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2011年5月 3日 (火)

出発の詩集(たびだちのアンソロジー)~モスクワからの退却~お芝居は、良い戯曲と確かな配役があればよろし

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原題:The Retreat from Moscow
戯曲:ウィリアム・ニコルソン William Nicholson
翻訳:小田島恒志
演出:鵜山仁
キャスト
エドワード(教師)/加藤健一
アリス(その妻で詩を愛する女性)/久野綾希子
ジェイミー(その息子・独身)/山本芳樹(Studio Life)
あらすじ
エドワードとアリスはロンドン近郊で暮らす50代後半の夫婦。アリスは詩を愛する個性的な女性で、エドワードを深く愛し、はっきりしない彼の言動に焦燥感を覚え、いつも責めてばかりいる。エドワードは温厚で平穏を好む性格で、アリスを思いやり、彼女に合わせようと暮らしてきたが、会話はすれ違い疲れ果てている。
次週に33回目の結婚記念日を目前にした週末、一人息子のジェイミーが二人を訪ねてくる。
そして翌朝、アリスが留守の間、エドワードはジェイミーにアリスと別れるつもりであることを話す。さらに他の女性と愛し合っていることも―――。
優れた戯曲、的確な配役と熱演。笑いと涙で人生を応援する全て揃ったお芝居でした。劇中のアンソロジーも素敵でした。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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人生の黄昏どきの両親の離婚という作者の青年時代の実体験をもとに描かれた家族のあり方を問う力作。
人生のほとんどを共に暮らしてきた男と女であっても、共同生活を維持できなくなったとき、現実を受け入れ新しい一歩を踏み出さなければならないときがある。当事者にとっては大悲劇でも、その言動はありがちな愚かしさに満ちているのよね。観客の中高年男女には、身につまされ苦笑いと照れ笑いの連続と察せられます。
原題の「モスクワからの退却」は、劇中で、エドワードが思い入れを持って読んでいる本の題名。ナポレオンのロシア遠征で、進軍するときは60万の大群がパリに帰りついたときには1万にも満たなかったという歴史上の事実に、人生の愚かしさ、残酷さを重ね合わせておられます。結婚生活の目的地が廃墟であったとしても、人生はまだ続くので退却しなければなりません。
救いのない退却行のなかにありながら、リベラルで2人を深く愛し尊敬する息子の視点で劇は進み、ラストは何とかアルマゲドンにならずおさまります。
大役の山本さん、抑制の効いた演技で、観客の涙を誘っておられました。

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