ミュージカル「ロミオとジュリエット」梅田芸術劇場初日・城田&莉奈組“デウス・エクス・マキナ”神をも恐れぬ小池氏の大仕掛け・受難者ロミオの昇天劇
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール:プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎
振付:TETSUHARU
8日ソワレのキャスト
ロミオ:城田優、ジュリエット:フランク莉奈
ベンヴォーリオ:浦井健治
ティボルト:上原理生、マーキューシオ:良知真次
ロレンス神父:安崎求、乳母:未来優希
キャビレット卿:石川禅、キャピレット夫人:涼風真世
モンタギュー卿:ひのあらた、モンタギュー夫人:大鳥れい
ヴェローナ大公:中山昇、パリス伯爵:岡田亮輔
死:中島周
あらすじ
現代イタリア。ヴェローナ都心の遺跡地区の再開発計画発表の場に、ヴェローナの反目しあう名家キャピレット家とモンタギュー家の若者の小競り合いが始まり、両家の当主も加わり収拾がつかなくなった。大公は、今度騒乱をおこしたときは処罰すると警告する。
ケータイ、PC、FacebookなどITによる通信手段が完備している現代においても、不幸なすれ違いがあれば悲劇は起きる。
現代ヴェローナに、修復中のフォロ・ロマーノがあるような装置もよいように思いました。ジュリエットの家もそれらしいです。(↑実物に近い(゚▽゚*)寝室はなぜか1階?)
お衣裳は、モンタギュー家がモノトーンの爬虫類柄、キャピレット家が赤の哺乳類柄です。ロミオはエリマキトカゲ風。ひんやりしてそう。
神とロミオと死の三位一体。今回も天使と悪魔のアレンジの名手・小池先生ならではの神をも恐れぬ力技があります。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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城田さんは、痛々しいまでに際立った容姿に金髪が映え、ダンスもアンサンブルのダンサーさんに混ざっても遜色を感じない素敵さ。ピュアで正義感が強く不器用な青年という設定に相応しく、生真面目に演じておられました。浮かれている友達のなかにあって、死と隣り合わせということを認識している知的なロミオでした。死がロミオを魅入る雰囲気が出せれば完璧と思います。エリザベートを観ること決定。
ジュリエットさんも手足の長いエキゾチックな美貌で、城田ロミオとお似合いでした。
涼風さんのジュリエットの母は、娘の若さや美しさに嫉妬する女として描かれています。今ティボルトと密通しているだけでなく、宝塚版になかったジュリエットの出生の秘密もあり、残酷にも娘に告げるサイテーな母です。狂気が素敵です。
禅さんの父上は、花嫁の父のナンバーもあり、立派です。役不足です。
ベンヴォーリオ役の浦井健治さんはちょっと兄貴分で安定感のある歌とお芝居でした。
さて、中原理生さんのティボルト。レミゼのアンジョルラスで定評の高いバリトンシンガーさんです。声量、声質、押し出しのある立派なガタイ、意志的なマスク、好戦的で統率力のあるティボルトでした。シャウト系の難曲をなんなくこなされるところは、もう、ドン・ジョバンニか、ジャン・バルジャンか。ラ・マンチャの男も、オペラ座の怪人もでけはるでしょう。これから良い作品に恵まれますように。一声で落ちたのは福井さん以来です。CDは理生さん版を購入することにしました。
宝塚版と決定的に異なる有利な点は、性別ではなく年齢です。大人たちをベテラン俳優さんが演じておられるので、大人対若者の対立の構図が際立ちました。大人たちが理不尽であまり愛情を感じられないように作ってありました。
現代に設定したために、すれ違いを生じるための説明台詞や小道具が必要なのか、原作にない台詞が気になりました。バズ・ラーマン版のように、しらっと電話のない世界にしておいても良かったのではないでしょうか。
もういっぺん拝見しますので、主題について考察してみます。
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