秋原正俊監督の「蜘蛛の糸」平幹さんの主演です。
原作:芥川龍之介
監督:秋原正俊
音楽:山路敦司
キャスト:平幹二朗、高畑こと美、鳥肌実、初嶺麿代、高畑淳子、スティーブ・エトウ、江口のりこ、松田洋治
あらすじ
芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」、「アグニの神」、「煙草と悪魔」の3編を、「銀河鉄道の夜」「斜陽」など多数の日本文学を映画化してきた秋原正俊監督が、新たな解釈で映画化。
「蜘蛛の糸」は、生前たったひとつ、蜘蛛の命を助けた善行により、お釈迦様に助かるチャンスを与えられた大悪党のカンダタが、自分だけ助かろうとしたばかりに、再び地獄に落ちるとう物語。地獄の想定は、一般的な絵草紙の世界だ。
映画のカンダタは、現実社会で香典を盗んだ直後、事故死しし、パーソナルな地獄で単調な時を過ごしている。昼は外で昼寝し、室内ではブロンズ像を撮影してまた眠る。なぜか、罪人一人に一人の鬼が付いている。
単調な日常のなかにあっても、わずかな変わった出来事はある。ずっと戦を続けている元兵士、不思議な植物を育てる悪魔、洋館で少女を監禁している魔女にであう。
カンダタは、なぜ香典を盗んだのか、ブロンズ像をなぜ撮り続けるという罰を与えられたのか回想する。
平幹二朗さんが映画で主演するのは34年ぶりとか。そう言われてみればそうだ。この映画の西日本の上映は京都シネマだけだそうだ。監督と作曲家と二胡奏者さんの3人が来られて舞台あいさつがあった。平幹さんは東京だけ行かれたそうだ。
平幹さんによると、小説のカンダタは生前たった一つの善行のためにチャンスを与えられるが、映画のカンダタは、たった一度の悪事のために地獄に落ちる物語と総括されるそうだ。
ほとんど主演のカンダタが出ずっぱりで、舞台の演劇を見ているような演出で、天国も地獄も、衣裳、装置、メイクはそれほどシュールではない。強欲な若者と無欲な老人、下層階級の粗野な盗人と社会的成功を得た常識人と、芥川のカンダタ像とは対照的な平幹さんはどのようにオトシマエをつけるか…。やはり、芥川文学の世界に連れてってくださった。
70分出ずっぱりであられました。満足♪↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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鬼役の高畑こと美さんは高畑淳子さんの実の娘さんで、物語のなかでも娘と継母の関係だ。平幹さんは、本当に楽しそうに演じておられました。
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