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2012年9月10日 (月)

トロイラスとクレシダ(トロイ編)・恋も戦もふとしたことから陥る逃れ難い狂気

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戦争に引き裂かれる運命を嘆くトロイラスとクレシダ
(梅芸公式さんからお借りしました。)
彩の国シェイクスピア・シリーズ第26弾、オールメール・シリーズ第6弾、初めての悲劇。蜷川さんと若い俳優さんが日本での上演の少ない『トロイラスとクレシダ』に挑む!

原作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:蜷川幸雄
キャスト
山本裕典/トロイラス(トロイの王子)
月川悠貴/クレシダ(トロイの神官の娘)
細貝圭/アイアス(ギリシャ№2の豪傑)
長田成哉/パトロクロス(アキレウスの従兄弟)
佐藤祐基/パリス(トロイの王子)
塩谷瞬/ディオメデス(ギリシャの将軍)
内田滋/カサンドラ(トロイの王女)
小野武彦/パンダロス(クレシダの叔父)
たかお鷹/テルシテス(道化)・序詞役
原康義/ユリシーズ(ギリシャの智将)
廣田高志/アガメムノン(ギリシャの総帥)
横田栄司/ヘクトル(トロイの王子)
星智也/アキレウス(ギリシャ№1の英傑)

あらすじ
トロイ戦争が始まって7年。トロイの王子トロイラスは、神官の娘クレシダに思いを寄せていたが、クレシダはなかなかなびいてくれない。クレシダの叔父パンダロスの取り持ちによって、相愛であったことを確かめあい2人は結ばれる。
一方ギリシャ軍では名声に驕るアキレウスと諸将との仲が決裂し苦戦となっていた。長い戦に疲弊した両軍は捕虜交換を行うこととなり、トロイの将軍とクレシダの引き換えが決まった。捕虜の受け取りに来たディオメデスに、クレシダを渡さざるを得ないトロイラスは、悲しみに胸が引き裂かれる。
戦は続く。トロイのヘクトルからの一騎打ちの申し出に、アキレウスより力の落ちるアイアスを立てることとなった。しかし、アイアスはトロイ王家とは親戚であることから、あっさり和解し、宴を開くこととなる。ギリシャ陣営に招かれたトロイラスはクレシダの幽閉先を覗き見し、ディオメデスに恋の形見の片袖を渡してしまうところを目撃してしまう。
激怒と呆然自失のトロイラスは、再開された激戦に身を投じる。

いつもながら、小峰さんの美しいだけでなく、お役の内面までを表現するお衣装に惹かれます。これまで、トロイは青、ギリシャは赤でしたが、今回はトロイは白、ギリシャは青です。装置は基壇とひまわりの花のみ。室内になると片づけられますが、屋外になると群生状態になります。
ひまわりの花ことばはあこがれ。ギリシャ神話に寄りますと、海の神様の娘クリュティエが太陽の神アポロンに恋をしましたが、アポロンは見向きもしてくれません。悲嘆にくれたクリティエは、アポロンが黄金の馬車に乗って空かける様をじっと見続け、ひまわりの花になってしまいました。ちょっと違いますね。これではなく、映画ひまわりのイメージでしょうか。激戦後、兵士の血潮を吸って群生となるひまわりが大地を癒すさまを象徴?また、科学的には証明されていませんが、ひまわりは放射能を吸収する力があり土壌を除染する力があるとか。

主演の山本裕典さんと月川悠貴さんはじゃじゃ馬ならしのルーセンショーとビアンカのお役が記憶に新しいですが、今回は運命に引き裂かれた不幸な恋人たちです。黒い巻き毛に透き通った白い肌。くっきりとした目元に甘い口元と、貴公子オーラ全開。恋に取り付かれた青年の情熱がほとばしります。シェイクスピア独特の大仰な台詞の格調はちょっと物足りませんが、蜷川さんは若者のジェットコースターラブを表現なさるのがコンセプトですからこれで正解です。月川さんは女形さんとしてぶっちぎりの実力者。若い山本さんを翻弄するイノセントなクレシダが、他に考えられないほどはまります。全身から漂う硬質な淑やかさがたまりません。心変わりとも運命に身をゆだねただけなのか謎めいてます。意図しないで、ギリシャ一の女たらし・ディオメデスを支配するのも、女形さんならではの技術と思われます。
トロイの女たらし・パリスの佐藤さんも危険で淫靡で育ちがよさそう。ヘクトル役の横田さんはまともで立派、高潔にして英邁、武勇も無比というよいお役をかっこよく演じておられました。
戦も恋も男のお芝居でしたねえ。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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ギリシャ軍の若き勇者たちは、終演後、松岡和子さんとのトークショーで役作りについて語ってくださいましたので、続編で言及します。

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