マクベス 萬歳さんのシェイクスピアはとんとん拍子に運命が運びます
画像は朝日新聞社さんにお借りしました。
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
構成・演出:野村萬斎
出演
マクベス/野村萬斎、マクベス夫人/秋山菜津子
魔女他/小林桂太 、高田恵篤、福士惠二
シェイクスピア作品を狂言の発想を用いた大胆な手法で演出してきた野村萬斎さんのマクベスの新演出による再演です。出演者は5人、上演時間1時間30分休憩無しのシンプルで緊迫感あふれる舞台です。
野村萬斎さんと秋山奈津子さんのマクベスとあればはずせません。
一畳台風の二畳台に様々な布を使った演出がお洒落。もともと、シェイクスピア劇も装置なしで台詞だけで進めるものですし、シェイクスピアと狂言は同時代。韻を踏んだ詩劇ですから、むしろ、日本語訳になると長くなる新劇よりもシェイクスピアらしいのかもしれません。
芝居好きで長いお芝居にも耐えられるエリザベス一世から、短めがお好きなジェイムス一世に代変わりしたときに上演されたとか。ジェイムズ一世は、メアリースチュワートの子でスコットランド王。スチュワート朝の始祖はバンクォーですから、しっかりウケ狙いです。リチャード三世とヘンリー六世が、チューダー朝の始祖のリッチモンドをアゲているのと対をなしているのがいいですね。もっと短くて、詩をたたみかける萬歳演出を御覧いただいたらさぞ喜ばれたことでしょう。
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マクベスが即位してから敗死するまで実は17年。
いちじょうだい【一畳台】能の道具。舞台装置として用いる,畳1畳敷きほどの木造の台で,高さは約24cm(8寸)。役者がこの上で舞ったり足拍子を踏んだりするので,それに耐えられるように作ってある。台掛(だいかけ)という布でおおい,舞台に出す。用途はきわめて広く,単独では玉座(《咸陽宮》),(《土蜘蛛》),橋(《張良》)などを意味する。また,四すみには丸い穴があって,屋台(体)の柱や立木を立てることができ,山(《紅葉狩》),塚(《隅田川》),宮殿(《鶴亀》),祭壇(《小鍛冶》)などを表す。
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