松竹大歌舞伎 近松座公演 in びわ湖ホール・顔見世半分見た気分
一、坂田藤十郎お目見得 御挨拶
二、恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内 封印切
新町井筒屋の場
亀屋忠兵衛 坂田藤十郎
丹波屋八右衛門 片岡愛之助
傾城梅川 中村壱太郎
槌屋治右衛門 坂東彦三郎
井筒屋おえん 片岡秀太郎
三、連獅子
狂言師右近後に親獅子の精 中村翫雀
狂言師左近後に仔獅子の精 片岡愛之助
修験者 中村亀鶴
村娘 中村壱太郎
坂田藤十郎家三代,片岡秀太郎二代,亀鶴さんら上方の役者と彦三郎丈の息の合った座組による定番演目の興行だ。地方公演としてはかなり賑々しい観客数だった。
坂田藤十郎丈は,滋賀県は初めてとか。大津絵道成寺,傾城反魂香,良弁杉など当地縁の演目をなさるのに意外だ。
なんと申し上げても,お孫さん相手に色模様をなさる忠兵衛の藤十郎丈のお若く瑞々しいこと。梶原源太はわしかしらん。新町への先陣争いは必勝,色の組討は常勝でも,金の武運に見放され大和路を落ちてゆかはる。
この上方二枚目の難儀なお方と対峙する,上方の好かんタコ・はっつぁんを愛之助丈が好演。ほんまに悪い奴の曽根崎の九平治は亀鶴丈でキマリだが,封印切あぶらむしのはっつぁんは愛之助丈がよろし。敵役はこうして若い方がもう本役になさっておられるが,余人をもって替え難い主演はどないなるんでっしゃろ・・・。
連獅子で翫雀丈が出て来られたら,お元気ですねと感嘆なさっている観客様が回りに多数。これもまた楽しい。
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コメント
>ムンパリさま
シドニーのオペラハウスを意識しすぎの気がします。運営は破綻してます。兵芸が羨ましいです。
八右衛門とおえんのやりとりはいいですね。捨て台詞もお上手でした。
投稿: とみ | 2009年9月12日 (土) 23時07分
とみさま。
びわ湖ホールへは4年前に山海塾を見に行ったきりです。
(中ホールでした)
とみさまの写真を拝見して、スケールのおおきなホワイエに
ナンジャコリャ!とびっくりしたのを思い出しました。
いいお芝居でしたね。
上方の好かんタコも偉大なる先輩方と共演し、たくさんの
ことを吸収されますように。
そうやって上方の和事を継承していってほしいですね〜。
チョット優等生なコメントで結んでみました・・・。
投稿: ムンパリ | 2009年9月12日 (土) 20時33分
>花餅屋太夫元さま
かなりベストに近い配役の座組でしたね。
おえんさん、うーん、ライバルですが偉大過ぎます。柔か味と可笑し味と侠気と色香の配分が自在であられます。いつかは…。
また、梅川に新ライバル出現。演技で牡丹灯籠のときの差を詰められてます。踊り上手過ぎ。亀鶴さんの役不足を感じるほど豪華な巡業でした。
しかし、花道の滞留時間の長い藤十郎丈には短い花道でした。春秋座で見直したくなりました。
投稿: とみ | 2009年9月10日 (木) 08時19分
こんばんは…実は、歌舞伎観賞復帰にと、この公演を観に行ってました。
ホンマ・・・久し振りの藤十郎さんに秀太郎さん。
ホンワカとなって…上方歌舞伎万歳~っ!って感じになってしまいました(笑)
投稿: 花餅屋の太夫元 | 2009年9月10日 (木) 02時19分
>蘭鋳郎さま
毎年楽しみにしています。兵庫文化芸術センター、なら100年ホールなどライバル劇場に比べて圧勝できるのはホワイエからの景色ですね。
壱太郎さんと亀鶴さんのアイ狂言に盛大な拍手でした。連獅子は親子、亀鶴さん、愛之助さんの強力でも見たかったです。よい巡業でした。
投稿: とみ | 2009年9月 9日 (水) 08時30分
とみ様
びわこホールでの歌舞伎公演、いいですねぇ。あの劇場で歌舞伎が上演されるのは、年に1度、季節もだいたい今時分というのが例年のお決まりで、残暑厳しい中ながら、夕暮れ時になると湖面に消えていく落陽の残照を、ホールの窓から臨めるのも、大きな魅力だと思います。
今年の近松座は、藤十郎丈の忠兵衛の胸を借りて、愛之助・八右衛門と壱太郎・梅川という若手が体当たりで挑むのが実に結構ですね。
投稿: 蘭鋳郎 | 2009年9月 8日 (火) 22時29分