チェンジリング
Changeling
監督:クリント・イーストウッド
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、エイミー・ライアン、コルム・フィオーレ、ジェフリー・ドノバン、マイケル・ケリー
おはなし
1928年、ロサンゼルス。ある日突然、電話交換手でシングルマザー・クリスティンの息子ウォルターが、姿を消す。5ヶ月後にイリノイ州で発見され、ロス市警が連れてきた少年はまったくの別人だった。ママと呼び掛ける少年。クリスティンの訴えを聞き入れないばかりか弾圧と監禁まで行使する警察。この間にも、私のウォルターはどこでどんなめに?決して諦めないと誓い闘うクリスティンに支援の手が差し伸べられるが、ロス中を震撼させる事件が発覚する。
実話という説得力、C・イーストウッド氏の揺るがない視座、闘う母をそのもののA・ジョリー氏の迫真の名演、信念と愛情体現する強さが感動的で圧倒する。
見ていて胃が痛くなり憤懣と怒りで息苦しくなるので映画館は空いているときがよい。警察の腐敗と無法の街が主筋かのように広告されているが、少年をねらった凶悪犯罪と立ち向かう母親たち、傷ついた少年たちという真の主題が切ない。絶望的な日々のなかでも生きるために仕事する姿が描かれているのも悲しみにリアリティーがありつらさが増す。
1920〜30年代のロスが舞台、市警の告発ものなので、電話交換職場、ラジオ、アカデミー賞、ファッション、映像としても見所一杯。
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コメント
>ミチさま
アカデミー賞作品は違いますね。クラッシュなんぞ8回は涙の発作でしたもの。LAコンフィデンシャルも良かったし。
ミリオネアはどんだけか楽しみです。
投稿: とみ | 2009年2月24日 (火) 12時56分
>みんみんさま
シングルマザーが職業と収入を得て文化的な生活を送っておられるのが意外ですが、シングルマザーゆえのあり得ない迫害には怒りましね。
館内総泣き、ウサギの目でした。
投稿: とみ | 2009年2月24日 (火) 12時49分
こんにちは♪
今月一番の期待作でした。
やっぱりイーストウッドは期待を裏切らないですね。
昨日のアカデミー賞を見ていて、どうしてこの作品があまり評価されていないのかなと不思議に思いました。
やっぱり良作が山のようにあるということなんでしょうね。
投稿: ミチ | 2009年2月24日 (火) 09時16分
とみさん♪
やっぱり、とみさんももうご覧になったんですね。
今の自由・人権を高らかに謳う米国での実話とは
思えないほどの内容に驚き、観ていると、
「これは、実際にあった話なんだ」
と言う事を忘れてしまいそうでした。
アンジーの表情がとてもよかったなあ、と思いました。
投稿: みんみん | 2009年2月23日 (月) 23時46分
>悠さま
薄紙をはがすように気持ちを立て直す主人公に感情移入してしまいます。待ち望んでいただけのことのある見応えでした。
骨太の主題、愛情と正義感に満ちたの副題、ディテールまで行き届いた映画でした。
投稿: とみ | 2009年2月22日 (日) 20時46分
A・ジョリーの抑えた演技がよかったですね。
母親のつよい信念に、刑事、市民の良心と響きあい、、不正、腐敗がただされてゆく、ってのもいいですね(もとから不正、腐敗がないのがいちばんですけど)。
1930年代のオールドファッション、赤い市電が走ル町並みもよかったです。
投稿: 悠 | 2009年2月22日 (日) 16時06分