コルンゴルト死の都びわ湖ホール沼尻竜典プロデュースオペラ、山本・飯田組
本邦初演だそうです。同じ演目が3月中旬に、新国立劇場で上演されることからも、近年、再評価が高まっている作曲家です。沼尻竜典さんプロデュース・指揮、栗山昌良さん演出、日本の最高キャストの舞台は、世界最高峰の来日公演の半額です。
オーケストラ…京都市交響楽団
合唱団…びわ湖ホール声楽アンサンブル、大津児童合唱団
舞台…20世紀初頭のブリュージュ
パウル(T)山本康寛…愛妻マリーを亡くしたひきこもり男
マリエッタ/マリー(S)飯田みち代…リールから来たマリーと瓜二つの踊り子
フランク(B)黒田 博…パウルの友人
ブリギッタ(MS)池田香織…パウルの家政婦
基本は、愛妻を亡くし、遺品とともに引きこもっている男の魂の再生の物語。思い出のなかで美化される死者の幻影と芳しい肉体を持つ生者との間で揺れ動きます。オルフェウス伝説、イザナギイザナミ神話、源氏物語と、洋の東西を問わず特定の容姿を持つ女性に固執する男は芸術のテーマになるのでしょうか。
曲はマーラーとリヒヤルト・シュトラウスを足して二で割ったような、流麗で観念的な旋律と重層的な不況和音で構成される官能的なものです。ひきこもりのところは長く感じますが、物語がヴィヴィッドに動き出してからは、曲調も煽情的でいい感じです。
圧巻は3幕のパウルとマリエッタの対決、街を出る決意をするパウルの独唱です。
主演は、びわ湖ホール4大テノールのおひとり、京都市立芸術大学出身の山本康寛さん、助演は京都市立芸術大学出身の黒田博さんオケは京都市交響楽団と、地元中心のメンバーというのがうれしいです。
動画でトルステン・ケールさんの声を聴いたらあきまへんえ。ケールさん100回、山本さん初役です。充分美声でした。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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コルンゴルト
ユダヤ系の方なのでナチスから迫害を受けアメリカに亡命されました。
1897年、オーストリア=ハンガリー帝国領のブリュン(現チェコのブルノ)に生まれ、後にウィーンに移り住む。幼少期より神童ぶりを発揮し人気作曲家として活躍、1920年に初演された「死の都」でヨーロッパにおけるコルンゴルトの名声は決定的となる。1930年代よりハリウッドで映画音楽に携わり、アカデミー賞を2度受賞。1938年ナチスの迫害を逃れアメリカに亡命。第二次世界大戦後ウィーンに戻るが、クラシック音楽の分野で再び成功することはなくアメリカに帰国。1957年、失意のままハリウッドで60年の生涯を閉じる。1970年代よりコルンゴルトの再評価が進んでいる。
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