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2010年3月29日 (月)

宝塚花組公演・ミュージカル虞美人

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ミュージカル 『虞美人』−新たなる伝説−
〜長与善郎作「項羽と劉邦」より〜
脚本・演出:木村信司
出演:項羽/真飛 聖、虞姫/桜乃彩音、劉邦/壮 一帆、范増/夏美よう、韓信/愛音羽麗、張良/未涼亜希、衛布/華形ひかる、呂后/花野じゅりあ、桃娘/望海 風斗他
27日(土)ソワレを超良席で拝見。
おはなし
秦の始皇帝の死後、覇権を争った楚の項羽と漢の劉邦の物語は、歴史を超えて故事となり演劇や小説、映画にもなっている。なかでも、項羽が熱愛した虞姫との別離は京劇の覇王別姫としてあまりにも有名だ。宝塚でも、戦後間もない時代に豪華絢爛な舞台で大評判となり、財産として暖められてきたのがこの作品とか。

秦を倒すまでは盟友だった項羽と劉邦が、宿敵として死闘と謀略を繰り返す。楚の軍師范増組長と漢の頭脳明晰な軍師張良、両軍からヘッドハントされる股くぐり韓信と多士多彩。花のような虞美人、最終勝者の呂后、項羽を父の仇と狙い少年に扮して虞美人に仕える桃娘と娘役もいいお役が描かれている。
荒くれた剛毅な武将項羽のイメージからは遠いストイックで端正な真飛さんだが、真っ直ぐな完璧主義者の常勝将軍で、人間的な懐の浅さもお似合い。
さて、知的でへたれな印象の壮さんが、酒色に目が無い軟弱男子、ウケ狙い見え見えの人たらし・劉邦をイキイキと演じておられうれしい驚き。同じく草食男子がお似合いの愛音さんも只のへたれではなく逸材感があった。
ワタクシ的には、なんも考えてない項羽より、項羽にくっついたり離れたり、騙したり逃げたり忙しい劉邦に目が行く。特に、項羽を背後から撃つ大決断を張良に迫られるところがツボ。張良さん、めちゃいいお声。びんびん響く声で今ですと言われたら、そうかいなと追撃してしまう。逃亡中のナンパもいい感じだわ。
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50年前の作品として拝見すると、この半世紀の中国もののエンタテイメントの演出メソッドがぎゅーぎゅーつまっていると分かる。巨匠演出家がアイデア帳になさったかもと思われる戦場で歌われた楚歌に美しい歌詞を授けるところ、両軍明快な色分け、凛々しい剣舞と、華やかなプロローグと呼応するエピローグと全く古さを感じさせない。太王四神記、呉王夫差、玄宗と楊貴妃、三国志…みーんなここが原点だったようだ。
実は2年前、植田大先生が、国立文楽劇場で国性爺合戦を御鑑賞なさっているのに遭遇し、霧矢さんで国性爺合戦♪、いやいや覇王別姫とひとり盛り上がったが、違った形で妄想が叶って(v^ー゜)ヤッタネ!!

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コメント

>スキップさま
突発で拝見しました。^ロ^;スキップさまのご期待発言の影響のおかげですので感謝します。
関連商品ですが、えらい昔、コン・リーさん(呂)主演の「項羽と劉邦」という中国映画、レスリー・チャンさん(映画)、東山紀之さん(ミュージカル)主演の「覇王別姫」を見たことありますが、全く初見です。あ、雪組で「呉王夫差」というのは見てます。
木村センセ、昭和の活力を感じさせながら、古色蒼然の手前で踏み止まったところが立派でした。なんかオリジナルとは違うもののようですね。
壮さん、質実剛健(爆)になってしまった雪組から貴公子揃いの花組に移られて、存在感を示しておられますね。

投稿: とみ | 2010年4月 1日 (木) 12時27分

とみさま
見応えのあるおもしろい舞台でしたね。
「項羽と劉邦」の物語に俄然興味がわいて
原作読みたくなりました。
木村信司先生もなかなかやりますか?(笑)

花組はトップ2の力が安定して大人の鑑賞に
耐え得る組だと思います。
とてもバランスがよかったので桜乃彩音さんの
退団は残念です。

投稿: スキップ | 2010年4月 1日 (木) 04時50分

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