生写朝顔話かなり通し近上演・過激な恋なら簑助さん
文楽公演第二部は、宇治川蛍狩りの段から大井川の段まで、明石、浜松、島田と二人の出会いからすれ違い、乳母の浅香の忠義、笑い薬のチャリ場もすっとばさず、休憩25分(だけ)含み4時間。
タイトルロールの深雪を中心に物語が動くので、人間国宝吉田簑助さんは出ずっぱりだ。もとより一途、激情、壮絶の芸風であられるが、一目で恋に落ちた瞬間から大胆にアプローチし、どんな艱難辛苦も積極的に享受し、周囲の大迷惑も張り倒し、痛ましい犠牲も踏み越えて、高いテンションをキープしたまま、まっしぐらに走っておられる。
宿の亭主徳左衛門は、三度は拳骨を見舞われたうえ、とどめにみぞおちに杖で突きを被り悶絶。やんややんや。
眼目は、簑助さんと文雀さんがそろう浜松の段だ。深雪と乳母浅香の主従が、独白をお互いに隙見るという、気管支がく〜となるもどかしい邂逅があって、喜びも束の間。気丈な浅香の死んでも死にきれない討ち死にに、そ、そんな〜と、ぎゅーと胃が縮む。出会いで感涙した後だから、あまりにもあえない死に涙も出ない。
通常公演や地方公演で、見取りに聴かせて頂いたストーリーがやっとつながったが、あざとさとすれすれのすれ違いと、これでもか、あんまりな胴欲なという理不尽な展開が、観客の健康によくないことがわかった。
しかし、一度は見んならんかった(^^)v。
![]() 文楽 |
薬がキーアイテムの演目。泣き笑いそろっているのがナイス↑よかったら、ポチッお願いします♪
| 固定リンク
「文楽」カテゴリの記事
- 文楽初春公演初日行ってきました(2015.01.04)
- 竹本住大夫師匠が引退を発表なさいました(2014.03.01)
- 文楽初春公演(2014.01.13)
- 文楽地方公演 in 京都 まだ朝顔が咲いているんです。(2013.10.07)
- 鑑賞教室を一度しか拝見できなかった反動で、若手会はしっかり確保しました。(2013.06.23)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>やたけたの熊さま
豪雨が続きます。地下にウオータースライダー状態で水が流れ込んでいるのではないでしょうか。自然への畏敬の心を取り戻さないとと思います。
文雀師匠の絵はいいですね。
投稿: とみ | 2009年7月27日 (月) 00時12分
2階ロビーの壁には、大井川の深雪を遣う文雀師匠の絵が掛かってましたね。いまブログの写真を拝見して思い出しました。
「生写朝顔話」は長かったですけど、ストーリーが変化に富むのでちっともダレませんでした。住師匠、嶋師匠、よろしかったですね。しかしながら深雪はかわいそすぎますね。
投稿: やたけたの熊 | 2009年7月26日 (日) 21時36分