京都学「前衛都市・モダニズムの京都」18951930 in 京都国立近代美術館・ダンディズムとエスプリに目をみはろう。
京都新聞は、前身である「日出新聞」から数えて、今年は創刊130周年を迎える。これを記念して、京都国立近代美術館の建つ岡崎の地で、1895(明治28)年に開催された第四回内国勧業博覧会前後の、近代京都の気運を、同美術館所蔵の貴重な資料や前衛的な作品を中心とした展覧会が開催されている。金曜日は夜間もオープンしているので滑り込んだ。
なかでも、「平安遷都1100年記念祭」のシンボルとして、伊東忠太氏が設計した平安神宮に関わる設計図書、造営中の写真、博覧会開催中のグッズ、竹内栖鳳の絵画まで揃えた展示が感動的だ。
伊東自身の洒落た立ち姿が立面図や断面図に添えられ、モジュロールとなっているだけでなく、図面からダンディズムとエスプリが香り立つ。偉大なだけでなく、時代と寄り添って生きながら時空を超えて遊ぶ自由なマインドに目が潤む。肩が震えしばし立ち尽くす。
東山の祇園閣の写真も展示され、新築当時、東山の景観を破壊すると賛否両論あったと記されていた。これらのアーツを見た後は、東山を逍遥したくならない人はいないであろう。人生を消費しつくした者はセンチメンタリティをなだめながら、まだ時間が残されている者はひとかけらのファイティングスピリットをかきたてながら歩きたまえ。
お江戸の方は、戻られたら築地本願寺、大蔵集古館や震災祈念堂にどうぞ。
さて、うれしかったのが、博覧会のおみやげの平安神宮の立版古(たてばんこ)。欲しい〜。復刻して欲しいな!
仕上げは、弁士&生演奏付きで、大正時代の牧野省三氏作の無声映画でタイムトリップ。
立版古;幕末から大正中頃にかけて流行した、和紙で摺られたパーツを切り抜き立体的に組み立てる遊び。ペーパークラフト建築。
>袖ふれあうもさま
京都国立博物館で、「どっこも行かれへん」とつぶやいておられた技芸天さんと毘首羯磨さんの木型が展示されてました。近場でも出かけられてよかったです。
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コメント
>袖ふれあうもさま
ムーサとダイダロスにも見えますね。
東京で阿修羅さんがブレイクという理由が、後ろの顔も見られるということらしいです。レリーフの木型はやはり背中はないようです。
投稿: とみ | 2009年7月12日 (日) 09時39分
博物館で「どっこも行かれへん」の技芸天さんと毘首羯磨さんが分身の術を使って,近美に行ってはるんですね.
ユングの心理学的に解釈すると同時協調性のような感じがしますね.
おとみさまと,技芸天さんと毘首羯磨さんとは縁があるやと思います.
投稿: 袖ふれあうも | 2009年7月11日 (土) 23時51分