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2011年10月 9日 (日)

こまつ座第95回公演 「キネマの天地」10月4日ソワレ・笑って驚いてやがてじんわり。井上ひさしさんの演劇に関わる全ての人々へのオマージュが心地よいです。

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作: 井上ひさし
演出: 栗山民也
キャスト
女優立花かず子/麻実れい、同徳川駒子/三田和代、
同滝沢菊江/秋山菜津子、同田中小春/大和田美帆
俳優尾上竹之助/木場勝己、助監督島田健次郎/古河耕史
監督小倉虎吉郎/浅野和之
あらすじ
1935年(大正10年)3月下旬、築地東京劇場の裸舞台。4人の女優が小倉虎吉郎監督に新作映画「諏訪峠」の打ち合わせと称して呼び寄せられた。4人は、下町アイドル系の田中小春、アクションもこなす毒婦系の滝沢菊江、日本の母として売る徳川駒子、全男性の恋人を未だ張る立花かず子だ。建前は年功序列絶対で先輩に礼をつくしているかの4人だが、本音はライバル意識むき出して早速さや当てと達引きが始まる。
4人には共通の苦々しい思い出があった。ちょうど1年前、小倉監督の妻で駒子と同期の女優・松井チエ子が「ブタクサ物語」の舞台上で急死し、一応病死と処理されたが、自殺、他殺諸説がささやかれ、疑心暗鬼となっていたのだった。
監督は、「諏訪峠」は餌で、実は「ブタクサ物語」の再演のオファーだったと打ち明ける。早速、舞台稽古にかかってくれとの注文に、4人は渋々本読みを始めるのだったが…。
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元は、松竹大船撮影所開所50周年記念として1986年に映画として、野村芳太郎氏、山田洋二監督により制作された作品。これを舞台版として井上ひさしさんに戯曲化していただいたもの。

4人の力関係は、小春<菊江<駒子<かず子であるが、等しく見栄っ張りで強情で我儘でいけずだ。我こそ一番星の大女優という自負が凄まじく、井上ひさしさんの脚本は愉快ながら毒があって楽しませてくださいます。女優を張ることは、膀胱炎と視力低下という職業病との戦いという赤裸々な見栄の張り合いが皮肉です。
ところが、無邪気な見栄の張り合いから一転、刑事が登場し、監督の妻殺しの犯人探しの尋問の場に…。追いつめられる4人と思いきや、犯人は実は刑事役を頼んだ大部屋俳優尾上竹之助だったというどんでんがえしが…。いやいや、それもお芝居で、実はという凝りに凝った展開となります。

井上ひさしさんの映画と芝居、俳優さんたちの演劇への熱い思いへのオマージュと人間賛歌で、たいへん感動的な結末を迎えます。
強烈な個性の4人の女優さんに対抗して、演劇人の総合力パワーを発揮して場をさらうのは木場さん扮する大部屋俳優さん。井上ひさしさんんの下積み俳優さんへの暖かい眼差しと限りない敬意が客席を包み、しみじみとした感動で満たしてくださいます。

監督と尾上竹之助さんの目論見は勿論大成功。その夜は笑顔と拍手の中「蒲田行進曲」の大合唱で大団円を迎え、観客もハッピーのうちに幕。
今晩はええけど、明日の朝はどうよ?という楽しい余韻も残してくださいます。

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