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2009年7月27日 (月)

NINAGAWA十二夜 in 大阪松竹座・26日マチネがマイ千秋楽・マイ総括を手短に…。

27日、大阪松竹座で「NINAGAWA十二夜」は200回公演、LONDONバージョンの大千秋楽を迎えた。残念ながら、マイ千秋楽は、26日の199回目だった。一般公演どおり粛々とするべきことをなされた素晴らしい完成度のであった。以下、マイ総括を手短に…。

ワタクシ的には、二幕冒頭のオーシーノ公爵への秘めた娘心を押し隠しながら男姿で舞う場面が、菊之助丈の世界への殴りこみの切り札だと信じて疑わなかっただけに、短くなってしまったことが淋しかったが、トータルとして、観客に媚びることなく、だれることなく、緊迫感と品位が増した分、歌舞伎の表現技術で上演するシェイクスピア劇のコンプリート版と位置付けられたと思う。

時蔵丈の織笛姫は、蜷川さんに赤姫で演じて欲しいという注文を受けられ、そのとおり舞台上にあられたが、英国人が、鏡に映った後姿に十種香の八重垣姫を見出すはずもないから、オリビアとして勝負しておられたはず。気位の高さ、思いこみのきつさ、独善の危うさという赤姫と奇しくも一致したオリビアというキャラそのものの見事さで、もう一人の主演であることを明確に示された。ブラボー。

また、戯曲としては主演級でありながら、しどころの少ないオーシーノ公爵をヒロインが熱愛する貴公子として視覚化された錦之助丈も、日本の理想の男性の絵姿を世界に提示するという重要なお役目を果たされた。初演時に、素晴らしい舞台美術に映えるお姿と感嘆したが、今回は桜をはじめとする視覚効果が美しさの邪魔になると感じる程であった。

幾度か書いたが、菊五郎丈が二役のため、フェステがマリヴォーリオを苛めるシーンに登場されないのが残念。フェステが声色で神父に成りすまし、マルヴォーリオを暗闇の中でいじる場面は暗転でも聞かせどころとなるため、トライして欲しかったところだ。

制作発表から初日まで、気も狂わんばかりに愉しみにしていた日々を思い出す。菊之助丈はこの十二夜で畢生の当たり役に恵まれ、若手歌舞伎俳優から、世界の誰もが達成できなかった難役の鮮やかな解決者となられた。共演なさった俳優さんたちも、襲名やテレビドラマ出演などで、歌舞伎の世界の中でのポジションを確実にアップされた。よいよいづくめの十二夜が終わるのは淋しいが、もう皆さんは新たな地平を求めて駆けだされていることだろう。心からの感謝をこめて皆様に御礼申し上げたい。

なお、蜷川さんの歌舞伎でシェイクスピアはもうええです。まだまだ演出されなければならない戯曲は世界に眠っていることでありましょう。

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歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

>スキップさま
コメントありがとうございます。
ネオ歌舞伎、いのうえ歌舞伎、天保十二年のシェイクスピアというのもありました。お若いときはジャポネスクな演出なさってました。
それはそうと、トランスジェンダーは日本の文化。お公家さんの物語にぴったりですね。「とりかえばや」と十二夜は良く似てますね。ナイスな翻案でした。
やっぱ、見に行くでしょう。

投稿: とみ | 2009年7月29日 (水) 22時33分

とみさま
私は198回目がマイ千秋楽でした。
これまで観たいと思いながらご縁がなかった「NINAGAWWA十二夜」
よくぞ大阪に来ていただいたという思いです。
とみさん家の獅子丸くんの名前の由来の獅子丸さんにも
やっと会えましたし。
脚本、演出、舞台装置、音楽、そして役者。
すべてが高濃度に揃った舞台。堪能いたしました。

あ、歌舞伎でシェイクスピアはもうええんですか?(笑)

投稿: スキップ | 2009年7月29日 (水) 01時16分

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