「岩佐又兵衛」文芸春秋カラー新書
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氏の公式ページ・「イタリアに住む!」に,夏の旅で高原でリゾートしたいところだが,次の作品が思いの他長編となりそうで,ローマで暑い夏を過ごしているかもしれないとあった。
ローマ人の物語が完結したばかりなのに,もう次の大作をご執筆!ウレシ~
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お家に届く定期購読形月刊誌「和樂」は,紀伊國屋さんで単品購入も可能だ。京都では国立近代美術館にもある。4月号は,坂東玉三郎丈の特集なので,ご出演中の南座の2階売店にも置いてある。昨日購入し,先程,手を洗い居住まいを正し読み始めた。美の総合クリエーターのご精進を垣間見ることができるのでマストバイ。
〈春の総力特集〉ゆかりの十一人が至高の美の秘密を明かす
奇跡の女形,坂東玉三郎 すべては舞台の美のために
第一章 『信濃路紅葉鬼揃』のメーキングにみる
美意識を結集させた比類なき舞踊
第二章 『ふるあめりかに袖はぬらさじ』の役づくりにみる
何度も観たくなる、妥協しない芝居
第三章 三月の南座公演、そして六月の北京公演で昆劇に挑戦する坂東玉三郎
昆劇のルーツを辿り、北京・蘇州を行く。
連載の片岡仁左衛門丈は,超素敵な八汐のお姿,河鍋堯斎の記事,花見の宿他,春を楽しめそうな記事が満載だ。
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久々に重厚長大な小説を読んだ。
聖餐城 皆川博子 光文社
16世紀,神聖ローマ帝国時代の中欧,プロテスタントとカトリックの宗教戦争・ドイツ三十年戦争が舞台。諸侯,皇帝,王,商人の利害と権謀欲が複雑に絡み,戦は金で雇われた傭兵が行う。戦争は長期化し,それに伴う殺戮,略奪と蹂躙で国土は焼土となる。
血みどろの汚泥のなかで,輜重の女商人にこき使われる純朴な少年アディと,ユダヤ人の富豪の息子で複雑な生い立ちと屈折した心を持つイシュアが出会う。
アディは,傭兵隊ローゼンミュラー隊へ入隊し,高潔な武人フロリアンの馬丁となり,自らも武人として成長していく。刑吏の娘と一途な恋もする。
イシュアは,カバラの秘儀を修め,ハプスブルク家に戦費を貸し付け、武器・食糧を提供し、莫大な資産を築き上げて行く。しかし,自分はホムンクルスではないかという疑念に苦しみつつ,「聖餐城」と「青銅の首」の謎を,探求し続ける。
二人の若者は,果てしない戦の巷にあって自らの生きる意味を模索し,運命を切り開く。ドイツ三十年戦争を、傭兵とユダヤ人の目線から描ききった、圧巻の大作!
複雑な歴史的背景や当時の社会経済,表と裏の文化,宗教,分厚く描ききった歴史エンタテイメント。人物も多彩で魅力的だ。息もつかせない流転変転の前半から,落ち着きの中盤,一気に展開する後半と700ページという長さを全く感じさせない筆致に敬服。
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演劇界十二月号の表紙は尾上菊之助丈の雲の絶間姫!
この勢い!何と言う清新さ!
覇気と意気が漲り,生命の息吹が匂い立つばかり。美しさにふくらみがあって,咲きこぼれようとする菊花や牡丹花(花弁が多くギューと巻いた蕾)のような。オーラが滝に架かる虹のように煌めいて…。
宮廷一の美貌はご覧のとおりだが,菊様の美は,知力,胆力も宮廷一であるに違いないと確信させる。使命感,達成感,躍動感,上昇感。
浸潤や反省が皆無のところが最高!
雲に乗り,虹を渡り,天空に駆け上る龍神こそ君だ!
えぇ~い。広辞苑半分に破って,言語を正と負に分け,プラスの概念を全部掻き集めて捧げたい!
