大人はかく戦えり・普段は大人気ないと言われたくないんだよね。
戯曲:ヤスミナ・レザ
翻訳:徐賀世子
演出:マギー
キャスト
大竹しのぶ/ヴェロニク(加害少年の母)
段田安則/ミシェル(加害少年の父)
秋山菜津子/アネット(被害少年の母)
高橋克実/アラン(被害少年の父)
あらすじ
息子同士の喧嘩で片方がケガを負ったことから、被害者ウリエ家の応接間にそれぞれの両親が集まった。話し合いは、礼儀正しく、節度ある大人のマナーで始まったが、猛烈な勢いで本題から逸脱してしまう。
しかも、それぞれの夫婦の溝が白日の下にさらされ、話題は夫婦間の問題に止まらず、日頃のうらみつらみ、言いたいこと、うっぷんが噴出し、敵味方が離合集散、争点も敵も分からない壮絶な修羅場となる。
このポスターのとおりの装置と衣装でも文句言わへんと乗り込んだが、ワインカラーを基調としたおしゃれなリビングの装置に感激!
モンペにあらず。大人は感情を露わにしてはならない、利害よりも是非に基づき行動したいというくびきがあるうちは、結局何も話が進展しない。しかし、それぞれがぶち切れるといきなり無差別の大バトルに…。
きっかけは、無神経な携帯電話というのもいまどきの大人のうっぷんを象徴していてうれしい。最初はセーブ気味の大竹さん、秋山さんがいつキレるか、どう暴れられるか楽しみにしていたが、期待どおり想像をはるかに超えて、えらいことになった。
対するハズバンド陣もいい味だ。おぢさんは、意味なくキレ遅れる。こういうときは先にキレたもん勝ちだ。
些細でも的外れでも「自分の正義」は「世界の正義」。そんな個々の正義の激突は果てしない勝者なき戦いとなる。
愚かしさに笑い転げながらも身につまされ、肩入れしてしまう。観た後、思いっ切り晴れ晴れとした舞台だった。
ファイティングスピリットに火がついてどこかで大暴れしたくなった~。
大暴れしたら、元より大人度アップするに違いないと思うんだけど~。
大竹さんと秋山さんが大暴れしてくださいましたので暴れないで済みます。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 平幹二朗さんありがとうございました。とうとうこの日が来てしまいました。(2016.10.24)
- 蜷川幸雄さんありがとうございました(2016.05.13)
- 炎立つ 兵庫県立芸術文化センター13日ソワレ ギリシャ悲劇の様式による奥州の命と魂の再生の物語 果敢に挑まれた主演のお二人に心から拍手しました(2014.09.16)
- 白石加代子「百物語」シリーズ第三十二夜第九十八話「橋づくし」 第九十九話「天守物語」 (2014.07.15)
- イノセント・ピープル“原爆を作った男たちの65年”(2014.07.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント