宝塚雪組公演「カラマーゾフの兄弟」
23日(火)マチネ、宝塚雪組公演ミュージカル「カラマーゾフの兄弟」を拝見。
作・演出/齋藤吉正
メインキャスト
ドミートリィ(ミーチャ)/水夏希,イワン(ワーニャ)/彩吹真央,アレクセイ(アリョーシャ)/沙王くらま,スメルジャコフ/彩那音,フョードル/未来優希,アグラフェーナ(グルーシェニカ)/白羽ゆり,カテリーナ(カーチャ)/大月さゆ
あらすじ
帝政ロシア末期・19世紀末のロシア。大地主のフョードル・カラマーゾフが殺害され,長男ドミートリィが殺人と窃盗の罪で起訴された。ドミートリィは一貫して無罪を主張するが,退役軍人で自堕落な生活を送って借金地獄にあり,グルーシェニカという女を取り合い父親と激しくいがみ合っていたことなどから,状況は極めて不利だった。
知的で無政府主義者の次男イワンは,兄を冷めた目で見ており,敬虔な聖職者の三男アレクセイは神の愛の下に無実を信じていた。さまざまな思惑が交錯するなか,判決が下る。
ロシアの文豪ドストエフスキーの最高傑作で、赦しと救いの人間愛の物語を,兄弟愛とラブロマンスに絞ってミュージカル化したもの。
粗暴で直情的,放埓で金銭感覚に疎く(これが祟った。),自分がワルと思っているから他人が自分を嵌めようとしていることに想像が及ばない。単細胞男ドミートリィを主人公に据え,現在の雪組の布陣にフィットした作品に仕上がっていた。
カラマーゾフ家の晩餐に3兄弟が集められ,ミーチャが遅れて登場する場面があるが,ジャジャジャーンという音楽ではなく,いきなり現れ「俺の女に手を出しやがって…」と親父と殴りあう。ワタクシ的には,水夏希さんが演じたお役のなかではベストと思われ,ほっとしたようなほこほこした気分になった。
主演娘役に下級生が売女,淫売と罵るのも必然があっていい。すみれコードすれすれの好色親父,美貌の男役に罪業と貧困と病苦を一身に背負った私生児役を当てるなど,齋藤センセ,ナイスだ。
どうしょうもなく難儀な登場人物のなかにあって,ほんの少しまともな次男イワンが一番演じるのが難しかったかと思われたが,シニカルで冷徹な変革者の側面を、幻影のダンサー五峰さんに充て,彩吹さんは兄弟愛に篤い青年を演じたのもよいように思われる。
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