6日に購入したので,手に取ること4度。表紙を見つめてばかりで読み進めていない。
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ワタクシは,塩野七生氏の作品を全部拝読しているシオ二ストである。熱で動けないときに相応しい作品はこれ。
ルネッサンス期,群雄割拠のイタリア統一の野望を抱いた慢れる若者の,束の間の栄光と急転の凋落の物語だ。
権謀と毒殺により法王の座に就いたと悪名高いアレッサンドロ6世の庶子・チェーザレは,枢機卿の緋衣を脱ぎ捨て,教会軍総司令官として,僣主に支配される小国家を侵略し続ける。
弟も妹も権勢欲の犠牲にした。ボルジア家の家訓の手段を選ばない冷酷無比な策謀術と,怜悧な布石は,反対勢力に対し,完璧かに思われた。リスクマネジメントとして,父の死は元より想定内だ。しかし,想定外の事態が…。
父の死に際し,自らもマラリアに痢患し,生死の境を彷徨う。
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イタリア在住の作家・塩野七生氏がライフワークとして15年の歳月を掛けて取り組んでこられた「ローマ人の物語」が,本日刊行される第XV巻ローマ世界の終焉で完結を迎える。
塩野七生氏に心から完成をお祝いするとともに,永い月日を楽しませていただいたことに感謝する。
第一巻が刊行されたとき,向こう15年は個人的に大好きなルネッサンスものがないかと少し残念だった記憶があるが,結局,ローマ人の物語に夢中になった。
今更申し上げるのも恥じ入るが,ワタクシは,塩野七生著作の刊行物は全部購入して読んでいる固定ファンである。塩野七生氏の著作にずいぶん背中を押された。影響を受けやすいタイプなので,無謀にもルビコン川を渡って怪我をしたこともあった。氏の作品を読み返すと,どの文に影響を受けてどのように行動したか思い出してしまい,一人赤面する変な人になってしまう。
さて,年末年始はこれで楽しみ,来るの年の行動指針としよう。
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木津川計氏の著作を紹介したのに,雑誌を紹介しないのは片手落ちということで,今日は季刊の雑誌「上方芸能」である。以下公式紹介文の引用。国立文楽劇場で購入可能なのでお手にとってご覧あれ。
雑誌『上方芸能』は,1968年4月26日に「上方落語をきく会」の会報として創刊されました。当初は落語中心の内容でしたが,徐々に上方(京阪神)の芸能全般を取り上げる雑誌へと進化していきました。
現在では能・狂言,歌舞伎,文楽,日本舞踊,上方舞,邦楽,現代演劇,歌劇,落語,漫才など,幅広いジャンルを毎号取り扱っています。
どれかひとつでも芸能に興味をお持ちの方,関心はあってもまだ情報収集ができないでいる方にも幅広く読んでいただけます。
一読すれば古典から現代まで,上方発の芸能に触れることができ,どんどんその世界にのめり込んでいくこと間違いなしの雑誌です。
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文楽界の名手と大阪市立大学による初のコラボレーション。人間国宝・竹本住大夫をはじめ,竹本津駒大夫,鶴沢清介,桐竹勘十郎が芸の奥義を語る。切り口が多角的で楽しめる構成となっている。曾根崎は,演劇史的レボリューション且つ恋愛史上のクーデターだったようだ。
文楽 |
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週刊人間国宝・歌舞伎4は二世中村鴈次郎丈,当代坂田藤十郎丈,十三世片岡仁左衛門丈のお三方。上方歌舞伎全般についても詳しく記述されていて,南座歌舞伎鑑賞教室も1ページを割いて記載されている☆☆。
平成17年,南座顔見世の「夕霧名残の正月」の人間国宝共演(with 雀右衛門丈)のお写真が綺麗だ。
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和樂4月号
『卯月,片岡仁左衛門の歌舞伎に浸る』というタイトルの特集である。篠山紀信氏の写真が迫力。芸歴,ロング・インタビュー,当り芸等40ページの読み応えある記事が,いつもながら美しい編集で掲載されている。
一月号より連載されている『板東玉三郎が語り継ぐ美の遺伝子』。今月は政岡,定高,戸無瀬等母ものが中心となっており,充実している。マストバイである。
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税込価格 : \1,000 (本体 : \952)
出版 : 宝島社
サイズ : B5判 / 144p
ISBN : 4-7966-3785-0
発行年月 : 2004.1
利用対象 : 一般
内容説明
日本コメディ史に残る作家・三谷幸喜の仕事をジャンル別に解説&評論。「古畑任三郎」から「新選組!」まで、ほぼ全作品を取り上げる。松本幸四郎、役所広司ら俳優10人が三谷作品を語る。
三谷三昧の週末に締めの一冊。
「新選組!」までの全仕事が収録されている。初期からの贔屓もにわかファンも楽しく読める。主人公が事件に立ち向かうことにより,気付かなかった自分の力を知ったり,本物以上の力を発揮する偽物の出現など,全ての視聴者へのエールとなっているところがツボのようだ。ただし,在庫切れのため,古書店やネットで探さなくてはならない。
