錦秋文楽公演・初日・蘭菊の別れだけでも見に走ろう
簑助さんの小春と文雀さんの葛の葉が迎えてくださる。心中天網島と芦屋道満大内鑑の豪華通しが見られる本格派好みの二本立てだ。
住大夫さんは河庄の切り。兄孫右衛門の深い愛情と、小春の心意気が前面に出て、治兵衛の阿呆ぶりが際立つ。今日はおとなし目。
紙屋内の切りは綱大夫さん。燃える清二三味線に唸る綱師匠のおさんはあまり逆上せず、治兵衛は一瞬改心していい人になったみたいだった。
夜の眼目は蘭菊の別れ。五丁六枚の豪華な床に、一面の幻想的な菊の野に、葛の葉がだんだん狐に戻る悲しみを、超人的な精神性と技巧で見せてくださる文雀師匠の至芸は筆舌に尽くしがたい。文楽だけが表現できるコンテンツのこの一場だけでも幕見する価値ある。
25年ぶりの上演とかで、客席も拍手のタイミングがつかみにくく茫然と見てしまったが、終わる頃には、拍手し続けの十数分となるだろう。
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コメント
>紅娘さま
師匠は、葛の葉姫(娘)、マイ狐のぬいぐるみ、女房、やや狐より、ふさふさの狐、道行のマイ首と6種類遣っておられましたね。
唖然、呆然と拝見してました。まいちど泣きにいかんとあきません。
投稿: とみ | 2009年11月 7日 (土) 23時16分
こんにちは!
昨日、夜の部だけ見に行きました。葛の葉子別れの段で涙を流しました。蘭菊の別れもすごかったです。これからもっと上演して欲しいと思います。
投稿: 紅娘 | 2009年11月 7日 (土) 12時03分
>しろくまさま
奥庭狐火の段と日高川と関寺小町を足して3で割ったような凄さでしたよ。床の清治師匠のつま音を聞き落とすほどの文雀師匠の葛の葉でした。
博多座公演がありますね。東京は中堅でそれも楽しみすが、博多は師匠方がお出ましなのがいいですね。
投稿: とみ | 2009年11月 3日 (火) 09時19分
え、ここに何かコメントを、という事で行けない公演にコメントするのは…。と思いましたが。
評判が良さそうなので山陽新幹線が高速1000円に対抗して「のぞみ」「ひかり」を3000円程度にして下さるなら日帰りでも良いので大阪へ行きたい、と思います(笑)
今日、四季の「ウェストサイド」、三度目突入、となります。
投稿: しろくま | 2009年11月 3日 (火) 06時46分
>獅子丸さま
豪華通し上演流行りですね。東京の仮名手本忠臣蔵は赤穂城明け渡しまでのハーフサイズのようです。
投稿: とみ | 2009年11月 2日 (月) 22時52分
獅子丸は、レミが豪華通しとか上演♪
投稿: BlogPetの獅子丸 | 2009年11月 1日 (日) 14時34分