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2008年12月31日 (水)

その土曜日、7時58分

その土曜日、7時58分 Before The Devil Knows You’re Dead
2007/アメリカ
監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー、マリサ・トメイ
あらすじ
ニューヨーク郊外。小さな宝石店に強盗が押し入る。気丈な店主は、強盗を射殺するが、彼女も銃創を負った。駐車場で待機していた共犯者のハンクはただ逃走した。
実は、ハンクは宝石店経営者夫婦の次男で、3日前、兄のアンディから、両親が経営する宝石店への強盗計画を持ちかけられたのだった。アンディとハンクは、それぞれの愚行から仕事も家庭も崩壊し、金に窮していた。二人は、強盗が失敗しただけでなく、母親が重傷を負ったことに愕然としパニックとなる。

『12人の怒れる男』、『狼たちの午後』など硬派な作品で知られる、名匠シドニー・ルメット監督の第45作。時間軸を何度も巻き戻し、登場人物の各視点で同じ場面を繰り返し、その度に事実が明らかになっていくという手法を使っている。
主題は、親子兄弟の確執と軌道修正のきかない人生の負のスパイラルだ。兄は子供の頃から弟と妹だけしか愛さない父を憎み、容姿の整った気弱な弟を憎んでいた。弟は何一つ自分で行動を決定できなく、犯罪を実行する胆力もない。これが結局、致命的な失敗を招く。
俳優さんが絶品。兄弟役のフィリップ・シーモア・ホフマン氏とイーサン・ホーク氏は勿論、厳格だったが悲哀に打ち砕かれる父、アルバート・フィニー氏が鬼気迫る上手さ。
タイトルは、「悪魔に死んだことを知られる前に(天国へ駆け込もう。)」というもの。悪魔が見逃すはずはなく、捕まって地獄に墜ちるに決まっているものを…。

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コメント

>ミチさま
いい映画が目白押しで、エントリが追い付きません。時間が足りないよー。
時制の混乱いいですね。裁判もの、HERO、バンテージポイント、クラッシュ、スラムドッグ$ミリオネア、みんな好きです。

投稿: とみ | 2009年4月29日 (水) 18時55分

こんにちは~♪
まあ、こんなに前にご覧になっておられたんですね。
こちらでも遠いシネコンでひっそりと公開されて、観客は私を入れて3人でした(汗)
なかなか面白かったです。
「バンテージポイント」もそうだったけれど、同じ事件を別視点で描くのが好みです。
時系列が前後するのも。
出世頭の兄アンディの父に対する思いとか弟を利用しようとするやり方とか、イヤ~な部分を演じるのがホフマンは本当に上手いですね。

投稿: ミチ | 2009年4月29日 (水) 12時58分

>みんみんさま
年末年始は、ラースが人気ですね。しかし、これ、いい映画です。キリスト教的に、妥協や許しが全く無いところがツボです。
なんぼなんでも悪いほうに転び過ぎと思いますが、実際の世間の事件はむしろこんなんだろうと思いました。親父さま、悲しかったです。

投稿: とみ | 2009年1月 1日 (木) 00時25分

とみさん♪
この監督の方、84歳ぐらいの方なんですよね。
とてもそんなお年とは思えない作品だなあと思いました。
この後味の悪さも、監督の狙い通りなんでしょうか。

投稿: みんみん | 2008年12月31日 (水) 20時50分

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映画館にて「その土曜日、7時58分」 巨匠シドニー・ルメット監督によるサスペンス・ドラマ。 おはなし:ニューヨークの会計士アンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、離れて暮らす娘の養育費もまともに払えない弟ハンク(イーサン・ホーク)を誘い、実の両親が営む宝石店へ強盗に入ることを計画するが・・・。 会社の金を横領して、しかも麻薬漬けの兄。 娘の養育費も払えず「負け犬」呼ばわりされている弟。 お金に切羽詰まった時、人は何をしでかすかわかりませんね。 なんと両親が営む小さな宝石店を襲おうという... [続きを読む]

受信: 2009年4月29日 (水) 12時54分

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