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2012年8月12日 (日)

しみじみ日本乃木大将

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4日ソワレを拝見してきました。
戯曲:井上ひさし
演出 蜷川幸雄
出演
こと(壽號の前足)・陸軍大将乃木希典閣下 風間杜夫
ぶき(壽號の後足)・明治44年9月1日朝の乃木将軍 吉田鋼太郎
あら(璞號の前足)・副官・桂太郎 山崎一
たま(璞號の後ろ足)・村田三介 六平直正
乃の字(乃木號の前足)・玉木正宜、赤胴蛇之助、明治大帝 大石継太
木の字(乃木號の後足)千田少尉 大川ヒロユキ
くれ(紅號の前足)・乃木大将夫人静子様・皇后 根岸季衣
ない(紅號の後足) 都築香弥子
はな(英號の前足)・児玉源太郎 朝海ひかる
ぶさ(英號の後足)・山県有朋 香寿たつき
馬・給仕 荻野貴継
馬・給仕 浦野真介
あらすじ
明治天皇大葬の日の夕刻。大帝に殉死することを決意した陸軍大将乃木希典が、夫人の静子様と共に、自邸の厩舎の前で3頭の愛馬(壽號、璞號、乃木號)に最後の別れを告げている。そこへ、出入りの酒屋の小僧である本多武松少年が現れ、この家の書生になることを志願する。実はこの少年、かつて日露戦争で乃木の軍にいて戦死した兵士の忘れ形見で、その後乃木本人とも因縁浅からぬ縁ができていたのだ。
一行が立ち去った後、夫妻のただならぬ様子に異変を感じた愛馬たちが、突如として人の言葉で喋りだす。そして、あろうことか3頭それぞれが前足と後足に分裂し、併せて六つの‘人格’ならぬ‘馬格’となって騒ぎだす。そこに近所で飼われている2頭の牝馬も加わり…。

“日露戦争の英雄”と称えられた明治の軍人、乃木希典陸軍大将を描いたこの作品は、「聖将」と神格化される一方で、「愚将」との評価も付きまとった乃木希典の真の姿に迫っていくもので、第14回紀伊國屋演劇賞個人賞、第31回読売文学賞も受賞した、井上ひさしの代表作のひとつです。井上戯曲ファンの間でも傑作の誉れ高い本作の上演は、1991年以来、実に21年振りのこととなります。
今回の公演にあたっては、演出に‘世界のNINAGAWA’こと、蜷川幸雄を迎えています。意外なことに、蜷川が井上作品を演出するようになったのはここ数年のことですが、ともに時代の先端を走り、日本演劇界の顔であるふたりが組んだ作品は、過去いずれも大きな話題となっています。キャストにも名優・風間杜夫を筆頭とする実力派が顔を揃えており、すでに演劇ファンの間で、大いなる注目を集めております。井上ひさしの初期傑作に、蜷川幸雄がどのような新しい光を当てるのか、どうぞご期待ください。

 

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