加藤健一事務所「川を越えて,森を抜けて」家族の愛は,青年を飛翔させる原動力
加藤健一事務所の京都公演を13日マチネで拝見。今年の会場は,京都会館がリニューアル中のため,京都市こども文化会館(エンゼルハウス)です。
戯曲:ジョウ・ディピエトロ
翻訳:小田島恒志,平川大作
演出:高瀬久男
出演
フランク(ニックの母方の祖父)イタリア系一世/加藤健一
アイーダ(ニックの母方の祖母)同上/竹下景子
ヌンツィオ(ニックの父方の祖父)同上/有福正志
エンマ(ニックの父方の祖母)同上/一柳みる
ニック(フランクたちの孫)/山本芳樹
ケイトリン(ニックの友人)/小山萌子
あらすじ
アメリカ東海岸ニュージャージー州の小さな町ホーボーケン。イタリア系アメリカン一世(80代)のフランクとアイーダ夫妻は,2件隣に住む娘婿の両親・ヌンツィオとエンマ夫妻と仲良く暮らしていた。4人の孫のニックも両親と共に同じ東海岸のポートランドに暮らし,毎週日曜日には揃って食事をするいい関係だ。しかし,ニックは急に西海岸のシアトルに転勤になり,木曜日に報告にやってきた。
驚いた祖父母たちは,ニックの西海岸行きを思い止まらせようとある計略を思いつくが…。
劇作家ジョウ・ディピエトロさんの実体験に基づいたハートウォーミングなヒューマンコメディです。すっかり加藤健一さんの息子さん役が馴染んでおられるスタジオライフの山本さん,最近おばあちゃん役を楽しんでおられる竹下さんはじめ,鉄板の再演メンバーなので,反応にリアリティと演劇的絶妙感いっぱいです。みどころは,なんといっても,えらいこっちゃななじいさまばあさまたちの日常と,一転して移民からイタリア人コミュニティを築いた逞しさを見せるところです。加藤健一さんのギター弾き語りと,皆さんの怪しげなダンスもあります。
メッセージは,愛とは束縛や依存ではなく,心の絆と絶対的な信頼であること,そして,それらに支えられているからこそ自立した大人として飛び立てるというものです。いいですね。今,みんなが必要としている物語です。
イタリア系アメリカ人のイメージはジェット団ですがちょっと違ったようです。絆の強さは確かです。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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終演後は,ロビーに6人全員が出ていただき,30分の交流セッションがありました。6人のファミリーの結束は固く,3年前の初演終了後にすぐ再演が決まったそうです。
実は,毎日演技は違うことなさってるそうです。劇場ごとの台詞の明瞭度もさることながら,お客様の笑いや息遣いを探っておられるそうです。ふぁっくしょんのクションに台詞の頭をぶつけると聞こえなくなるので,ふぁで間合いを計られるとか。
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