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2011年9月 5日 (月)

奥様お尻をどうぞ・タイトルはそういうことやったんかぁ

シアタードラマシティで4日昼に観劇。
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:古田新太、八嶋智人、犬山イヌ子、大倉孝二、
入江雅人、八十田勇一、平岩紙、山西惇、山路和弘

主筋がはっきりしないシュールなブラックコメディです。これを思えば、劇団四季のブラックコメディは、停電というシチュエーションコメディでした。
一応芯はありました。トンカツ屋の店主が、原子力絶対安全協会の委員長に任命され、政治家と結託して、国民を欺き、電力会社の利益を守るため手段を選ばない暴挙を繰り返します。その娘は、夢を見続ける病にかかっているが、謎の探偵と助手の少年に誘拐され、中世の魔女狩の世界を描いた映画の中に放り込まれる。

三重人格の探偵役の古田さんは、はじめこそ、無難な女装で登場され、黄色のコート姿にもちょっとなられますが、ほとんどの時間は、ブリーフのみのお姿…。
劇中劇か夢の中の出来事か意味不明、大混乱のなか、ショートコントのような爆笑場面が次々と展開します。呆れるほどくだらない笑いに素晴らしい身体能力と、体力知力の限界で挑戦なさる俳優さんに尊敬のことばしかありません。原子力エネルギー批判に真正面から取り組んだ姿勢と冒険、勇気に感服です。
とにかく善悪を超越した追いかけっこが永遠に続くかと危ぶまれ、観客の意識が限界になった2時間30分ころ、タイトルとおりのアクシデントが起こって、あっさりおわります。

よかったのか悪かったのか上手通路側でしたが、実害はなかったです。
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ナンセンスコメディの系譜の作品ですが、
原発事故の話を、
かなり本気で取り込んでいて、
ちょっと無理矢理で苦しい感じもあるのですが、
その勇気と意欲には、
本気で感心しました。

トンカツ屋の親父が、
原子力絶対安全協会の委員長に任命され、
悪の限りを尽くすのですが、
その娘は難病に侵され、
夢の中で中世魔女退治の映画の世界に迷いこむのです。
3重人格の探偵古田新太がブリーフ1枚の姿で大暴れし、
病院から少女を誘拐して映画の世界に逃走します。

悪の組織と探偵とが、
病気の少女の夢の中で戦うような話は、
一昔前の小劇場演劇の、
1つの定番の設定だったのですが、
そのショッカーのような悪の組織が、
原子力絶対安全協会だ、と言う辺りが、
単なる思い付きのようでいて、
そうではない、
という気がするのです。

アーヴィングは20世紀の終わり頃に、
この世界は危険で残酷な御伽噺の森なのだ、
と言ったのですが、
今のこの世界は、
実に安っぽいヒーロー物の世界そのもので、
しかし、その作者は物語を綴り結末を造ることに飽きて、
何処かに逃走してしまったので、
僕達は結末のない世界で、
誰が正義の味方で誰が悪のスパイなのかも分からないままに、
地球を滅ぼそうとする、
誰か間抜けな悪漢の陰謀に怯えているのです。

下らない映画の中で、
結末を見付けられずに喘いでいるのは、
僕達そのものです。

不出来な舞台になるのを承知の上で、
原発事故をナンセンスコメディ化したケラの勇気に、
僕は素直に拍手を送りたいと思いました。

昔の歌舞伎というのは、
こうしたものだったのだと思いますし、
演劇というものは、
こうでなくてはいけません。

勿論疵は多くありますが、
長さもケラにしては2時間半と手頃ですし、
今見ないと意味を失う芝居という意味で、
こうしたナンセンスの好きな方には、
是非にお勧めします。

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