カティンの森
原題:Katyn
監督・脚本:アンジェイ・ワイダ
原作:アンジェイ・ムラルチク
脚本:ブワディスワフ・パシコフスキ、プシェムィスワフ・ノバコフスキ
撮影:パベウ・エデルマン
音楽:クシシュトフ・ペンデレツキ
製作国:2007年ポーランド
出演:マヤ・オスタシェフスカアルトゥル・ジミイェフスキ
1939年、西からドイツ軍に追われる人々とソ連軍に東から追われた人々が、ポーランド東部にあるブク川の橋の上で偶然出くわす。西側からはソ連の捕虜となった夫・アンジェイ大尉を探すアンナと娘のニカ、東側からは大将夫人ルジャがおり、彼らはそれぞれの目的地へ向かうため川を渡る。
1940年、ポーランドで起こった、ソ連の捕虜となった約15,000人のポーランド人将校が虐殺された「カティンの森」事件。その悪逆に翻弄される人々を、70年の歳月を経て、巨匠アンジェイ・ワイダ監督が、実際に遺された手記や手紙を基に積年の思いをこめて描く歴史ドラマ。
古来、ロシア、ドイツ、オーストリアの脅威に苦しめられてきたポーランド。最大の悲劇がカティンの森だ。悲劇は、息子、夫、兄弟、父を亡くしただけでなく、その真実が隠ぺいされた弾圧と思想統制の暗黒の戦後が続くことだ。監督は、丁寧に、憤怒を抑制しながら描いておられる。復興の要となる知識階級を根絶やしにするとは悪魔の所業に他ならない。その肖像画がラスト10分に登場する。あまりのことに涙が出ない。

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コメント
>悠さま
戦場のピアニストもそうでしたが、渇いたシーンに涙も出ません。戦勝国側の犯罪はこんなことができたのと思うと怒りを禁じえないです。つらい戦後はついこの間まで続いたのですね。監督バンザイです。
投稿: とみ | 2010年1月11日 (月) 22時18分
観てきました。すごいですね。情報戦争と、情報管理、嘘の情報に歯向かったからって、逮捕されたらたまりませんよね(;;)
投稿: 悠 | 2010年1月11日 (月) 21時13分