哀しみのコルドバ/Red Hot Sea II in 梅田芸術劇場
ミュージカル・ロマン『哀しみのコルドバ』
作/柴田侑宏、演出/中村暁
メインキャスト
花形マタドール・エリオ/真飛聖、社交界の華・エバ/桜乃彩音、実業家・ロメロ/大空祐飛、エリオの師・ナバロ/夏美よう、エリオの婚約者・アンフェリータ/桜一花、エリオの友・ビセント/愛音羽麗
おはなし
コルドバの貧しい少年だったエリオは、マタドールとしてスペイン一の人気と実力を誇り、師匠の娘との婚約も整い栄光の人生を歩んでいた。しかし、マドリッドの夜会で、コルドバ時代の初恋の女エバと再会し、恋心が再燃する。エバは実業家ロメロの公然の愛人だったが、二人は想いを抑えることができず、ロメロの知るところとなる。そして、婚約を解消し、ロメロとの正式な決闘に臨むエリオを待ち受けていたのは皮肉な結末だった。
1985年に歌唱力に優れた峰さを理さんにより星組で、1995年にはカリスマダンサー安寿ミラさんにより花組で上演された柴田センセの名作。宝塚歌劇狂言はコンセプト、生徒さんの選考、教育は95年間一貫しているので、古いか新しいかではなく、良いか悪いかである。
結論。ストーリーはベタで品性に欠けながら、ひとつひとつの台詞は品格あふれる練られたものだ。印象的で流麗な歌曲の効果的なリプライズ、輻輳する重唱、メインキャストから脇の生徒にまで実力に応じたソロを配して申し分ない。主演の美しさを引き立てるソロダンスでは安寿ミラさんと重なって至福、眼福、ベリーハッピー。
真飛さんは長身小顔にノーブルフェイス。折り目正しいダンスと硬質な歌唱、ストイックで孤独な芸風がこの作品にベストフィットし、旧花組ファンとしては感涙もの(涙)。観客の心をわしづかみにする愛嬌に欠けるが、静謐が似合う逸材に相応しい当たり役を用意してあげて欲しい。
![]() 演劇・観劇・ミュージカル |
グラン・ファンタジー『Red Hot Sea II』
作・演出/草野旦
海をテーマにした夏向きのショー。海の妖精の少年、カラフルな熱帯魚、白いかもめ、ビッグウエーブ、風、夕日に光る海、豪華客船、貧しい漁村、都会の不良、海をわたる風、熱い砂浜がモチーフ。2008年のリメイク版とか。
花組を拝見したのは久かたぶりなので、上級生はすっきり美形で歌唱はちょっと、下級生は丸顔ラブリーでよいお声といった点が印象に残った。
この作品を最後に花組を離れ、宙組の主演男役になられる大空さん。存在感、演技、魅力は申し分ないのだが、ショーは求心力全開とは言えないようだ。ドラマ性があり見映えのする短時間のショー等、センセ方は愛情を発揮していただきたい。
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