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2009年7月31日 (金)

天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)2度目・オーバチュアは3回目

何回聴いたら気が済むねんと突っ込みを入れられそうだが、25日に、二度目の拝聴の「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」。

オーバチュアだけで気温マイナス10度。涼感を通り越して寒い。六丁の三味線と十七弦の琴が、プロスペローの魔法を奏でる。清治さんは三味線のプロスペロー・魔術師だ。
 そして、プロスペローの首は丞相。何べん見ても、平幹にしか見えない。似てるってもんでなく、本人より平幹らしい。この演目は平幹以外したらあかんということをわかっておられる制作者にブラボー。
エアリエルまで、蜷川テンペストと同じ拵えで宙を舞う。名前は「雲霧丸」にして欲しかったかな。
何より、文楽にあるまじき猛スピード。ミュージカルの域を超えてUSJのウイキッド並みの展開に、ジェットコースターに搭せてもろうている気分。賛否両論あるかと思うが、イメージどおりのファンタスティックな人形が遊び心を満足させてくれる。ジュエリー・ティモアさんのライオンキングのハクナ・マタタ、愛を感じての場面の、装置とも衣装ともつかない仕掛を思い出す。文楽にヒントを得られたのだから当然か。

せっかくの人形、このまま、夏夢のオーベロン、パック、妖精に遣い回せるし、ボトムのロバの首に付け変わるのも、きっと文楽向きだ。

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文楽」カテゴリの記事

コメント

>かしまし娘さま
東京は台風の季節に上演でしたか。
プレイベントのトークショーで、
「大阪公演の前に勘十郎さんと和生さんがロシア公演に行かれ、帰りの飛行機で嵐に遭われ、リアルテンペスト体験をなさったそうです。玉女のヤローと恨んだとか…。」
首は平幹、語るは千歳さん、見た目のキャップが楽しかったです。
皆さん、地方回られて、31日が初日ですね。季節が進みます。

投稿: とみ | 2009年10月11日 (日) 10時30分

とみ様
仰せのとおり”平幹”でした。
これ観る前に、ナマ平幹を舞台で観てしまっただけに、
余計リアル(笑)

あの嵐に巻き込まれて、私の心もグルングルンでした♪

原作を知らないんですけど、
これなら今後もこのコラボはOKじゃないですか?

親子で観ていいって感じで、
文楽贔屓には、「ちょっと…」って人もいたかも。
でも初心者にオススメでしたね。
そのわりにはおひとり様で行ったんですけど(コラコラ!)

投稿: かしまし娘 | 2009年10月11日 (日) 09時14分

>スキップさま
こちらにもコメントありがとうございました。
至言。テーマパークのミュージカルパフォーマンスを思い浮かべました。
今だから申し上げますが、プレトークでは、センセは、終幕後、黒衣を取って、文楽始まって以来のカテコをするとおっしゃってたのにありませんでした。残念。
ワタクシ的にはタータンチェックのブリティッシュな裃がツボでした。
フェアリードールは賛否両論あったようですね。

投稿: とみ | 2009年8月14日 (金) 21時28分

とみさま
しつこくこちらにも(笑)。
想像していた以上に「テンペスト」でした。シェイクスピアは偉大だなぁ、と改めて感じた次第です。
それにしても冒頭の三味線、箏の合奏にはヤラレました。大夫さんの熱演も含めて、文楽は“聴くもの”であることを今さらながら再認識しました。
そうそう、妖精は使い回せますよね。
せっかくだから四季に対抗して「WiCKED」あたりはいかがでしょう?(笑)

投稿: スキップ | 2009年8月14日 (金) 11時21分

>獅子丸さま
はーい、大満足でした。君も出たかったのではないですか。

投稿: とみ | 2009年8月 1日 (土) 21時54分

>藤十郎さま
徳をもって恨みに報いるのが主題ですから文楽より夢幻能に向いているのかもしれませんね。

投稿: とみ | 2009年8月 1日 (土) 20時22分

おとみさんが満足したの?

投稿: BlogPetの獅子丸 | 2009年8月 1日 (土) 13時57分

>どら猫さま
一応成功したと思われるのですが、新作は十年に一度が精一杯なんでしょうねえ。いまでこそ人気の曽根崎心中も復刻作品だったようですし、発展を続けていただきたいです。
タイテーニアですが女性の首は、婆、老女形、娘、お福、傾城しかありませんから老女形でしょう。白石加代子さんに似た首がいいな。

投稿: とみ | 2009年8月 1日 (土) 12時35分

>ハヌルさま
ハヌルさまも、わたくしと同じく新しい演劇表現の可能性を追求なさっておられたら、表現技術が多少ついて来ていなくとも、その心意気やよしとする方であられますね。
平幹さんがプロスペローを演じられた15年前そのままですね。拵えは世阿弥の設定でしたから能装束でした。住まいは洞窟ではなく佐渡の朽ち果てた能楽堂でした。妖精たちの見た目、何にするかが、第一部の妖怪たちと同様諸説あることでしょう。
成功ですよね。

投稿: とみ | 2009年8月 1日 (土) 12時04分

やはりこの天変斯止は聴かなければ面白みを味わえないようですね。冒頭の演出がそのことを象徴しているかのようです。
昨日は6時過ぎまで劇場にいましたので、またまたおとみさんとはすれ違いでした。我々も朝顔を地でいってますね(笑)。

投稿: 藤十郎 | 2009年8月 1日 (土) 10時52分

>とみ様
 ほんと、あのオープニング(と言いたいですよね)は凄かったです。背景の青のイメージと音のイメージがぴったりと合っていて、迫力物でした。話しも超スピーディーでしたしね。
 これって、また再演して欲しいと思いますわ。
 夏夢のタイターニアの首は何がいいんでしょうねぇ。

投稿: どら猫 | 2009年8月 1日 (土) 09時54分

2回ご覧になったとみさまがうらやましいです!
左衞門@ブロスペローは平幹さんですか!
私は蜷川テンペストを、と言うよりテンペスト自体を観てないので
イメージは湧きませんが、とても存在感のある素敵な人物?人形でした。
平幹さんより素敵だったかも…すみません(苦笑)
それにしても冒頭の「暴風雨」は素晴らしい演出でしたし、
ラストシーンもとても印象的でした。
全体的にスピーディーであっという間の2時間でしたね。

二部の「生写朝顔話」も観たかったんですが、
深雪のあまりの不憫さにかなり暗〜い気分になりそうで
耐えられそうにないと思い、断念しました。

投稿: ハヌル | 2009年8月 1日 (土) 01時21分

>火夜さま
始まったばかりの気がしますが、もうラスト土日なんですね。
いっぱいイラスト描けますことでしょう。

投稿: とみ | 2009年7月31日 (金) 18時30分

やっと明日聴けます!
平幹がたのしみです。

投稿: 火夜(熊つかい座) | 2009年7月31日 (金) 16時03分

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