« 文楽5月公演第2部、津駒大夫、寛治師匠、喜一郎さん、寛太郎の3人と勘十郎さん、一輔さん、勘次郎さんの3人、7人が織り成す阿古屋という遊君のポテンシャルの凄さ | トップページ | 26日夜は、お江戸の皆さまの「文楽を愛すればこそ言わせてもらお会」という楽しい集まりに参加させていただきました。 »

2012年5月30日 (水)

平成中村座昼の部・都市の雄叫びがうわーんと空にこだまする浅草界わい。男だねえ。お江戸だねえ。こんな男を持ちたいねぇ。

め組の喧嘩を目当てに東京遠征しました。平成中村座のロングラン公演の最終月は、東京スカイツリーのオープンと重なっています。活気と覇気で騒然となっている浅草界わいです。都市の力というか雄叫びがうわーんと空にこだましていました。演目には、染五郎丈と勘太郎丈の三社祭もありますし、お江戸の芝居小屋ならではの狂言立てです。
本朝廿四孝 十種香の段
七之助丈の赤姫がお綺麗なのは言を待ちませんが、後ろ姿や口説きの身体表現が艶やかです。前日に白縫姫を拝見していますので、恋にまっしぐら、恋のためならどんなこともやってのきょうという自己中感がいい感じでした。席が1階1列1番という八重垣姫を拝見するにはつらいお席でしたが、ちゃんと舞台をしはいしておられました。
昼の部は、勘九郎丈奮闘公演です。濡衣、善玉、め組の藤松という主演級で全く引き出しの異なる3役ですから、たいへんなパワーです。所作は礼儀正しく美しかったのですが、少しお声に疲れが感じられました。ガン見させていただきました。 
扇雀丈の立ち役も素敵です。
弥生の花浅草祭
染五郎丈:武内宿禰、悪玉、国侍、獅子の精(白)
勘九郎丈:神功皇后、善玉、通人、獅子の精(赤)
染五郎丈と勘九郎丈、踊り上手二人の四変化です。やはり、三社祭が最高。キレの良い動きは一陣の風と入道雲を呼び込むようです。
何気に染五郎丈と七之助丈を追っかけてしまったことを告白します。何か?↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
にほんブログ村 演劇ブログ 演劇(観劇)へ
にほんブログ村

神明恵和合取組 め組の喧嘩
勘三郎丈は辰五郎・初役だそうです。扇雀丈のお仲、錦之助丈の亀右衛門、勘九郎丈の藤松、橋之助丈の四ツ車、梅玉の喜三郎他
火事と喧嘩は江戸の華。江戸庶民の楽しみの相撲、遊郭となにもかもが江戸です。
気風の良い江戸っ子、組の重しとなる辰五郎と一座を仕切る平成中村座の座頭中村勘三郎のイメージが重なります。重層的で立体的に見せていただきました。橋之助丈の四ツ車関もいいお顔で立派です。また、止め男の喜三郎の梅玉丈が、キャラクターと相まって、お芝居をしめておられました。
喧嘩の経緯はとにかく、見せ場は喧嘩です。勘九郎丈がまといを担いで梯子を駆けあがる御姿には、江戸の町娘ならでも惚れずにいられません。また、本当に若い若い衆に、虎之助さん、国生さん、鶴松さん、萬太郎さんが出られ、テンションあがります。狭い舞台、濃密な客席空間を好条件として活かした出入りは、拍手と歓声上げずにいられません。花道横ですから、小屋を揺るがす地響きが伝わり、最高潮でした。

前述したように、この日はめ組総見のうえ、本物の四ツ車関が客席で御覧で花を添えておられました。カテコでご両所を紹介なさったうえで、外で喧嘩をなさらないでくださいねとおっしゃったのも愛嬌たっぷりの勘三郎丈でした。

お江戸の御方はんは、毎月こんなん見たはったんや。ええなとつぶやいた京女でございました。

|

« 文楽5月公演第2部、津駒大夫、寛治師匠、喜一郎さん、寛太郎の3人と勘十郎さん、一輔さん、勘次郎さんの3人、7人が織り成す阿古屋という遊君のポテンシャルの凄さ | トップページ | 26日夜は、お江戸の皆さまの「文楽を愛すればこそ言わせてもらお会」という楽しい集まりに参加させていただきました。 »

歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 平成中村座昼の部・都市の雄叫びがうわーんと空にこだまする浅草界わい。男だねえ。お江戸だねえ。こんな男を持ちたいねぇ。:

« 文楽5月公演第2部、津駒大夫、寛治師匠、喜一郎さん、寛太郎の3人と勘十郎さん、一輔さん、勘次郎さんの3人、7人が織り成す阿古屋という遊君のポテンシャルの凄さ | トップページ | 26日夜は、お江戸の皆さまの「文楽を愛すればこそ言わせてもらお会」という楽しい集まりに参加させていただきました。 »