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2009年6月 8日 (月)

頭痛肩こり樋口一葉 in 京都四条南座・田畑一葉は健気で自然体のなっちゃん・おとみは古着でしゅんとなる

祇園町
「きらめく星座」か「頭痛肩こり樋口一葉」か、どちらもやめとくか迷った。なんてことないそこの南座やん♪と出かけた。7日の公演を拝見。
戯曲:井上ひさし
演出:齋藤雅文
出演
樋口夏子/田畑智子、花蛍/池畑慎之介
樋口多喜/野川由美子、稲葉鑛/杜けあき
樋口邦子/宇野なおみ、中野八重/大鳥れい
あらすじ
明治23年8月16日、樋口家のお盆。19歳の夏子は樋口家の戸主。母の多喜と妹の邦子と赤貧の暮らしだった。和歌の道を志し、「萩の舎」の内弟子になったとはいえ、実態は女中奉公だった。
夏子が盆帰りをすると、多喜が乳母を務めた元旗本の姫君・お鑛(こう)が盆礼に訪れていた。お鑛の夫は士族の商法で次々と失敗し、樋口家に借金を申し込みに来たのだった。夏子は小説家になろうと唐突に決心する。
翌年のお盆。小説が売れるはずもなく、気味が悪い程の美男の師匠・半井桃水との仲を取り沙汰され凹んでいた。そこへ、幼馴染の八重が訪れ、投獄された兄の保釈金を借りたいと申し出る。
夏子の頭痛と肩こりがピークに達したとき、夏子だけに見える花蛍と名乗る幽霊が現れた。以降、毎年、盆帰りの日に花蛍が訪ねてくるようになる。
こんなおしばいでした
「大つごもり」、「にごりえ」、「十三夜」、「たけくらべ」など珠玉の作品を遺した樋口一葉と、一葉をめぐるさまざまな女たちの人生をコミカルに切なく描いた井上ひさし氏の傑作戯曲だ。
生真面目で健気な夏子に地元京都の田畑智子さん、恨む相手を特定できない人の良い幽霊に池畑慎之介さん、その他哀しくも可笑しな家族と客人たちは、イメージにぴったりキャストさん。装置も、いつも夏、狭い樋口家ということで数が要らない分、凝った造りだ。甲斐正人さんの童歌風の間奏曲やお鑛さんが唄いまくる戯れ歌や哀歌も秀逸。

元士族の女たちは、維新という時代の奔流のなかで必死に生きるが、開化の自由な気風とダブルスタンダードな変わらぬ因習や世間の眼、男社会の抑圧の下で、それぞれはかなく燃え尽きる。かそけき命ながら精一杯光る蛍が、女たちの息づかひを象徴して、視覚的にも非常に美しい舞台に仕上がっている。

井上ひさしさんの戯曲は、ド貧乏と極限の不幸を笑い飛ばす。そして、この世とあの世も隔絶されたものでなく、すぐそこに透けて見え、ちょっとしたことで此岸から彼岸へと通り抜けてしまうと、楽しくも切なく見せてくれる。「筆一本で時代に一矢報いる。」と芸術至上の気負いがあってもおかしくないプロットながら、田畑さんの樋口一葉は、健気で自然体で愉快な井上ひさし戯曲そのもののなっちゃんだった。
メッセージと死生観も、気持ち良く受け入れられましたワ!

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Photo_2一葉の着物
さて、6月は着物が一重となる。この日のおとみの出で立ちは、ヘビロテの黄色格子の木綿、半襟は格子の色が入った花柄に、帯は黒の半幅帯をサムライ結びに…と、超普段着で南座に出かけた。まず、南座前でポスターにガーン。全く同じコーデの樋口一葉さんだ。ハズカシー。偶然、偶然と気を取り直したところ、祇園町総見の看板が…。一歩劇場に入れば、周りは盛装なさった舞妓さんや芸妓さんの花の洪水。南座はこういうとこやった。不覚。
トドメが、なっちゃんの台詞。
「萩の舎で、満座の中、古い黄八丈の着物の貧しさを笑いものにされた。わーん。」
一葉さんに感情移入しましたねぇ。「黄八丈の古着のどこが悪い!」

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コメント

>SwingingFujisanさま
コメントありがとうございます。田畑さんは京都の祇園の料亭の御令嬢です。息をのむ美貌ではないですが、演技は上手いしアクションもいけるし、健気でかわいいです。晩年の一葉さんの年齢と近いかと思われますが、一葉さんの短命を思わずにはいられません。

投稿: とみ | 2009年6月13日 (土) 00時06分

一度は見たいと思っていたこの芝居、しかも田畑智子ときたら絶対見たい!! ところなんですが、東京公演は25日の浅草1回だけなんですよね~(巡業なんですね)。その日は無理なので泣く泣く諦めました。
とみ様のご感想で半分見たつもり、半分ますます見たくなり…次の機会を待ちますわ
「黄八丈の古着のどこが悪い!!」「そうだそうだっ!!」

投稿: SwingingFujisan | 2009年6月12日 (金) 17時47分

>ハヌルさま
天保十二年、藪原、道元、源内のような登場人物も多くジェットコースタープレイもいいですが、何気ないヒューマンドラマもいいですね。年輩者だけでなく若い方に見て頂きたいです。

投稿: とみ | 2009年6月 9日 (火) 23時37分

そちらの井上戯曲も楽しそうですね♪
人の良い花蛍さんにも会ってみたい気がします(苦笑)
さりげな~く、わかりやす~い、でも強いメッセージ性のある芝居。
ひねったり捏ねくりまわしたりしていないストーリーが
逆に最近はとても新鮮な気がします。
お芝居を観に行くのは娯楽。
堅苦しい出で立ちでなくても良いと思います。
とみさまのお着物姿はとてもキュートで私のお気に入りです♪

投稿: ハヌル | 2009年6月 9日 (火) 21時22分

>袖ふれあうもさま
南座は客席もハレの場です。郷土のスター田畑さんは確か、元の黙阿弥でも南座に来られました。ロビーには、筒井道隆さんからのお花も。戯曲には噂でしか登場されませんが、半井桃水は、筒井さんしか思い浮かびません。南座で、田畑さん主演、井上ひさしさんのお芝居を常時かけてほしいです。

投稿: とみ | 2009年6月 9日 (火) 08時30分

そうそう田畑さんは,祇園の料亭の娘さんなので,応援団も祇園の皆さんなんですね.
総研ではなく,総見は南座の華ですね.

投稿: 袖ふれあうも | 2009年6月 9日 (火) 00時17分

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