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2009年5月12日 (火)

その男 in 大阪新歌舞伎座・平幹丈の子息は上川さんで決まり

200905_02_up5月2日(土)マチネ、大阪新歌舞伎座公演初日を上手のかぶりつきで拝見。
原作:池波正太郎「その男」、脚本:鈴木聡
演出:ラサール石井、音楽:上妻宏光
メインキャスト
幕臣の子息・虎之助/上川隆也 、その叔父・金五郎/六平直政、虎之助の師・池本茂兵衛/平幹二朗、幕臣の娘・礼子/内山理名、虎之助の親友/波岡一喜、薩摩藩士・半二郎/池田成志、さすらいの女/キムラ緑子
おはなし
黒船が来航した1853年、幕臣の子息でへたれの虎之助13歳は、継母にうとまれ大川に身投げした。しかし、謎の男・池本茂兵衛に助けられ、学問や剣の道を教わりながら旅を続ける生活が始まった。
6年後、別人のように逞しく成長して江戸に戻った虎之助は、生涯の友となる八郎、宿敵となる薩摩藩士・半二郎、後に妻となる幕臣の娘・礼子、人生を彩ってくれたさすらいの女・秀との出会いなど、青春真っただ中だった。
礼子との出会いは、池本の命により、男装の礼子を彦根まで護衛するもので、虎之助は恋心を抱き始める。彦根で池本に礼子を託したとき、虎之助は初めて二人が公儀隠密であったことを知る。
虎之助は自分も京に上り、風雲急を告げる時流に身を投じ存分に働きたいと請うが、池本は江戸に戻り、ただ生きよと厳命する。
しかし、愛する人々が激動の時代に翻弄されるなか、平穏に生きることは、腕に覚えのある虎之助にとって苦悩と煩悶の日々でしかなかった。

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『鬼平犯科帳』、『剣客商売』など戦後を代表する時代小説を送り出した池波正太郎氏の1970年の大長編『その男』の初の舞台化。
幕末、明治、大正、昭和を一徹に生きぬいた「その男」杉虎之助を上川さんが演じる。実父以上に虎之助を育む人生の師・池本茂兵衛役には、生涯最初の脇役の舞台を務められる平幹二朗氏。
1幕約1時間の3幕で長いよ。虎之助の青春期に絞り、鈴木さんが段取り良く脚本をまとめ、ラサール石井さんが紙芝居的な楽しさのあるスピード感溢れる演出で、時事ネタ、客席降り、パワフルな殺陣をてんこ盛りし、派手派手な舞台に仕上げられた。津軽三味線を使った華やかな音楽も、悲喜交々のヒューマンドラマを盛り上げる。

メッセージが問答無用で降り注ぐ。メッセージを発するのは圧倒的な存在感で舞台を支配する平幹丈。ワタクシ的には、ものごころついたとき、最初に視界に入った舞台人で、勝手に自称娘にさせていただいた心のおとーちゃんであられる。父上のお言葉は、ははっーとひれ伏して承るしかない。
「愚直に生きよ。生きることそのものが価値だ。政治に関わらず時代の流れを見続けよ。」
凡庸者には意味ないメッセージだが、眉目秀麗、学力優等、質実剛健、文武両道、清廉潔白、勇壮無比、学問にも剣にも秀で、一廉の人物として表舞台を生きるに相応しい俊英には酷い言葉だ。上川さんだからこそ、その逆説が響いていい感じだ。明治以降の堅実な人生も納得させてくれる。
内山さんは「リア王」と同じ、平幹丈の娘分役。いいな〜。
なるしー、キムラさん、六平さん、浪岡さん、みなええ仕事したはる。
しかし、主演しか目に入らないのは、たまさか座った良いお席のせいか、上川さんがホンマにかっこよかったからなのかわからず。
おしまいに、賞味期限1970年ピンポイントのきらいのあるメッセージだが、平幹丈のおっしゃることはワタクシにとっては家訓。ん、もう実現してしまった。
役不足のお役を愛を込めて演じることで主題を体現なさっておられると思うとまたまたひれ伏してしまう。

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コメント

>ムンパリさま
役不足感に徹した贅沢な舞台ですね。立派なガタイにかわゆい装置もツボです。
あと2回くらい行きたいところです。テンペスト、リア王等で引退しはるんやろかと半泣きになったことを思い出しました。まだまだ活躍が期待されます。
さて、70年は、革命の残り火の時代だったのでしょう。慈母の願いではなく、厳父の戒めというのがいいんですよね。

投稿: とみ | 2009年5月14日 (木) 22時15分

とみさま〜!!
子息に決定して頂いて・・・わ〜ん(感涙)。
上川さんは「功名が辻」では凡庸な男の役だったので、
逆説が生きる、という表現が素敵ですぅぅぅ。

> 賞味期限1970年ピンポイントのきらいのあるメッセージ
あっ、これには気がつきませんでした。
あの時代特有のメッセージだったのですね!
ナゾが解けました♪ ありがとうございます!!
なんだか蜷川さんの舞台みたいですが(笑)、次回はそれを
かみしめながら観劇してきま〜す。
でも、現代の若者にも通じる父から子へのメッセージだと
私は思います。

投稿: ムンパリ | 2009年5月14日 (木) 11時52分

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