ある公爵夫人の生涯
原題:The Duchess
監督・脚本:ソウル・ディブ
衣装:マイケル・オコナー
キャスト
キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ。シャーロット・ランブリング、ドミニク・クーパー、ヘイレイ・アトウエル
おはなし
18世紀後半のイギリス。新大陸や欧州では、市民の力が台頭していたが、英国は貴族社会が健在だった。貴族の令嬢ジョージアナ・スペンサーは、歳の離れた大貴族のデボンシャー公爵のもとへ嫁ぐことになる。良縁に喜んだジョージアナであったが、夫は妻に全く関心を示さず、男子を生むよう求めるばかりだった。社交界の花となり、駆けごとや政治に夢中の彼女の前に、同じ苦しみを持つエリザベスと、首相を目指す進歩派のグレイがあらわれる。
故ダイアナ妃の祖先デボンシャー公爵夫人の生涯を映画化。「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「つぐない」のキーラ・ナイトレイが、公爵夫人の精一杯の人生を熱演。第81回アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したコスチュームが眼目。
主人公の美しさ、目を見張る衣裳に救われるが、閉塞感に押し潰されそうなジョージアナに感情移入して拝見すると、「うぐぐぐ」である。後出しじゃんけん的な胡散臭さはない。夫も愛人もイノセントで常識を体現しているにとどめた描き方が良心的だ。
20世紀のダイアナ妃も乗り越えられなかった貴族社会のくびきは、当然ながら重いが、容姿に恵まれ生命力溢れながら、世間から隔絶され実家にも頼れない孤立無援なスペンサー家の娘の宿命は充分伝わった。
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コメント
>ミチさま
でも、後に首相となったグレイさんと浮名を流せて、トータルに考えれば恋愛には恵まれられてよかったです。
確か彼、マンマ・ミーアのスカイ役の方ですよね。ちょっとくらっときます。
投稿: とみ | 2009年5月18日 (月) 23時46分
ああいう素晴らしいお家柄の方って、とにかく血筋を絶やさないことが第一使命なんでしょうね。
そうすると「跡継ぎ」「跡継ぎ」と言うのもわかる気がする。
ああいう男(公爵)になってしまうのも必然なのかな。
投稿: ミチ | 2009年5月18日 (月) 13時59分