ブラックコメディ in 京都劇場
23日(日)昼の部を拝見。
作:ピーター・シェーファー、訳:倉橋健
演出:浅利慶太、照明:沢田祐二
キャスト
ブリンズリー・ミラー/荒川務、キャロル・メルケット/濱田めぐみ
ミス・ファーニヴァル/はにべあゆみ、メルケット大佐/志村要
ハロルド・ゴリンジ/栗原英雄、シュパンツィッヒ/川口啓史(劇団俳優座)
クレア/八重沢真美、ゲオルク・バンベルガー/高橋征郎(劇団民藝)
あらすじ
売れない彫刻家ブリンの家に、今夜は、2人の大切な客・婚約者キャロルの父メルケット大佐と大富豪の美術コレクターのバンベルガー来る予定だ。ブリンとキャロルは、旅行中の隣人ハロルドの部屋から高価な家具調度を勝手に借り、父や富豪の心証を良くしようとしていた。しかし、アパートが停電し、部屋は暗闇に…。
いるはずのない人、いてはいけない人が闇の中に集まってしまったから話はややこしい。
戯曲はスルース(探偵)のアンソニー・シェーファー氏の双子の兄弟ピーター・シェーファー氏。照明は、停電時に明るくなり、ろうそくやライター、懐中電灯で明るくなったときに暗くなるという粋な計らいだ。クレージーフォーユーのキャストが揃い踏みした「暗闇」。
つっころばしも下衆野郎も、姫も女郎も朗々と上品に語ると批判の四季のストレートプレイだが、耳慣れた者には心地よい。ドタバタのシチュエーションコメディなので、暗闇のなかのおっとっとが見所。
いつでも全力投球、大真面目におかしい主演の荒川さんが素でいけるのが、キャスティングとして大成功。摩訶不思議なゲイ風キャラの栗原さんは、芸域の広さを示す怪演。大佐の声のでかさ、愛人クレアのやりたい放題、キリスト教国ならではの電気修理工の大台詞と台詞で笑わせる。
難点は劇場が広すぎることだけか。
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コメント
>hitomiさま
こちらにもコメントありがとうございます。
荒川さん、軽妙でよかったですよ。レイアティーズ、ハンス、ワイラー、ボビー、何でもできはります。リフはきつそうでした。
石丸さんは壁抜け、ユリディス、ラ・ソバージュが好きでした。
投稿: とみ | 2008年11月30日 (日) 20時08分
この舞台、石丸さんで見ました。
投稿: hitomi | 2008年11月29日 (土) 23時12分
>悠さま
同じ顔や思ったら双子のご兄弟。シュールなコメディみたいです。
こんなに面白いのに観客の笑いが少ないのは、役者を見ているだけでも喜べる笑いのスターさん不在なためで、コメディは作品主義が通用しないということでしょう。
リフが、エルファバが、オズが、ターニャがと笑えましたが、邪道です。
投稿: とみ | 2008年11月25日 (火) 00時09分
ミラーにとって希望の日に、これでもか、これでもかと襲いかかる悪夢、おもしろかったです。
ミラーが運ぶ椅子の足が、大佐らの顔を素通りしてゆくとか、乾杯のお酒を、ファーニヴァルが取り替えるとか、暗闇ならではのおもしろさでした。
作者はスルースの作者のご兄弟の方ではなかったでしたっけ?
投稿: 悠 | 2008年11月24日 (月) 15時27分