炎立つ 兵庫県立芸術文化センター13日ソワレ ギリシャ悲劇の様式による奥州の命と魂の再生の物語 果敢に挑まれた主演のお二人に心から拍手しました
原作・原案: 高橋克彦
演出: 栗山民也
脚本: 木内宏昌
音楽: 金子飛鳥
キャスト
キヨヒラ(雌伏中のエミシの武将):片岡愛之助
イエヒラ(キヨヒラの異父弟):三宅健
ヨシイエ(占領軍ヤマトの武将):益岡徹
カサラ(アラハバキの巫女):新妻聖子
キリ(キヨヒラの妻):宮菜穂子
イシマル(キヨヒラの従者):花王おさむ
ツネキヨ(キヨヒラの父)の霊:松井工
ユウ(キヨヒラ、イエヒラの母):三田和代
アラハバキ(エミシの最高神):平幹二朗
他
イリアスの続編。敗戦国の人々が苦難の末に、永遠の平和を願って楽土を建国する物語。お衣装と装置、音楽、様式が継続されていますので、つかみはいい感じで劇の世界に誘ってくださいます。
イリアスのカッサンドラ役の新妻聖子さんが、同じカサラという役名で巫女として4人の乙女を従えて物語全体を語ります。アンドロマックに相当するユウは三田和代さん。生き延びるため敵将の妻となり、イエヒラという子を成します。全能の神で戦の行方を翻弄するゼウスにあたるお役・エミシの地霊アラハバキに平幹二朗さん。前回は老王プリアモスであられました。とうとう、神になられました。(蒼の乱では、アラハバキを信奉する蝦夷の族長でした。)
勝者の崩壊も、相似形になっていました。プロットと趣向は洒落ています。
ギリシャとトロイ、ヤマトとエミシ、東京と東北という支配と搾取の関係に心が痛みます。
弟イエヒラは、むき出しの欲望と愚かしい保身により運命に復讐され自滅、兄キヨヒラは、周囲の人々の犠牲のうえに忍従の日々を生き抜き、国土を再生へ導くというところで落とし前をつけられます。この辺りが兄弟喧嘩のレベルに下がってしまったのが惜しかったです。
それぞれの役者さんは期待どおりあるいは期待以上の成果を挙げておられましたが、平和への渇望や運命に立ち向かう人間の高貴さは伝わったのかしらん。
新妻聖子さんは、またまた平幹二朗さんの娘分のお役。めちゃ気になります。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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