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2010年10月22日 (金)

大阪平成中村座試演会・師弟が泣いた、客席も泣いた、ワタクシは手ぬぐい1本分。これがあるから中村座です。

今から平成中村座試演会
大阪平成中村座の前に積み上げられた菰樽
中村座の名入りです。

プログラムは、熊谷陣屋、弁天娘女男白浪、おたのしみ座談会、このラインナップです。配役はくじ引きで決定とか。

一、熊谷陣屋
熊谷直実/中村橋吾
相模/市川笑野
藤の方/中村仲之助
梶原平次景高/坂東彌風
堤軍次/中村獅二郎
源義経/中村橋幸
弥陀六/中村山左衛門

二、弁天娘女男白浪・稲瀬川勢揃いの場
弁天小僧菊之助/中村いてう
南郷力丸/市川猿琉
忠信利平/中村扇之助
赤星十三郎/市川喜太郎
日本駄右衛門

まずは、熊谷陣屋。橋吾さんは感激家であられるんでしょうか。妻子への思いと主命との板挟みの苦悩を前面に押し出されてました。口跡もさわやか、きまりの形もきっぱりと決まり、勢いありました。
笑野相模は行儀がよく知的なイメージで抑制の効いた哀しみの表現ができておられました。仲之助藤の方はおっとりとした持ち味を活かしたきれいめの仕上がり。橋幸義経のさわやか系もいい感じでした。冷めてないといけないので難しかったかと察せられます。
この座組、トータルで何がいいかと申し上げますと、戦場で、人の生き死にを扱っているという一つ一つの言動への責任感のようなものでしょうか。どうしても、大人の立場・忠義と義理、親心しか見えて来ないのですが、橋吾さんは犠牲になった少年の痛みを自分の痛恨として演じておられました(思い出し泣き…。若いということは少年に近いんですね。)。
一挙手一頭足に思い入れをもって楷書で演じると物語の枠組みが際立って見えることがままありますが、お母様方も、一人の少年を悼み、その死を花とも咲かせようとする真剣さがびしばし伝わりました。
熊谷の引っ込みは満場の紅涙を絞っておられました。やりましたね!

役者としてのキャラクターとお役を見せるという二重構造の楽しみの極地のような白浪五人男は、若い役者さん達には、熊谷陣屋より難しかったかと思われますが、ふるえるような感動が伝わりました。ほとんど心音が聞こえそうでした。くじ引きとは思えないはまり役でしたよ、皆さん!


満席でした。暖かい拍手だけと違うて賞賛の拍手でした。↓よろしかったらポチッとお願いしますm(_ _)m。
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大阪城
三、おたのしみ座談会
舞台上の並びは以下のとおり
鶴松、新吾、萬太郎 彌十郎、扇雀 勘三郎、橋之助 獅童、勘太郎、七之助

舞台の背後が開くと、ライトアップされた大阪城のこの姿が目に飛び込んできます。いつも眺める大阪城天守閣も、舞台借景のホリゾントともなると格別です。ちょっと寒いですが、ひんやり感が興奮のあとに心地よいです。
師匠たちの中村座この10年の思いの後に、本日の主演の皆さんの挨拶と謝辞がありました。
熊谷橋吾さん 一生懸命御稽古しましたが思うことができたかどうか…。(涙)
相模笑野さん 初めての出演で大役を務められてこの上ない光栄。
藤の方仲之助 勉強させていただきました。ご指導ありがとうございました。
梶原景高弥風 大きなお役をいただけて夢のようです。
堤軍次獅二郎 卒業直後に大役をさせていただき、ただただ光栄です。
義経橋幸    そこにいるだけで存在感と出さなければならないのが難しかった。
弥陀六山左衛門 最年長ですが良い修行をさせていただきました。
弁天小僧いてう 思い切り気持ち良かった。
南郷力丸猿琉 5人いるから緊張やくじけそうになる心を乗り越えられた。
忠信利平扇之助 師匠方に感謝します。
赤星十三郎喜太郎 頑張っても思うように演じられなかったがうれしいかった(大泣き)
日本駄右衛門獅一 夢のようです。

お弟子さんと同じくらい感激家の橋之助丈。うちの子らは、くじ運が良く、熊谷と義経をさせていただきました。(感涙)
お二人ともご立派でした。よその子の親でも大泣きですから、御師匠なら当然です。(もらい泣き)

勘三郎丈は、来年、隅田に開く中村座は7カ月続き、試演会は月3回は演りたい。江戸時代のように早朝からできればいいです。中村座は、役者も観客も育つ小屋です。ずっと次の第、またその次の代まで続くよう今精進したいとのことでした。
そんなに試演会があるのなら、毎月通いたいところです。

大阪平成中村座は、周辺環境も含めて劇場空間に取り込んでおられます。扇町公園でかけられていた頃から考えると社会的認知度の大きさの変化が感じられます。
中村座
大阪城の大手門です。普段は市民の憩いの空間ですが、絢爛豪華な桃山時代への入り口となります。

中村座
西ノ丸庭園入口。一般公開はされていません。ここでチケットが確認されます。


大阪城と平成中村座


大阪城と大阪平成中村座

中村座
おなじみ平成中村座の建物

中村座
正面の櫓と絵看板

中村座
舞台裏の撤収作業

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コメント

>じぇりさま
ホントよかったですね。勢いだけでないスピリッツありました。みなさん、本公演でも活躍なさってるんですね。
2002年に試演会で大感動して以来、大きな楽しみです。東京は大人気になるでしょうから心しておかなくては…。

投稿: とみ | 2010年11月 6日 (土) 20時13分

はじめまして。
試演会で検索して、たどり着きました。
本当に感動的な試演会で、まだ興奮さめやらぬ、ってところでしたので。

>そんなに試演会があるのなら、毎月通いたいところです。

全く同感です。思わずコメントしてしまいました。
お写真もステキですね。

投稿: じぇり | 2010年11月 6日 (土) 01時24分

>麗さま
中村屋一座は、平成中村座だけでなく普通の劇場でも1カ月公演では試演会をなさいます。一座の若手さんはしっかりしておられるだけでなく純真な感激家さんが多くおられ、親心モードに心地よく身を任せることができます。
若い役者さんのきっぱりとした楷書の芝居が好きな者は手放しで楽しみ、健気さに大泣きできます。
手ぬぐい1本分泣けました。

投稿: とみ | 2010年10月24日 (日) 12時28分

試演会、観に行かれたんですね!
若手だけによる舞台、いかがでしたか?
演じるほうも観るほうも緊張だったのかな?(笑)

投稿: 麗 | 2010年10月23日 (土) 22時46分

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