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2008年11月29日 (土)

神戸新聞創刊110周年記念文楽特別講演 人間国宝4人そろい踏み

Photo_211月27日(木)、豪華公演を拝聴に神戸に出かけた。ホールは、神戸市ハーバーランド内神戸新聞社屋松方ホール。室内楽に最適なシューボックススタイプのコンサートホール。美しい港の夜景もホワイエから望める。
素浄瑠璃に人形が花を添える上演形態かと勘違いしていたが、ベストのフルキャストに大道具付きの本格的な公演だ。(^◇^)

一 解説 竹本文字栄大夫
 住大夫師匠の咳が聴きどころと、一般人が思わぬ楽しいツボをご紹介いただいた。

二 艶容女舞衣 酒屋の段
切 竹本住大夫、野澤錦糸
  親宗岸 吉田和生
  嫁お園 吉田文雀
  半兵衛女房 吉田簑二郎
  舅半兵衛 吉田玉也
  娘お通 桐竹勘次郎
  茜屋半七 吉田一輔
  美濃屋三勝 吉田勘弥

浄瑠璃といえば、今頃半七っつあんはどこでどうしてござろうぞと、昔は口をついて出る超人気曲。
酒屋茜屋の跡取り息子半七は、女芸人三勝と子まで生した深い仲。親は良い嫁をもらったから立ち直って欲しいと願うが、嫁お園には添い伏しもしない。そのうえ、三勝をめぐる諍いから人殺しの罪を犯し、逃れられないものと心中を決意していた。
一度は里に帰ったお園だったが、父に付き添ってもらって婚家に戻り、舅、姑と和解しようとしていた。

住大夫師匠の情の語りに、健気なお園・文雀師匠の最高の組み合わせ。お園ちゃん、老いた舅と姑を支え、生さぬ仲の幼女お通ちゃんの母となり、茜屋を切り盛りしながら、実の親まで面倒を見るというスーパー嫁女としての息詰まる求心力。女優さんなら宮崎あおいさん、女形さんなら片岡孝太郎丈。
住大夫さんは親宗岸さんの義理と情愛との板挟みになりながら、老いも手伝い、感情がぐちゃぐちゃになるところが好きだぁ~。 

2006032888_4三 壇浦兜軍記 阿古屋琴責の段
  遊君阿古屋 豊竹呂勢大夫 吉田簑助
  秩父庄司重忠  竹本千歳大夫 桐竹勘十郎
  岩永左衛門 竹本文字久大夫 吉田幸助
  棒沢六郎 豊竹咲甫大夫 吉田簑一郎
  水奴 吉田文哉、桐竹紋秀
  鶴澤清治、ツレ 鶴澤清二郎、三曲 鶴澤清志郎

平家の残党・悪七兵衛景清の行方を探索する鎌倉方の代官・秩父庄司重忠の屋敷に、景清と深く言い交わした五条坂の遊君阿古屋が引っ立てられてきた。知らぬものは知らぬと言い切る阿古屋に、重忠は、琴、三味線、胡弓で三曲を演奏するよう命じる。

人形無しでも駆けつけたであろう清治師匠の阿古屋!簑助師匠のわけわからへん程美しい阿古屋付きという贅沢。玉三郎丈にしか見えない。
大夫4人、ツレ、三曲を従えた6頭立ての豪華な馬車を駆る御者のような清治師匠。ハッという掛け声が掛かると床が疾走し、客を源平の世界に誘ってくださる。一緒に走ったようで、終演後は肩で息、ぜーぜー(*゚ー゚*)
阿古屋を語った呂勢さん、さぞ緊張なさったことだろう。

写真は、前祝いに立ち寄っておいた六波羅蜜寺阿古屋塚。

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