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2008年8月23日 (土)

SISTERS・23日(土)ソワレ

SISTERS23日(土)ソワレ
長塚圭史さんの家族の闇を手懸ける連作の最新作。松たか子、鈴木杏、田中哲司、中村まこと、梅沢昌代、吉田鋼太郎の最強の布陣で臨む重くホラーに近い愛憎の結末は?
松さん演じる主人公「馨」の痛々しく傷つきながら、必死に何かを為そうとする様相は、女性なら共感できる。全編の地色となる黒、差し色の曼珠沙華の赤、怪鳥のような百舌鳥の鳴き声,死臭とも石鹸とも言える匂い,意表を付いた水使いで衣服を濡らす不快感。演出は五感にざらっとくる。馨,美鳥,操子,信助,礼二,名前も凝っていて象徴的だ。
不条理劇では断じてないが,純文学のコンセプトが鬼才に舞台化されたようなぐったり感がある。純文学を読まなくなってきているので,演劇は確かに要る。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

>ムンパリさま
馨は信助に救われたと考えるのが穏当&多数派で,もちろんワタクシもその一人です。支配者が父から夫に変わっただけと考えるのはまともではありません。
しかし,父娘はどうでしょう。二人の愛が人倫を超越した至高のもので馨を圧倒したか,馨が追いつめて自滅させたか悩ましいです。前述のとおり,ワタクシは後者で馨の勝ち派なのですが,美鳥を救えなかったのが痛ましいです。
凄い作家さんであられますね~。

投稿: とみ | 2008年8月29日 (金) 09時04分

とみさま。
私はラストの台詞を救いと信じ、長塚圭史という人がさらに好きになったのですが、こちらのコメントを読ませて頂き、ヒョエー、そういう解釈もありかと目からウロコです。
肌触りのわるい演出は貴重な宝物。演劇でしか味わえない贅沢な時間を味わったように思います。

投稿: ムンパリ | 2008年8月28日 (木) 12時47分

>麗さま
終幕を救いと見るか,様相の変わった支配下に置かれるだけに過ぎないとみるか,解釈は分かれるところです。
罪の子の聖性を高らかに歌い上げていませんので,父娘は,ただ滅び去っただけとワタクシは読みました。
生死を選び取る,運命の出会いなど偉そうに豪語していたのに…。
ペリクリーズの序にもこのような父娘の謎かけが登場しましたね。

投稿: とみ | 2008年8月27日 (水) 01時06分

かなり重たいテーマの内容に、息をするのも躊躇してしまうほど、
緊張して観てしまいました。(笑)

>全編の地色となる黒、差し色の曼珠沙華の赤
色の使い方は本当に素敵でしたねぇ。
洗面所に干された沢山の真っ白なシャツ。
そして床に溜まった透明の水。
目から入ってくる様々な色がとても印象に残りました。

今まで長塚氏の舞台は苦手だと思ってましたが、
この作品でちょっと見直したかも!?(笑)
留学後の新作が楽しみになりました。

投稿: 麗 | 2008年8月27日 (水) 00時08分

>スキップさま
舞台の醍醐味を堪能しました。演出は満足*2.0、脚本は満足*1.2の感動でした。ストーリーは、竜頭蛇尾の印象は払拭出来ませんが、愛を貫いた二人に完敗するより、結末に救いはあったと思います。
松さんの舞台は遠征してでも見ないといけませんね。

投稿: とみ | 2008年8月25日 (月) 20時17分

とみさま
こんなに聞き耳立てて台詞を聴いたのは
久しぶりのことでした。

>演出は五感にざらっとくる
ほんとうにそうでしたね。
ざらっときて、そして不快。
でも忘れられない作品。
私の中で長塚圭史さんのポジションが
明らかに変わった舞台となりました。

投稿: スキップ | 2008年8月25日 (月) 00時50分

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