劇団俳優座公演「樫の木坂四姉妹」今も新劇は好きだぁ
戯曲:堀江安夫
演出:袋 正
キャスト
2000年
大塚道子/長女しを
岩崎加根子/次女ひかる
川口敦子/四女ゆめ
武正忠明/写真家州崎
1945年
河原崎次郎/父駒吉
平田朝音/母せい
脇田康弘・長男幸雄
大庭藍/長女しを
小澤英恵/次女ひかる
KiNoMi/三女まり
桂ゆめ/四女ゆめ
あらすじ
長崎市。海の見える坂の上の樫の木の下の小さな一軒家には,しを,ひかる,ゆめの老三姉妹が暮らしていた。被爆者の三姉妹の日常をを売れない報道写真家・州崎は撮り続け,三姉妹は,今では来訪を心待ちにしている。3人の真実が,州崎との対話を通じて次第に明らかになってくる。
長女しをは被爆体験の語り部のボランティア,次女ひかるは英会話講師,四女ゆめは教職を退官後,家事をきりもりしているが,小さな諍いは絶えない。特攻に散った兄,爆死した三女,力尽き相次いで身罷った父母。被爆者として結婚が叶わなかった3人。55年の歳月は,一日として戦争とは無縁の日はなかった。
よくよく考えてみれば、現在の人気の演劇はメッセージ性が強いんだよね。普遍性と同時代性のせめぎ合いは続きます。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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若いころからツッパリで軍国少女から米国男性と結婚という両極を生きたひかるは、相変わらず切れ味のよい岩崎さん。原爆投下時に姉を見捨てたという罪悪感に苦しみ続けるゆめに知的な川口さん。養子にしようとしていた若い男女の無念の死から被爆の語り部となったしをは上品な大塚さん。俳優座の3女優さんが健在なのが嬉しいです。2000年からでも12年の歳月ですから,お若いです。今こそ演じ継ぐ意義のあるお芝居です。
この作品は2000年ですが,半世紀前は,イプセン,チェーホフ,ベケット,ブレヒト等,井上ひさし,清水邦夫に加え,反戦劇やプロレタリア劇が新劇のレパートリーでした。みなさま,平幹さまと同時代人であられます。桜の園,令嬢ジュリー,どん底,ソルネスと人形の家くらいしか記憶にありませんが,なつかしー。
ええ若いもんが,あそこが痛いや頭がぼんやりするなんて言ってられません。
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