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2012年6月 2日 (土)

通し狂言「椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」何気に染五郎丈と七之助丈を追っかけました。悲運の貴公子だけではない豪傑ぶり。

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5月新橋演舞場、千秋楽夜の部「椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」の通し上演を拝見しました。
原作:三島由紀夫、曲亭馬琴 「椿説弓張月」より
演出:三島由紀夫原案による。
上の巻 伊豆国大嶋の場
中の巻 讃岐国白峯の場
      肥後国木原山中の場
      同じく山塞の場
      薩南海上の場

下の巻 琉球国北谷斎場の場
      北谷夫婦宿の場
      運天海浜宵宮の場

配役
鎮西八郎源為朝:染五郎、為朝妻簓江(ささらえ):芝雀
為朝の子為頼:玉太郎
、紀平治太夫:歌六
高間太郎:愛之助、高間妻磯萩:福助
阿公(くまぎみ)崇徳(しゅとく)上皇の霊:翫雀
為義の霊:友右衛門、左府頼長の霊:廣太郎
白縫姫
寧王女(ねいわんにょ):七之助
武藤太:薪 車
舜天丸(すてまる)冠者
後に舜天王(しゅんてんおう):鷹之資
陶松寿(とうしょうじゅ):獅童、大臣利勇:由次郎
鶴:松江、亀:松也

あらすじ
上の巻
保元の乱(1156)で、父源為義、平忠正らとともに崇徳上皇方について敗北した為朝は、紀平治太夫と高間太郎と共に伊豆に流されて久しいが、崇徳上皇の命日には法要を行い、いつか平氏を滅ぼし源氏の世にしたいという志をもっている。
為朝は、島の代官の娘・簓江を妻とし一子為頼を設けていたが、その父は為朝を追捕しようと軍を差向ける。多勢に無勢、為頼は切腹、簓江は入水、主従3人と高間妻磯萩は2そうの船でからくも脱出し、南へ向かう。
中の巻
逃れた為朝は、讃岐国白峯の崇徳上皇の墓前で腹を切ろうとするが、烏天狗に先導された崇徳上皇、父為義、悪左府頼長が現れ思いとどまらせる。雪の山中で紀平治太夫と合流したところへイノシシが…。素手でやっつけたのもつかの間、猟師に痺れ薬を飲まされ囚われの身となる。
山中山塞では、縄を打たれた武藤太(為朝を平氏に売った男)が引き立てられてきた。詮議するのは、為朝の正室白縫姫だ。姫は山中にこもり源氏再興のための兵を集めていたのだった。姫は、琴を弾きながら、腰元たちに竹の釘を武藤太の裸身に打たせる。
武藤太が絶命したところへ、為朝たちが連れて来られる。再会を喜ぶ姫は、成長した舜天丸を引き合わせ、再起を期して南へ船出する。
しかし、薩摩沖で2そうの船は大嵐に見舞われ、為朝の船は沈没寸前。白縫姫は海神の怒りを鎮めるため入水する。為朝が崇徳上皇の霊に救われる一方、高間夫婦の船は大破し、高間は岩礁の上で妻を刺し腹を切る。波間に浮き沈みする舜天丸と紀平治は、通りかかった大魚の背に乗り何処かへ…。
下の巻
琉球国。悪大臣・利勇は、王女・寧王女と忠臣・陶松寿の二人が不義密通のうえ謀叛を企てたと処刑しようとしていた。そこへ為朝がさっそうと登場し二人を救出する。幼い王子と乳母阿公(妖術使い)は姿を消す。阿公を母の仇と狙う鶴と亀の兄弟も為朝に臣従した。そのとき、白縫姫の霊が寧王女に憑依し、寧王女は白縫姫になってしまう。
鶴亀の兄弟と共に阿公を討つが、幼い王子は阿公に刺殺されてしまった。王になることを乞われた為朝は舜天丸を琉球王とする。
数年後の美しい弓張月の夜、琉球の安寧を見届けた為朝は、この世での役目を終えたことを悟り天馬に乗り去って行った。

作品は、三島由紀夫さんの演出で、昭和44年、源為朝を初世松本白鸚が演じ、昭和62年、松本幸四郎が再演、平成14年、市川猿之助で三演、今回が4度目の上演です。荒れる船、降る雪、怪魚や馬の大スペクタクル、玉三郎丈が演じる姫と腰元たちによる残虐ななぶり殺しの場面で話題になりましたが、そうたびたびはかかりません。
考えさせてくださる演目でした。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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あの日新しかったものが、もはや新しくないというのが結論ですが、そうこう考えてきますと、昭和44年の三島由紀夫の意義に思い至らずにいられません。つらつら加筆します。三島由紀夫の映画まず見てきます。

染五郎は、ノーブルな小顔、長い手足に踊りで鍛えた高い身体能力、清新さや若々しさは十分で、敗軍の悲運の貴公子、貴種感が抜群です。女性は勿論、忠臣の心を掌握する人間性にも溢れておられます。大男、豪傑、源氏最強の兵と錦絵から抜け出してきたような為朝像は橋本さとしさんにお任せして、この戯曲のヒーローは今後も染五郎丈です。
 愛之助の高間。非常に勇ましく、躍動感にあふれる動きを見せます。直情型で骨太、男らしい役どころがぴったりです。
七之助の白縫姫が玉三郎丈そっくりと評判でしたのでタノシミにしていましたが、噂は本当です。武藤太を侍女たちになぶり殺しにさせながら、琴を弾く場面では、サディスティックでイノセントな嗜虐の美をきっちり示しておられました。硬質で肉感的でない持ち味がはまりました。また、寧王女の黄色の紅型の打ち掛けが最高にお似合いでした。
玉太郎ちゃんが、度胸も充分、お芝居を盛り上げる良い演技をなさってました。

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