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2009年7月19日 (日)

天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ) in 国立文楽劇場・出帆は嵐后晴

テンペスト
初日、第三部を観劇した。
国立文楽劇場の開場25周年記念の新作。

歌舞伎、狂言、文楽の英国公演を目指し、シェイクスピアの作品の本朝翻案がそれぞれ企画され、歌舞伎は既存のハムレット、狂言は新作のウインザーの陽気な女房たちが実現したが、文楽は「テンペスト」を日本の時代物に翻案した「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」(山田庄一翻案・演出、鶴沢清治作曲)が創作されたが公演には至らなかった。
作品として惜しいという声があり、92年2月、大阪・旧近鉄アート館で2日間、東京・旧パナソニック・グローブ座で3日間だけ実験的に上演。建築家磯崎新氏の設計による抽象セットも実験的であったという。清治さんや故・吉田玉男さんら人間国宝クラスが出演されたが運良く拝見できた方は少ない。
今回はこの脚本、作曲を練り直し、衣装、大道具なども豪華に新調し、東京の国立小劇場でも9月に上演する予定だ。

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オーバチュアでは、舞台中央に三味線六丁、十七弦の琴一丁が居並ぶ。この合奏が圧巻。空調も効いていたが、寒気と身震いを禁じえない。膝かけやストールをかけなおしておられた方多数。
床下の席のチケットを確保した者としては、ずっと床が舞台上なら悲しいが、次の場からは通常の床を使用されていたのでほっと安心。客電が落ち人形遣いさんは頭巾をかぶって演じられるスタイル。
序幕で登場した十七弦とハーフサイズの琴も加わり、妖精や魔術を表現する不思議な音色と羽ばたきのようなリズムが幻想的だ。
エアリエルは予想とおりの少年神の姿だが、その他の怪物や妖精たちは、意表を突いた形だ。

復讐や恩愛、憐憫や惻隠が馴染みやすい義太夫の曲に、赦しと救いが上手くゆくかなと、拝聴するまで若干不安はあったが、大人の寓話として上質で見応えのある一幕といえよう。慟哭、憤怒、咆哮が似合う千歳さんが、穏やかに爽やかに幕を閉めておられた。このまま順風満帆の航海を続け、千秋楽には○○○に期待。

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コメント

>ぴかちゅうさま
7月の週末は、文楽劇場と松竹座にいました。
客電が落ちると文楽ではないような不思議な気がします。
楽しかったですね。後程、ゆっくりおじゃまします。

投稿: とみ | 2009年10月12日 (月) 09時25分

ようやく国立小劇場での感想をアップしました。TBさせていただきましたがうまくいかなかったら、名前欄のURLに該当記事のものを入れておきましたので、そちらでお願いしますm(_ _)m
「テンペスト」は通常のストレートプレイの舞台は未見なのですが、文楽版は実にファンタジックで気に入りました。終始人形遣いさんが全員頭巾をかぶってというのも逆に新鮮に感じました。
文楽ならではの妖術の支配する不思議な世界を堪能でき、世界に誇れると思いました。次に再演される時はシェイクスピア好きの友人を誘ってみたいと思っています。

投稿: ぴかちゅう | 2009年10月12日 (月) 01時56分

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