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2014年7月15日 (火)

白石加代子「百物語」シリーズ第三十二夜第九十八話「橋づくし」 第九十九話「天守物語」 

出   演:白石加代子
構成・演出:鴨下信一

百物語のファイナル。祇園まつりたけなわの京都に来ていただきました。もとより第九十九話「天守物語」と決めておられたとか。第九十八話「橋づくし」は、昭和31年の東京のまちの風情が息づいている佳作の短編ということで選ばれたそうです。
例によりまして装置も意匠も演出も凝っておられました。
少しお声はかすれ気味でしたが、余裕の華やかな語りで客席を魅了しておられました。
一人で多くの人物を語りわける話芸は、文楽の大夫さんと同じですね。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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公式ページから引用させていただきました。

白石加代子「百物語」シリーズとは…

白石さんが1992年から22年間演じ続けて来られた朗読劇。明治から現代の日本の作家の小説を中心に、「恐怖」というキーワードで選び、それを白石さんが朗読するという形で出発した。
上田秋成「雨月物語」、泉鏡花「高野聖」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、江戸川乱歩「押絵と旅する男」、という幻想文学の傑作作品から、半村良「箪笥」、筒井康隆「五郎八航空」、阿刀田高「干魚と漏電」、高橋克彦「遠い記憶」、宮部みゆき「小袖の手」、小池真理子「ミミ」といった現代作家の人気作品までの幅広いレパートリーと白石加代子の朗読という枠を超えた立体的な語りと動きの上演で人気を博している。
この作品をファイナルに夏から秋に全国を回られる。

第九十八話 三島由紀夫「橋づくし」
 陰暦八月十五日(旧暦)の夜、新橋の料亭・米井の娘、満佐子は、芸妓の小弓、かな子と一緒に願掛けに出かける。満佐子の願いは「俳優のRと一緒になりたい」、かな子は「好い旦那が欲しい」、四十二歳の芸妓の小弓は「お金が欲しい」のである。
 三人の願いは簡明で、正直に顔に出ていて、実に人間らしい願望だから、月下の道を歩く三人を見れば、月はいやでもそれを見抜いて、叶えてやろうという気になるにちがいない。
 三人と、満佐子の家の新米女中のみながお供に加わる。
 願掛けのルールは、①七つの橋を渡るときに々道を二度通ってはいけない ②今夜の願い事はお互いに言ってはならない ③一度知り合いから話しかけられたら願はすでに破られている ④橋を渡る前と渡ったあと、それぞれ四回お祈りをすることである。
 願掛けの結果は、四人のうちみなという女中だけがルール通りに七つの橋を渡りきる。このみなの願い事だけ他の三人にも、ましてや読者にも伝えられることはありません。
 三島由紀夫の「橋づくし」は、築地界隈を舞台に、陰暦八月十五日の満月の夜に七つの橋を渡って願掛けをする女たちの悲喜こもごもを巧妙に描いた作品。優れた技巧と構成で、多くの文芸評論家や作家から、短編の傑作として高い評価を受けています。
 美しい日本語の旋律で紡ぎだされる三島由紀夫の独特の世界。
 「百物語」には満を持しての初登場となります。花柳界の三人の女とみなという普通の女という対照的な女性達を白石はどう演じ分けるか、興味は募ります。

第九十九話  泉鏡花「天守物語」
 「言葉の中にこそ、至純の心があり、至純の愛がある」、それこそが演劇ではないだろうか。そういう意味ではこの「天守物語」は演劇の中の演劇である。
時、不詳。ただし封建時代――晩秋。日没より深更にいたる。
所、播州姫路。白鷺城の天守、第五重。
登場人物、天守夫人、富姫。・・・・
侍女五人。桔梗、女郎花、萩、葛、撫子。各々名にそぐへる姿、鼓の緒の欄干に、あるいは立ち、あるいは坐て、手に手に五色の絹糸を巻きたる糸枠に、金色銀色の細き棹を通し、糸を松杉の高き梢を潜らして、釣の姿す。
 このように第九十九話目は、優雅にゆるやかに幕を開け、逃げた鷹を追い求めて、天守にやってきた図書之助と名乗る若き武者の登場と共に急展開を始めます。禁断の場所に踏み込んだ若者の命をとるべき姫が、その若者に恋をした。禁断の愛は、命をかけた至純の恋へと昇華していく。
 「百物語」の演出家鴨下信一は、九十話を終わるころから、最後の話を何にするか考え始めたとき、次第にこの「天守物語」に焦点を定めはじめました。
 「見えるものを取り除いたとき、それまで見えなかったものが見えてくる。心の目で見る世界にこそ、真実がある」とシェイクスピアはハムレットに語らせています。
「百物語」はまさに、心の世界で繰り広げられるスペクタクルです。
 白石加代子によって語られる言葉と共に、物語の現場へと観客は連れ去られる。それは心の風景の現場です。その心の風景の中では、さまざまな不思議で怪奇な出来事が繰り広げられているのです。
 そして今回の「天守物語」は、物語の風格、深さ、美しさ、激しさ、すべての面において、「百物語」の最後を飾るにふさわしいと作品といえるでしょう。

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