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2012年7月10日 (火)

サンセット大通り・スリリングな旋律が奏でる愛と欲望の迷宮・老残の女優はファントム程恐ろし

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作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
脚本・作詞:ドン・ブラック&クリストファー・ハンプトン
原案映画:ビリー・ワイルダー監督「サンセット大通り」
 
演出:鈴木裕美
キャスト
ノーマ・デズモンド/安蘭けい
ジョー・ギリス/田代万里生
マックス/鈴木綜馬
ベティ・シェーファー/彩吹真央
セシル・B・デミル/浜畑賢吉
シェルドレイク/戸井勝海
アーティ/矢崎広

あらすじ
ハリウッドのサンセット大通りに面する豪邸のプールに、若い男の射殺死体が浮かんだ。“彼の霊”は自分の死の真相について語り始める。
売れない脚本家のジョーは、借金取りに追われ、荒れ果てた屋敷に逃げ込む。そこにはサイレント時代に一世を風靡した大女優ノーマ・デスモンドが、執事マックスと共に暮らしていた。ジョーが脚本家だと知ったノーマは、ジョーに自作自演の映画のシナリオを住み込みでリライトするよう命じる。借金取りから追われる身であることから依頼に飛びついたジョーだったが、私生活まで束縛するノーマに嫌気がさし始める。また、脚本家を目指す娘ベティの存在も気になっていた。大晦日の晩、屋敷を抜け出して仲間との新年パーティーに出席していたジョーに「ノーマが手首を切った」とマックスから電話が入り駆けもどる。そして、ノーマの愛人になったジョーだったが…。

1993年にロンドン・ウエストエンドで初演。アンドリュー・ロイド・ウェバーのドラマチックな楽曲が物語と見事にマッチして、観客の心を捉えた。1994年にはブロードウェイでも上演され、トニー賞7部門を総なめにした。大女優の悲哀と孤独、ハリウッドの光と闇を描いた傑作の本邦初演!
オペラ座→ハリウッド・サンセット大通りの豪邸、ノーマ→ファントム、ジョー→クリスティーヌ、ベティ→ラウル、マックス→マダム・ジリー、地下の湖→プール、醜い容姿→老残…
オペラ座の怪人の女性版といいましょうか。ラブトライアングルの構図が似ています。ウーマン・イン・ホワイトともメロディラインが似ています。
御近所一帯が大停電になって上演が中止になったという武勇伝もある装置です。めちゃめちゃ楽しみにしていたのですが、抽象化かつ簡略化(節電仕様)されていたのが残念ですが、その分、舞台転換が早く緊迫感が途切れることがありません。物語の発端と破綻のきっかけとなる自動車も一応ナットクできるものでした。
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クレオパトラも演じる若く美しい安蘭けいさんが老女をどのように演じられるか興味津々でしたが、ジョーを捉えて動かない視線や凍りついた表情など、瞳にもの言わせておられました。みじめさが少ない分、狂気と妄執で勝負というところが素敵です。ラストシーンは、欲望という名の電車を彷彿とさせ、鬼気迫るものがありました。ブランチ当確!
ロイド=ウェバーの世界を最も的確に体現しておられるのが、執事役の鈴木綜馬さん。衣装、姿勢、身のこなし、気配の消し方…。ナンバーは2曲ですが、舞台に登場している時間は長いです。2幕後半で、実はと正体が明らかになりますが、この点もマダム・ジリーと呼応します。さすが芥川さん!
男クリスティーヌのジョー役の田代さん。2幕冒頭の超難曲の主題曲「サンセット・ブールバード」は圧巻でした。耳に残っています。根が優しい人なんで、ノーマと切れなかったという印象でした。
唯一意欲的な常識人ベティ役(女ラウル)は彩吹真央さん。皆、世間から逸脱している中で、未来を信じ積極的に生きるお役の方が難しいです。チャーミングです。

結論
上演期間が短すぎます。お忙しい俳優さんたちでしょうか、もったいないです。
装置と演出はやはり原作に忠実にお願いしたいです。
ノーマは保坂千寿さんがきっと似合われると思います。
宝塚歌劇では雪組がすきです。

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コメント

>hitomiさま
よいミュージカルだと思うのですが、ロングランにはならないのでしょうね。ザンネン。本場を御覧なんですね。うらやましい~。
明後日からアスペクツ・オブ・ラブだぁ~。

投稿: とみ(風知草) | 2012年7月14日 (土) 22時12分

話には聞いてましたがもう上演されたのですね。彼女ならいいでしょうね。
四季の亡き俳優さんが演じたがっていましたね。90年代にロンドンで観て、日本で出来るんだろうかと思っていました。

投稿: hitomi | 2012年7月13日 (金) 18時52分

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