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赤川次郎氏が文楽を取り上げた演劇エッセイ。文楽が聞く三面記事として人気を博した実録ものであっただけでなく,文学作品として人間の真実を観客に問いかける素晴らしいドラマであることを,現代人にお馴染みの一般的なエンタテイメントを引き合いに,そのおもしろさをクロスオーバーに語る。
舞台芸術に共通する見せ方や感動の取り方が,氏らしく闊達に自在に語られ非常に得したという読後感がある。
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格調高く,洞察力鋭く,お芝居に関わった全ての人々への限りない愛に溢れる上村以和於氏の最新刊。演劇界に連載されたエッセイを編集加筆したもので,仮名手本忠臣蔵鑑賞の優れた手引きとなるだけでなく,あらゆるジャンルの忠臣蔵もの楽しみを倍増すると共に,日本人の精神の根底に潜む仇討礼賛を解き明かす文化論ともなっている。
元禄年間に地方大名が引き起こした殺人未遂事件と,これに続く家臣団の殺人の完遂という二つの蛮行が,なぜ時代を変え,後の世の日本人の精神世界を支配する快挙となり得たのか。決定版となった仮名手本忠臣蔵の各段を読み解き,丁寧にドラマツルギーを解説して頂いているので読み進むに心地よい。
なかでも全編のヒロインおかるとその家族,悲運の恋人勘平のくだりは,エッセイの粋を超えて作品世界に誘ってくれる。
今月の歌舞伎興行は,仮名手本忠臣蔵,五段目及び六段目が東西新旧競演となっていて,作品の持つ力の凄さを見せつけられたばかり。観劇の芳醇なアぺリティブにも,ビターな食後のエスプレッソとしても最適の書である。
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明日から劇団四季で「鹿鳴館」が上演される。今夜読むには,三島由紀夫戯曲集又はこの本であろうか。著者は三島由紀夫氏が同時代の文壇の寵児であった時代をリアルタイムで体験している。何だか良くわからないけれどみんな読んだと素直に述懐し,純文学の作家がスターになり得た時代であったと説く。
「鹿鳴館」は昭和31年に新劇の女優杉村春子氏のために書き下ろされ,同年11月に初演されている。三島氏はミューズを追い求め先代水谷八重子氏を経て,六世中村歌右衛門丈という存在に帰結した。野村玲子氏,当代水谷八重子氏,四世板東玉三郎丈…。往事に思いを馳せる後継者と同時代に生きることを今夜は素直に喜びたい。
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河竹黙阿弥と幕末のお江戸を,「三人吉三」を題材に考察した前著作「悪への招待状」の続編。近松門左衛門の「曽根崎心中」を,消費経済に沸騰する元禄の大坂の社会と文化背景を詳細に取材し,曾根崎以後の日本人特有の心中文化にまで言及する問題作。
なぜ,「曽根崎心中」は恋の手本となるだけでなく,後の世の心中そのもののあり方まで変える力を持ち得たのか。現在演じられている脚本と,大近松の原典と比較しながら解き明かす。読後には快哉が…。
一月の歌舞伎座や二月の国立小劇場文楽公演に行く前に,或いは観劇してから読んでもスッキリする。
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歌舞伎座三階にはかつての名優さんたちのなつかしいお写真が飾られているが,大阪松竹座の三階にも上方歌舞伎の名優さんたちのお写真が見られる。なかに,蜷川幸雄さんのファンにも忘れられない嵐徳三郎丈の新メのものがあり,ウルッとなってしまう。
17日は,平幹二郎丈主演の「ドレッサー」を拝見する。お二方は同い年であられる。同じ蜷川幸雄さん演出の王女メディアで,片やギリシャを席巻し,片や英国演劇界を刮目せしめた。70代になられて益々意気盛んな平幹丈に比して,溢れる才気と弛まぬ努力で,学士出身の一般人から大名跡を継がれ,これからというときに突然ご逝去された徳三郎丈のご無念はいかばかりであったことであろうか。
運の良い私は,坂東玉三郎丈,平幹二郎丈,嵐徳三郎丈及び大竹しのぶ丈の4メディアを拝見できた幸運な世代。永らえば,次世代も見られるかも…。幸福なジェネレーションである。おまけに,ドラクロアの王女メディアのホンモノも,つい最近拝見できた。
さて,「七代目嵐徳三郎伝」を運良く図書館で確保できたので,一気に読んだ。今更ながら,丈の苛烈な生涯に思いを馳せ,上方歌舞伎のこれからにどれほど大きな役割を果たせたことかと思わずにはいられない。
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図書館から2回借りて読んだ。
前回は,東京の日生劇場で夢の仲蔵が初演されたときで,次月大阪松竹座で夢の仲蔵・千本桜がかかるので,再読した。
お芝居の原作とは異なるようだ。仲蔵丈といえば,仮名手本忠臣蔵「山崎街道」の斧定九郎役を,従前のどてら猟師から今の浪人姿に変えた,伝令使役で台詞を忘れ,主役の團十郎に耳元で「親方台詞を忘れました。」と伝えたとか,勇敢なエピソードで知られている。
(はい,イヤホンガイドは大好きでよくきいています。テレビ中継も副音声を楽しみにするタイプです。)
松井氏は,ドキュメンタリーできっちりと事実を積み上げ物語を構築する作風のお方。大好きな作家のお一方で,数冊読ませて頂いている。
松井氏の仲蔵は,小さな成功と大きな挫折に満ちた魂の彷徨を,只のサクセスストーリーに留めず,狂乱と咆哮のドラマに仕上げ,重い。
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