フェイクシティ/ある男のルール
Street Kings
監督:デビッド・エアー
脚本:ジェームズ・エルロイ、カート・ウィマー、ジェイミー・モス
製作:ルーカス・フォスター、アレクサンドラ・ミルチャン
出演:キアヌ・リーブス、フォレスト・ウィテカー、ヒュー・ローリー、クリス・エバンス、セドリック・ジ・エンターテイナー、テリー・クルーズ、ナオミ・ハリス
おはなし
ロス市警のトム・ラズローは、ウオッカのミニボトルを欠かせないドランクン刑事だが、行動力とすご腕で手柄続きのうえ部長の信頼も厚い。かつての同僚ワシントンの悪評を聞いて尾行していたところ、コンビニで二人組の強盗に射殺されてしまった。現場にいたラズローは微妙な立場に立たされたばかりか、上層部から事件を追及しないように釘を刺された。札付きのラズローには内部監査組織の目もうっとおしい。事件の裏に潜む巨悪とは…。
ジェームズ・エルロイ(「L.A.コンフィデンシャル」、「ブラック・ダリア」)による原案・脚本をキアヌ・リーブス主演で映画化した犯罪ドラマ。監督は「トレーニング・デイ」の脚本家として知られるデビッド・エアー。
ラズローは犯罪者を粛清し市民を守るという自身のルールがある。正義のためなら手段を選ばない。銃は常に携帯し、ここというときには自身の判断でぶっ放す。過酷な事実であっても、真実だけが心を癒す。
ジェームズ・エルロイ独特の「それぞれの正義の衝突が血の儀式を求める。」という重く深い主題だ。単なるクライム・サスペンスに堕さない見応えのある男のドラマが存在し、純文学に近いものがある。
キアヌ・リーブスは端正で知的なマスクゆえ、感情がむき出しになりにくいというハンデをものともせず、きれまくり刑事を熱演。半端なロマンスも一切無しという潔さもワタクシ的好み。
さて、エルロイと聞き、1950年代かと誤解していたが現代ものだ。雑多な人種、相容れないそれぞれの正義、固定された格差、ねっとりとした生暖かい風、カーチェイス向きの広い道路、つぎはぎの路面舗装。理屈抜きのL.A.好きにはうれしい作品だ。
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コメント
>ミチさま
コメントありがとうございます。金沢はさぞ寒いことでしょう。日曜日の陽気がうそのようです。
これだけいい映画が目白押しだと忙しいです。地球が静止する日よりは評判良いようですが、LAコンフィデンシャルに比べると期待しすぎだったようです。
ホワイト・ジャズが制作中といううわさが浮かんでは消えていたのですが、この作品がキアヌ・リーブスという素敵な主演さんで実現してよかったです。
投稿: とみ | 2009年2月17日 (火) 21時43分
こんにちは~♪
寒桜の写真が綺麗です。
今日は京都も寒かったんでしょうね。
こちらも久しぶりに雪が降りました。
とみさまのエルロイ好き&LA好きには驚きました。
そういう視点で見るとなかなか面白いですね~。
キアヌが最後まで不良警官だったら良かったのになぁ。
どうしても隠し切れない良心が見えてしまいますね(笑)
投稿: ミチ | 2009年2月16日 (月) 21時09分