地点「コリオレイナス」 in 京都府民ホールアルティ 民衆ではなく元老院させていただきました。
原作:W.シェイクスピア
演出:三浦基
音楽監督:桜井圭介
演奏:桜井圭介、向島ゆり子
出演
コリオレイナス:石田大
コロス:安部聡子、窪田史恵、河野早紀、小林洋平
特別なお芝居です。
ロンドン五輪を記念して開催されたワールド・シェイクスピア・フェスティバルからの依頼で制作された本作は、シェイクスピアの本拠地・グローブ座で初演されました。通常よりも高い舞台、ステージをぐるりと囲んだドーナツ型のギャラリー客席、平土間を埋め尽す立ち見の観客。シェイクスピア作品の殆どは、こうした特殊な構造をもつグローブ座で上演することを前提として書かれています。
今回の上演では、アルティの全面可動床を最大限に活用し、グローブ座の客席構造を再現します。客席を含めた劇場空間そのものがシェイクスピア劇のための「装置」。演者と客席の距離感が近く、観客が俳優のみならず他の観客をも劇の登場人物として受け入れることができる仕掛けです。いつもとはひと味違った観劇体験を堪能できます。府民ホールアルティが日本初演です。
27日(日)PM3:00、ロイヤル席最前列を確保しました。元老院席です。呼びかけて頂けるのでいい気分です。ヤード席はローマの民衆です。昔、東京グローブ座でロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのジュリアス・シーザーを拝見したときも、平土間はローマの群衆で客席参加型でした。検察側の証人も舞台上に陪審員席ありますね。英国はこういうのが御好きなようです。
地点さんの劇団員さんは5人ですから、主演コリオレイナスの石田さんを除き、4人はコロスでオフィーデアス、母、妻、護民官その他の御役をなさいます。このため、台詞はシャッフルしかなりはしょってあります。1時間ずつの2幕構成です。
デニムの無国籍なお衣装に、虚無僧のかぶりものや仮面でお役を表します。金屏風だけのシンプルな装置です。あ、小道具はバケットで、剣やこん棒や食糧に化けます。
台詞廻しは、普通に話す部分と、節がついている部分があり、新しい節の義太夫のような感じです。どこかの方言なのか謎です。そういえば、義経千本桜の狐言葉に似ているかもしれません。
たぶん、初めて義太夫を聞いた方はこんなふうな感想なんだろうという感想です。あまり英雄を矮小化し、劇中の愚民レベルに落としめて、今日的と悦に入る演出は好きではないので、感情移入しにくかったですが、役者さんの技術は素晴らしく、美しい舞台でした。
シェイクスピア劇はポピュリズム批判の精神に満ちています。野田秀樹さんの舞台もそうですね。とにかく、最前線、再尖鋭の演劇を見た満足度いっぱいでした。
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