スラムドッグ$ミリオネア
原題:Slumdog Millionaire
監督:ダニー・ボイル
製作:クリスチャン・コルソン
原作:ビカス・スワラップ
脚本:サイモン・ボーフォイ
音楽:A・R・ラフマーン
キャスト
デヴ・パテル、マドゥール・ミタル、フリーダ・ピント、アニル・カプール、イルファン・カーン、アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール、アズルディン・モハメド・イスマイル、ルビーナ・アリ他
おはなし
現代のムンバイ。人気テレビ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、最終問題の一つ前まで正解し、賞金を獲得したジャマール(デヴ・パテル)だったが、スラム街育ちの無学な青年が正解を知るはずがないと、主催者に警察に引き渡された。ジャマールはなぜクイズの正解がわかるのか、警察の過酷な尋問によって、ジャマールの半生が明らかになっていく。翌日の最終問題に出演できるのか。
「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督が、スラム育ちの青年の過酷な半生を描いたヒューマンドラマ。インドの外交官ビカス・スワラップによる原作小説を、「フル・モンティ」のサイモン・ボーフォイが脚色。第81回アカデミー賞では作品賞、監督賞ほか最多8部門を受賞。
世界が選んだ映画ということでまずは拝見。トータルでクイズになっていながら、各設問ごとに青年の過去が明らかになるミステリープロットの脚本が凝っている。副筋の運命の恋も芳しい香辛料だ。幼い時、宗教抗争に巻き込まれ、兄と二人孤児となり、窃盗、詐欺、不法就労、殺人と生き延びるためにスラム街を駆け抜け、クイズ番組の椅子に座るまで、逃げて逃げって走って走る姿をカメラが追う。音楽も多国籍風にしゃれていて疾走感を高める。
爆発する人口、密集市街地の不衛生、孤児の多さ、暴動と貧困と犯罪の真っ只中を逞しく生きる子供達を暖かい目線で追っているのが救いだ。インド映画お約束のシーンもあり悲しみもリセット。
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コメント
>ミチさま
>子供たちが年齢に不相応なほどたくましいのがかえって哀れを誘いました。
人口は爆発しているし、イスラム教徒は迫害されているし、とうてい日本の子供や大人が生きてゆけるとは思えません。
それにつけてもこの映画を選んだアメリカの見識も尊敬します。映画はみんとあきません。
投稿: とみ | 2009年6月 2日 (火) 00時33分
こんにちは♪
インドには行ったことがありませんが、最下層の人たちの暮らしって今もあんな感じなのでしょうか。
子供たちが年齢に不相応なほどたくましいのがかえって哀れを誘いました。
でも、みんな目がキラキラしていてかわいいのよねぇ。
ラストのダンスで悲しみがリセットされてハッピーになりましたわ。
投稿: ミチ | 2009年6月 1日 (月) 23時53分
>ななさま
これをアカデミー賞に選ぶ選考委員さんも渋好みです。それにしても日本人の子供は生きてゆけない過酷な環境です。
投稿: とみ | 2009年5月 3日 (日) 22時37分
さすがアカデミー賞の名に恥じない感動作でした。
それにしてもこの監督の作品は「走る」シーン多いですね。
それも「逃げまくる」シーン。
テンションをあげる音楽の使い方も毎回好みです。
投稿: なな | 2009年5月 3日 (日) 20時40分
>みゆみゆさま
コメントありがとうございます。
一番感じたのは、「日本人はうかうかしていたらえらいことになる。」でした。子供達が起こす奇跡の数が、総数だけでも日本の10倍、確率を加味したらもっと多くなりそうです。
しかし、観光には寄与しそうにない映画です(爆)。
ま、受賞作品なので、悪いままではないはずという安心感はありました。
投稿: とみ | 2009年4月26日 (日) 07時16分
こんにちは。
私も見てきました。
見ていて辛くなるシーンもありましたが、結末には救われましたし、じんわりと心にきました・・・。
投稿: みゆみゆ | 2009年4月25日 (土) 22時29分