松尾塾子供歌舞伎公演2014 in 国立文楽劇場A組 ああ、一巴大夫さん、この時間は一巴大夫さんが生きておられたかった時間…
今年は大阪2公演、東京2公演です。
新版色読売
油屋蔵前人形振の場
昨年は野崎村でしたが、今年はそれからの二人。蔵に閉じ込められた久松を救おうとするお染に横恋慕する善六が絡むという「お染久松もの」の舞踊劇。少年少女のスリリングな恋模様というのが、文楽劇場、松尾塾子供歌舞伎にぴったりの可愛らしい演目です。お染11歳、久松10歳、善六9歳。物語の年齢設定に近いです。主要三役の3人は人形振りで演じます。
主演のお染は坂本龍太さん。身体能力を要求されるお役を綺麗に演じておられました。クールビューティであられます。後見は重要な足遣い一役以外の3人は卒塾生のおにいさん。切れ味よかったです。
傾城反魂香
松尾塾子供歌舞伎初挑戦となる名作。主演の吃音の絵師又兵衛と饒舌な女房おとくとが難役でしたが、今年は主演を務める鈴木哲平さんと小野澤優花さんの任にあっておられるので挑戦なさったのではないかと察せられます。舞台に二人きりで、夫婦の情愛を見せる場面が涙を誘い、晴れて土佐の名字をもらって喜びを表現するところが、一転して華やかとなるなど、メリハリ、緩急の息もぴったり。
ワタクシ的には、三津五郎丈と時蔵丈のコンビが一番好きで、紋付袴の晴れ姿におとくの鼓で舞うシーンでいつもドボ泣きになりますが、この日も気持ち良く涙させていただきました。
舞踊 墨塗
松羽目ものの狂言仕立の舞踊劇。浮気者の大名、たてまえの悋気で嘘泣きする奥方、二人にいたずらをする太郎冠者の三人がてんやわんやの大騒ぎの後にやるまいぞとなります。
太郎冠者役の石原大雅さんは芝居心のある愉快なお子さんです。B組でおとくをなさるんですね。
松尾塾では、人間国宝の常磐津一巴大夫を中心とする常盤津連中が重しを添えていただきます。なんと、一巴大夫さんが16日の朝、急逝なさったとは、…。信じられません。御冥福を心からお祈り申し上げますが、もっともっと聴きたかったです。今日生きている私たちは、一巴大夫さんが生きたかった時間を生きています。おろそかにできません。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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