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2012年4月17日 (火)

花園大学佐々木閑教授のインド仏教の講演を聴講しました。藤木直人・西行法師が托鉢に来られたら御布施してしまうのは女性なら当然と納得できました。

14日(土)午後,京都大学人間科学部の公開講座にゲスト講師として来られた花園大学インド仏教学の佐々木閑教授の講演を聴講しました。とても上手な御話で,ありがたかったのでまとめておきます。

京都大学の講座としては,持続可能な「安寧のまちづくり」がテーマです。ですから,「インド仏教の教義にみる持続可能な組織のあり方」という演題でした。2時間という短い時間でしたが,釈迦の教えを考察することにより,俗人と僧との違いと,僧のグループにカテゴライズされる非生産的な職能のあり方を教えていただきました。

1 釈迦の教えの到達点は,この世の4つの苦しみ(生,死,老,病)を一切恐れず,心平らかに生涯をおくることにあり,そのための方法論を確立し,実践によりその正しさを証明したことにあります。救う主体も客体も己のみになります。
2 仏教の三つの要素は,仏(釈迦),法(戒律),僧(釈迦の方法論に基づき到達点に向かって修行を行う4人以上の団体)にあり,どの一つが欠けても成立しません。
3 方法論と組織論
 (1) この世の4つの苦しみから解き放たれ,心平らかに生涯をおくる方法は,悟りのための修行以外のことを行わないこと。労働を行わず,生存のために必要なものは他者の御布施のみにより得ること。(農耕,狩猟,占有離脱物の拾得もダメ)
 (2) 教えを実践するものは,4人以上で集団生活を行い,剃髪,一日一食,襤褸の着用,私有財産の放棄,非婚,殺人や窃盗,女煩他一般人を凌駕する厳しい戒めに基づく生活を送るものとします。
生命維持は御布施のみに依存してますから、頂ける外見と行動がポイント。戒律を破った者は破門ですって。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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この方法論が2000年以上守られ,現代(インド他日本以外の仏教国)に生きているところが凄いです。
一方,非生産的な職能(例えばビッグバンやブラックホールの研究etc)を行う者は,僧と同じで,生産的な職業を行う人々に生かされています。俗人は,世界を変える新しい発見や革命は,非生産的な純粋研究を行うグループからしか生れないことを知っているからです。研究を怠けてはいけないのです。
そして,このような集団を支える都市の懐の深さこそ都市力で,その大きさにより,当代の魅力や将来の発展力の差につながるわけですね。

さて,どの僧侶に施しを行うかは,一家の台所を預かる主婦の勝手気まま。厳しい修行をなさり,言動さわやか,行いが正しそうでイケメンなら申し分ありません。大河ドラマ「平清盛」の中で,藤木直人・西行法師が農家の主婦たちに囲まれている画面に納得してしまいました。

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