勿体ないが人間国宝さま方は、惜しまれてとはいえお年のうえ、勘三郎丈は還暦になるやならずで死ぬるのは、さぞ悲しく御無念、御令息の晴れ姿に逢いたかったことであられましょう。
ワタクシが拝見した「中村勘九郎丈が中村勘三郎の息子に生まれたことを誇りに思います」と仰った南座初日での口上を思い出しました。御本人の御無念、御家族の皆様のお嘆きはいかばかりかと存じますが、それでも今日も幕は開きます。命は一代でも芸は末代と思わずにはいられません。
命ある者は、生かされていることを思い、与えられた時間に感謝し、懸命に励まんとあかんと思いました。
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コメント
>はるきさま
猿翁丈、團十郎丈、仁左衛門丈も大病をなさいましたが、それぞれ復帰なさったというのに…。という思いがつのります。
いろいろな面でそれそれファンをお持ちでしょうが、ワタクシは、髪結新三、め組の喧嘩、魚屋宗五郎など江戸の風を感じる御役が好きでした。
最近、勘九郎丈が御父君にお声や間が激似というのがうれしいです。
投稿: とみ(風知草) | 2012年12月 7日 (金) 00時47分
>はぎおさま
あなたが無為に過ごした一日は、昨夜亡くなった人が生きたかったと渇望した一日でもありますと聞いたことがあります。
初日に、御父君のことを過去形で語られるので、あれっと感じたら、仁左さまが号泣しておられたので、ただならぬ気配を感じましたが、まさか…。
十八世勘三郎丈が先代と御別れなさったのも30歳になるやならず。当代勘九郎丈の御活躍は間違いないことでしょう。
投稿: とみ(風知草) | 2012年12月 7日 (金) 00時37分
こんばんは。
>命ある者は、生かされていることを思い、与えられた時間に感謝し、懸命に励まんとあかん
全くその通りだと思います。
勘三郎さんの訃報に接し、普段は忘れていることですが、改めてそう気づかされました。
投稿: はぎお | 2012年12月 6日 (木) 23時32分
とみさん、大変御無沙汰してすみません。
web上の住所も替えましたのではりつけておきますね。
「勿体ないが…」のくだりに思わずうなずいてしまいました。既に大輪の花であったけれど、もっともっと咲き誇る筈の方だったのに…
澤瀉屋贔屓の私ですが、これは中村屋さんでなければならないと固く信じている御役はいくつもありました。人間味あふれる人物造形、奔放な舞踊の数々も大切な思い出です。
投稿: はるき | 2012年12月 6日 (木) 22時51分