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2010年8月 2日 (月)

必死剣鳥刺し・絶望的な孤独と忍耐力の凄さに打たれます。

Photo
監督:平山秀幸
原作:藤沢周平
脚本:伊藤秀裕 / 江良至

キャスト
豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、戸田菜穂
村上淳、関めぐみ、小日向文世、岸部一徳他
あらすじ
海坂藩の剣豪で近習頭取の兼見三左ェ門は、藩の悪政の元凶である藩主の側室・連子を刺殺した。打ち首必至と思われたが、一年の閉門蟄居という寛大な処分となった。その後2年の無役の日々を経て、3年目に元の近習頭取に復職した。その間の三左ェ門の支えとなったのは、亡妻の姪・里尾だった。
しかし、寛大な処分に理由がないはずはない。愚物の藩主に真っ当な意見を奏上する別家で剣の達人・隼人正を斬るという使命を与えられた。

必勝の秘剣の使い手であるがゆえに、過酷な運命に翻弄される兼見三左ェ門を演じるのは豊川悦司さん。寡黙で耐える武士の役がお似合いだ。
曲直を正そうとする隼人正との対決がやり切れない。ラスト15分の集団によるなぶり殺しに近い剣戟シーンに息をのむ。武士とは人殺しを仕事とする者ということが容赦なく観客に突き付けられる。

冒頭の刺殺に至った理由や経緯も、状況証拠の積み重ねのような描き方だが、主人公の心情を能「殺生石」で見せる。このシーンがかなり長く得した気分だ。帝に取り付き国家転覆を謀った美女実は妖狐を討ったというストーリーが象徴的。流血の惨劇との対比もよろしいのではないか。
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殺生石
シテ 梅若紀長、ワキ 梅村昌功

名僧玄翁が下野国那須野を通り掛かると、ある石の上を飛ぶ鳥がバタバタと落ちて死ぬのを見る。不審に思って近付こうとすると美しい女が呼び止め、殺生石になった美女玉藻の前(実は印度・中国・日本の王朝を揺がせた妖狐)のことを物語り消え失せる。 

玄翁が祈ると、石が割れ、九尾の狐が本性を現し、帝に近付き取り殺そうとしたのを安倍泰成に見破られ、那須野に逃げてきたのを武士達に射止められた次第を仕方噺に見せ、再び殺生をせぬことを誓って消える。

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コメント

>るみさま
るみさまは蝉しくれ探訪なさったのでしたね。四季の美しさは御約束です。ワタクシ的には、松たか子さん主演の隠し剣鬼の爪が好きかな。
玉藻の前のストーリーは昔から好きでしたので、連子さまのイメージと異なりました。しかし、プロットは同じなんですね。

投稿: とみ | 2010年8月 4日 (水) 23時13分

>悠さま
この主人公の気持ちが分かるのが日本人というところがやり切れないです。中高年が感動するのも悲しいです。
側室を刺殺した心の動きを説明していないところはとっても良かったです。

投稿: とみ | 2010年8月 4日 (水) 22時59分

とみ様、やはりご覧になってらっしゃいましたね。
私も今日ようやく見てきました♪
ラストの殺陣は本当に凄まじかったです。
鳥刺しは本当に一瞬の出来事でしたね。
瞬きしてる間に終わっちゃいそうでした。
キャストも皆さん個性的で役にピッタリでした。

あの能はそういう物語だったんですね。
もう少し早くとみ様の所に来ておくべきでした。

投稿: るみ | 2010年8月 4日 (水) 19時37分

「那須の語」を演じさせてもらったことがあって、お礼に仕事の会議のついでに那須神社に詣でたことがあるんですよ。
そしたら、那須神社の横というか、下というかに「殺生石」がありました。硫黄くさく、これじゃ、動物しぬかもね??って感じですね。
私のお友達の能楽師、映画の場面の「地謡」で出てました(^^)

投稿: 悠 | 2010年8月 3日 (火) 22時52分

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