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2011年11月 1日 (火)

ロミジュリ脳で10月を省みる

10月は,出張や小旅行もあることですし,アルゲリッチさんも来日なさらないし,観劇自粛月間とし,マイスキー・デュオ,平幹エレジー,ロミジュリ,アントニーとクレオパトラの4本で辛抱や!という掛け声で臨みましたが,全く守られず気がつけば9月並の野放し状態に…。

しかし,散々ロミジュリにはまったおかげで,何に感動するのか,何に弱いのか,観劇行動の動機を見極めた気がします。結論から申し上げますと,

○娘又は少年が恋によって女又は青年に成長し,恋人のために運命に立ち向かう。…無条件に感動

主演俳優さんが娘と女又は少年と青年,かつ,その変容の節目を演じ分ける力があるか,戯曲や楽曲,演出がそのように構成されているかにかかってきます。
ロミオとジュリエットは,いらんことせんかぎり,戯曲がそのように構成されていますのでハナから無条件に感動です。
ただし,親や一族を騙す計略を一人で決行するという変容の節目の場面が戯曲にきちんと書かれているのはジュリエットだけで,ロミオは自分の役者力で表現するようになってます。初演当時,娘役は少年俳優さんで,男役は大人の俳優さんが演じておられましたので,シェイクスピアさんは,ジュリエットは書き込んでおかんとあかんと思われたのでしょうか。現代のように同年代の若い男女が演じられる時代においては,ロミオ役者さんは分が悪い(残念ながら,ベテラン男女が演じられた時代を存じません。)。下手したら,運命の慰み者として不幸な死を遂げるだけになってしまいます。

そこで,登場のミュージカル版のギュルスブックさん。彼は、霊廟でロミオとパリスが決闘し、どちらがジュリエットに相応しい真の男かと示す場面まで省略してしまわれました。何とかカバーしなければなりません。そこで、ロミオに死のダンサーという支配者とも分身とも言える影を付け,不幸な運命の下の貴公子という枠組みを視覚化なさいました。よかったことは言うまでもありません。

しかしお立会い!そんな配慮不要のロミオ役者はおられます。
娘から女にはそんなに葛藤がなく、楽々と渡河できますが,少年から青年に飛翔するには、もの凄いエネルギーが必要です。しかも,性衝動と暴力性という負荷を背負い,それを見据えながら自分の中に共存することに耐え、乗り越えなければなりません。これが表現できたのは宝塚星組のトップスターの柚希礼音さんだけです。ロミオは,ジュリエットを押し倒してなんぼのもんです。
ディカプリオさんと藤原さんはずっとキレておられましたし,レナード・ホワイティングさん,中略,阿久津さん(ウェストサイド物語)は優しいまま。福井さん(ウェストサイド物語)は考えなしでした。もうお一方、成し遂げられた方をあげるとすると,桐竹勘十郎さん(当時簔太郎)の久我之助(妹背山婦人庭訓)となりますかしら。上川メルヒオール(春のめざめ)は、戯曲がそう作ってありますから出来ても減点。
2時間で男の一生を演じきるのは,宝塚歌劇の男役さんと卓抜した人形遣いさんという男の肉体から自由な者だけが可能というのも感慨深いです。
メッセージのすれ違いは妹背山婦人庭訓が凝ってます。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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さて,もうひとパターンは以下のとおり。次のエントリにゆずります。
○ステイタスも分別もあるええ大人の女又は男が恋によって娘又は少年に返り,運命に殉じる。…条件付感動

11月は,佐渡裕さん&ベルリンフィルと宝塚星組公演くらいで押さえておかないと,月末には南座の顔見世興行が始まります。

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