伎を見られる幸せ。良い一年になりそう。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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2012年12月26日 (水)

南座顔見世興行24日通し

竹馬
今回の演目立ては、新歌舞伎含み源平時代のものが4本、傾城もの、仮名手本忠臣蔵、世話物と舞踊が船弁慶だけなのがちょっとさびしいですが、手堅いラインナップです。

佐々木高綱
よくかかる演目です。配役も松島屋中心のおなじみですが、我當丈が無理なく演じておられるので安心。

石切梶原
團十郎丈が体調不良で御休演。大事のうえにも大事をとってゆっくりお休みいただきたいと申し上げるばかりです。翫雀丈が代役です。お声がいいし、お姿も若々しい好人物というところで、のびのび機嫌よく演じておられました。これまで拝見した、幸四郎丈の重厚さ、吉右衛門丈の大物感、仁左衛門丈の涼やかさを思えば、團十郎丈はたぶん華やかなええ御
 義太夫狂言としての面白みはやや乏しかったとは思います。
梢は芝雀丈で決定版であられましょうが、七之助丈は華やかだけでなく、細やかな芸をなさってました。

寿曽我対面
勘九郎の襲名披露狂言です。時蔵丈の十郎、仁左衛門丈の工藤、秀太郎丈の大磯の虎、七之助丈の化粧坂の少将、橋之助の小林朝比奈他。
勘九郎の五郎は、長い手足、キレキレの動き、隈どりも良くお似合いで絵のような美しさ。気負いや力みが御役と重なりますので肩入れしたくなりますわいな。勘九郎丈の芸風は、、この人ならではの味わいでしょう。
仁左さまの工藤は初役とか。お姿の良さはいうまでもありませんが、古風と今風どちらの好みにも叶うところは、他の御方の追随を許されません。

廓文章
藤十郎丈の伊左衛門、扇雀丈の夕霧、吉弥丈のおきさです。
吉弥丈は、このような御役の御専門ですのでさまになっておられました。吉田屋が立派なお店の見えます。禿は吉太朗さん。
 
彌十郎丈の大活躍がうれしい昼の部でした。
何はさておき歌舞伎は見続けます。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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