外も中も桜吹雪の国立文楽劇場・開場25周年記念の1年がスタート
4日から開幕した25周年記念興行は、寿式三番叟と通し狂言義経千本桜。昼夜入れ替えなしで堀川夜討から。通しで拝見すると、けっこう義経公の登場場面が多く、宿命というか恩愛の絆の縦糸が強く感じられた。
それにつけても、清治師匠を芯に七丁七枚の三番叟の床の迫力と緊迫感はどうだろう。師匠の音を写し伝える七丁の鋭さに普段使わない脳細胞シナプスが弾かれ活性化した。7段ロケットというか青白い炎を上げる戦う三味線!物騒な修辞は礼を欠くのでこれ以上わーわー申し上げないが、頭の芯が残響で痺れている。3列33番の師匠ラブ席をこれからも狙うぞ。
しかし、しかしである。本日は、残念なことに、翁の綱大夫さんが急病で休演のため、翁・呂勢大夫、千歳・文字久大夫の代演だった。びしっとしまったものだったが、綱大夫師匠のご回復を願わずにはいられない。人形は、和生、清十郎、玉女、勘十郎の中堅ベストメンバー。最前列なら鈴で払い清めてもらえる。
また、さすが、寛治師匠の五丁五枚の道行初音旅はめでたくはんなりとした幸福感のある音色。こちらも、4列34番師匠ラブ席。人形をよっく拝見するため別の席でもいちど行きたいが…。
大盛況で何よりだが良いお席はなさそう。
それにつけてもハヌルさま、よくお目にかかれますね。
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コメント
>ハヌルさま
いつもオールスターキャストベストメンバーですが、特に演目が華やかでした。この一年間、ずっとですから、見逃せません。道行き初音旅は、歌舞伎より文楽の方がシンプルで好きです。
投稿: とみ | 2009年4月13日 (月) 17時56分
とみさま、お疲れさまでした!
演劇、歌舞伎では友人、知人にでくわすことが多いですが、
文楽は殆どないのでお喋り出来て嬉しかったです!
勘十郎さんの奮闘ぶりにも感激いたしました。
やっぱり文楽にはなんか惹かれますね!と言いながら、
とみさま大絶賛の「寿式三番叟」を勿体なくも
見損なってしまいましたが、幸か不幸か個人的には、
棚ぼた的至福のひとときがあって嬉しかったです♪
投稿: ハヌル | 2009年4月13日 (月) 00時24分
>やたけたの熊さま
三番叟は毎日でも通いたいくらいです。東京の配役見たら九丁九枚でした。劇場もこぶりですし、どないになるんですやろ。東京の昼の部だけでも行きたいです。
さて、終演9時15分ですね。いつもより長めで見応えありますね。少しの時間でも寄せていただきます。
投稿: とみ | 2009年4月12日 (日) 15時22分
>しろくまさま
はじめまして。コメントありがとうございます。
長い1日でしたが充実のプログラムに酔いました。通しはいいですね。主筋や人物造形が明確ですし飽きません。しかし、自主休憩タイムというか沈没時間が取れないのが難点でした。
実は最も寝たらあかん時間に睡魔のピークがきてしまい苦しかったです。
↑動物にたとえるなら白狐、首ならはガブです。
投稿: とみ | 2009年4月12日 (日) 14時37分
>清治師匠を芯に七丁七枚の三番叟
いやー痺れました。感動で涙ぐむほどでした。三番叟は玉女が遣う検非違使、勘十郎が使う又平と、首の性根が明快に表わされた味のある舞でした。
わたしは先週土曜日に当日券を求めました。床にほど近い7-32が奇跡的に空いてました。清治師匠といっしゅん目が合ってしまい照れました(笑)。
投稿: やたけたの熊 | 2009年4月12日 (日) 07時54分
おはようございます。
こちらにコメントするのは初めてですがよろしくお願いします。
やはり「通し」でご覧になられていたんですね。すれ違いでした。いつか名乗りを上げられるようになれば、と思います。
投稿: しろくま | 2009年4月12日 (日) 06時40分
>悠さま
伏見稲荷は昨年夏、忠信編のとき拝見しました。まだ前段があったのですね。弁慶上使では、卿の君を生かすため、弁慶とおわさの娘信夫が犠牲になっていますよね。佐藤継信、忠信兄弟…。大物で帝引き受けたもののすぐ難破して帝もやはり海の底に…。犠牲出しすぎ。
やはり、タイトルロールは主演なんや。
投稿: とみ | 2009年4月12日 (日) 00時21分
先週、午前の部で、堀川御所の段、伏見稲荷の段ってなお話を初めて観ました。え、え、義経さんの奥さんが、自死してまで、義経ー頼朝の和解を願うのに、この話すぐだめになるし、逃げる途中、静さんを、鼓の糸でくくりつけて行くし。
理不尽なんですけど、面白かったです、私。
投稿: 悠 | 2009年4月11日 (土) 23時51分