二代目市川猿翁四代目市川猿之助九代目市川中車襲名披露壽初春大歌舞伎大阪松竹座初日
例年初日は2日ですが、今年は元日からの26日間の興行です。襲名披露幕は福山雄治さんのデザインで評判になったもの。歴代の隈どりの複合だそうです。
昼の部
一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
曽我五郎/猿弥
小林妹舞鶴笑也
二、歌舞伎十八番の内毛抜
粂寺弾正/右近
八剣玄蕃/猿弥
腰元巻絹/笑三郎
秦民部/薪車
八剣数馬/弘太郎
秦秀太郎/春猿
小野春道/竹三郎
小野春風/門之助
三、義経千本桜 吉野山(よしのやま)
佐藤忠信実は源九郎狐/亀治郎改め猿之助
逸見藤太/翫雀
静御前/藤十郎
四、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
真柴久吉/猿之助改め猿翁
石川五右衛門/中車
昼の部、正札附根元草摺と毛抜はまったりとはじまりました。
呼び物の吉野山ですが、藤十郎丈の静午前と新猿之助丈の忠信の組み合わせはちゃんと主従に見えます。色っぽく艶やかな元白拍子さんが若く親孝行の忠臣をなぶる雰囲気がよろしい。戦記の語りのくだりもはんなりときびきびとの対比が絶妙。歌詞に忠実に舞っておられるという分かりやすさがあります。引っ込みも亀治郎時代からいろいろなパターンがありましたが、狐さんの正体をあらわし、るんるんふんふんとはけていきはります。きゅーんとかわいいんですよねえ。
中車丈の石川五右衛門は典型的な歌舞伎なので少し発声がきになりましたが、なかなか若々しくパワフルに演じておられました。猿翁丈も台詞が決まっておられました。
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夜の部
一、操り三番叟(あやつりさんばそう)
翁/藤十郎
後見/薪車
千歳/吉太朗
三番叟/翫雀
二、小栗栖の長兵衛(おぐるすのちょうべえ)
長兵衛/中車
七之助/門之助
僧法善/猿弥
巫女小鈴/春猿
猟人伝蔵/弘太郎
父長九郎/寿猿
妹おいね/笑三郎
馬士弥太八/右近
堀尾茂助/翫雀
三、二代目市川猿翁四代目市川猿之助九代目市川中車襲名披露口上(こうじょう)
猿之助改め猿翁、亀治郎改め猿之助、中車、幹部俳優出演
右近、猿弥、春猿、寿猿、笑三郎、笑也、中車、猿翁、猿之助、藤十郎、翫雀、扇雀、竹三郎、門之助、秀太郎
四、三代猿之助四十八撰の内 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館の場 市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候
佐藤忠信/忠信実は源九郎狐/亀治郎改め猿之助
源義経/扇雀
駿河次郎/門之助
亀井六郎/右近
川連法眼/寿猿(休演の段四郎丈の代役)
飛鳥/竹三郎
静御前/秀太郎
夜の部は、一つ一つ見どころがありました。まず、千歳の吉太朗さん。恐れ多くも人間国宝の藤十郎丈に先立ち夜の部の先陣を切って舞い始める御役です。晴れがましく御務めを果たしておられました。三番叟も本当の人形らしく愉快でした。
新歌舞伎の小栗栖の長兵衛は、キャスティングが絶妙。絵面的に美しくなくカッコ良い役がひとつもないですが、皆さんいそうなキャラクターばかりで、よろしいです。中車丈の愛嬌がアップすると鬼に金棒です。
四の切りは決定版です。新猿之助丈の源九郎狐は、情愛と感情を表に出すアプローチ。高い身体能力による身体表現とかわゆい台詞回しに表情。大阪松竹座は沸きに沸いてました。扇雀丈の二枚目義経、秀太郎丈の涙もろくお優しい静御前と、ドラマも盛り上がりました。
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